
第36期順位戦A級 第2節
第2節観戦記:伊澤 興(マージャン101東京支部)
平井編集長からまさかのA級戦の観戦記を依頼された時には、「前回の八翔位戦決定戦観戦記」が良かったん?と一瞬鼻が伸びたがそんな訳は全然なく(当たり前!)、ただ単にいろいろアポをとって他に人がいなっただけ。それでもめげずにわかり易く前回同様に卓内の臨場感が伝わるよう熱筆させていただきます。
では恒例になりました(笑)私感によるプロフィール(とちょっと要望)。
【愛澤名翔位】
私が一番印象に残っているのは、昔八翔位戦や順位戦などが終了すると、交通費などの精算をするため会計業務作業が発生しておりました。当時愛澤選手は会計担当をしていたので、八翔位戦で敗退しても、A級で惜敗して疲弊していても愚痴ひとつ言わず黙々と部屋の片隅の机で業務を遂行しており、初めてその後景を見た時はなんてこの人は連盟に対して思い入れが強い人なんだろうと感じました。
【平井選手】
101競技連盟のヒール担当(失礼!本当はビール担当です)。現在唯一の外部発信ができる101マガジンの編集長。ここを見てる人達は何人ぐらいいるのだろうか? 他のマージャン競技団体のHPと比べると閲覧件数は格段に低いだろうが、きっちり信念を持ってやってくれている。綺麗なお姉ちゃんやイケメン選手が存在しない101競技連盟。しかしこの競技の良さをわかってくれている人は大勢いる。この灯を消さないよう、頑張って頂きたい。
【成岡選手】
八翔位戦でも書いたがミスター101。彼が立会人の時のツィートはちょいちょい感想述べてくれてるので非常に面白い。私と同じトラキチ。もっとメジャーに露出して欲しいし、101競技連盟以外のタイトルも獲得してほしい。
【小川八翔位】
八翔位戦はもちろんのこと、順位戦においても近年は抜群の安定感を残している。
しかし何度も言うが、愚直な男である。さらにちょっと偏屈。この情報化時代において携帯電話が無い生活は考えられるだろうか?今まで何百人の人に「携帯持って」と進められても彼はそれを拒否し続ける男である。
【高島選手】
あまり接点はないが、101マガジンon the Webの更新を担当している。技術を伴う作業なので誰でもできる仕事ではないが、順位戦の成績やマガジンの記事のアップ作業もすぐ更新してくれている。
裏方作業だが費やしている時間は相当なものだと思う。さらに大阪支部も管理している。
今年関西から坂井さんが選手登録したが、今後も大阪支部から順位戦選手を輩出できるよう盛り上げていただきたい。
【西尾選手】
風貌は私の隣町の兵庫県尼崎の非公認キャラクタ「ちっちゃいおっさん」(失礼しましたm(__)m)
西尾選手は運営の山田選手を除いては、順位戦選手の中では一番東京支部に足を運んでる。
さらに見習いたいのは対局態度。順位選手は結構対局中に「あー」とか「う〜」や発声練習したり、髪の毛くしゃくしゃ掻き毟ったり、突然笑ったり結構アクションする人がいるが西尾選手はそんな所は一切しない選手。画像は本人。
【堀川選手】
無口でとても礼儀正しい人。私の印象はA級まで11年要した苦労人。しかし初のA級に昇級した年にいきなり名翔位を獲得!あの頃は一気に堀川時代がやってきたと関西では騒いでおりました。今年も昇級→名翔位のパターンに入ってるのか!?
【山田選手】
毎週連盟の屋台骨である101東京支部の世話人をし、会員に対して親切丁寧に指導しさらには盛り上げようとマガジンにも観戦記を掲載してくれている。
常時3卓たつ盛況ぶりを見せているのは彼の手腕の賜物。
まだまだ個々に対して全然書き足りないが、そろそろ観戦記書かなアカンよね(笑)
ここからは敬称略でやらせていただきます。
なお観戦(牌譜していない卓)していない局もツィートでしっかり卓の動きは書かれているので、見られて無い方のために引用して書いていきます(1日目は安田選手 2日目は山内選手のツィートを引用)。
◆◆◆ 9回戦A卓 ◆◆◆
西尾0・成岡△2・愛澤3昇・小川2昇
東1局(ドラ















愛澤6巡目、


























小川は15巡目



東2局(ドラ






























愛澤も、















12巡目の成岡、



















両面に振りかわり17巡目ツモ

私のノートには「ツエー!この手順はまさに鉄人」後に成岡も「自画自賛の屈伸打法」と述べておりました。
あんた師匠ちがうやん。
気をよくした東2局その2【牌譜2】、成岡が乗っている。12枚取って
















頭がない形なので当然の打

しかしたいして手は進まず5巡目の時点で、









































































次巡




しかし何てことだ!小川手詰まり状態で

成岡も普段より2オクターブぐらい高い声で「ロン18000」
東2局までで結構書いたがこの9回戦A卓は実質これで終戦。南4局3着目と191差の親の小川がタンピンドラドラをリーチするが実らず
◆◆◆ 9回戦B卓 ◆◆◆
山田△2・堀川2昇・平井△1・高島△2

東2局その2、平井が堀川から

東3局ドラ



















南1局 堀川ドラドラチートイツを高島から。
南2局 山田が

南3局 トップ目平井が7巡目リーチ。2巡後に引きアガったのはサンショク含みのリャンメン待ちの安めのほうで10オール。平井50→堀川32→山田74→高島。
南3局その2、ここで事件が発生。私も少し大きな声の高島の「ロン8000」の声が聞こえて見ていたのだが支払ってるのがなんと平井。堀川26→高島04→山田02→平井で南4局。うーんこっちの方が面白かったか!
南4局 オヤ高島がメンゼンツモの6オール。堀川02→高島28→山田02→平井。
南4局その2。山田がこんな20・40を引いて逆転トップ。どうしたんだ平井!

















◆◆◆ 10回戦A卓 ◆◆◆
山田△1・平井△2・愛澤3昇・成岡△1
東3局、平井が、



















東4局、成岡がピンフ18を山田から。平井76→愛澤07→成岡22→山田
東4局その2、成岡が


















東4局その3、成岡タンヤオドラ1の42を山田から。成岡トップ目に。成岡07→平井76→愛澤71→山田。
東4局その4、平井に1フーロのヒト役トイトイテンパイが入るも流局。
南1局 平井が山田からピンフ12をアガり再びトップ目に立つも、次局山田にイーペイコードラ2の52を放銃、更に南3局には荘家愛澤のヒト役トイトイ78に刺さってラス目まで。成岡05→愛澤109→山田11→平井。
南3局その2流局。南4局へ。
南4局、タンヤオで食い仕掛ける愛澤、タンピンリャンシャンテンがどうにも変化しない平井。2フーロ愛澤に打ちにくい牌を引いた平井、成績ボードをしばし眺め、オリた。流局。またまたやってしまった平井!
◆◆◆ 10回戦B卓 ◆◆◆
堀川2昇・高島△2・小川1昇・西尾0


































東2局【牌譜3】、3巡目に堀川が、
















東3局【牌譜4】、テンパイ1番乗りは西尾7巡目。






























同巡高島



同巡トップ目高島はダブ

15巡目西尾


東4局は西尾→堀川16、南1局は堀川→西尾28。
南3局【牌譜5】、本日まだアガリが無い小川の最後の親番。
































そして次巡、案の定の

小川の出した結論は打


さすがにアカンやろと思った矢先まさかの

愚直な男の大鉈がついにあたった!
南3局その2(ドラ

4巡目にタンピンテンパイ。リーチしてツモってもまだ02足らずなのでヤミテン選択。7巡目にツモって7・14で38差に縮めるが、結果論で無くリーチしてほしかった。
南4局、ラス目の南家堀川。ラス抜けには28以上の出アガリか4・8以上のツモが必要(西尾が親)。5巡目に、
















と思ってた次順西尾がリャンシャンテンからあっさり

◆◆◆ 11回戦A卓 ◆◆◆
高島△2・小川2昇・愛澤3昇・平井△3



















東2局、愛澤→小川30。東2局その2、ラス目の愛澤の

東3局、愛澤親番でダブ

東4局(ドラ

南1局【牌譜6】、平井にとってはこれまで2回東場をトップ目で折り返し南場でまさかのラスまで落ちている。
今度こそは思った矢先・・・小川に16の放銃。
牌姿は、














南2局【牌譜7】、腹をくくった平井が真っ直ぐテンパイ目指し7巡目テンパイ。
































南3局【牌譜8】、愛澤3巡目下記から役ありを目指して打

















平井も5巡目、













愛澤、神手順なら平井のドラを捕まえることができただけに万事休すか
南4局【牌譜9】、高島の飛び込みで条件無くアガレればよくなった愛澤。8巡目に役なしテンパイ。




















小川12巡目、愛澤のアタリ牌
















平井は余計な鳴きをしたため2着目小川にツモ番を1回多くまわすどころか、テンパイも入れさせさらにはリーチ後愛澤のアタリ牌を

愛澤のツモ番も無くなりジエンドかと思われたハイテイで小川が


◆◆◆ 11回戦B卓 ◆◆◆
堀川2昇・西尾△1・山田△1・成岡0


東2局流局のあと、東3局に成岡ピンフドラ1ツモの7・14。更に迎えたオヤ番でサンショクドラ1の78を西尾から。その2は流れて成岡91→西尾29→山田13→堀川で南場へ。
南1局は流局、南2局山田のメンゼンツモ3・6。成岡94→西尾11→山田28→堀川。
南3局、堀川がリーチツモ7・14でラス目から脱出するも、ラス目になった山田がタンヤオドラ2を堀川からアガってラス抜け。成岡3連勝。
◆◆◆ 12回戦A卓 ◆◆◆
高島△3・山田△1・平井△2・小川2昇
東2局、親の山田。10巡目ここから








































鳴かした山田は


小川が安めで放銃し、24。
東2局その2、南家・平井の配牌。















しかし有効牌は出ず10巡目までに





その後3枚目のドラまで切ってもはやリーチ状態。ここに高島が飛び込み120。山田はしっかりケアしている。
今日の高島は、
・9回戦南4局山田にトップ捲くられ
・10回戦南3局瀕死の小川に60オールでトップ捲くられ、
・11回戦南4局愛澤に無いはずの小川のホーテイ打でラスを押し付けられ、
と不運な一面もあったがそれでも集中力が切れたらアカン。
私の怒りが届いたのか、意地で南場1局の親で6オール・14オールと粘り一瞬微差で小川を逆転するが、すぐさま小川が再逆転に成功。
残り3局テンパイする力すら残ってない高島。
◆◆◆ 12回戦B卓 ◆◆◆
西尾△1・愛澤3昇・成岡1昇・堀川1昇
南1局、愛澤が仕掛けて高め80のテンパイが入るも流局。
南2局、愛澤のサンショク含みテンパイをかわして成岡がピンフツモ4・8。西尾14→成岡26→堀川50→愛澤。南3局は、流局。
南4局、点差14を追って門風





















◆◆◆ 13回戦A卓 ◆◆◆
西尾0・成岡0・平井△1・高島△4
なかなか見られない成岡のオリ打ち、4枚目の


東2局、平井→西尾16。
東3局【牌譜11】、西尾5巡目ポンテン。この時点で成岡牌姿。
















南1局【牌譜12】、全体牌譜を見てほしい。これやっぱり高島の前巡の

それを仕向けたのは勿論成岡。カンツの

さっきの

南2局、成岡配牌ドラアンコを必死のパッチで2つ仕掛けてアガりに向かうが流局。
南3局、西尾配牌。





























南4局、さあ上が詰まって面白くなってきた。高島は昨日の悪夢があるから戦々恐々。しかし、西尾・成岡目いっぱい行くがイーシャンテンまで。
◆◆◆ 13回戦B卓 ◆◆◆
山田△1・愛澤3昇・小川2昇・堀川1昇
南3局その2、3着目の愛澤まで72差の山田がフリテンリーチをひきアガり、何とか22差まで詰めて南4局へ。
南4局、終盤14巡目にようやくテンパイを入れた山田がリーチ。出アガリ28でもラス抜けで、ここに小川がしっかりとロン牌を抜いて愛澤にラスを押し付け、その愛澤をかわして首位に立った。愛澤、今回は「他力でのラス」といったところ。
◆◆◆ 14回戦A卓 ◆◆◆
堀川1昇・平井△2・愛澤2昇・高島△3
執念場の14回戦東1局【牌譜13】、愛澤も堀川の気配は感じ取っている。故に


東1局その2 親堀川積極的に6巡目に仕掛けて8巡目にツモアガって6オールの加点。
東1局その3【牌譜14】、













東2局、堀川が決めにきた。6巡目、





















東3局、親の愛澤メンツモの8オール。
東4局、愛澤→平井16でラスなし状態が崩れる。
南1局、平井が加速する。ピンフドラ1をツモって7・14。
南3局【牌譜15】、後の飲み会の席で開口一番愛澤が後悔した局。
分岐点は、7巡目。


















しかたなしに




4枚持ちの



結果論だが60オールをツモッていただけに後悔の1局。
南4局、ツモ番4回残し高島執念で四暗刻テンパイするが奇跡は起きず。
◆◆◆ 14回戦B卓 ◆◆◆
小川3昇・成岡0・西尾0・山田△1
西尾に28を献上した成岡がリーチ不発後の南3局にまたも西尾に52。















◆◆◆ 15回戦A卓 ◆◆◆
堀川2昇・高島△4・西尾1昇・平井△1
南4局その2、今日はことごとくこの手の期待が外れる日なのかもしれない。堀川にも、さっき放銃した高島にも与えられたチャンスかと思われた南4局その2は、両者ともテンパイさえ入れられずにジ・エンド。高島はこれで△5、いよいよ危険水域に突入といわざるを得ないスコアである。
◆◆◆ 15回戦B卓 ◆◆◆
成岡△1・愛澤2昇・小川3昇・山田△1
3連勝スタートで星もプラスになった成岡も2つ落としマイナス組。名翔位の愛澤はさすがに安定しているがまだトップはなし。小川は最悪スタートがいつのまにか首位に 山田は2節は唯一まだラスなしで辛抱強く打っている。借金返済まであと1。
東1局【牌譜16】、中盤愛澤・小川がサンショクのイーシャンテンに。小川初牌の

先にテンパイしたのは愛澤。成岡の現物の

その


東3局(ドラ

東3局その2、小川10巡目テンパイ。



















さらに次局も成岡から42の加点で5万点オーバー。その後、王様小川は愛澤にラスを押し付けようと画策するがこのまま。
◆◆◆ 16回戦A卓 ◆◆◆
平井△1・山田△1・成岡△2・堀川2昇
南4局(成岡10→平井14→堀川22→山田)。本日では一番拮抗した最終局か。が、序盤から四家とも手が重く、溜息と唸り声が交錯する。結局テンパイにこぎつけたのはラス目の山田だけ。最終ツモを残して決死のリーチも、すでにロン牌はヤマにはなくそのまま。
◆◆◆ 16回戦B卓 ◆◆◆
小川4昇・愛澤2昇・高島△5・西尾1昇
東2局【牌譜17】、9巡目の時点で4人の捨て牌で字牌は西尾が切った1枚のみ。皆縦形の役が本線か。唯一ドラを持ってない小川に軍配 またまた大鉈炸裂20・40。
東3局(小川+8.0 愛澤・高島△2.0 西尾△4.0)、西尾がアンカンしてのタンヤオツモアガリでラス抜けに成功(8・16)。
東4局(ドラ



南3局【牌譜18】、高島6巡目。
















南4局【牌譜19】、小川8巡目チーテン。愛澤・西尾は完全撤退。この鳴きで高島にテンパイが入ってまさに小川の思惑通り。小川は64までなら高島に打てるが真っ直ぐいくのか?
終盤

「愚直な男は記者泣かせ」と最後ノート記して終了。
全35回中これで16回が終了し、スコアボードを眺めるとやはり小川の5昇が際立つ。まだ半分以上残っているとはいえ、これ以上走らせてはいけない。誰が止めるのか?
小川のトップだけはなんとしても阻止しなければいけないと全員の意識の中にあるのか?
そりゃ選手は自分の成績が一番大事だろうけど、ファンからしたらそんな事はどーでもよく、最後まで胃がキリキリするようなスリリングなレース展開を望みたい。
PS:文中色々と失礼な事を書いた部分もありますが全て愛するが故とお見逃しください。
第2節自戦記
ただいま、作成中です。
第36期順位戦A級 第2節 星取表 (7月11・12日/東京)
選手名
|
開始前
|
9回戦
|
10回戦
|
11回戦
|
12回戦
|
13回戦
|
14回戦
|
15回戦
|
16回戦
|
終了時
|
順位
|
愛澤 圭次
|
3昇
|
A −
|
A −
|
A −
|
B −
|
B ●
|
A −
|
B −
|
B −
|
2昇
|
2
|
平井 淳
|
△1
|
B ●
|
A ●
|
A ◎
|
A ◎
|
A ●
|
A −
|
A ◎
|
A −
|
△1
|
5
|
成岡 明彦
|
△2
|
A ◎
|
A ◎
|
B ◎
|
B ●
|
A −
|
B ●
|
B ●
|
A ◎
|
△1
|
6
|
小川 隆
|
2昇
|
A ●
|
B ◎
|
A −
|
A −
|
B ◎
|
B −
|
B ◎
|
B ◎
|
5昇
|
1
|
高島 努
|
△2
|
B −
|
B −
|
A ●
|
A ●
|
A ◎
|
A ●
|
A ●
|
B ●
|
△6
|
8
|
西尾 剛
|
±0
|
A −
|
B ●
|
B −
|
B ◎
|
A −
|
B ◎
|
A −
|
B −
|
1昇
|
4
|
堀川 隆司
|
2昇
|
B −
|
B −
|
B ●
|
B −
|
B −
|
A ◎
|
A −
|
A −
|
2昇
|
3
|
山田 史佳
|
△2
|
B ◎
|
A −
|
B −
|
A −
|
B −
|
B −
|
B −
|
A ●
|
△2
|
7
|