第32期八翔位戦 卓別リポート

  1次予選2次予選準決勝出場選手システム

準決勝:6戦制/各卓2昇以上の単独首位者勝ち上がり


A卓:大貝、初の優出へ
A卓
4 5 6
終了
大貝 博美 B級 2昇
伊澤  興 東京 △1
石川 由人 東京 1昇
田村  洸 大阪 △2

 幸先よくスタートしたのは石川であった。1回戦東2局に田村からタンピンイーペイコードラ1をアガるとオヤ番の東3局に14オールを続けてアガる。万全に思われたがオーラスのオヤ伊澤のメンホンドラ1に捕まり緒戦を取り逃がしてしまった。

 しかし2回戦に入っても手が落ちず28(←大貝)、80(←田村)、10・20とアガリを重ね今度は1昇を確保した。ここまでの展開では田村の不調が気になるところである。

 その田村に3回戦冒頭にテンパイが入るが、

リーチと出るわけにもいかず、これをツモアガる。が次局には手詰まりから石川に28を献上してしまう。今日はどうにもならない感じである。一方ラス目を即で抜けた石川は、南1局のオヤ番でドラマチのチートイツを力強く引きアガった。流局を挟んだ南2局には、
のテンパイを入れ一人旅かと思われたが、2半荘息を潜めていた大貝から石川の打牌に声が掛かった。
 これで、石川58、大貝47、伊澤▲45、田村▲60。南4局をこのままの点棒で迎えると、夢をもう一度と伊澤が攻め始める。最初に捕まったのが、石川で18。これでトップ目が変わった。その2でも伊澤が10オールを引き卓上3か所に点棒が置かれた。トップは何処にとみていると、リーチの声は絶不調の田村。が1枚が3枚切られる中、2度受けのを抱え苦し中でを引き入れてのリーチ。では感触が悪いがこれならと思ったのか2巡後を引き寄せた。南4局でトップもラスも変わってしまった。

 4回戦は渋い展開となった。東1局に大貝が伊澤からピンフ12を捉えると、東2局にもピンフドラ1のテンパイを入れた。を鳴いていた田村が2つ目を鳴いても大貝はツモ切るが、これはストライクで20。東3局に伊澤が6オール、南2局に田村が大貝から12で南4局を迎えた(田村26、伊澤06、石川(オヤ)▲6、大貝▲26)。
 ラスめ・大貝が4巡目に動いた。
 ここからでチーして打とし、直ぐにを引き入れテンパイ。1枚も余らせなければ早いだけに出アガリも期待できる。が7巡目にを引いてツモ切り。さすがに全員オリかと見ていると、伊澤がをツモ切った。
のテンパイが既に入っていたのである。
 ラス目からトップになり決着権を得た大貝。手が入りながらも成績に繋がらない石川、トップスターとながら▲マークの伊澤、どうにも手にならない田村。皆がそれぞれ苦しいマージャンを打っている。

【5回戦 伊澤△1・大貝2昇・田村△2・石川1昇】
 東1局、オヤの早々の仕掛けに対し、大貝が12巡目に意を決し、ドラのを放って押し返すが、流局に。
 東2局(ドラ)、大貝が先にテンパイを入れるも、田村が追いつき、最終手番でピンフドラ2をツモアガり、狙い通りに大貝をラス目に陥れる。

 東3局その1、8巡目に大貝がリーチ。
それを田村がアガってつぶす。
 南2局(ドラ)、ここまで3着目で静かに伏していた石川が終盤に口を開く。ドラマチのチートイツをツモアガって、20・40とラス目を引き離す。

 南4局(田村100→石川45→伊澤98→大貝)、ここまで完全に封じ込まれていた大貝が12巡目に反撃のリーチ。
4巡後にはをツモアガって、20・40。昨日の4回戦に続き、大きなラス抜けで2昇を堅持した。

【6回戦 大貝2昇・石川1昇・田村△1・伊澤△2】
 決着条件は、大貝がラスを引かずになおかつ石川にトップがないこと。あるいは、石川が大貝とのトップ・ラスを決めることができれば逆転で勝ち上がりという状況。

 東1局その1、8巡目に伊澤がリーチ。
ラス抜けの余韻冷めやらない大貝が怯むことなく、勝負に挑み、
直に をツモアガって26オールと先制する。その2、伊澤がドラ1リーチをツモアガって10・20。

 東4局(ドラ)、石川のドラポンを含む3フーロに場が加熱するが、残り巡目が少なくては田村も伊澤も差し込みも出来ず、流局。

 南1局(ドラ)、11巡目に伊澤がツモアガリで20・40。
隙を見せない大貝から直撃しての点棒奪取は極めて難しく、地道に点棒を削る。

 南2局その1(ドラ)、オヤの石川が動く。をポン、さらに加カン。それに呼応したトップ目の伊澤がノーテンリーチで援護。その後に石川がツモアガって8オール。

 南2局その2(ドラ)、東1局のアガリ以来、磐石の防御態勢で局を進めてきた大貝がファンパイを叩き、速攻で12をアガる。

 南3局(ドラ)、点差は伊澤34→大貝66→石川30→田村。一向に有効ハイを引けないオヤの田村が石川をトップに引き上げるべく、16巡めにノーテンリーチ。その目的に賛同した伊澤もタンヤオサンショクで大貝直撃専用リーチだが、大貝が手詰まるはずはなく流局。そして続く南4局も誰1人もテンパイを入れることが出来ず流局した。

 1次予選からラスを一度も引くことなく、辛抱を貫いて戦った大貝が連盟入り15年目にして初めての決定戦進出を勝ち取った。


B卓:アグレッシブに勝ち取った3度目の決定戦
B卓
6
終了
高島  努 A級 △1
堀川 隆司 A級 3昇
藤森 弘希 B級 △1
須藤  浩 推薦 ±0

 堀川がアグレッシブである。順位戦とは姿勢が違うのである。1回戦東1局に高島からチートイツドラ2を仕留める好スタートを切ったのだが、普段ならこれで穴熊に入るのだが、前に出て藤森に30(ピンフドラ1)、須藤に24(チートイツ)と献上し、ラス目の高島に20・40を引かれラス目まで僅差の3着目に落ちてしまう。(南4局開始時藤森22、高島16、堀川▲10、須藤▲28)その南4局10巡目にラス目須藤のオヤリーチを受けるとカンチャン役なしテンパイから無筋を一発で切り御用(24)となってしまうのである。何を引かれても高島までの26差を差せばよいのだろうから見(ケン)でいいところであろう。が、アグレッシブらしくその2でトップが望めるテンパイを入れリーチとした。

 これに対しラス抜けをしたばかりの須藤が長考を入れ現物を切った。その降りていると思った須藤からがツモ切られ堀川は僥倖なラス抜けとなった。須藤に役なしリャンメンドラ2のテンパイが入っていたのだ。長考はリーチの判断であったようである。
(◎藤森/●須藤)

 2回戦でも堀川はアグレッシブにドラで高島にチートイツに放銃しラス目に落ちる。それでも南3局のオヤ番でピンフドラ2のテンパイを入れラス目脱出を目論見、3人が降りたとみるとリーチを掛け一発で引きあがった。これで高島・須藤32、堀川28、藤森▲92。その2を流局で迎えたオーラス、2人トップを嫌う藤森が仕掛ける須藤に3フーロまで入れ差し込みを試みるが、フィニッシュができずに同点トップが出現した。
(◎高島・須藤/●藤森)

 3回戦も堀川は攻め続け、細かいアガリでトップ目に立つとラス目須藤のリーチに脂ぎったところも勝負しのシャンポンマチを引きアガリ、トップ目を固めるのであった。オーラスを迎え堀川80、高島▲06、藤森▲17、須藤▲57で珍しく堀川が穴熊っぽい切りを見せていると突然高島のに「ロン」と吠えた。河にはがある。そして手の中にはドラがありチートイツの64。高島痛い痛い放銃である。
(◎堀川/●高島)

 4回戦のアガリは3・6が2度。アガったのは高島と須藤でどちらもオヤは藤森。しかしその間に藤森がリーチ棒を投げていたのでトップは南場にアガった高島。3回戦のラスを取り返した。
(◎高島/●藤森)

 日が明け、5回戦を迎えた。今日も堀川が攻め続けるのか。東2局北家堀川13巡目、
 真っ直ぐ行くかと思ったらここはチートイツも見据えたのか打とした。次巡のツモはで空しく河に。ここにピンフドラ1テンパイの高島がを切ってきた。これを堀川がポンして2巡後にを引きアガった。
 その後も堀川がググッと押して8・16と7・14を手にする(堀川11.2、須藤▲28、藤森▲36、高島▲48)。
 南3局に包囲陣に唯一のチャンスがあった。オヤ須藤の配牌は、
 打とすると第1ツモは、打で第2ツモが。土田流でもなければ誰でもできるテンパイである。普通ならここで打として数巡後にツモアガるのだが、2巡にして河にが2枚切られていた。(金子さんが泣きそう)このためカリテンは。この後いいマチカエの牌が来ない。結局9巡目に引いたの地獄待ちとし、河にを並べていたものの12巡目に引いたに変えられずにツモアガリを逃した。一方ラス逃れを目指す高島は13巡目にリーチ、
 これに対し既にテンパっていた堀川がまたもや一発で無筋を打って放銃となった。堀川の放銃、高島のラス逃れで終わった南3局であるが、堀川にはかえってよかったのではないだろうか。
 南4局、包囲陣は藤森の連荘を望むばかりであるが、これをあざ笑うかのように堀川が7巡目リーチ、
 ちょっと行き過ぎとも思われるかもしれないが、なんとドラは。これならなんとなく安心リーチに思える。が実はは既にヤマに1枚のみ。この後愚形であった藤森にリーチが入り、須藤が放銃し、半荘が続いた。
 南4局その2も堀川に手が入り序盤で、
 ドラがでなければ決着は早かったのだろうが、これが動かない。そして16巡目にオヤを動かそうと須藤がを漸く切った。堀川がポン。須藤は振り込んだとしても状況は変わらないため万一の藤森への差し込みを考え無筋のを切った。堀川は無言。そして山越となった高島には安全牌がなかった。既に山越をケアして現物がなくなっていたのだ。そして選んだのが。手牌にはがアンコであったのだが。
(◎堀川/●高島)

 堀川にラスを押し付けるしかない6回戦も堀川のアガリから始まった(28←須藤)。東2局には藤森がお先にとばかりにジュンチャンをツモアガる。
 打orとして直撃を狙わず、みんなも堀川を捲って来いというのだ。これに答えて須藤は東3局の堀川オヤ番で咆哮した。
 
 堀川が前巡トイツにしたを引き当てたのである。これで藤森60、須藤32、堀川▲32、高島▲60。後は高島の一吠である。その前に須藤が堀川から18を取り高島の条件を緩和した。
 東4局その2。それは高島にではなく、堀川にやってきた。
 堀川の配牌である。道中を引き10巡目に藤森からが鳴けた。がテンパイ打牌のに須藤のチーは入った。これに対し高島の打牌が。堀川ポンの手出し!!!!
ここで声を飲んだのは観戦子ではなく須藤であった。
 
 高島からはアガれない。それで見逃しを掛けたのである。北家堀川はツモ切りでヤマを越えた南家藤森は通ったばかりのを切った。がここでも須藤は声を飲んでしまった。そして須藤にはツモ番が回って来ることはなかった。終局後須藤が言った。「堀川の手の高さを読み違えた」と。
(◎堀川/●高島)


C卓:村田の苦悩
C卓
7 8
終了
村田 光陽 B級 △3
小田 宏一 大阪 ±0
関根 秀介 東京 2昇
中村ゆたか 東京 1昇

 1回戦は関根が盤石なゲーム回しで緒戦を飾った。東2局にはイーペイコウドラ1をツモり、次局は早い仕掛けからトイトイをケアした中村からアンコ落としのカンで40を追加し、中村の加点を挟んで52(・ドラ1)のツモアガリでゲームを決めた。ラスは痛恨の降り打ちがあった中村。

 2回戦は痛恨の降り打ちがあった中村が先手を取って5・10を引くが、東2局に関根が村田の2フーロにラス落ちのリーチ棒を投げた。

 緒戦の1昇がなければ掛けられないリーチであろう。これに一発で飛び込んだのが既にテンパイの入っていた小田。なかなかアグレッシブな展開である。

 ラス目に落ちた小田はすぐにピンフドラ1をツモりラス抜けを果たすと、次のアガリはまたもラス目の村田。これで南入すると私にも上がらせろとばかりに中村がソウズのホンイチで3フーロ、
   
 上家村田がたまらんと現物のを切ると小田からロンの発声。
 南2局はこそ流れるが、7回のアガリが出たこの半荘はこれが決定打だった。

 3回戦も村田の苦悩が続く。東1局にWをポンしている関根のカンに捕まり42失点のスタートとなった。南1局に漸くリーチが入るが流局。実ったのは南2局のリーチ。
をツモリあげ自らのリーチ棒を回収しラス抜けを果たした。続くオヤ番もリーチとした。
 流局と思われたがテンパイの入ったラス目小田がを横に曲げ村田は待望のトップ目に立った。

 しかしその2で中村にリーチが入る。
 これ幸いと小田が追いかけリーチをかける。
 村田にすれば中村のアガリだけは避けたいところであったが、無情にも中村の手許にが置かれた。南4局に村田の逆転の手が入るが、
 村田の手があけられることはなかった。短い短い村田のトップ目であった。

 4回戦こそはと村田が東2局のオヤ番で原点リーチをかける。
5巡目リーチで2巡後に高目をツモリ気分は上々であろう。

 ところがその2でドラ表示牌を鳴かれた小田にこんな手をツモられてしまう。
 
 しかしこの後小田が放銃したため南3局を迎えた時点で村田は再びトップ目に立っていた(村田38、小田26、関根▲22、中村▲42)。

 折角0に戻したのにまたマイナスの世界はいやとばかりに中村がホンイチのテンパイを入れるが、ズルかったのは関根。
 これが配牌で第1ツモが。アガれないまま6巡目にはを引きマチ変え。ソウズの待ちは出アガリが期待できないがこれをツモリあげ勝ち上がり規定の2昇とした。

 明日も村田の苦悩は続くのだろうか。


2次予選:6戦制/各卓上位2名勝ち上がり


A卓:決着に向けたメッセージ
A卓
終了
平井  淳 A級 △1
藤森 弘希 B級 1昇
佐藤 文彦 東京 △2
関根 秀介 東京 2昇

 第32期八翔位戦2次予選A卓レポートを担当させていただきます、今年順位戦選手になりましたB級の藤森弘希です。よろしくお願い致します。

 対戦相手は順位戦A級の平井淳選手、東京支部の佐藤文彦選手、関根秀介選手である。長年順位戦選手を続けている平井選手は元より、佐藤選手、関根選手も毎年八翔位戦に参戦しており、3人とも私よりも経験豊富で格上である。

 一方の私は八翔位戦出場は今年が3回目であり2次予選進出は初めてである。そのため6回戦の経験がなく、本番前に一度練習しておきたいなと思っていたところ、今回同じく1次予選を勝ち上がった東京支部奥田選手、RMU中村選手、菊池選手から合宿のお誘いがあり、幸いにも調整をして本番に臨むことができた(以下敬称略)。

【1回戦 起家から(以下同)佐藤・関根・藤森・平井】
 東1局、東2局と流局し、静かなスタートを切る。

 東3局、平井がメンツモの3・6をアガり、藤森がオヤカブリでラス目となる。

 南2局、オヤの関根の捨牌が何やら変則的で、チュンチャン牌が多く目立つ。捨て牌から考えるとチャンタ本線の下のサンショクもあるかもといったところか。そんな中ラス抜けを目指す藤森が8巡目にタンヤオ・ドラ1のチーテンを入れるも、佐藤が回ってきたをツモ切りすると関根のジュンチャンサンショクの120に放銃。上と下が大きく開く。

 その後関根の6オール、平井の5・10をはさんで迎えた南4局(関根99→平井43→藤森117→佐藤)、佐藤がラス抜けの手を、
平井が逆転トップの手を入れるも流局。
関根が初戦を勝利で飾った。
(◎関根/●佐藤)


【2回戦 佐藤△1・平井0・関根1昇・藤森0】
 東2局、平井がメンツモの6オールで先制。

 東3局、関根がタンヤオドラ1の42を佐藤から出アガる。

 東3局その2、平井がドラ2の13・26をツモって再びトップ目に立つ。

 その後佐藤が東4局にの4・8、南1局にタンヤオドラ1の10オールをツモってラス抜けを果たす(平井60→関根11→佐藤22→藤森)。
 佐藤のこれらのアガりであるが、いずれも藤森がチーテンを入れさせてのアガりである。 せっかく佐藤が関根に放銃してラス目に落ちたのに、3着目の藤森が佐藤のラス抜けをアシストしているという何とお粗末なマージャンである。自分がアガれないのならせめて佐藤をラス抜けさせないようにするのが本来であるが、まったく場が見えていない。

 南2局、平井がツモピンフの8オールで順調にリードを広げるも、南3局に関根がツモヒンプイーペーコードラ2の40オールで一気にトップ目に立つ(関根72→平井79→佐藤42→藤森)。
 南4局、1回戦同様平井が逆転トップを目指してリーチ。ツモるか関根から出アガればトップである。
 一方ラス目ラスオヤの藤森はひたすらアガりを目指して前に進むが、を切ったところで平井からロンの声が掛かる。
 平井からしてみればトップが理想であるが、オヤの藤森に追いつかれたら寒い上に、この並びであれば自分より下が2人になるため特に問題なしといったところか。
(◎関根/●藤森)



【3回戦 藤森△1・関根2昇・平井0・佐藤△1】
 東2局、藤森が8巡目にドラのを切って役なしドラ1のテンパイを入れるも、次巡持ってきたドラ表示牌のをツモ切って平井に28の放銃。
 この手牌、イーシャンテンの段階ではこのような形であり、
 すんなりを引けばピンフドラ2の理想系のテンパイ形になったが、引いたのは。テンパイを取るためにはドラを1枚リリースしなければならない上に役もない。こんなテンパイを取るためにドラを1枚切って勝負した上に、次巡これまた非常に危険なドラ表示牌を引いて、それを何の躊躇もなくツモ切って放縦してしまう藤森。2半荘やって1回もアガれていない焦りからか、腰を据えたマージャンがまったく打てていない。

 ラス目に落ちてさらに焦った藤森は、南1局のオヤで2つの仕掛けを入れるもまだイーシャンテン。しかも他家の足止めにすらならず、しまいには関根に本日3回目のマンガンをツモらせてしまう始末。
 南3局、佐藤が平井からリーチドラ3の80をアガってラス目藤森との差が11に縮まり、藤森にラス抜けのチャンスが訪れるも、オーラスは平井があっさりタンヤオの3・6をツモって終了。

 関根が開始から3連勝を飾り、3半荘ノーホーラの藤森が連敗となった。
(◎関根/●藤森)



【4回戦 藤森△2・佐藤△1・関根3昇・平井0】
 3回戦終了直後は精神的にかなり参っており、「もうダメだ」という思いが頭の中をよぎっていた。しかし冷静になってみると△2にはなったものの、幸い関根が3連勝してくれたおかげで2番手の平井とはまだ2昇差の位置に付けているし、まだ3回戦勝負が残っていることを考えると逆転は決して難しい数字ではない。とはいえ、今までのように腑抜けたマージャンを打っていたのではダメであり、落ち着いてまずは1昇を戻そうと自分に言い聞かせて4回戦に臨んだ。

 東1局、佐藤がメンツモドラ1の5・10をアガる。藤森はオヤカブリでラスに落ちたが、吹っ切れたためか不思議と焦りはまったくなかった。

 東2局、好調の関根が止まらない。序盤に佐藤からをポン。タンヤオ高めサンショクテンパイの平井がをツモ切ると二役ドラ1の52に掴まる。これまで一度もラス目に落ちることがなく、堅実に2番手のポジションをキープしてきた平井がとうとうラス目に落ちてしまう。さらに平井は次局も関根に18を放銃。

 一方の藤森はここがチャンスとばかりに攻撃を開始。東3局その2で佐藤からタンピンの20、東4局にはメンツモタンヤオの5・10をアガり、関根に肉薄する(関根30→藤森35→佐藤80→平井)。

 南2局、前局平井のリーチに勝負をし、関根に12を振り込んだ藤森だが、ちょっと遠いがうまく染まってくれれば80がみえる配牌を手にする。
 序盤に自風のをポンして、一直線にピンズのホンイチに向かう。遠い仕掛けであるが、この鳴きが良い方向に働き、中盤イーシャンテンとなる。
 
 「これはいけるかも?」と思っていると平井からリーチが入る。次巡を引いた藤森は、はリーチに通りそうなので勝負してテンパイを取る。しかし次巡平井に危険な牌を引いた藤森は、勝負しようか迷い小考する。「◎関根/●平井」の並びであれば、2番手の平井と1昇詰めることができるし、佐藤とも差が開くことはない。何も危険を冒してラス目と勝負する必要はないのでは?と弱気なことを危険牌を引いた瞬間は考えていた。しかしこの半荘トップになるためにはきっとここが最大のチャンスであろうと意を決して平井のリーチに向かっていった。その後2枚ほど平井のリーチに勝負すると、今度は佐藤から追いかけリーチが入る。でももう降りる気はなかった。自分だけ辛いわけではない。平井も佐藤も辛いはず。そしてヤマに手を伸ばすとそこには待望の中が眠っており、思わず「ロンっ!」と会場中に聞こえるくらいの大きな声でツモ牌を強めに叩き付けてしまった。それくらい嬉しいアガりであった(藤森56→関根117→佐藤70→平井)。
 
 南3局、トップ目に立った藤森は、今度は平井とラス抜けさせないように注力する。序盤佐藤が役牌をポンすると、すぐに藤森は佐藤にアシストして13・26をツモらせる。
オーラスは関根が佐藤から12をアガって終了。
藤森が平井とのトップラスで、下3人が△1で並ぶこととなった。
(◎藤森/●平井)

  

【5回戦 関根3昇・平井△1・佐藤△1・藤森△1】
 いよいよ残りあと2回。関根はほぼ勝ち上がりが決定しているので、残り1席を3人で争う戦いである。トップを取れれば6回戦が有利になるものの、ラスを引くと6回戦に勝ち上がり条件がなくなってしまう。そのためトップ取りよりもラス逃れの方に若干ウェイトをおいて5回戦を戦おうと決めていた。

 東1局、平井が3・6ツモ
 東2局、佐藤が平井から16
 東3局、藤森が5・10ツモ
 東4局、関根が5・10ツモ
 南1局、佐藤が平井から12
 南2局、平井が関根から42
 南2局その2、平井が10オールツモと毎局アガりが発生。(平井46→佐藤03→藤森40→関根)。

 南2局その3は流局し迎えた南3局、トップ目平井との49差を追う藤森は、以下の配牌に第一ツモでを重ね、
二役ホンイチを想定して打とする。次巡をアンコ→打でイーシャンテン。メンゼンでテンパイが入ればどの形でもリーチを打つ予定だったが、関根からが出たのでポンしてテンパイ取らずの打。次巡を引いて想定していた二役ホンイチのテンパイが入る。まだ一枚もピンズは切っていない。すぐに平井からが出て80の出アガり。
 
藤森がトップ目に立った(藤森77→佐藤34→平井09→関根)。

 南4局、関根をラス抜けさせれば6回戦で決着させやすくなるためアシストするつもりでいたが、特に何事もなく流局。藤森が連勝で2番手のポジションに付けた。
(◎藤森/●関根)



【6回戦 平井△1・藤森0・関根2昇・佐藤△1】
 規定の6回戦。 決着条件は「平井、佐藤がトップでないかつ藤森がラスでない」である。藤森は2番手のポジションにに付けてはいるものの、平井、佐藤とのトップラスだと逆転決着もあり得るのでまだまだ予断を許さない状況である。

 東1局、平井がをアンカンし、勝負に出た佐藤からドラ1の72を出アガる。このアガりで平井との点差は開いてしまったが、藤森にとってみればむしろこの状況の方が戦いやすいと感じていた。ラスになる心配が多少減り、その分トップを目指しやすくなるからである。

 東1局その2、佐藤がリーチするも流局。
 東2局、前局に続き佐藤がリーチ。
 高めツモハネマンの超弩級リーチだが、藤森が役なしカンをツモって10オール+供託20。平井に迫る。

 東2局その2、平井に藤森がを勝負して16の放銃。この直前藤森の手牌は以下のようなイーシャンテンになっており、そこに平井のロン牌の引いてきたのである。
 最初はをツモ切りしようとも思ったが、平井からテンパイ気配が出ていたこと、は危険牌であったことからいったん場に2枚切れの受けを嫌って打とし、周りを引いたら比較的安全そうなピンズのターツ落とし、を引いたらの雀頭と振り替え(は平井、佐藤の現物)、そしてダイレクトにを引いた時だけを勝負しようと決めた。そしたら次巡を引き、を勝負としたが放銃。この放銃で平井との点差は少し開いてしまったが、場況も見えていたし、きちんと戦える手牌になってからの勝負打牌であることから、藤森はこの放銃はちっとも後悔しておらず、むしろちゃんと土俵に上がって戦えていることを実感していた。

 東4局関根4・8ツモ、南1局佐藤7・14ツモ(オヤは平井)、南2局関根が平井から20と、この間藤森にアガリはないものの、平井との点差は着々と縮まっていた(平井17→藤森04→関根101→佐藤)。

 南3局、藤森に逆転のチャンスが訪れる。4巡目にピンフドラ1のイーシャンテンとなり、雀頭ができてリャンメン待ちになったらすぐにでもリーチといきたいところである。
しかし重なるのは切った牌ばかりでなかなかテンパイが入らない。そう簡単には決着に向けた手は入れさせてくれないようだ。藤森がずっとイーシャンテンのまま悩みながら打っているのに対し、平井、佐藤は途中から藤森に放銃しないように対応しながら打っていた(少なくとも藤森にはそう見えた)。一方の関根はというと、藤森が前に進んでいるのは分かってはいるが、テンパイなのかどうか判断しきれず、差し込んでいいのかどうか迷っているような感じであった。この時藤森は「関根さんもう少し待ってください。テンパイしたら必ずリーチを掛けますから」そう心の中で呟いていた。そして11巡目、藤森に待望のテンパイがようやく入る。
 通常の101ならリーチを掛けることの方が少ないかと思われるこの局面。しかしここは迷うことなくリーチである。このリーチは単なる1翻アップのためのリーチではなく、「この回で決着を付けて共に勝ち上がりましょう」という藤森から関根への決着に向けたメッセージなのである。それに対して一発でロン牌を放つ関根、頼もしい。決着の並びとなった(藤森63→平井91→関根21→佐藤)。

 いよいよ南4局、平井はトップ目藤森を捲くれば延長であり、13・26以上ツモ、32以上藤森直撃、64以上出アガリが条件である。佐藤はラスオヤのためひたすら連荘を目指す。藤森はあまり手が良くないので流局に向けた構えで局を進める。関根もそんな感じか。
そんな中、佐藤が仕掛け、平井からはリーチが入る。必死で降りて流局に向かう藤森と関根。
 終盤自分でアガるのは厳しいと判断した佐藤が平井に差し込みにいくも、佐藤からは点数的にアガれないため必死でヤマと格闘するがツモれず。藤森がホーテイ牌を置いた時藤森と関根の勝ち上がりが決まった。
(◎藤森/●佐藤)


 前半戦不甲斐ないマージャンを打ち、3半荘ノーホーラで△2になった時は「もうダメだ」という思いが何度も頭をよぎりましたが、気持ちを立て直し諦めずに戦った結果何とか勝ち上がることができました。応援して下さった方々、対局して下さった方々、本当にありがとうございました。準決勝ではさらに成長した姿をお見せできるよう頑張ります。
(藤森 弘希)


B卓:「村田」と「田村」
B卓
7
終了
成岡 明彦 A級 △2
村田 光陽 B級 3昇
奥田 直裕 東京 △1
田村  洸 大阪 ±0

 1・2回戦、トップを狙ってゴリゴリ押していくも、終わってみればラス間近のバー2回。そろそろトップが欲しいと思っていた3回戦だが、東2局私が6巡目に切った牌に、オヤの村田からロンの声。

分かるかいそんなもん。事故だと割り切るにしてはちょっと高すぎる。

 目標はラス抜けに方向転換。南2局に奥田から80で一旦ラス抜け。
 しかし次局にアガり返されて結局ラスで終える。

 4回戦は南4局にリーチ棒1本の助けを借りて何とかトップ。初日の結果は±0。

【5回戦 村田1昇・成岡0・奥田△1・田村0】
 流局続きの東4局。ラスオヤである自分が攻めようと心に決め、村田の仕掛けに対してドラがアンコになったことを言い訳にイーシャンテンから突っ込んで12を打ち上げる。

 南1局にはテンパイ気配を漂わし始めた成岡がダブをアンカン。いよいよ打ちたくないが、比較的通りやすいと思って切った牌がきっちり刺さる。
 
 連続のイーシャンテン放銃で頭クラクラ、ここで成岡にトップラスを決められるとかなり辛い。しかし南3局と南4局に村田が連続でアガり、トップは村田。ラスのままだが最悪のシナリオは回避出来た。

【6回戦 奥田△1・田村△1・成岡0・村田2昇】
 細かいアガリが続くも、東4局に村田が20オール。微差ながら成岡がラス目なので逆転決着も視野に入るが、南2局にラス抜けされていよいよ正念場(村田52→奥田07→成岡10→田村)。

 南3局、私が早々に2つ仕掛けてテンパイ。
  
 自分のトップが取れないとなると成岡のラスが必要なので、奥田からは見逃す予定。
 しかしここで成岡からリーチ、これで奥田と成岡の差は17になったので奥田からの出アガリ可能。しかも成岡の河にはがある。思惑通り、1巡後に奥田からが出てまた成岡がラス目に(村田43→田村25→奥田01→成岡)。

 南4局、ここで成岡がラスのままトップを捲れば逆転決着。奥田にもその考えがあるだろうが、私より点差がある分現状維持でも良しと考える可能性も大いにあるだろう。と思っていたら1巡目に南家奥田がをポン。現状維持狙いの人がやる仕掛けには到底見えない。
 さらには成岡の仕掛けも入り、ワンズホンイチ模様の奥田からも2つ目の仕掛けが入って打。タンヤオ付きのリーチを行く気マンマンだった私だが、さすがに緊急回避でそのをチーして12テンパイ。すぐに村田から出て延長が決定した。
やはり奥田はきっちり逆転手テンパイだった、恐ろしや。
  

【7回戦 奥田△1・成岡△1・田村△1・村田3昇】
 3人のトップ条件なので皆頑張るだけだが、ミクロな戦いで進行。村田もトップにならない程度にアガリ合いに参加し、東場を終えて奥田05→田村06→村田25→成岡。

 南1局、私の手が早い。
 ここから8巡目にをチーして打テンパイ。ちょっと焦りすぎだなと思っていたら成岡からすぐリーチがかかる。こうなると応戦するしかないが、帰ってきたをツモ切って20の放銃。
 流局を挟んで南3局(ドラ)。バラバラ配牌から手なりで頑張り10巡目リーチ。
 同巡に異様な捨て牌の奥田がドラをアンカン。その後全部押してきた奥田の手はこの通り。
 
 値段が全く違う同じ待ち対決、の行き先は田村の手元に。価値ある10オールでトップ目に。

 南3局その2は奥田のピンフリーチが流局し、供託を含むと奥田とは15差、成岡とは21差。

 南4局、私の配牌にが3枚で大喜び。順調に進んで8巡目テンパイするも、直後に成岡からドラ入りチーが入って村田の同点阻止ノーテンリーチも飛んでくる。何があろうとこうなったらしばらく目をつぶって押すだけだが、またもが手元に舞い降りて勝ち上がりを決めた。


 終局後、村田が一言。
「終わってみれば『田村』と『村田』だったね」
王様状態だった人は呑気でいいなぁ。

(田村 洸)

C卓:見逃した結末は…
C卓
終了
堀川 隆司 A級 ±0
大貝 博美 B級 2昇
中村 浩三 東京 △1
山鋪  徹 大阪 △1

 大貝の連勝を受けた3回戦、いきなり堀川の長打一閃。(山舗・中村各△1)

 堀川はさらに東3局にも手詰まりの大貝からホンイチチートイツの64を召し捕って盤石の状態に。この放銃でラスめに落ちた大貝だったが、東4局のオヤ番でドラ入りチートイツのタンキをしぶとく合わせてラスを中村に押しつけた。
 続く4回戦は、初戦からずっと苦しい闘いを強いられてきた中村が南2局の親番で鬱憤晴らし。
 飛び込んだ堀川がラスに甘んじ、結果は3回戦の裏表。2回戦終了時のスコアをそのままキープできた大貝が圧倒的なアドバンテージを持って2日目を迎えた。


 5回戦の座順は堀川0・山舗△1・大貝2昇・中村△1。この一戦、大貝の第一義はラスをひかないこと。であったにもかかわらず、東3局に中村のいいパンチをもらってしまう。しかもこれが、早々に受けの局と決めた直後のこと。上家・山舗の4巡目打牌に合わせて打とし、さらに次巡にトイツ落としに出たが中村のドラ雀頭ピンフにジャストミートしてしまった。半端に構えた結果の放銃でたちどころに足にきた大貝、ここから長い長い雌伏の時間帯に突入することになった。

 そしてもしも4戦目までのように流局が多い展開になればこの40は勝利打点になりえたかもしれないが、中村にとって残念なことに、実際には序曲にしかすぎなかった。これ以降、南4局まで9局連続でアガリが出るという大乱戦の序曲にしか。

 続く東4局の10巡目、山舗の打牌を堀川が捕らえて52。
 続く南1局その1は中村のリーチに対して生牌の・無スジのと2牌押したオヤの堀川が、中村の現物で山舗からピンフ18の出アガリ。中村のリーチはドラのが雀頭のリャンメン待ちだっただけに、卓の外から見れば堀川会心の一局。

 堀川は連チャンのその2でも中村からリーチ棒つきのピンフ18をアガりこれで3連続ホーラ、トップの地固め着々かと見えた。
 ところが南1局その3、堀川が切った牌に山舗がアガリを宣した。これがドラ入りのタンヤオチートイツで80、にわかに堀川の頭上にも暗雲が。
 それでもなお首差一つ残っていた堀川だったが、次局も中村にドラ入りチートイツの64を献上してしまい今度はさすがにトップめ陥落。  打ち手たちの点差把握も一苦労となるほどの目まぐるしい展開だが、現状ではまだ大貝がラスめで堀川よりも黒棒4本下、トップめは今のアガリで中村の元に(中村56→山舗46→堀川04→大貝)。

 東3局の放銃以降はずっと頭を下げ続けていた大貝だったが、親番を迎えた南3局の12巡目、またしても中村に飛び込んでしまった。タンピンドラ1で再びの40。自分の手の内はイーシャンテンだっただけに、そして端から見ても嫌がりながら切った牌での放銃だっただけに、ここはもう一度我慢して残り1局に賭ける手もあった。局数が少なくなるごとに募る焦りが着手に乱れをもたらしたか。

 こうしてようやく辿り着いた南4局、並びは中村96→山舗46→堀川44→大貝(オヤ・中村)。その7巡目、山舗が打牌を横に曲げた。
 首尾よく高めをひきアガれば自身のスコアを0に戻すことができる。放銃できない中村と堀川は静観を決めこむはず。確かにそこまでは山舗の思惑通りだったが、ラスめの大貝だけは指をくわえて見ているわけにいかなかった。無スジを3枚飛ばして追いつき、12巡目にリーチ宣言。
 
 打点十分ではあるものの、山舗の捨て牌にが3枚。またそれ以上にこの一戦の展開からして、大貝に勝算があったとは到底思えない。形作りに近い、いわばダメモト的リーチ。そしてやはりと言うべきか、大貝の次巡のツモは山舗のロン牌であるだった。こうしたぶつかり合いはたいていラスめが先に掴むようにできているので、言ってみればこれは当然の結果。ところが‥山舗、なんとこれをサラリと見逃した!
 山舗のこの肚の括り方、尋常ではないと思う。手牌を倒せば大貝1昇・山舗△1で堀川と中村がイーブン。ただ一人マイナスを背負ったままで規定の6戦目を迎えることをよしとせず、堀川と並びの番手になれるツモに賭けたわけだが、逆に大貝のロン牌を掴む方をまず危惧するのが普通ではないだろうか。もしギャンブルが裏目と出て大貝に振り込んだ場合は大貝2昇・山舗△2となり、これはもうほとんど絶望的。堀川・中村に対しては放銃すら厭わない大貝とのトップラス限定など、条件とも言えないほど難しい話。たくさんの方にご意見を伺ってみたいところだが、このを見逃せる打ち手がはたしてどれくらいいるだろうか。
 あまりにインパクトのある見逃しにこの局の結末はもはや蛇足以外の何物でもないが、助けてもらった大貝が15巡目にリン牌のをひき寄せ僥倖のラス抜けを果たした。山舗としては大貝への放銃という最悪のシナリオは免れたわけで、一つの悔いも残していないに違いない。『トップを獲らねばならないことに変わりなし』と、すでに気持ちは次戦に向いていたことだろう。

 上位2人が確定すれば終了となる6回戦、起家から大貝2昇・中村0・堀川△1・山舗△1。
 東2局の山舗のピンフツモでラスめとなった中村だったが、東4局に自風のポンテン12を堀川から出アガりひとまずラス抜けに成功。中村は続く南1局にも堀川からピンフ12をアガって山舗との同点トップめに立った。僅差の展開とはいえ、中村には手応え十分だったに違いない。
 ところが、好事魔多し。次局の親番でイーペイコーの早テンを入れた中村が7巡目にをツモ切ると、これが堀川のドラドラチートイツの今テンにササって64の大打撃。一撃で天地がひっくり返った。
 南3局(堀川+36・山舗+16・大貝△04・中村△48)、逆転決着の条件を整えたオヤの堀川に対してあとのない2人が襲いかかる。12巡目、中村がリーチ。
 すでに仕掛けていた山舗もまた、ひき退がる気のないこのテンパイ。
  
 挟み撃ちになった堀川は絶体絶命か。ところがロン牌のを手元で躍らせたのは山舗でなく、ピンチと見えた堀川だった。役なしノベタンの8オール、なんと価値の高いツモのみだろうか。
 南3局その2、まなじりを決した中村が、
さらに山舗からもあいついでリーチの声が。
 しかしこの仕上がりが14巡目と17巡目では、どちらも多くの期待は抱けなかったことだろう。そしてやはり、何事もなく流局になった。
 山舗がオヤの南4局(堀川72→山舗10→大貝64→中村、供託20)6巡目、堀川が弾かれたようにを叩いた。アドレナリンの噴出を示すような発声。ただし声はポンテンであっても、手の内はまだこんなもの。
 
 それでもラスさえ抜ければ延長に持ち込める中村からが喰え、さらに行かねばならない山舗からのポンができて一気呵成にテンパった。堀川の捨て牌には「待ちはピンズの下です」と書いてあったが、差し込みオーケーの大貝の手の内にお目当てのピンズはなし。それでも勝利の女神は、山舗のもとに不要なを送り込むことで勝者を選んだ。

 大貝と堀川が勝ち上がりを決め、いちおうは順位戦選手としての面目を保った形。しかし両者とも内容に満足しているわけではないだろう、特に2日目については。次の準決勝ではより精度の高いマージャンを見せてもらえることを期待しつつペンを置くことにする(文中敬称略)。
(大貝 博美)


D卓:全力でぶつかった全10戦の結末は…
D卓
7 8 9 10
終了
愛澤 圭次 名翔位 △1
内田  慶 推薦 △1
須藤  浩 推薦 1昇
石川 由人 東京 1昇

 全力でぶつかって負けました。ただそれだけの対局でした。

 八翔位戦は毎年楽しみにしている対局です。スケジュールなどがかなえば、毎年出たいとは思っているのですが、なかなか出ることがかなわない昨今、今年は出場がかない、2次予選へ進出することが出来ました。
 素晴らしい3人に囲まれて、組んず解れずまさぐって。誰も2という数字の絶対値に巡り合うことがなく、6回戦終了時のスコアはオール0。
 対局者の提案もあり、後日サスペンデットゲームとなりました。

 仕切り直しのもう一番。
 展開良く昇を持ったところから負けてしまうという個人的には情けない展開だったのですが、印象に残ったのは、同じく麻将連合の須藤浩。
 8回戦▲1のスコアから、残りツモ番1回残して無筋のドラ表示牌を押し込み、ハイテイ手番でドラを高らかにシバキ上げた。

「えっ、須藤さんて、こんなキャラだったっけ。こんなんツモれる人だったっけ。」

 正直、対局中ではあったのだが、自分の中で、須藤に対しての畏怖、敬畏により、バランスが崩れた瞬間でもあった。 ここから緩みにつながる。

 自ら敗着を選択したのは、10回戦の南2局。
 木村さんのイン東京日記にも書いてあるので、記すこともないのだが、ここでリーチを選択すると、流局間際に愛澤がリーチ棒を出すだろう。そうなったら次局に須藤を積極的にアガリに向かわせる場になりやすくなってしまうため、味方のはずの愛澤が連荘しづらくなってしまう。
 やはり、ヤミテンの一手であったように思う。冷静に考えれば。
 しかし冷静に考えられなかった。須藤の力強いアガリにアタマチンチン。目の前の自分のトップしか考えることができなかったのである。冷静に考えれば、愛澤をトップに押し上げれば、1・0・0・▲1のスコアで再延長だったのに。
 冷静に考えられなくなってしまったのは、須藤、石川に追い込まれた、私の弱さ。それを再確認できただけでも今後の競技人生にプラスになった対局であったように思う。

 八翔位戦は、私の中では高校野球のようなもの。全国制覇を目指して頑張るが、負けたら最後、「また来年」。
 こんな純になれる機会を与えて下さった101競技連盟様に感謝の気持ちを表したいと切に思っている。
(内田 慶)


E卓:
E卓
終了
高島  努 A級 3昇
小宮山 勤 B級 ±0
菊池 一隆 東京 △4
中村ゆたか 東京 1昇


F卓:
F卓
終了
西尾  剛 A級 △3
大川戸 浩 B級 △1
伊澤  興 東京 2昇
小田 宏一 大阪 2昇


1次予選:4戦制/各卓上位2名勝ち上がり


A卓:冷静に溺れた結果は…
A卓
終了
村田 光陽 B級 1昇
藤原  健 推薦 △2
菊池 一隆 東京 1昇
堀井 統之 東京 ±0

 対局前につぶやいたこと。
 「楽をせず、冷静に溺れる」
 それでは私(菊池)がますます101と八翔位戦を好きになった対局を紹介していこう。

【1回戦 起家から(以下同)菊池・村田・堀井・藤原】
 東1局からエンジン全開。藤原が早々にを一鳴き。数巡後にこの牌姿。

 藤原の河にはなど脂っこいところはでてきているもののまだテンパイ気配は無い。を鳴かれてがロンパイになるのが最悪。万一の重なりも考えると打がマジョリティか?しかしヤマ読みからの縦重なりまでみて打。それを藤原がポン。それでも無筋をきりとばし、藤原が手出しをしたをカンチャンでチーして打。当然放銃覚悟。は藤原の現物。結局手詰まった堀井からで18をアガる。自分は闘えているのか?楽をしているのか?かかっているだけなのか?正直良く分からん。それでも東1局からを打てたこと、チーしてを打てたことは、メンタル的には悪くはないなとその時は思った。
 次局、早々に藤原がリーチ。後で聞いたらアンコ・ドラ1のリャンメン。18差ができたのもありマンガンをひいてスタートダッシュする作戦だったようだ。自分の中ではこのリーチは「楽をする」に当てはまるのだが、あくまでも今までの稽古をふまえて今の自分がそう思うというだけで、結局のところ何が正しいかなんて分からないし、そもそも正解があるのかすら分からない。このシステムでは初戦のトップはかなり偉いのでそういう作戦をとる気持ちも理解はできる。東1局の打だって「楽をしている」と言われればそうなのかも知れんし。結果は流局。

 50浮きくらいのトップ目で迎えた南1局のオヤ番。終盤に、
 ここにをひき、藤原のテンパイ気配を感じつつも、またが4枚切れの場況ではあったが打。その時点では藤原にはも通っておらず、40オールも60オールもあまり価値は変わらんのでをチョイス。幸運にもがひけてそのまま逃げ切り。
(◎菊池/●藤原)


【2回戦 堀井0・村田0・藤原△1・菊池1昇】
 東2局、中盤にドラのをひかされた時点で引き気味になり、堀井と藤原のと村田のをふくめた変則気味な河をみての対子落としをすると、それを村田がポン。
 
 終盤にをひかれて40オールでそのまま逃げ切られる。村田のトイツ系の手は読めていたが、終盤にチートイツのマチに合わされるのを懸念しての先打ち。2枚持ちのをポンされる想定は今の自分にはできないためあまり後悔はしていないのだが、意思を持った手順できっちり仕上げてくる村田をやはり脅威だと思った。なお、ラス抜け争いは藤原と私。南3局・南4局と、藤原のツモ番を増やす(昇持ちを減らしたい)村田・堀井の鳴きにも耐えて辛くも3着でフィニッシュ。
(◎村田/●藤原)


【3回戦 村田1昇・堀井0・菊池1昇・藤原△2】
 考えるのは堀井がラスをひいてくれると4回戦が楽かもなぁということだが、無理をして自分がラスをひいては元も子もない。基本的には自然体、そんなことを考えていた東1局の10巡目、本日の初放銃が村田への120。
 放銃した私はこの形。
 は1枚切れ。は生牌。私の露骨な一色の河に対し、村田の河は一見普通のメンツ手。と思っていたところ、突如ドラ受けターツのと手出ししを手出しした直後の10巡目。今考えるとドラ受けターツとソーズへの渡りを残し、結果的に後者に転んだ河(だから途中まで露骨な一色には見えない)と理解できるのだが、そんなにサクサク有効牌はひかんやろ(脂っこいところのターツ外しは有効牌をひかなくても続けて打つことが多いため)&チートイツかもな&村田に鳴かれる分にはそこまで悪くない、という甘い読みで、お試し期間中の気持ちで打った生牌の。さらに生牌のもあり、両方通ったとして自分にあがりがあるかはかなり微妙だったため、こういう放銃は敗着になりえると覚悟はした。

 元の木阿弥。こうなった以上は冷静に気持ちを切り替える。もちろんラス抜けを目指すのが第一だが次点は堀井にだけはトップをとらせないこと。いざとなれば下家でかつ後が無い藤原にアシストをしまくることももちろん視野に入れる。
 するとここから私のアシストなど必要無いと言わんばかりに藤原の逆襲が始まる。圧巻は南1局、私から見逃した直後に村田から80を直撃。
 
 12なら私からでもあがるのかも知れないが80なら話は別。当然の見逃しだが、おそらくを合わせた村田も手詰まりだったのだろう。

 この後、再度村田に逆転を許すも南4局のオヤ番でリーチ。私のラス抜け条件は倍満ツモ。であれば即藤原に差し込み4回戦を「1昇・0・0・△1」で迎えようという選択もあったのだろうが、正直なところ「2昇・0・0・△2」と「1昇・0・0・△1」の優劣にバイツモというラス抜け条件を加味した身の処し方を決断しかねていた。結果的には藤原がツモって再逆転を果たしたのだが、1巡の決断の遅れが命取りになることも多々あるためそのあたりは修正していきたい。
 それにしてもだ、ここでトップをとる藤原もすごければ、3戦ともバーでしのいでいる堀井もさすがである。組み合わせを見たときに思ったのだが、この1次予選だけで参加費の元はとれている。
(◎藤原/●菊池)


【4回戦 堀井0・村田1昇・菊池0・藤原△1】
 結論から書くと、この半荘でトップをとり村田とともに勝ち上がりを決める。私があがったのはオヤ番のタンヤオツモの10オールのみ。結果13浮きのトップという痺れまくる薄氷の勝利である。私が所属する団体RMUリーグの、マンガンやハネマンをあがってもラスになることがあるような高いレベルでの派手な打ち合いも1つのマージャンの面白い形である一方、他家に鳴かせずふらず身を削りながらしのぎあう101もまた1つのマージャンの完成形なのである。

 微差のトップで迎えた南2局の4巡目、
 上家の村田にをきられた直後にをひく。これでメンツ手にすることは決定で、よほどのことが無い限りオリないのと、受けが不安な分この先のピンズの変化もみて打。あまりオリる気が無いなら将来的な安全牌を抱えるより必ずでていく牌が安全な方が良い。そして次巡の引き、そうこの変化である。がその後全く手が変わらずそろそろを外そうにも代わりの安全牌を持ってこないまま13巡目にをひいてようやくテンパイ。しかしこのタイミングででていくに皆が一斉に反応する。無筋のなどこぼれるはずもない。仮にをツモ切りしていて、このタイミングで打であればもしかしたら後数巡はのポロリがあったのかも知れないしやはり無かったのかも知れない。101とはそういうレベルでのしのぎあいなのである。結果は流局。

 南4局を迎えて、菊池12→村田06→藤原04→堀井。アガれるものならアガってしまいたい。村田から以外は勝ちが決まるし、村田からでも1昇持ちで延長なら悪くない。中盤に以下の牌姿。
 は安全牌。受けも考えて打。早いヤミテンが入っていてもおかしくないので息をとめてきる。一打一打が深く重く苦しい。アガられたらほぼ負ける堀井にのトイツ落としをされ11巡目にドラのを打たれて万事休す。ここから流局までの数巡が永遠かと思えるほど長い。もちろん藤原はまっすぐ行くので24以上を堀井に放銃されても終わる。それでも私にできることとといえば丁寧におりていくことだけ。マージャンの大きさと対局者の勝ちたいという思いをリスペクトし、自分の身の丈を知り、無理にあがかず、運を天に任せて冷静に溺れること。14巡目に藤原からリーチ。まっすぐに向かう堀井。藤原がをツモ切りした後に堀井が無筋のを手出し。直後安全牌のも使いきった私がついに手詰まる。打牌候補は藤原に通ったばかりのか、堀井の現物で藤原にワンチャンス。堀井に放銃すると即終了なので目をつぶってを切る。聞けばは藤原の入り目だったとのこと。それでもを打てた自分、冷静に溺れ続けられた自分を評価したい。最後は堀井が藤原に差し込みに行くがその指運が少しだけ私に味方し、流局で1次予選の幕が閉じた。
(◎菊池/●藤原)


 この熱い対局で既に参加費の元はとれたのだが、幸運にも2次予選に進めることになったので次も楽をせず冷静に溺れてきます。最後にこの素晴らしい大会を主催してくださっている101競技連盟の皆様にこの場を借りて感謝の意を表します。ありがとうございます。
(菊池 一隆)


B卓:
B卓
終了
亀井 敬史 B級 △1
内田  慶 推薦 ±0
稲毛千佳子 東京 △2
佐藤 文彦 東京 3昇



 


C卓:昨年のリベンジなるか?
C卓
終了
大川戸 浩 B級 1昇
忍田 幸夫 推薦 △2
中村 浩三 東京 1昇
湯村 浩章 仙台 ±0

 第32期八翔位戦1次予選C卓のレポートを担当いたします、「RMU B級ライセンス中村浩三」です。よろしくお願い致します。

 2015年6月6日。
 昨日の夕方からの雨模様とは打って変わり、朝からかなり気持ちの良い天気になった。
 対局室近くのファミレスで遅い朝食を済ませ、30分前に会場入り。いつものルーチンだ。

 気になる対戦相手だが、期首順位順に紹介すると、
 101競技連盟B級選手の大川戸浩選手。日本プロ麻雀棋士会の選手だが、今年から順位戦選手となっており、その順位戦第1節では他の追従を寄せ付けない4昇を上げている。
 麻将連合代表、忍田幸夫プロ。私が紹介するのがおこがましいが、事前の調整(イン東京)で8戦7昇というとてつもない調整で望んできている。忍田さんと101のルールで対局するのは初めてで、恐くもあり、楽しみでもある。
 仙台支部、湯村浩章選手。湯村さんとは、対局すること自体が初めてで、どんなマージャンなのかを打つのか未知数である。去年は残念ながら2次予選で敗退しているが毎年八翔位戦には出場しており尊敬する選手の一人だ。


【1回戦 起家から(以下同)中村・大川戸・忍田・湯村】
 東1局(ドラ)、忍田が仕掛けを入れるも、大川戸が攻めているのか守っているのかを微妙なところから、10・20のツモアガリ。

 流局して迎えた東3局(大川戸50→忍田・湯村10→中村)、配牌がいい。第1ツモでイッツーとジュンチャンのイーシャンテン。
 第1打候補は、。次にドラのでも引けば、早い巡目のドラ表示牌を打ち出してくるケースも十分考えられるので、を候補から外す。これが、6巡目以降なら打。打点はイッツーとドラが絡めば確かに高いが出アガリできる可能性は0に等しい。
 ならば、を重ねた後のでジュンチャンサンショクを見て、打
 悲しいかな次巡で52テンパイをあっさり逃す。
 その後、2段目になりを引き、打
 ピンズの上の場況が限りなく良くなり、を引くことを願っていたが引いたのは
 程なくをツモリ、4・8。一応ラス抜けに成功。

 東4局(大川戸40→中村10→湯村04→忍田)、ドラが2枚入りのチートイツのイーシャンテンになったのが6巡目。重なっていないのは、2枚切れの、生牌の、自信のあるの3枚。
 8巡目にを引き入れ、生牌よりかはと思い、地獄の待ちに取る。後にアドバイスを受けたのだが、このは通常のマージャンだとこれでいいと思う。しかし、八翔位戦の舞台だと、このは安牌とされ、3段目までご丁寧に温存されることが多い。そして、8巡目頃の生牌は打ち出される可能性も0ではないし、ツモる可能性も十分ありうるので待ちに取るのが正解であろう。
 結果は10巡目にをツモリ、20・40をアガリ逃しした上に、強い牌を連打するハメになるが、忍田から64をアガる。

 南1局(中村24→大川戸50→湯村68→忍田)、このまま加点して1回戦の逆転トップと行きたいところだが、大川戸がど高めのでタンピンイーペーコー、ならピンフのみ)をツモられ、あっさり大川戸に逆転される。同巡にでオリていた私は、そんなことならツモ切っておけばよかったとは思っていない。

 南2局(大川戸54→中村61→湯村68→忍田)、ここも大川戸の舞台。タンヤオドラ1を忍田からアガり、42の加点。

 南2局その2は忍田がリーチをするも流局し、南3局も忍田がラス抜けをかけたリーチをするも2局連続リーチを空振る。忍田程の精度の高い打ち手が2局連続リーチを空振るほど、八翔位戦という舞台にはアガリたいと思えば思うほどアガれない魔物が棲んでいるということか?

 南4局(大川戸96→中村61→湯村130→忍田、供託20)、オヤの湯村から渾身のロンの声。供託2本をせしめ、忍田のラスを決定付けるには十分すぎる8オール(ピンフツモ)だった。

 南4局その2は、マンガンツモを目指すもテンパイが入らず、流局。
(◎大川戸/●忍田)


【2回戦 湯村0・忍田△1・中村0・大川戸1昇】
 東1局から忍田のリーチが飛ぶが流局。
 更に、東2局のオヤ番でもリーチ!をバラ切りしたドラが雀頭のカンマチである。私はその瞬間、1牌入るとタンピンのイーシャンテンになる形で切る牌が押しやすいとスジの。形は。しかし、引く間もなく大川戸が放銃に回る。そんなに通る牌は持っていなかったので、終盤残り2巡になって安全牌がない場合、放銃していたかもしれない。考えてもぞっとする。
 しかしこれによって、1回戦と逆の並びがあっさり出来てしまう。オール0に戻るのは、3回戦のラスが致命的になるので、なんとか忍田を逆転したいが、自分もここでラスは引けない。
 余程先手や好打点でアガれる見込みがないと難しい局面になってしまった。

 東2局その2(忍田78→湯村・中村78→大川戸)では、1回戦バーの湯村がピンフツモイーペイコーの7・14をアガる。

 東3局(忍田36→湯村35→中村78→大川戸)のオヤ番は、好配牌が入り、アガリは確実、後は何点になるか?位の牌姿だったが、結局ツモに振り回され、17巡目でようやくテンパイ。残り1回でツモれるはずもなく、流局。
 8巡目にドラを切った牌姿が以下。345と456のタンピンサンショクのイーシャンテン。
 この切りに全員が反応しオリるのだが、次巡を引き、ソウズの好形を選びドラ周りを放棄し、3人の捨牌から一応安全度を考え打(ちなみにを切っている。切った時のソウズの牌姿はとその後のツモ切り)。
 フリテンでも、ドラ周りより、がいいと判断した。次巡が3枚飛びでを引き、重なりを求め打。結局、17巡目にを引き、タンピンの待ちテンパイを組むのだが、救いはを引いていないことか?
 本日一番悔しい流局となった。

 東4局、アガれるときは、あっさりアガれるものだ。をポンから加カンし、大川戸から16。

 南1局、南2局は流局し、迎えた南3局(忍田36→湯村19→中村110→大川戸)。忍田がコクシのような捨牌から、終盤4枚目の牌を自ら切り、まだ攻め続ける。最大スーアンコやドラのを固めた手で、メンツ手からチートイツまで何でもありしかも高い。しかも私はオヤ。ツモられた場合のダメージが大きすぎる。 3人が現物や100%通る牌しか切れなくなるも終盤、場況最高のをツモられ、チートイツドラ2の20・40。
 これでほぼトップは決まったか?

 南4局(忍田136→湯村39→中村90→大川戸)、私にもラスの危険性が現実味となり押し迫ってくる。そして、来るぞ来るぞと思っていた10巡目、オヤの大川戸からリーチ。タンヤオのイーシャンテンまで辿り着き、チーテン、ポンテン何でも入れるつもりだったが間に合わず。しかし、今度は中筋ので放銃したのは忍田。こっちは24で済んでホッとする。ただ、80以上は放銃出来なくなった分だけちょっと厳しくなる。

 南4局その2(忍田112→湯村39→中村66→大川戸)、大川戸にもアガりきる力は残っていなかったみたいで、流局となる。これで、全員が0となってしまった。
(◎忍田/●大川戸)


【3回戦 大川戸0・湯村0・中村0・忍田0】
 この3回戦をトップを取ったものが絶対的な優位となるし、ラスだと絶体絶命となる厳しい3回戦を迎えることとなる。こうして緊張した3回戦に突入した。

 東1局、6巡目に役なしドラなしの3メンチャンマチをテンパイ。リーチも考えたが、リーチ棒の重みをいやというほど知った今、当然のヤミテン。3巡ほどかかりをツモって、3・6。
 たかが3・6、されど3・6。

 そして、東場は全て流局し一気に膠着状態となる。12をアガっている自分としては良い展開。

 迎えた南1局(中村15→湯村・忍田03→大川戸)、またまた軽い手が入る。6巡目、タンピンのテンパイ。待ちは。東1局とほぼ同じ待ち。アガれる気分になるのは私だけではないはず。これをラス目の大川戸からアガリ、更に優位に立つ。これでトップが取れるとは思っていないが、丁寧に打てばラスはある程度回避できる位置。

 南2局(中村35→湯村・忍田23→大川戸)、序盤に西家の忍田がを早々に仕掛け、3・6。更に良い展開だ。

 南3局(中村20→忍田18→湯村20→大川戸)、今日は、大川戸がこのまま沈まない。ラスめというリーチを打ちやすい立場ではあるが、一手変わりイッツーのピンフをリーチしツモリ7・14でラス抜けに成功する。

 南4局(中村13→忍田03→大川戸15→湯村)、トップめからラスめまで31。全員にトップとラスの可能性がある痺れずにはいられない南4局。そしてというかやはりと言うか、ラス目に落ちてしまった湯村が翻牌を2つ仕掛ける。捨牌的にはソウズのホンイチに見えるが、果たしてどうだろう?
 この3回戦はラスさえ引かなければ、4回戦色んな戦い方が可能だ。しかしラスを引くとかなり不利な戦いを強いられることになる。しかし、私はどっちにしても放銃はしたくない。同じ理由でトップを陥落することは譲れても、ラス落ちなんて耐えられない。
 全員に言えることだけあって、忍田も中盤からトイツ落としをし、回ったかオリたか?
 大川戸はというと、あれ?向っている?ん?どっち?位。しかし、いくらツモられてラス落ちでも自ら破滅に向かうはずがないと思い、湯村の現物を切るのを1巡先送りにした。
 そこに大川戸が湯村の上家で「ブン!」とアタってもおかしくない牌を切る。
 テンパイだ!しかもドラのはそこか!
 次に切ろうと思っていた湯村の安全牌が一気に危険牌と化す。しかもそれは確実なラス落ちへと向かう要らない切符。湯村に当たるかもしれない20も切れないし、大川戸の80も切れないし、もう私には切る牌が全くなくなってしまった。
 ツモる牌に渾身の力を込め、安全牌を祈った。1巡通過する毎に、周りの酸素がどんどんなくなっていく気分だ。
 そして、大川戸が自らツモリ、ツモダブドラ3の30・60。
 やはり、その牌は湯村の現物、私が切ろうとしていた牌だった。
 この3回戦、今日一番の小場で進み、南4局になってハネマンとは。まあしょうがないかと思っていたが、一番割りを食ったのが忍田。高すぎる30・60はオヤカブリでラスとなってしまう。
 101でのラスオヤにおけるリスクがこの南4局で出てしまっては打つ手はないか。
(◎大川戸/●忍田)

 1回戦終了時に戻った。これで、私と湯村のどっちが大川戸の味方につけるかが大きな鍵となる。最悪の場合、自分が勝ち抜けない場合は、忍田をトップに押し上げ、自分がラスを引き受けなければならない。


【4回戦 忍田△1・大川戸1昇・湯村0・中村0】
 大川戸の下家が湯村、その湯村の下家が私。これはひどい座順となってしまった。大川戸の助けを借りられる湯村の方が有利である。

 東1局、オヤ・忍田からリーチが入る。東発の忍田からのリーチはこれで2回目。いずれも△1を背負った時だ。
 負けているオヤのリーチには、全員が反撃しづらく全員オリに回るが、忍田もツモれず流局。

 東2局、さらに忍田からリーチを受ける。しかし、その宣言牌に湯村からロン(ピンフ・イーペイコー20+供託10)の声。

 これで湯村が、この1次予選で初めてトップ目に立つ。このまま湯村トップなら、大川戸と湯村の勝ちあがり。大川戸もラスは引けないが、ある程度のアシストはしてくるだろう。悪い展開となってしまった。

 東3局(湯村30→大川戸・中村30→忍田)、配牌からソウズのイッツーのリャンシャンテンで、すぐイーシャンテンになるもこれがテンパイしない。
 湯村の連荘だけは阻止しなければならないので、ピンズはもとより、もチーする構え。そんな終盤、結局自分でも引けず、チーもできず、湯村がをツモリ、ツモ・789のサンショクの20オール。気が遠くなるようなアガリだ。

 東3局その2(湯村110→大川戸・中村30→忍田)、これだけ、離されるとトップは厳しいのでプランBも考えなければならない。忍田にアガってもらい大川戸の上に立ってもらい、大川戸にラスを押し付ける戦略だ。
 これなら、私が忍田にアシスト出来る分、大川戸・湯村連合VS中村・忍田連合で戦えるはずだ。なので、忍田からは安い手はアガらない、高い手ならアガろう、と心に決める。
 そんな方針で手を進めると、ドラののくっつきで、タンピンサンショクのイーシャンテンにまで漕ぎ着く。しかし、必要なは場に3枚切れ、は2枚切れ、も3枚切れ、が2枚切れ(ドラ表示牌含む)。場も終盤になり3段目でやっとテンパイ、しかも持ってきたのは。まあ持ってきただけ嬉しいが。
 ここまで来ると、誰もソウズは切らないだろうし、実は2枚丸々ヤマにいるかもしれないさえ入れば、枚数が格段に違うならリーチしただろう。
 次巡ツモが。ほらねっ!と心のなかでつぶやく。
 その次巡ツモがドラ??
 ドラ2枚持っている人はいないと読み、続けてを切る。「3人から???」という違和感を醸し出された直後、忍田がを切る。巡目は15巡目と見逃す猶予はなく、高い手はアガると決めていたのできっちり52の出アガリ。
 とは言いつつも、これでプランBは使えなくなってしまった。後は自分のアガリでトップをもぎ取るしかない状況に自分を追いやってしまった。

 東4局(湯村58→中村52→大川戸82→忍田)、このオヤ番でちょっとでも差を詰めておきたい。なんなら逆転も夢見て。しかし、北家の湯村が早々に翻牌と数牌を2つ仕掛ける。湯村にアガられると、点数とオヤ落ちという2つのダメージがある。
 しかし、2つ仕掛けた後のスピード感がないように感じた。
 テンパイならアタってもおかしくない所を切り飛ばし、11巡目にリーチをかける。今日初のリーチはこんな牌姿。
 前巡、4枚飛びのの選択があった。打点的には、どちらでも26オールの方が優秀なのだが、が危険と思ったので、を選択した。すぐにをツモるも、丁寧に打ったご褒美か終盤をたぐり寄せ、26オールで逆転に成功。

 東4局その2(中村46→湯村110→大川戸82→忍田)、配牌からイーシャンテンだが、役なしドラなしで、ホンイチに走る。
 第1打は、次巡ドラのを引き打をチーすると、忍田がをポンし、直後、大川戸がを切り、78のテンパイ。しかもは忍田がポンでいい待ち。
 これはもらったかと思いきや、湯村からリーチ!湯村も腹を括っている。
 一発でドラのを持ってくるが、ノータイムで切る!通過。忍田もをツモ切る。
 次の湯村の切ったを忍田がポンし、打が湯村に御用。16のアガリとなった。
 私がを持ってきていなければ、忍田がをツモ切ったかどうかはわからないが、切れていなければポンもしないだろうから、の放銃もないだろうが、のどっちが勝っていただろう?勝負のアヤとは、得てして一牌の牌や一牌の後先に左右される。面白いものである。

 南1局(中村30→湯村126→大川戸98→忍田)、道中、私にとって事件が起こる。
 まずは、忍田のポンから場が動くが、湯村がドラのをツモ切りすると、それを大川戸がポン!さらに、既にテンパイが入っていた湯村からリーチが入る。
 一方ドラをポンした大川戸も無筋のを手出ししてきた。
 
 それでも後のない忍田はを合わせた後はゴリゴリに押してきている。もう忍田に差すしかなく、大川戸・湯村の安全牌、忍田の危険牌を2〜3枚切るがどれもヒットしない。
 しかし、このピンチを救ってくれたのは忍田。大川戸のロン牌のタンキをツモり、6オール。

 南1局その2(中村40→湯村116→大川戸64→忍田)、この半荘の湯村の手牌が落ちない。を河に並べての3巡目リーチをかける。
 チートイツが本戦だが、メンツ手も否定できる材料は持っていない。
 私を含め3人が、アタってもしょうがない字牌や後スジを切るしかなく、捕まったのは大川戸の。リーチチートイツの32。

 南2局(中村08→湯村180→大川戸32→忍田)、前局の大川戸の32放銃により、ラス抜けするチャンスが見えてきた忍田。ポンから仕掛け、ポン。ツモと、あっさり3・6で大川戸のオヤを流す。
  
 自分がトップなら、忍田がラスが良く、湯村に捲られるなら大川戸がラスにならなければならず、トップ争いに含めてラス抜け争いもヒートアップしてきた。

 南3局(中村08→湯村183→大川戸14→忍田)、南場では後手ばかり踏んでいたが、やっと先手が取れる。5巡目にポン。6巡目にポンし、以下のテンパイ。
  
 これは、ツモる気マンマンだったが、忍田が食い下がる。自風のをポンした後、私が切ったをチーし、雰囲気はイーシャンテン模様。見た目の点数は20あるので、忍田にアガられて南4局を迎えると決定しないパターンが多くなるのでアガらせたくない。
 しかし、このチーが長考の末のチーだったためまだテンパイしていないと読んだ。次巡ツモったをぶった切り、次巡再度をツモ切ると忍田が少考を入れヤマに手を伸ばし、我慢をする。
 後に聞いたがその時の忍田は前巡を引き入れ、をチーすると、チー後に喰いとっていたを離す形だったとのこと。
  
 ここで2つ仕掛けてもなお我慢が出来る忍田の底力を感じた。結果は、自分でもツモれず流局となり、運命の南4局へと突入する。

 条件はというと、このまま流局は(◎中村/●忍田)となり、大川戸・中村の勝ちあがり。
 ・忍田がラス抜けし、大川戸がラスの場合は、中村・湯村どちらのトップでも決定せず、延長。
 ・湯村がトップになった場合で、このままラスが忍田なら、(◎湯村/●忍田)となり、大川戸・湯村の勝ちあがり。
 ・(◎大川戸/●忍田)なら、これも延長。
 ・忍田トップの場合、同着除き、全て延長。

 点数的には、
 ・忍田がラス抜けするには、ツモは、8・16以外OK。出アガリは、中村・湯村からは16以上。大川戸からなら無条件。
 ・大川戸は何をだれからアガってもいいが、自分がトップの場合で忍田がラスだと「2昇・0・0・△2」の延長戦となる。
 ・湯村は、ひとまず、何を誰からアガってもトップになるが、決着させるためには、大川戸をラスに出来ない。それでも、アガれば優位な延長なら仕方ないがアガるだろう。

 さて、南4局(ドラ)だが、まずは先陣を切って、忍田がドラのを序盤にリリース。しかしこれには誰もポンするものは居ない。ひとまずホッとする。これを湯村、大川戸がポンすれば、厄介である。
 湯村ポンの場合、大川戸も差し込めないので、手仕舞いになる可能性は高いが、大川戸ポンの場合、怖いものが何一つないので、まっすぐ来られてツモの場合、大川戸はトップにもならずに、私はオヤカブリで湯村トップで決定してしまう。

 そして、私の手牌だが、安い手はアガってもあまり意味がなく、アガる場合は緊急回避のみ。アガるなら、せめて60以上が望ましい。道中以下のリャンシャンテンになる。
 大川戸からが出るが不十分形のためスルー。次巡を引き入れイーシャンテン。
 なお、は3枚切れ。この形なら、全部ポン、チーしようと思っていると、(ただし、湯村からだけはポンしない)、大川戸がでチー。そこには打てない。湯村と8差しかないからだ。完全安牌以外切れなくなり、次巡撤退。
 これが、10巡目。と切っていき、大川戸と湯村への完全マークへと切り替える。
 残り巡目と安牌の数が微妙で恐らく1牌足りなくなる計算。楽観的に考えれば、あと6巡で1牌持ってくれば放銃はなくなる。
 しかし、これが途端に危険牌しか持ってこない。最終手番では、アンコになったを切るしかなく通った瞬間、湯村にツモ巡はなく、ホッと胸を撫でる。
 あとは、忍田・大川戸の最終手番を待つのみとなった。途中、ドラのが3枚切れたので、(ハイテイ役がないので)大川戸がツモる分には問題ないはずだが、チーしておいてタンヤオ付きのツモリサンアンコとか、レアな奴はやめてよ!っと願い、動向を見守る。
 最終手番の大川戸が手の内から安全牌を切り出し、流局。
(◎中村/●忍田)

 これにより、大川戸、中村の勝ち上がりが決定した。


 昨年の1回戦で敗北を喫し、同じく同卓で敗北した菊池さんと今年の勝ち上がりをお互いに胸に誓い、1年間を過ごしてきました。
 同日、A卓で菊池さんも勝ち上がりを決め、その後、お互いの勝ち上がりを祝い、祝杯を上げた時には感無量でした。

 拙い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
 最後になりましたが、応援してくださった皆様、この場をお借りして感謝の言葉を伝えさせてください。
「応援、ありがとうございました! またこれからも、応援よろしくお願い致します。」

(中村 浩三)


D卓:運命を分けた最後のあの2局
D卓
終了
山田 史佳 A級 △2
須藤  浩 推薦 1昇
関根 秀介 東京 1昇
平山 友厚 東京 ±0

 八翔位戦の組み合わせが決まった時、真先に思ったことは昨年1次予戦で戦った3人の内2人とまた今年も当たってしまったということ。それもその2人が勝ち上がったという結果があり既に気持ちで負けている面が多少あった。
 まずは対戦メンバーの紹介をします。
・麻将連合の須藤浩認定プロ。『局面全体を包みこむように打つ』麻将スタイルは多くの麻雀ファンを魅了してしまうほどである。強さ・上手さはもちろんのこと麻将に取り組む姿勢はたくさんプロがいる中で一番と思っている。
・次に順位戦A級選手である 山田史佳プロ。彼はアマチュア時代からマージャン101で打っていた仲間である。順位戦選手になって2年でA級に昇格は流石である。昨年勝ち上がった2人の内の1人である。
・3人目は アマチュアで強豪な有名選手、平山友厚選手。平山さんはRMUやほかの大会でも優勝するほどの強者である。平山さんにも昨年負けている。
 3人とも凄い選手である。そんなメンバーで対局を開始した。


【1回戦 起家から(以下同) 平山・山田・関根・須藤】
・東1局その1 北家須藤、ポンして567サンショク高めので山田から40。
・東3局その1 ドラポンを含む激しい仕掛けの平山に山田が80の放銃。
・東4局その1 平山、ピンフタンヤオツモドラ2ツモで20・40。
・南2局その1 オヤ・山田、をポン、でチーの仕掛けで6オール。
・南3局その1 北家・山田ピンフドラ1のリーチをかけるも、西家平山へ32の放銃。
・南4局その1 オヤ・須藤が山田から18。
・南4局その2は流局となり1回戦が終了。平山らしい力強い上がりが多く出た局となった。 逆に山田らしくない放銃が目立った結果となった。
 私はノーホーラであったが逆に一度も振っていないため最高の立ち上がりといってもいい1回戦を迎えられた。

(◎平山/●山田)


【2回戦 山田△1・関根0・平山1昇・須藤0】
・東1局その1 関根3・6。今日初めてのアガリ。このアガリで少し心が落ち着いた感じがあった。
・東2局その1 須藤が平山から16のアガリ。
・東3局その1 平山ツモリサンアンコの形のタンヤオを山田から24。
・東4局その1 平山リーチをかけたがオヤの須藤が山田から30。
・南1局その1 平山、2つ仕掛けてのタンヤオドラ2で10・20。
・南2局その1 少しはなされたラス目山田が安目でリーチ・ツモ・ドラ1(10・20)。
・南3局その1 山田のリーチをかいくぐり 関根が山田から16。
 南3局まで毎回のアガリが発生、八翔位戦ではこれほどあがりがでるのは珍しいことである。
・南4局その1(須藤→65→関根13→平山61→山田)、ラスめ・山田からリーチが入る。この時私はドラ待ちチートイツのテンパイ。リーチ棒があるので出アガリでもトップまで見えるため何枚か強い牌も押した。しかし切れない牌をツモって撤退。このまま流局となった。
(◎須藤/●山田)
 2回戦は須藤の局回しの上手さが感じられ局となった。ここでも放銃が多かった山田が痛恨の△2となった。
 2回戦も放銃なし、いつも放銃がないときは結果がいい、それを信じて3回戦に臨んだ。


【3回戦 須藤1昇・関根0・平山1昇・山田△2】
 今まで放銃がなかった私だが、須藤・平山に先を越された焦りは少しあったかもしれない、この3回戦にて放銃シーンが出てくる。それも集中力がなくなった時の放銃であった。
・東1局その1 関根が17巡目平山に20の放銃。
・東2局その1 平山がラス目・関根から、ポンの12を加点。
・東3局その1 平山ピンフツモアガリ8オール。
・東4局その1 関根、16巡目に平山に20を放銃。この巡目でアガリ向かい振り込んでしまった。奇跡的に致命的な放銃とならなかったが東場で3回深い巡目の放銃になった。最悪な放銃である。
 これで、「平山86→須藤10→山田34→関根」。このまま終わるともう勝てないというモードになる。この時、どうにかしないとという気持ちでいっぱいであった。

・南1局その1 関根、タンヤオリーチも結果流局。だんだん3回戦の終了が迫ってきた。(焦る!!)
・南2局その1 このまま(◎平山/●関根)になるとほぼ平山・須藤の勝ち上がりの?死のシフト?となってしまう。
 それを阻止するため、最低でもラス抜けをしないといけないと思っていた。そして今日の運命を分けるポイントの1つがやってくる。
 ドラはないが久しぶりに行けそうな配牌、タンヤオ・ピンフと234のサンショクが見える。あともう少しというところで山田からリーチ!!
 この時点での私の手牌は、
 次巡、最高のが入り確定サンショクとなる。ここで小考。普段はリーチをかけないが弱気になっている自分の気持ちを変えたいためあえてリーチ。これで流局か山田に振り込んだときは潔くあきらめようと思った。
 結果はをツモリ、60オール(+供託10)で発声とツモった手が震えていた。その後、山田の追い上げがあったが最後自らツモリ3回戦をトップで終了した。
(◎関根/●須藤)

 そしてもう一つの運命を分けたポイントがやってくる4回戦と続く。


【4回戦 山田△2・須藤0・関根1昇・平山1昇】
 最後となるかもしれない4回戦、この状況で私が勝ち抜くのは(◎関根/●山田)、(◎関根/●須藤)、あとは自分がラスを引かずに、平山にトップをとってもらうこと。もっとも一番心がけるのはラスにならないということである。山田から見ると、自らトップを取った上で関根か平山にラスを引かせないと延長に持ち込めないことも考慮しなければならない。さらには、須藤が私とのトップ・ラスを実現されてしまえば敗退してしまう。そうこう考えているうちに対局が始まった。

 東1局その1 早々に点棒が動く、起家山田がリーチ、みんな撤退した直後ツモリ、タンヤオピンフドラ1をアガリ26オール。山田が一歩抜き出た。

 東1局その2山田がダブを仕掛けたが前に出ていた分引くことができずに平山に52を振ってしまう。この時点で、「山田・平山52→須藤・関根」となり またトップからラスまで縮じまった。ラスだけにはなりたくないためどこかでアガらなくてはとこの時強く思っていた。

その後、東3局で焦りが本格化してきた。同点3着めの須藤が10・20をアガリ私はラスめとなった。

焦る中迎えた東4局その1。いつもはリーチをかけないピンフドラ1の手でリーチ。直後須藤にチートイツドラ2をツモられ20・40。さらに苦しい展開となった。「須藤108→山田20→平山52→関根」で須藤がほぼ◎の位置になりこのままだと敗退してしまう私がすべきことはラス抜けをすることである。

 その後、なにもできない局が過ぎていき、とうとう南3局となった。あとから思えばこの局から私に風が吹いてきたのかもしれない。理由はわからないが今まで焦っていた気持ちが南3局で穏やかになった。もしかしたら開き直ったのかもしれない、でもあきらめたわけではない。

 南3局その1、オヤの私が、タンヤオピンフをテンパイ。今回は焦らずヤミテンで構える。 平山からの直撃が最高のアガリ。しかし山田からロン牌が出て30。次につなげるアガリとなった(須藤128→平山10→山田12→関根)。

 南3局その2、またここで他力だけど私に風が吹く。山田が6巡目リーチ。これをどう読むのかが私が生き残れる最後のチャンスだと思った。山田がトップを取り、私か平山がラスになると(1昇・0・0・△1)のスコアでの延長となる。なのでこのリーチは、打点が高いと読んで完全降りの対応。
 結果は、平山が振りこみ20のアガリ。このアガリ、山田の意図は不明だが私にとってプラスになる一局となった。理由は、これから迎える南4局で山田は20・40では「須藤をとらえられない」「延長の可能性が低い」「平山まで一アガリで逆転する」という点差である。
 南3局終了時、「須藤118→山田30→平山02→関根」。ラスめとはいえ次局私がアガるか平山以外のものがツモれば(この場合は須藤であるが)私は通過できる。仮に山田が30・60を引いてもラスは平山である。チャンスが広がったのである。
 そして迎えた南4局、私がやるべきことはなんでもいいのでアガることである。配牌が、 
 をコーツにしてアガるか タンヤオにするかと考えながら進めていく。
 7巡目、は須藤に抑えられている可能性があるかもと、あと2巡待って出なければ切っていく覚悟をきめた8巡目に平山からが出た。
 今日運命を分ける2つ目のポイントである。たぶんこのを止められていたらアガリはなかったかもしれない。を鳴いた直後形は、
 
 次巡、カンが埋まりテンパイ。やはり風は私吹いている。あとはロン牌を拝めるかということだけである。
 平山も前に出てきている。平山・関根、どちらがあがるかの勝負と思っていた。
 そして決着の時が来た。12巡目、山田からが打ち出されラス抜けに成功し、勝ち上がりを決めることができた。
 今回の八翔位戦は、今までで一番苦しい戦いとなった。ただラッキーにも終始ラス抜けを争う位置にいても1局もラスをひかずに済み、なかったのはここぞというときにアガれたからである。 
 振り返ると「運命を分けた最後のあの2局」、忘れられない対局ができたと思う。
(関根 秀介)



E卓:リーチを制したのは…
E卓
終了
田中  実 B級 △1
奥田 直裕 東京 1昇
熊谷  修 東京 △1
中村ゆたか 東京 1昇

 5月某日、田中と飲んでいる最中に対局通知のメールが入る。面子は、わしら2人と中村、奥田。そこで、田中が一言。「中村、奥田の二人勝ちあがりしか見えない」。うーん。そうかな。
 さて、対局当日。いつもの様に蕎麦を食べて、対局室へ。この時点では、勿論、勝ち上がりしか考えていない。

 1回戦。荘家中村のの切り出しを見て、を切ると、ポンの一声。中張牌からの切り出しに対し、ファンパイを打ち出すのは、ここ数年のフォームなので、別に気にしない。ただ、ここから北家田中のに仕掛けが入りあっという間に手牌4枚は想定外。

   
   手出しは、のまたぎ、カンあたりか。ここに奥田が打とかぶせ、中村が手出し。頭がついていかないが、まさかワンズに寄せたのか。と思いきや、あっさりとツモで60オール。気の遠くなるような先制パンチ。
    

 その後、奥田12←中村。奥田20・40(オヤ熊谷)。熊谷80←田中。熊谷20←中村。と激しく動いた南3局のオヤ番。
から打で早いイーシャンテン。
 ツモと持ち変えた次巡ツモでテンパイ。たらればのツモで、リーチの一声で打ち出したが、田中への32。後は、ラスを引かない事だけを考えて終了。
(◎中村/●田中)
 
 2回戦。奥田トップの自分ラスが最悪、逆が最良。自分トップが勿論よいが、かなわない場合は「1昇・0・0・△1」の0を持って次戦へつなぐことを念頭に打ち進める。

 まず、奥田から28の先制。
 あっさりと並びができたと思ったのも束の間。東2局に奥田があっさりと20オール。
 田中のリーチが2度流局した後、奥田←中村への移動は20。いっそ、もう少し高くなって、中村がラス目なら良いのに。

 南4局(ドラ)は、奥田44→熊谷68→中村20→田中。オヤ番は熊谷。
 自分、もしくは田中のアガリが希望と思っているも、中村が、ポン、(手出し)の2フーロ。ほぼ、またぎと読む。
  
 私は、以下ののイーシャンテンで、うっかりをツモ切りしてしまう。
  切り以前に跨ぎを打たないと決めのチーテンも入れず。その様に決めているのであれば、を打たないと。この辺が、既に現役じゃないな。
 結果は、最後まで跨ぎを打たず、2分の1の勝負を間違えなかった田中のツモあがり。お見事。
から、打、最終ツモで
(◎奥田/●中村)


 3回戦。構え方は、2回戦と一緒。
 今回も先制。熊谷←中村20。田中のリーチが流局後、中村←田中20。南2局、中村8オール。次局、田中リーチも流局。2回戦のリプレイの様な感じ。

 南3局、オヤは熊谷。点数状況は、中村22→熊谷20→奥田40→田中(供託10)。早いテンパイは、全てリーチ。遅くても明らかなテンパイ気配が無ければ、リーチが得か。今回の面子では、リーチをした方が、流局の可能性が明らかに高い。そして、流局した後の田中、奥田の点差を考えると、もう一本供託して置きたいところ。8巡目、この手牌にツモで首尾よくテンパイ。気分はノーテンリーチ。
 目論目論み通り流局。南4局は、田中の5・10。思い通りの展開で、気分よく4回戦へ向かう。
(◎中村/●奥田)


 4回戦。3度目となる先制のアガリ(←田中12)。

 東4局。オヤの奥田が、13巡目にリーチ。早い打後、筒子の上が切られていないリーチ。
 熊谷、以外は、全面勝負と肚をくくった勝負。
 これが、どちらもアガれずに流局。

 南1局。奥田3巡目にラスめ落ちリーチ(オヤ:熊谷)。これを一発ツモ。開けられた手牌は、
 思っていたより、相当安い。これなら、もうワンチャンスありそう。

 南2局の田中のリーチは流局。今日は、とことん絵が合わない。2回戦、3回戦のリプレイの様な展開。

 南3局(奥田30→熊谷05→中村22→田中(供託10))、6巡目にこんなテンパイが紛れ込む。
 リーチの瞬間、中村の下になる事とアガった場合にトップ目に立つ事との天秤。決着のかかる4回戦ならばと選択は、リーチ。
 結果は奥田が、仕掛け返して、
 
 すぐにを掴んでジ・エンド。

 最終局の延長条件は、田中30・60以上。熊谷40・80もしくは中村からの52以上の直撃。何事も起こらず流局。
(◎奥田/●熊谷)

 結果は、当初の田中の予想通り、奥田・中村の2人の勝ちあがりとなった。
(熊谷 修)



F卓:幻のマンガン
F卓
終了
山内 啓介 B級 △3
大貝 博美 B級 1昇
伊澤  興 東京 3昇
寺西謙多郎 東京 ±0

 八翔位戦の前日の研究会で奇しくも昨年初戦敗退の4人(佐藤さん・中村(浩)さん・菊池さん)と同卓した。私以外の3人は各卓のレポートで記されてるとおり、きっちり今年リベンジを果たし見事に初戦突破している。その対局結果は、好調者3人に手も足も出ずノー放銃ながらも惨敗。
 3人からは言葉でなく牌で「お前もがんばれよ!」と激励を受けて初戦に挑みました。

【1回戦 起家から(以下同)大貝・寺西・伊澤・山内】
 東1局、私の最初の配牌はドラなし、1アンコ3つのカンチャンとあとはバラバラの3シャンテン。早めに役牌が重なれば前へ出るつもりだが重ならず3巡目以降は相手の打牌に合わせる形で打っていく。
 ところが、11巡目までにあれよあれよとトイツが完成し、オヤ・大貝からはテンパイ気配がビンビンにきているがアンコのを勝負してチートイツテンパイ。「罠か?」「このまま押すのか?」と自問自答している間もなく次巡あっさりツモアガリ(8・16)。

 東2局、山内4・8、東3局 大貝12←寺西と3局連続点棒が動く。

 東4局、ラス目寺西がヤミでもラス抜けできるサンショクのカンチャン待ちを強気にリーチするが流局。

 南2局(伊澤20→山内16→大貝30→寺西 供託10)、南家・伊澤が、

 8巡目役なしテンパイから10巡目で役アリに変化した次巡嬉しいツモで頭一つ抜け出した。

 南3局(伊澤65→山内16→大貝37→寺西)、オヤ・伊澤の10巡目、
 すでに山内がどっから見ても12の仕掛けで2つさらしている。これは南4局に寺西のマンガンツモでオヤカブリによるラス回避する仕掛け。賛否両論だがこのようなケースは私は手を止めずある程度踏み込む。南4局に、山内に「マンガンツモられてもラスでは無い」保険を与える事で良い展開に向かうこともある。案の定、山内12←伊澤。

 南4局(伊澤41→山内28→大貝37→寺西)、思惑通り、寺西が攻めて高めをツモれば頭まである3メンチャンをリーチするが誰も相手せず流局。


【2回戦 寺西△1・山内0・大貝0・伊澤1昇】
 2回戦始まる前「今の昇持ちの状態で北家だけは勘弁して、オーラスにいじめられるから」と考えていたのだが。はい、その通り〜♪北家。

 東1局、何とかアドバンテージを取りたくて、イーシャンテンから無理して大貝に28の放銃。

 東2局、やってしまったm(__)m。
 この自分で6枚使用している3メンチャン(笑)。ピンズの下が変化したら何でもリーチと決めてたが、望外のツモ。点数も間違えて「3・6」と申告(-。-)y-゜゜゜、大貝さんにすぐ「4・8」と指摘される。
 東3局(大貝28→寺西04→山内04→伊澤)、場に安いソウズで大貝からチートイツ16。

 東4局(大貝04→伊澤08→寺西04→山内)、今度は山内が大貝から16。

 南1局(山内04→伊澤08→寺西04→大貝)、流局なしの殴り合いで場は沸騰状態。北家・伊澤が、
 この手を寺西からアガり待望のトップ目へ。

 南2局(伊澤12→山内16→大貝12→寺西)、今度は大貝が、ダブアンコの32を山内から。

 南3局は初めての流局しいよいよ南4局その1(大貝04→伊澤40→寺西04→山内)。大貝のアガリでトップは捲られたが、3人のうちリーチがかけられない2人ができたので、この状態は悪くない。
 8巡目、山内がにリャンメンチーを入れる。
 
 同巡私も大貝が合わせたをリャンメンチー。
 
 互いのツモ切りが続く、私もドラ以外は引く気はなし、山内も伊澤に振り込んでも、もう1局できると思っている。
 安全牌に窮した大貝が初牌ののトイツ落しをするが山内1枚目はスルー。
 山内ツモ切り後、大貝の2枚目のを動いてツモれば頭までのテンパイに。
  
 この2鳴き直後、私は初牌のを持ってくるが、こんなんでラスになるはずなくツモ切り。
※一色手でなく、さらにほかの役牌で出ている以上ラスになる形はがヤオチュー牌のアンコ形。
※その牌姿で1枚目ののスルーは考えにくい。
 結果は、山内が伊澤に30放銃。

 南4局その2(伊澤26→大貝44→寺西34→山内)、今度は大貝も寺西もトップ取りにガンガン攻めてくることが予想されたが、山内が出アガリができないがツモればトップまであるリーチを8巡目に(ドラなしツモリサンアンコの形)。
 さすがにラス目のリーチに対して押し返す人もなく無事流局。


【3回戦 大貝0・寺西△1・山内△1・伊澤2昇】
 またまた北家スタート。しかしこの3回戦は全員敵じゃなく味方もいるんじゃないかと配牌を取る。
 初めて東1局が流局。
 東2局、またまたやってしまいました〜。オヤ・寺西、ポン、ポンと積極的に仕掛けドラのを打ち出して待ちテンパイ。寺西の捨て牌のピンズはだけで私の手牌は、
 ここにを持ってきてをブン。数巡後を持ってきたのは私の方(*^^)v。
 ここで「さっきは符跳ね間違えたから今度は間違えたらアカンぞと思い・・・・・繰り上がって繰り上がって・・・」
 発した言葉は「20・40」(-_-)zzz ってなんで60符やねん! Σ\( ̄ー ̄;)パシッ。
 またまた大貝先生からご指摘を受けて訂正・・・。

 赤面しながら洗牌し、そんなこんなで迎えた南4局(伊澤50→寺西08→大貝10→山内)、寺西、ピンフドラ1をリーチ、ツモなら逆転だが他からでたら、下も寒いことからさすがにアガるつもりだろう。ここで役なしテンパイしていた山内がツモ切りリーチして出アガリ可能に!流局間際に山内が寺西のロン牌を掴み同点トップに。


【4回戦 伊澤3昇・山内△2・寺西0・大貝0】
 この回も細かい点棒が動き、南3局(伊澤03→大貝12→山内15→寺西)、このままだと伊澤・大貝の勝ち抜け。
 11巡目に、オヤ・寺西が、
  
 西家・伊澤は、
 
 北家・山内は、
 
 寺西、を持ってくるがカラ切り。そして待望のツモで10オールで一気に頭まで、ついに勝ち上がりラインに。

 南3局その2(寺西10→伊澤03→大貝12→山内)、寺西の喜びも束の間今度は大貝がダブをメンゼンで山内から28。

 南4局(大貝15→寺西10→伊澤43→山内)、たった2局で3着目になり山内にも延長の目がでてきた(13・26以上のツモアガリ)。しかし最後は寺西が逆転の手を入れるも無事終局し、伊澤と大貝先生の勝ち上がり。


 なお4回戦を通して和了は数多く出たが1度もマンガンが出ませんでした。けどマンガンの申告した奴はいたけどね・・・(-。-)y-゜゜゜

(伊澤 興)


G卓:●スタートのジンクス覆せず
G卓
終了
藤森 弘希 B級 2昇
明村  諭 推薦 △1
石川 由人 東京 1昇
猪俣 裕之 東京 △2

【1回戦 起家から(以下同) 藤森・石川・猪俣・明村】
 東2局、石川のタンヤオのみの24(←藤森)と静かに始まった。
 東2局のその2に藤森がアンコの16(←石川)を取り返す。

 東3局終盤、明村がタンピンツモイーペーコーで場をリードする52をアガり切り、東場はそのリードを保ち、終了する。オヤカブリの猪俣がラス目となる(明村57→石川16→藤森05→猪俣)。

 南1局に大きく局面が動く。8巡目に456のサンショクを目指した猪俣が、石川の切ったをチーし(カン)、イーシャンテンにとる。イーシャンテンとはいえ、残りの形がいずれも場に安めのリャンメンの受け入れであったこと、また、チーして切る打牌が石川と明村が序盤に切っているであったことによるのがその判断材料。しかし、その打牌のが藤森のピンフイーペーコー、高めイッツーの方の120につかまる。

 その後(藤森47→明村57→石川141→猪俣)、いずれもトップ目に返り咲くべく明村が南1局その2に5・10ツモ、石川が南2局に40オールと奮起するが(石川61→藤森17→明村223→猪俣)、南2局その2、南4局と藤森が連続して28をアガりきり、初戦をものにする。
(◎藤森/●猪俣)


【2回戦 明村0・藤森1昇・猪俣△1・石川0】
 この1次予選を迎えるにあたり、直前に藤森選手と交わした会話がある。「八翔位戦において、●からスタートすると勝ち上がりは苦しくなるよね」確かにそう思う。この八翔位の戦いにおいては特に一番ウェイトを置くのが、ラスを引かないこと。●になるということは、勝ち上がるためには(特に1次予選において)±0以上であることが現実的であることを考えると、どこかで1昇を取り戻さなくてはならない。そうした場合、戦い方として一番ウェイトを置いていた、ラスを引かないこと以上に昇を挙げることを目指すことにウェイトを置かなければならなくなり、そうした場合の反動となる放銃リスクはもちろん俄然大きくなる。そうなると、戦い方のバランスを崩しやすく、目指している昇を取ることは結構難しいし、現実的には思うような結果を出すことが出来ないことが多い。それを大きく裏付けることとして、今期の八翔位戦1次予選において、最初に●となってしまった選手は全て勝ち上がることが出来ていない。そんな理屈的な面でも、今期の結果からも厳しい状況に置かれてしまった△1スタートであることをひしひしと大きな重荷に感じながら、2回戦を迎えることとなった。

 東3局まで流局ののち、東4局のオヤ・石川がダブを仕掛け、アンコの26オールを引きアガり、その後、南1局にピンフイッツーをテンパイしている猪俣よりタンピンの20を出アガることでさらに加点する。この局、猪俣早い巡目の安めの(待ちはで、ならイッツー)での石川からの出アガリを見逃している。さらに南2局にも明村にのみの16を猪俣が放銃し、連続ラス目(石川108→明村16→藤森36→猪俣)となってしまう。

 南3局、オヤを迎えた猪俣はこの局でなんとかラス抜けを果たせなければ、点数が比較的離れている石川がラスオヤだけにオーラスは1局で終わる可能性が高いため、かなり追い込まれることになる。
 そんな中、10巡目に配牌からトイツで持っている自風のをポンテンに取ることの出来るイーシャンテンの形から、テンパイとなるを引き込み、待ちの役なしドラなしテンパイが入る。ところが、河にが3枚切られている状況。は1枚も切られていないところを見るに、他家の手牌にかたまって持たれている可能性も高いとみる。従って、ヤマに残っている可能性はかなり低いと見るが、置かれた状況を勘案し、リーチに踏み出ることを決断、山に1枚でもいい、眠っていてくれという祈りとともにツモを繰り返す。15巡目にを掘り当て、何とかラス抜けを果たす(石川108→明村12→猪俣04→藤森)。

 南3局その2、ラス抜けしたとはいえ、誰にツモられても、またラス目の憂き目にあう状況。がむしゃらに真っ直ぐにアガれる形の手作りをする。またまた終盤13巡目、567のサンショクを目指したイーシャンテンの形から、テンパイとなるあまり想定していなかったを引く。
 ツモがもちろん最高形だが(終盤なのでアガれるかは微妙)、でも役ありテンパイなので良しとしようと考えていたところに、役なしテンパイとなるツモ。巡目の遅さと河の状況(ロン牌のがヤマにありそうに見受けられる河でもない)からしても、非常に微妙なツモだが、少考の末、がヤマに眠ってくれていること、はたまたツモによって役ありに変化することを祈る、拝みツモを繰り返すこととなる。そんな状況の中、直後に藤森よりリーチがかかる。終盤ということもあり、オリることも視野に入れることになった。リーチ後すぐに、藤森からが切られたことを見て、どうかよ、続いていてくれ・・との祈りのともに、引き当てた(石川58→猪俣38→明村26→藤森)!

 南3局その3は流局し、迎えた南4局。何とかトップをまくりたい猪俣は終盤、ペン待ちイッツーのテンパイを入れたが、惜しくもアガりは実らず流局。
(◎石川/●藤森)


【3回戦 明村0・猪俣△1・石川1昇・藤森0】
 東1局、オヤの明村の8オール、東1局その2に石川の7・14ツモと序盤から点棒が動く。

 迎えた東3局に藤森が本日最初の(G卓では)ピンズのダブホンイチのマンガンをツモりアガる(藤森75→明村10→石川15→猪俣)。
  
 迎えた東4局、河に良さげな待ち頃ので中盤、猪俣が明村にチートイツドラ2を打ち上げる(藤森01→明村84→石川79→猪俣)。

 南1局に藤森が石川に20を放銃したことで、トップ目が明村にかわる。

 ラス目で迎えた南2局、オヤの猪俣が4巡目にドラタンキ(ドラ)のテンパイが入る。早い巡目でもあり、手牌を組み直し、待ちの広い形にすることとの天秤にかけることになる。もし、打牌後にツモってきてしまうと、それはあまりに痛すぎる、またそのアガリがあまりに大きいことから、長考の末、待ちのリーチに踏み切る。だがその思い果たせず、流局。

 南3局に藤森、2度目のマンガンをツモアガり、藤森がトップ目で南4局を迎える(藤森91→明村84→石川89→猪俣)。
 藤森は1局で終わらせる可能性が高いため、猪俣がマンガンツモの手作りをしにいくが、ツモが思うように伸びず、諦めかけていたところで中盤、藤森が石川より24を出アガる。猪俣とすればラス抜け条件が緩和され、13・26ツモでラスなしで終わらせることができるのだが、南4局その2も手は入らず、流局で終わる。
(◎藤森/●猪俣)


【4回戦 藤森1昇・明村0・猪俣△2・石川1昇】
 規定の4回戦目、猪俣はトップを取ることが勝ち上がる上で、まず目指したいところ。そうした場合、さらに加えて必要な条件が藤森または石川をラスにしなければならない。ただ、それさえクリアしてしまえば、その後はさらにトップを重ねることが必要ではあるが、今度はそのことだけを考えればいい状況になるため、現実的なんだがなぁという思いで4回戦目に入った。

 東1局に明村に2フーロの役牌のみの3・6で先行されたが、東2局にピンフドラ1をツモりアガり、猪俣本日初めての浮きに回り、トップ目に出る。東3局に藤森に3・6をアガられるが、東4局に猪俣、ピンフのみを石川より出アガる(猪俣32→藤森04→明村20→石川)。

 南場に入り、並び良し、このままこのままと願う猪俣の思いを強烈に打ち砕く衝撃のアガりが、南2局に藤森より飛び出す。
 
 なんと、中膨れの4枚目のドラをツモアガる。本人もの出アガりを想定しての仕掛けも含めた手組みだったろう(藤森68→猪俣56→明村・石川)。

 南3局で親番を迎えた猪俣、この時点での構想とすれば、この局でトップを捲り返し(但し、明村からの出アガりはしない)、南4局にオヤ番の石川にオヤカブリさせるツモアガりをすることを考えながら手牌を進める。その思いが実を結ぼうとしているのか、超ド級のテンパイが14巡目に入る。
 ツモれば160オール、出アガリでも240(しつこいが、明村からはアガる気なし)。これをアガり切れれば、オーラスに明村に差し込むことも延長のための一つの選択肢になりうる。河にはを石川が1巡目に切っているだけ。がアンコだけに終盤とはいえ、がヤマに残っているか、出アガリさえも期待したが、残念ながら流局。

 ついに迎えた南4局、トップになるマンガンツモは理想的だが、そこまでの手が入らなくとも、最低でも延長するためのどんな形でもツモアガリはしたい。そんな思いでとった配牌が一九字牌が8種9牌。この配牌でやれることはコクシしかないと、真っ直ぐに向う。中盤に受け入れのイーシャンテン(は河に3枚切れ、は2枚切れ)。希望が現実めいてきたかと期待したが、2フーロの石川に藤森が30を差し込む(藤森38→猪俣26→石川30→明村)。

 南4局その2、猪俣はハネ満ツモでも延長果たせず、石川からの32以上の直撃しか残された道はない。15巡目に条件を満たすテンパイを入れる。
 石川は序盤から中盤にかけてを2枚切っている。もう1枚切ってくれ!しかも自分はツモるな!という強く願いながら、刻々と巡目は過ぎていく。残り山が3牌になったところで、明村より3枚目のがツモ切られる。それは当たれない!それに合わせてホーテイで石川が4枚目のを切ることを願いながら、ホーテイ牌を見届けたが願いは叶わず、藤森・石川の勝ち上がりで幕を閉じた。
(◎藤森/●猪俣)

(猪俣 裕之)


H卓:
H卓
終了
小宮山 勤 B級 ±0
古川 正和 東京 △1
田村  洸 大阪 3昇
牧野 卓人 東京 △2

 八翔位戦はこれで9年目の出場。最近は勝つことは想定外で臨んでいるので気楽なはずであるが、このゲームだけはいつも手が震えるような緊張状態からスタートすることになる。

【1回戦 起家から(以下同) 古川・田村・小宮山・牧野】
 1回戦の東1局のオヤは早く終わらせたい。連荘しても、嵩にかかれない自分にとっては、その後守りに入ってジリ貧になることが常であり、何よりこのオヤが終わらないと緊張状態から解放されない。安い手だったら放銃しても構わないという思惑通り(もちろん単なる不用意な打牌の結果)、ピンフのみを牧野に放銃してスタートした。
 その後小場で流れたが、さらにもう1回放銃してしまえば、南4局を迎えて、田村06→牧野17→小宮山76→古川というようなことになるは当然である。いやでも、まだあれをツモれば、理不尽にもトップになってしまう点差。
 ここまでテンパイすらなかったのに、1段目で受けのタンヤオドラ1イーシャンテン。結果的に今日一番面白かったのがこの局面。この後はほぼ何も起きない。 でヤミテン?でリーチ、でツモリサンアンコなので「リャンメン手変わりまでヤミテンかなぁ?」などと妄想しているところにがやってきたのはもう2段目。巡目が進んでしまった今最優先すべきは3者を止めること、そして、自分も参加してますよと言いたかった。
 その目的は果たしたリーチであったが、理不尽なことは起こらず流局。

(◎田村/●古川)


【2回戦 田村1昇・古川△1・牧野0・小宮山0】
 小場ながら牧野1人がアグレッシブに全ての放銃とアガリに絡んで、南4局には、田村24→小宮山36→古川16→牧野。
 南4局だけは手が入るもので、いや、役なしドラアンコは手と言えないが、2段目でとりあえず、がカラの待ちでリーチ。
 これをツモれれば、今日はやれそうな気がするが、1人ほぼ真っすぐ来るしかない牧野から出ることになり、結果は同じでも、今日はやれそうな気はしてこない。
(◎古川/●牧野)


【3回戦 牧野△1・古川0・小宮山0・田村1昇】
 起家牧野が26オールをツモって先行するが、南2局田村が20・40をツモって逆転。南4局を迎えて、田村57→牧野15→古川23→小宮山。
 南4局だけはそれなりの手が入ることになっているのか、早めにピンフサンショクのイーシャンテン。ここは、特に小宮山の動向を見つつどこまで粘れるかの見極めだけ。
 わりと頑張ったが、このまま流局すれば、少し有利な星で4回戦を迎えることができることもあり、2段目後半でギブアップ。
 このまま行くかと思われた17巡目牧野の打牌に小宮山が「ロン」。トップを取りたい牧野にとっては、行くと決めていたのであろうが、「少し不利」から「かなり厳しい」になってしまった痛恨の放銃となってしまった。
(◎田村/●牧野)


【4回戦 古川0・小宮山0・牧野△2・田村2昇】
 ほぼ小宮山との一騎打ちになってしまった。3者の狙いはハッキリするが、一騎打ちというのは八翔位戦の面白味が俄然落ちる。
 東場でできた点差のまま南4局を迎えて、田村22→牧野13→小宮山28→古川。全く手が動かないので、南場のオヤで遠目から仕掛けてみたりしたが、場を膠着させただけで、やはり何も起きなかった。
 南4局は、何とでもなりそうな点差なだけに、小宮山は粉骨砕身痺れる苦し楽しい打牌を行っていたと思う。こちらはその期待に応えるべく、せめて何らかの最終形だけは作りたかったが、それさえも叶わず。牧野が最終巡目でドラで差し込んでくれようとするが、ごめんなさい、できてません。
(◎田村/●古川)
 八翔位戦は、何かしらのドラマが必ずあると思っていたが、淡々と終わってしまうこと(もちろん自分視点に限って)もあるようである。勝敗はともかく、何の工夫もできなかったというのは残念であった。

(古川 正和)


I卓:小田ツアー、久々の八翔位戦に参戦
I卓
終了
坂井 準司 B級 △3
大原 泰孝 大阪 △1
小田 宏一 大阪 1昇
山舗  徹 大阪 3昇

 苦戦必至の組み合わせ。マージャン101イン大阪で昇を稼いでいる3人。ただ、私の記憶ではあるが、このマッチアップはイン大阪ではなかったと思うので、これはこれで楽しみではある。
 そして久々に八翔位戦に参加ということで手積みの作法が不安要素の1つ。これは勝ち負け以前の問題で知っているだけでなく、キッチリ出来るかどうかである。そしてその不安が的中?してしまう。
 最初の築牌で私がヤマを崩してしまった。いきなりやってしまったのだが、ある意味ではこれで平常心になれたのかも知れない。でも反省。


【1回戦 起家から(以下同)坂井・小田・大原・山舗】
 東1局に坂井が26オール。二の矢が出ない間に私(小田)と山舗が大原からアガリ、迎えた南4局(山舗56→坂井16→小田198→大原)。6巡目でこの形。

 ただ頼みの綱のが場に3枚。トップはほぼ諦めていたのだが、私が山舗に18放銃。これで条件はマンツモになってしまうが助かった。  南4局その2。5巡目に678サンショクのイーシャンテンになり、やる気が出てきたが、山舗が大原からの60でほぼ終了。
 その3で坂井がドラ待ちチートイツのリーチをかけるもツモれず。
(◎山舗/●大原)


【2回戦 大原△1・山舗1昇・小田0・坂井0】
 東場は大原が山舗に52と私に40を放銃したが、南場に10・20連発でラス抜けに成功する。
(◎山舗/●坂井)


【3回戦 小田0・坂井△1・大原△1・山舗2昇】
 大原が先行して迎えた南1局(ドラ)。大原がソウズのホンイチ仕掛けで私はこのテンパイ。
 
 テンパイ気配がかなり出ていたので、誰もピンズは切らない。大原も何かを引いて切り。3人とも大原の動作や雰囲気からピンズを引かされてオリたと思っていた。実際にその後の捨て牌は、山舗が、私が、坂井が。ところが坂井のに大原がロン。
 
 坂井痛恨の40放銃。

 南4局(大原48→山舗19→小田90→坂井)、大原がをポン。9巡目に私がテンパイ。
 をポンされているのでヤミテンを選択。坂井にもテンパイ気配が出ている。14巡目にツモ。坂井に対しては切りにくいところ。オリも選択肢の一つだが私は勝負した。
 理由としては、もし私がラスの場合は、「山舗2昇・大原0・坂井△1・小田△1」。これでも望みは十分あるし、私のトップの場合は、「山舗2昇・小田1昇・大原△1・坂井△2」。これは絶対有利になる。ならばリスクはあるものの勝負した方が得だと思った。
 結局大原からが出て私の逆転トップ。
(◎小田/●坂井)


【4回戦 小田1昇・大原△1・坂井△2・山舗2昇】
 「2・1・△1・△2」は下位からみれば「死のシフト」上位からは「勝利のシフト」だろう。しかも座順も最高。下家に大原、上家に山舗。流石にこれで勝ちを確信したのだが、あわやというところにまで追い詰められる。

 東1局、10巡目にテンパイ、
 
 山舗はノータイムでを切る。これを見た私はのシャンポンに待ち変え。その直後に山舗から!アガリ逃しは痛いが、山舗が坂井から52なので悪くはない。

 大原8オールの次の東2局その2で私の判断ミスが出てしまった。5巡目にて、
 山舗のをスルーしてしまった。リャンメンターツからは仕掛けにくいところだが、上家が山舗なのでここは仕掛けるべきだった。
 を仕掛けたところで大原からリーチ。完全に手詰まり。何とか流局したが、肝を冷やした。

 これで気持ちのどこかで油断したのか、完全安牌が2つもある牌姿から大原に16放銃。更に次局は5巡目に坂井に12放銃。かなりヤバイことになってきた。そして南1局に大原がリーチ。これをツモられると並びが出来てしまうが流局。ハードルを一つ越えた。

 南2局(ドラ)、私にテンパイが入る。
 これは山舗の7・14になるが不満はない。

 南4局、延長条件は私が大原に120以上の放銃のみ。7巡目に坂井がリーチ。これは明らかにノーテンリーチで、これにより大原はハネ直からマン直になるが、最後は自力で勝ち上がりを決めた。
(◎山舗/●坂井)

 最後は山舗に助けられたところがあり、この条件であれば、もうちょっと楽に勝たなければならなかった。今回のことを2次予選以降に活かして頑張っていこうと思う。

(小田 宏一)


出場選手一覧

1次予選 2次予選 準決勝 決定戦
選手名 選手名 選手名 選手名
                  八翔位 小川  隆
      名翔位 愛澤 圭次          
      平井  淳
      成岡 明彦
      高島  努 高島  努
      西尾  剛
       堀川 隆司 堀川 隆司 堀川 隆司
山田 史佳
田中  実
村田 光陽 村田 光陽 村田 光陽
山内 啓介
小宮山 勤 小宮山 勤
大貝 博美 大貝 博美 大貝 博美 大貝 博美
亀井 敬史
坂井 準司
藤森 弘希 藤森 弘希 藤森 弘希
大川戸 浩 大川戸 浩
推薦 忍田 幸夫
推薦 明村  諭
推薦 内田  慶 内田  慶
推薦 須藤  浩 須藤  浩 須藤  浩
推薦 藤原  健
OP 湯村 浩章
OP 伊澤  興 伊澤  興 伊澤  興
OP 石川 由人 石川 由人 石川 由人
OP 稲毛千佳子
OP 猪俣 裕之
OP 奥田 直裕 奥田 直裕
OP 寺西謙多郎
OP 菊池 一隆 菊池 一隆
OP 熊谷  修
OP 佐藤 文彦 佐藤 文彦
OP 関根 秀介 関根 秀介 関根 秀介 関根 秀介
OP 中村 浩三 中村 浩三
OP 中村ゆたか 中村ゆたか 中村ゆたか
OP 平山 友厚
OP 古川 正和
OP 堀井 統之
OP 牧野 卓人
OP 大原 泰孝
OP 小田 宏一 小田 宏一 小田 宏一
OP 田村  洸 田村  洸 田村  洸
OP 山舗  徹 山舗  徹
※欠場:安田健次郎
【凡例】選手名左の記号は今期順位戦の所属クラス。
    八:八翔位・名:名翔位
    推薦:麻将連合推薦枠出場・OP:オープン出場、アルファベットは卓番。

第32期八翔位戦 システム

【出場資格】
・麻将連合推薦、オープン参加選手及び連盟所属選手。
・オープン参加選手は、マージャン101各支部内より選抜。
【1次予選】
・各卓4戦(1日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・4回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【2次予選】
・2次予選シードの連盟所属選手及び1次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・6回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【準決勝】
・2次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が決定戦の出場資格を得る。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、7回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。
【決定戦】
・八翔位及び準決勝通過者により行う。
・10戦(1日4戦)を戦う。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者を優勝とする。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、11回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。