第36期順位戦A級 第1節

 観戦記|自戦記/山田 史佳自戦記/堀川 隆司星取表

第1節観戦記

ただいま、作成中です。

第1節自戦記(2回戦A卓:山田 史佳)

 A級に昇級しての初めての対局はラスからスタートした。アンパイだと思ってホウテイに切ったがオヤの成岡の120への放銃となって取り戻せない致命傷を負いラスとなった。この放銃で今までとは何もかもが違うのだということを改めて思い知らされた。攻めている時はそれが分からぬように、オリている時も悟られぬように、全員が全神経を注いでいる。全くと言っていいほど攻めているのかオリているのか察知することが出来なかった。このままではあっという間に火だるまになってしまうという不安を抱えながらむかえた2回戦だった。

No.1【東1局】
 起家でドラがトイツ。ツモ次第ではあっさりとアガリも見込めそうな配牌をもらい心が躍る。7巡目にイーシャンテンとなるが、三元牌が1枚も切られておらず、でのアガリは見込めない気がしていたが、実際はこの時点でヤマに2枚も生きていた。
 9巡目にチートイツに決め打つ切り。ピンズの場況がとてつもなく高く、テンパイした時に自由にマチを選択できるチートイツの方がアガリやすいだろうと考えていた。
 16巡目に目論見通りチートイツのテンパイは果たすが、役ナシでロンこそされなかったものの小川のロン牌を切っているし、もカブっているわでもう滅茶苦茶。打っているときは「通って良かった・・・」なんて呑気に考えていたが、こんな危険な攻め方をしているようでは先が思いやられてしまう。


No.2【東2局】
 序盤から積極的にファンパイを切り出してみる。どのように戦っていけば全く分からないならばとりあえず攻めてみようと思っていた。とはいえファンパイを叩かれたり脂っこい牌を切り出された時は大人しくこうべを垂れるつもりだった。
 5巡目に親の高島が切ったに対し、こちらに対するアンパイを切り出して手を進めてきたと見てオヤのアンパイを抱える。そして高島7巡目の切りでテンパイが濃厚になったのでこちらは完全に白旗。
 親もロン牌を引かず、愛澤も途中まで粘るがテンパイが入らず流局した。


No.3【東3局】
配牌がよくかなりやる気を出したものの8巡目にようやくイーシャンテン。この時既に小川と愛澤もイーシャンテンまでこぎつけていた。更に高島もドラドラのリャンシャンテンと今にも誰かが激突しそう。
 小川のを叩いてテンパイをいれたが少しでもおかしなことがあればオリようと思っていた。テンパイ打牌のを高島にチーされ、愛澤もションパイのを切ってきたとなればこちらは即ダウン。愛澤がアガるのを指をくわえて見ていることしか出来なかった。


No.4【東4局その1】
 5巡目の切りがギリギリ愛澤の60テンパイに捕まらずに済んだ。すぐこちらもテンパイを入れるが、役ナシではすぐにオリることになりそうかなどと考えている間に26オールを引かれていた。


No.5【東4局その2】
 愛澤のカンチャンチーからはもはやボロボロ。ただひたすらにアガリが起こらずに祈って流局。


No.6【南1局】
 ドラが重なってくれればすごくやる気が出るのに・・・。と思っていると7巡目にはドラが重ならなくてもやる気が出る手牌になってきた。一人旅になるもののテンパイしたのが最終手番では何の意味もなし。さっさとドラを叩き切れば良かったかな。


No.7【南2局】
 2巡目に切ったをラス目小川に叩かれる。そして奪い去られる。返して!
 ラス目の相手は当然したくないとなればは打ちきれず、何とか捌こうとするものの小川が高島のを出来メンツチーしてドラの切り。そしてトイツ落としのをそのまま狙い打ち。恐ろしい・・・。こんなアガリを引き出してくる相手と1年間戦わないといけないなんてと胃が悲鳴をあげていた。


No.8【南3局】
 手なりでサクサクと進めピンフのテンパイ。程なくして高島から出アガリ。ずっと下を向いていたが少し胸をなでおろした。


No.9【南4局その1】
 高島から山越しで直撃されることだけは絶対に避けなければ、と思いつつ終盤に差し掛かる。ここで大きなミスを犯してしまった。愛澤の12巡目からの手出しとツモ切りを見て、完全にオリたものだと思い込んでしまった。残り2巡、高島の現物のを2枚並べて流局だと思って1枚目のを切ると愛澤からロンの声。心臓が飛び出すかと思った。1回戦目の成岡の120が思い出されてならない。この放銃は自分の甘さに対する戒めとして受け取らなくてはならない。


No.10【南4局その2】
 前局とんでもないミスをやらかしてむかえた、あってはならない南4局その2。小川に助けられる形で無事にラスを逃れることができたが、立場が高島と逆転していてもおかしくなかった。


 全部で10局あったがほとんどが危なっかしい局ばかり。もっともっと気を引き締めて対局に臨もうと心に決めた半荘でした。
 次節以降この時の反省を活かすようなマージャンが打ちたい。



第1節自戦記(3回戦A卓:堀川 隆司)

No.1【東1局】
 2巡目にドラそばを手放してまで絞ったを、3巡目にピンズが伸びたところで手放す。細かいことだが、この辺りは自分らしく打てている。6巡目のテンパイは手ごたえ十分で、もうこうなったら何があってもオリるつもりはない。
 思いのほか局面が長引き、11巡目には愛澤に追いつかれる。ポンテンは間違いなく、私の目からはドラが1枚も見えていないだけに寒いことこの上ないが、前述の通り、すべてぶつけるつもりでいた。それにしても「2対4」の不利なめくり合い、よくぞひき勝てたものである。
 本局の成岡の手順は、実に興味深い。の手放し時を含め、5巡目辺りからの牌の残し方をぜひ追っていただきたいものである。


No.2【東2局】
 手ごたえのあるアガリを拾って迎えたオヤ番、本局のテーマは「真っ直ぐに振りぬく」こと。で、そのテーマ通りにオヤが打ち、子方三者がきっちり受けた、という平凡な流局譜。成岡の12巡目、そりゃあツモ切ってはくれませんよね。


No.3【東3局】
 真っ直ぐ振りぬいて、そして空振った。本局のテーマは一転「受け」である。第1打から既にアガリを拒否し、得意の?「穴熊戦法」で脂っこいところを処理。成岡がを打ってきた8巡目以降は、もう彼に対して強い牌を打つつもりはない。


No.4【東4局】
 第1ツモをひいたところで、気分はソウズのホンイチ一直線。が、山田の仕掛けを受けての8巡目が中途半端だなあ… まず、山田のはチーテン取らなきゃダメでしょ? で、チーテン取らずにを打たないのであれば、次巡のは打っちゃいけないし… あ〜あ、我ながら嫌になる。愛澤にを打たせ、揚句フリテンをひきアガらせた戦犯は私です。
 それにしても山田、こういう仕掛け、するんやね。を2枚ともフカした後のバックのチーテンだったとは…


No.5【南1局】
 第1ツモをひいたところで、気分はチートイツ一直線。が、思うようにツモが伸びず、オリ時を探りながらの摸打となる。9巡目からはオヤの山田と成岡を見ながらの打牌。
 この「オナテンひき負け」は山田にとって堪えただろうなあ。


No.6【南2局その1】
 トップめを捲られて迎えたオヤ番。当然、ある程度はアガリを目指しての摸打となるのだが、うまい具合に手が入ってくれた。手なりに打っての4巡目ポンテン、そして自然なマチカエを経ての、即ツモアガリ。ただし、このアガリは「ラッキー」くらいのもので、それほど手ごたえを感じるものではない。この辺りは感覚的なもので、うまく言葉にするのは難しいのだが。


No.7【南2局その2】
 この配牌がチートイツに仕上がるのだから、マージャンは不思議なものである。序盤は当然メンツ手を目指しての摸打となるのだが、ツモが3巡空振った後の6巡目、このを決してツモ切ってはいけない。一応、メンツ手との天秤をかけてを打ったのだが、もう気分は半分以上チートイツ。だから、2巡後のツモは手ごたえ十分であり、後はアガリまで一直線となった。
 放銃となった山田、いくらドラがアンコとはいえ、ここでの打はおかしくないだろうか。成岡も待ったなしの十分形であり、局面とスピードがマッチしていないと感じるのは私だけだろうか。もうここはを打ち、退くべき局面に思えるのだが…


No.8【南2局その3】
 前局のアガリは手ごたえ十分。東2局同様、本局のテーマは「真っ直ぐに振りぬく」ことである。だから、の3枚カブリもさほど気にはならない。が、またまたやってしまいましたな。13巡目にドラを重ねたところで、何故を打てない?何故ワンズのひとメンツを落とす?ここで26オールをひいていれば、楽勝のゲームとなるはずだったのだが。


No.9【南3局】
 成岡が5・6巡目と軽快に仕掛けた。ドラを複数持っていることも明白であり、いったんは捲られることを覚悟したところでの山田のリーチ。成岡のカンも3枚生きていたが、山田のマチも3枚生きていた。私にしてみれば、ここは山田に助けられた感覚。さあ、あとはオーラスだ。


No.10【南4局】
 山田のチーテンはご覧の通りホンイチなのだが、私には何故かタンヤオに見えていた。だから10巡目のチーテン時の打牌は、「これで打っても20まで」ということで打てるが、2巡後に掴んだはドラがジャントウであった場合の本線なので打てない。次巡にはテンパイ復活するのだが、その次のは万一のホンイチまで警戒して(笑)打たなかった。
 終局後の山田、「くらいこぼれてくれても…」とぼやいていたが、いやいや、A級戦をなめてもらっちゃあ困りますぜい。
 ところで、山田のこの手牌、をフカす手もあるのでは、と成岡が指摘していた。すぐにをひけばヤマゴシが狙え、チートイツに仕上がればトップまで見えるからだ。なるほどなあと思うが、私もやはり山田と同じように喜んでチーテンを取ってしまいそうだ。
 なお、これは余談かもしれないが、愛澤の17巡目は3枚目のドラを見せないべきだという意見もあるかもしれない。山田の手牌が20以下だとわかれば、現級を考えて私が最終手番でサシコミにいくことも考えられるからだ。ま、私は春先からそういうことするタイプじゃないけどね。どちらにしても、山田のロン牌、持ってないし(笑)



第36期順位戦A級 第1節 星取表 (5月16・17日/東京)

選手名
開始前
9回戦
10回戦
11回戦
12回戦
13回戦
14回戦
15回戦
16回戦
終了時
順位
愛澤 圭次
S-0
A 
A 
A 
B 
A 
B 
B 
A 
3昇
1
平井  淳
S-0
B 
B 
B 
A 
A 
A 
B 
B 
△1
5
成岡 明彦
S-0
B 
B 
A 
A 
A 
B 
A 
B 
△2
6
小川  隆
S-0
B 
A 
B 
B 
A 
A 
A 
B 
2昇
2
高島  努
S-0
A 
A 
B 
A 
B 
B 
A 
A 
△2
7
西尾  剛
S-0
A 
B 
B 
A 
B 
B 
B 
A 
±0
4
堀川 隆司
S-0
A 
B 
A 
B 
B 
A 
A 
B 
2昇
3
山田 史佳
S-0
B 
A 
A 
A 
B 
A 
B 
A 
△2
8
立会人:村田 光陽/安田健次郎