第35期順位戦B級リポート

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最終節(12月6・7日/東京)

 山内啓介。立会人は現在順位戦最年長選手となるが、彼もまた、立会人と同学年になる年長選手である。ともに在籍は20年を超えるが同じリーグにいたことは6回に過ぎない。そしてそれは全てB級である(B1,B2がともに3回)。お互にいつまでも選手を続けられるわけでもないので、引退までにはもう一度同一リーグで、しかもA級で打ちたいと語り合っている。その山内が4昇と次点者に2昇差をつけた昇級ポジションで最終節を迎えた。残りは7戦である。

 29回戦は東1局に当面のライバルの一人である小宮山が大貝に降り打ちとなる78を打ち込みラスの心配をせず打てるかと思っていると、南1局の小宮山、

の配牌を貰うと、すぐにをアンコにすると無駄ツモを交えながらと引いてイーシャンテン。そしてをツモると次のツモも。誰でもアガれるスーアンコである。これで大貝に16をフリ込んでいた山内はラス目となる。そしてこの16がどうしても詰められず、痛恨のラススタートとなった(山内3昇、小宮山・山田2昇)。
 30回戦も小宮山への20放銃から始まり(一役ドラ1)南3局を迎えたときは、小宮山21→岩沢24→安田09→山内と、再び小宮山とのトップ・ラスフォーメーションを決められていた。そしてこの局は配牌はよかったのだが、ツモがイマイチで中盤の牌姿が、
 ここにをツモって動きが止まる。選んだのは。結果これがビンゴでこの後のツモがと来て最終ツモ番でを引き寄せ千金の10・20とした。これでラスオヤ小宮山まで04差となった。
 オーラスの山内は第1ツモでピンフ形のリャンシャンテン。これはと思わせたが、「俺はまだ狙っている」よと小宮山まで31差の岩沢がアンコの28リーチをかける(待ち)。これに対しラス目の安田にもでタンヤオイーペイコーのピンフが入りツモでもトップになれるとおいかけリーチに出る。さすがに山内は撤退だが、トップに立つのは誰なのか。昇級者争いに大きな影響を与える局面である。
 結果は岩沢のツモアガリ。小宮山とのトップラスもあったことを考えると山内にはありがたい結末であろう(山内3昇、小宮山・山田2昇、岩沢1昇)。

 その勢いもあったのか31回戦は山内の7・14から始まり、安田からのドラ入りチートイツで万全のトップで昇を4に戻した(山内4昇、山田2昇、岩沢・小宮山1昇)。
 このまま行けば来年はなぞと思いながらツイッターを打ち込んでいると、32回戦が始まり、起家の山田がをポンしていた。鳴かせたのは誰かと見るとこれが山内。じゃ手牌はと確認するとリャンシャンテン???。これを山田に引かれ10オール。その2は堀川が序盤にタンヤオのポンテンを入れるがこれがツモれない。そうこうするうちに山田がドラをアンコにし、4枚切れのを引きこみテンパイし残り2巡でこれを引きあがった。
 このオヤを安田がピンフツモで流すと、続く山内のオヤで、終盤ドラをポイと抜き捨てた。そして手元に引き寄せたのはサンショクとなるラス牌ので20・40。山内はこれでラス目となり山田とトップ・ラスの並びとなった。東3局の安田オヤ番は、安田がのシャンポンマチをリーチ。力強く一発でを引き寄せ26オールとし、あっという間に山田を捲った。山内にまだツキがあるのか。と思う間もなく山田が安田の捨牌を捉えて52(イーペイコー・ドラ2)(山内・山田3昇、小宮山1昇)。
 かくも激しき東場であったが、南入すると場が湿り大きな動きは無し。これで山内は山田と期首順位で首の皮1枚差の昇級ポジションとなった。

 おい、山内、来年俺と打てるのか!!いやぁBでじゃないで。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※

 長かったB級戦も本日が最終日である。
 スコアは堀川6昇、山内・山田3昇、小宮山1昇、岩沢±0、大貝△1、安田△4、安居△8。あと3戦で何か起こるのだろうか。
 昨日の最終戦で痛いトップ−ラスを食らい、山田に並ばれた山内が踏ん張れるかどうかがポイントだろう。


 33回戦C卓は、起家から安居△7、山内3昇、岩沢±0、小宮山1昇。
 東1局、オヤ安居が3巡目リーチ。これに岩沢が仕掛けて捕まった。イーペイコー出来合いののシャンポン待ちに安めで42。
 次局、岩沢は安居のリーチに追いかけ即ツモアガリ、7・14+供託10ですぐにラス抜けを果たす。しかし東2局、山内のピンフに捕まり18で再びラス目に落ちる。
 東2局その2は、山内のチートイツ、岩沢の役牌待ちを潜り抜けて、安居がドラそばをツモり7・14。
 快調に飛ばした安居がつまずいたのは次局東3局。先行リーチの安居は次の手、
 ここにラス目のオヤ岩沢がピンフドラ2で追いかける。結果は安居が捕まり、120の放銃でトップとラスが入れ替わった。
 流局の後の東4局はオヤの小宮山のアガリ。安居のタンヤオっぽい仕掛けに山内がを打つと、
 これに捕まり60。これで4者ともオヤ番でアガった。
 その2は流局。東場を終え、安居△84、山内△63、岩沢+101、小宮山+46。岩沢、小宮山ともに山内をラスにして、トップを取りたいところだろう。
 南1局は小宮山にこの手が入る。
 しかし、山内がツモアガり、4・8。
 次局も小宮山に手が入り、6巡目にリーチ、
 終盤14巡目にツモったはで20・40。これで安居△112、山内87、岩沢+77、小宮山+122となった。
 しかし、岩沢も粘る。南3局のオヤで安居からチートイツの24。こうなると山内のラスより自分のトップが優先である。
 その2は11巡目に岩沢がツモアガり40オール。
 その3、南4局は山内が軽く流して終了した。
(◎岩沢1昇/●安居△9)


 D卓は山田3昇、大貝△2、安田△4、堀川6昇。2局流局が続いた後の東3局に山田が10巡目にドラ切りリーチ。
 ツモで7・14の先行。
 次局、ラス目安田へ山田が12の放銃。流局を挟んで南2局に大貝が10オール。これで並びは、山田+06、大貝+23、安田△12、堀川△17となった。
 南3局、オヤ安田の2巡目の打牌に山田が仕掛ける。
 
 ラス目堀川の7巡目が、
 対して、安田は9巡目に、
 のところに堀川がツモでテンパイ。すぐに安田もツモで追いつき、そっと河にを置く。卓上に緊張が走るが。ロン牌は堀川の方が早く、を引きアガり4・8。
 南4局、山田が7巡目に再度仕掛けると、ラス目安田にタンピンのテンパイが入りリーチ。
 山田は堀川から安田の現物を2つ喰い追いつく。
   
 最後も堀川が仕上げて山田がトップになり4昇め。山内を捲り昇級ポジションに舞い戻った。

 34回戦C卓は起家から、堀川6昇、安居△8、山田4昇、山内3昇。山田・山内の直接対決はこれが最後だ。
 堀川が10オールで先行したが、安居が東2局終盤にツモドラ2の26オールで逆転。東2局その2も安居、ピンフツモの8オール。その3は堀川がドラ入りチートイツのテンパイを入れるも流局で、点数状況は、堀川△04、安居+92、山田・山内△44。
 東3局は山田が序盤に仕掛けてすぐにツモアガリ、10オール。山内がラス目に落とされる。そして、その2は安居20←山内で、堀川△14、安居82、山田△14、山内△74。
 流局後の南2局、安居が仕掛けるがアガリは山田、ドラ2枚で10・20。
 南3局、山内がダブをポンして7・14をツモアガり、南4局のオヤ番に賭ける。しかし最後は堀川がツモアガり終了。
 これで堀川の1位が決まった。そして、山田の昇級もほぼ決まった。
(◎安居△7/●山内2昇)


 最終戦は、別卓の山内トップ−山田ラスの場合に2番手が入れ替わる。最後に山内が意地を見せトップを取るが、D卓の山田もトップで逆転は起こらなかった。

 開幕初日に2ラススタートとつまずいた堀川だが、その後はマイナスした日が1回も無いという安定ぶりで1期でのA復帰を果たした。
 そして山田。荒削りなところはあるが、そこが魅力かもしれない。
 来期も順位戦が楽しみだ。

(記・平井 淳/愛澤 圭次)

第35期順位戦B級 最終節 星取表 (12月6・7日/東京)


選手名
開始前
29回戦
30回戦
31回戦
32回戦
33回戦
34回戦
35回戦
終了時
順位
堀川 隆司
4昇
C 
C 
D 
D 
D 
C 
D 
6昇 1
安田健次郎
△1
C 
D 
C 
D 
D 
D 
C 
△5 7
山内 啓介
4昇
D 
D 
C 
D 
C 
C 
D 
3昇 3
岩沢 和利
±0
C 
D 
D 
C 
C 
D 
D 
2昇 4
小宮山 勤
1昇
D 
D 
D 
C 
C 
D 
C 
1昇 5
大貝 博美
△1
D 
C 
C 
C 
D 
D 
D 
△4 6
安居 嘉康
△9
C 
C 
C 
C 
C 
C 
C 
△7 8
山田 史佳
2昇
D 
C 
D 
D 
D 
C 
C 
5昇 2
◆昇級=堀川・山田/降級点=安田・安居             立会人:平井 淳/愛澤 圭次

第6節(10月26日/東京)

 昇級戦線が混沌としてる。今節開始時で上から小宮山4昇、堀川3昇、山田3昇、山内2昇、大貝±0という並びである。

 初戦の21回戦C卓は起家から堀川3昇・安田△2・安居△7・小宮山4昇。
 安居が東2局の10・20で先行し、その後もアガリを重ね、東場を終了して、堀川△5.8、安田△2.0、安居+7.2、小宮山+0.6という状況。
 しかし、南3局に小宮山がピンフ・イッツー・ドラ2の30・60をツモり、ひとアガリで大差をつけ逆転した。
 南4局はラス目堀川が4巡目リーチ。待ちはカンだったが、これを一発でツモり、5・10でラス抜け。終盤2局でトップとラスが変わった。

(◎小宮山5昇(安居△7・堀川3昇)●安田△3)


 堀川は次戦も苦しい展開。東1局山内が10オールで先行し流局が続いた後の東4局。堀川が安居に16放銃しラス目に落ちる。だが今回は早めの南2局にタンヤオ&ドラの方をツモアガり10・20。これでかわって安田がラス目に。
 今回は安田がもがく番か。南4局東家でのリーチは16巡目。さすがにツラい雰囲気だったが、安居の打牌に山内からロンの声がかかった。これが28で、ラッキーなラス抜け。一方の安居、何とも不幸な展開であった。


 23回戦C卓は安居△8・堀川3昇・山田2昇・小宮山5昇。今回は東3局に3・6で先行し、終始浮き点を持ったままだったが、山田には届かずバーで終了。山田に3昇で並ばれるが、トーナメントリーダーの小宮山がラスで4昇になったのなら、まあ良いか、というところか。


 最終24回戦D卓は山内3昇・堀川3昇・小宮山4昇・大貝±0。東2局オヤ堀川の早いタンヤオドラ3に小宮山が捕まり120。首位の小宮山がツラい状況に陥った。流局が続いた後の南1局は小宮山の早いタンヤオテンパイに大貝が捕まったが、ドラは無く16。
 山内±0.0、堀川+12.0、小宮山△10.4、大貝△1.6で迎えた南3局(ドラ)、東家・小宮山は6巡目にこの手牌、
そして10巡目にリーチ。
3枚残っていたが、ツモれず流局。

 南4局は山内が仕掛けで大貝から20をアガり終了。
(◎堀川4昇(山内3昇、大貝±0)●小宮山3昇)

 堀川がとうとう首位に立った。小宮山は痛い連続ラスで一気に4位に。

 最終戦別卓では山田がトップでラスの後2連勝。こちらも粘りを見せている。残り11戦、最後までもつれそうな戦いに期待したい。
(記・成岡 明彦)

第35期順位戦B級 第6節 星取表 (10月26日/東京)

選手名
開始前
21回戦
22回戦
23回戦
24回戦
終了時
順位
堀川 隆司
3昇
C 
C 
C 
D 
4昇
1
安田健次郎
△2
C 
C 
D 
C 
△3
7
山内 啓介
2昇
D 
C 
D 
D 
3昇
3
岩沢 和利
△3
D 
D 
D 
C 
△2
6
小宮山 勤
4昇
C 
D 
C 
D 
3昇
4
大貝 博美
±0
D 
D 
D 
D 
±0
5
安居 嘉康
△7
C 
C 
C 
C 
△9
8
山田 史佳
3昇
D 
D 
C 
C 
4昇
2
                              立会人:成岡 明彦

第5節(10月4日/東京)

 今節開始時の首位が5昇の小宮山、最下位が△8の安居。小宮山を走らせたくない2位以下の動向と、安居の巻き返しに注目したい。


【17回戦C卓】
 開局早々2連続放銃でラスめの安居がテンパイ、

 対しトップめまで08差の安田、すでにのポンをしているところに、カンでリンシャンのをツモ切り。安居この78で一気にトップめに。
 安居はこの一撃で現状のターゲットである安田とトップラスを決め上々の出だし。

【17回戦D卓】
 今節を5昇の首位で迎えた小宮山は、東4局岩沢の5巡目のテンパイにつかまりラスめ。南2局にカンチャンのドラ待ちをひいてラス抜けを果たすも、次局堀川の仕掛けに放銃し再びラスめに。
 結局南4局にリーチで堀川にラスを押しつけた。山内は東1局のチートイツをツモっただけで省エネトップだが、小宮山とのトップラスのチャンスだっただけに結果には不満が残るか。

【18回戦C卓】
 東1局、山内がドラ3の3巡目リャンメンリーチで連勝を目論むも、安居に役なしでかわされてしまう。
 南2局、大貝41→小宮山29→安居15→山内。小宮山、安めツモでもトップめに立てる、とリーチをかけるも、
 山内に安めを打たれて大貝に100点届かず。これは大貝のものかと思われたが、南4局に小宮山が仕掛けてあっさり5・10でまくり6昇。

【19回戦C卓】
 南3局に安居のホンイチチートイツの64を打ちあげラスめの岩沢が、
 どこから出てもラス抜けできるが、30・60でトップならとリーチをかけるが世の中そうそう旨い話はないもので流局。
 安居は17回戦に続き残留争いのターゲットとのトップラスで差を詰めてきた。

【19回戦D卓】
 南4局、トップめ安田まで21差の山内が、直撃以外はトップにならないタンヤオのチーテンを入れる。
 ここからをチーし、打とする。牌姿からはいささかもったいない気もするが、6昇で独走態勢となりつつある小宮山にラスを押しつけられるなら十分ということか。
 結局、なにもおこらず流局。

【20回戦C卓】
 東場で40の放銃2回で出遅れていた大貝が南3局に26オールをひきラス抜けし、堀川・安居51→大貝22→岩沢で南4局を迎える。
 ここで安居が再び岩沢とトップラスを決めれば安居△5、岩沢・安田△3(安田のD卓は進行中)と降級点をめぐる争いは一気に熱をおびることになる。
 岩沢がドラ入りタンヤオチートイツのテンパイ。どこから出てもトップになれるが19回戦の悪夢が蘇ったかラス抜けだけで十分とに待ちかえする。これに自身でを2枚打っていた安居がはまってしまう。岩沢とトップラスどころか自らがラス落ち。この結果岩沢と安居は4昇差に開き、その重さは苦笑いを浮かべることもできない安居のなんともいえない表情が物語っていた。

【20回戦D卓】
 東場で大量リードを得た安田が山内に追いすがられるもなんとか逃げ切り、2連敗のあと2連勝で今節の成績を±0でまとめた。一方、抜け出しかけた小宮山は連敗で2位以下との差がぎゅっと詰まってしまった。
(記・田中 実)

第35期順位戦B級 第5節 星取表 (10月4日/東京)

選手名
開始前
17回戦
18回戦
19回戦
20回戦
終了時
順位
堀川 隆司
3昇
D 
D 
C 
C 
3昇
2
安田健次郎
△2
C 
D 
D 
D 
△2
6
山内 啓介
2昇
D 
C 
D 
D 
2昇
4
岩沢 和利
△2
D 
D 
C 
C 
△3
7
小宮山 勤
5昇
D 
C 
D 
D 
4昇
1
大貝 博美
±0
C 
C 
D 
C 
±0
5
安居 嘉康
△8
C 
C 
C 
C 
△7
8
山田 史佳
2昇
C 
D 
C 
D 
3昇
3
                               立会人:田中 実

第4節(9月14日/東京)

 14回戦D卓は起家から大貝2昇・山田3昇・山内3昇・堀川±0。
 東1局、6巡めにを切った大貝に山田がを鳴かせる。大貝はドラ表示牌の待ちだったが流局。今期の山田を見ていると字牌の切りが早い。手を広く構えるためか。そしてそれが今のところ成績にも良いほうに現れていると思う。
 東2局は大貝が20・40。

 大貝も昇級を考えると、同卓の他者にはトップを取られたくないである。そんなところに格好の先制点となった。
 東3局は東家・山内がテンパイ、
一方、堀川にも、手が入っていた。
 山内にを打たれた後にツモ(山内の現物)となったがは山田と持ち持ち。結果は山内がツモでアンカンの後、ツモで14オール。
 その2は山田が字牌を抑えホンイチ模様の捨て牌。見せかけの捨て牌だったが、3者が字牌を抑え流局。
 一人旅を終えたラス目・山田が第1打に、とやる気を見せた東4局は、次の手でリーチ。
 ロン牌はヤマに残っていたが他3人の手元に入り流局。

 リーチ棒の残った南1局は堀川がツモアガリ。ドラ1の5・10(+10)で、大貝+5.6、山田△6.9、山内+1.7、堀川△0.4となった。堀川にとってこのラス目から貰ったリーチ棒は大きいか?

 南2局、オヤ山田が再度のリーチは4巡目。
リーチ時には無く、2枚、1枚。山内が粘って追いついた。
山田に通っていたで堀川が32放銃。これで大貝+5.6、山田△7.9、山内+5.9、堀川△3.6。

 南3局、東家・山内がドラトイツでタンヤオのイーシャンテン仕掛け。テンパイはとドラのシャンポン待ちになる。2着目の大貝は役無しテンパイからを掴み、さすがにオリに回る。そして流局。

 南4局、堀川ドラ待ちチートイツテンパイは7巡目。その色で山田がホンイチに向かう。終盤テンパイの大貝がドラを打ち、堀川に放銃。大貝△4.0、山田△7.9、山内+5.9、堀川+6.0。

 その2(ドラ)は山田に苦しいがテンパイが入る。16巡目に山田がリーチ。
そして山内もリーチ。
さすがに流局で終了。南1局に回収したリーチ棒がトップ争いで役に立つとは予想外だった。
(◎堀川1昇(山内3昇、大貝2昇)●山田2昇)


 堀川はこの後、15回戦、16回戦を連勝し3昇となり、一気に昇級ポジションに入ってきた。まだまだ先は長いので何とも言えないが、安定感のある堀川は外せないところだろう。首位スタートの小宮山も連勝し5昇。小宮山から±0の大貝まで、誰が来てもおかしくない状況でB級は間もなく折り返し点を迎える。
(記・愛澤 圭次)

第35期順位戦B級 第4節 星取表 (9月14日/東京)

選手名
開始前
13回戦
14回戦
15回戦
16回戦
終了時
順位
堀川 隆司
±0
C 
D 
C 
D 
3昇
2
安田健次郎
△3
D 
C 
D 
D 
△2
6
山内 啓介
2昇
C 
D 
C 
C 
2昇
3
岩沢 和利
△1
D 
C 
C 
D 
△2
7
小宮山 勤
3昇
C 
C 
D 
C 
5昇
1
大貝 博美
1昇
D 
D 
D 
D 
±0
5
安居 嘉康
△5
C 
C 
C 
C 
△8
8
山田 史佳
3昇
D 
D 
D 
C 
2昇
4
                              立会人:愛澤 圭次

第2節(6月15日/東京)

 B級開幕から1カ月が過ぎた。しかしながら今年は未だ4半荘しか打っていない。
 そう、今年からB級は最終節を除き単日開催となっているのだ。確かに2日連続の対局は疲れるが、たった4回の成績をしばらく押し付けられるのはシンドイのではないだろうか。2日間の0−1は耐えた感じだが、1日では大負けしたように思える。そんな1節がともに0−2に終わったA級陥落組の心中はいかばかりのものだろうか。
 さて、順位戦において「日帰り」と称されることがあるが、これは今回の安田のようにA級に昇級したものの1年で降級したことをいう。第19期(1995年)の村田をはじめとして昨年の安田まで10人が延べ13回これを食らっている。観戦子も恥ずかしながら2回記録しており、最多は山内の3回である。
 逆にA級から陥落するも1年で「日帰り」を果たした者もいる。橘高・僧根・金子・菊池に、ペアで陥落→昇級を果たした伊藤・佐々木。そして山内がA級・B級1組間の昇降級を6年繰り返し、この間2回の「日帰り」昇級を果たしている。
 堅忍不抜で知られる元名翔位の堀川が先の歴代タイトルホルダーに並びうるのか注目されるところであるが、下馬評は芳しくない。今のA級が良馬場かどうかは意見の分かれるところだろうが、B級の荒れ馬場振りがすこぶる凄く、この重馬場に堀川の脚質が合わないというのが世評である。

 重い心のそんな堀川にいきなり手が入った(5回戦東1局・南家7巡目)。

そして手変わりもないまま、いきなりをツモる。大きすぎるアドバンテージとも思えた。
 しかし、安居→16小宮山を挟んだ東3局、8巡目に堀川がイーシャンテンで手放したを安居がポンすると、次巡ドラを手許にひき寄せドラ3をツモアガる。
 東4局には小宮山がドラのをひき寄せ30・60。
 あっという間の逆転である。
 それでもこの日の堀川には手が入った。南2局のオヤ番。
 ここにをひいて打のテンパイ。前巡に安居からが放たれているが、アガリは拾えるだろう。が、次のツモがドラの。長考を入れた堀川の選択は打。いかにも堀川らしい。それでも堀川の長考プラス生牌の打に三者はオリを選択した。「ツモれるのか堀川」と心配したがここはをツモって再逆転した。
 その後安居がドラ入りチートイツをツモったが、堀川がこの荒れたレースを制した。

 6回戦、7回戦はただ耐えるのみ。5・10のアガリが1度あるだけでもちろんノー放銃。山田の5万点トップにもひたすら忍耐である。

 最終戦となった8回戦は起家になり、ピンズに寄せる。ツモが効いて手が育ち、7、8巡目にピンズを余らせてのシャンポン待ちでテンパイとなった。これに山田がで放銃し48。そして後は守りを固め、ただ忍耐である。東3局の山田→12小宮山のみで南4局まで進んだ。んー、堀川らしいレース展開である。
 そしてオーラス8巡目にテンパイとなったオヤの小宮山がドラのを切る。この時堀川は、
 一方、ラスめの山田はピンズのホンイチ模様でをポンしている。堀川がこれをフカすとツモはでイーシャンテンとなる。そして同巡に大貝が打。ここはポンテンとして、山田の手牌の右端にあったでフィニッシュを決めた。

 対局終了後、成績表を見上げ、これで何とか戦えると自らを確かめる堀川の姿があった。この荒れ馬場でもレースはできるんだと。
(記・平井 淳)

第35期順位戦B級 第2節 星取表 (6月15日/東京)

選手名
開始前
5回戦
6回戦
7回戦
8回戦
終了時
順位
堀川 隆司
△2
C 
D 
C 
D 
±0
4
安田健次郎
△2
D 
D 
C 
C 
△3
7
山内 啓介
±0
D 
D 
D 
C 
2昇
2
岩沢 和利
△1
D 
C 
D 
C 
±0
5
小宮山 勤
3昇
C 
C 
D 
D 
3昇
1
大貝 博美
2昇
C 
D 
D 
D 
2昇
3
安居 嘉康
△2
C 
C 
C 
C 
△5
8
山田 史佳
1昇
D 
C 
C 
D 
±0
6
※山内啓介はペナルティ△1を含む。             立会人:平井 淳

第1節(5月18日/東京)

 B級戦が開幕した。本年は第1節〜第7節が単日開催、最終節が2日間となっている。注目選手は前期A級の堀川、安田の2人だろう。

 

【1回戦C卓】
 もう一人のA級経験者山内が先行し、そつなく逃げ切りを果たしてトップ。32の放銃がひびいた岩沢がラス。
(◎山内1昇(安居0、山田0)●岩沢△1)

【1回戦D卓】
 安田が24(←堀川)、4・8、10・20と1人でアガって、こちらも逃げ切りかと思われたが、南3局に小宮山が引きアガった手はドラのがアンコで20・40。これで逆転し、そのままトップとなった。
(◎小宮山1昇(安田0、大貝0)●堀川△1)

【2回戦C卓(大貝0、安田0、岩沢△1、安居0)】
 南4局を迎えて、岩沢+76、大貝△05、安居△12、安田△69、そして安田の出したリーチ棒が1本。
 安田はこの手でテンパイ。
 その時トップ目の岩沢は、
にツモで出アガりの効くテンパイに変わった。数巡後安田はアガれないをつかむ。しかし岩沢はその前巡、ツモでマチカエをしていたため助かった。そして安田の最終ツモはであった。
(◎岩沢0(安田0、大貝0)●安居△1)

【2回戦D卓(小宮山1昇・山内1昇・堀川△1・山田0)】
 東1局、山内がドラ2リーチをツモアガリ20・40 。東3局もヤマ越しのドラを捕まえ山田から20。
 しかし、東4局小宮山のメンゼンホンイチに高めで64の放銃。
 それでも山内の手は衰えず、南1局は、堀川が役無しテンパイからツモ切った牌に、山内から「ロン」。
 これで並びは山内+116、小宮山+24、山田△40、堀川△100。

 南2局、堀川がサンショク確定のリーチをかけるが流局。
 南3局は山内、山田、堀川の3者の仕掛け合いとなった。ここは堀川→山田12で決着。
 山内2連勝かと思われたが、バラバラの配牌だった小宮山が点差の兼ね合いでホンイチチートイツへ。
 「悩むところなくテンパイからツモアガリ」(本人談)で20・40。逆転でこちらが2連勝。
(◎小宮山2昇(山内1昇、山田0)●堀川△2)

【3回戦C卓(安田0・山内1昇・安居△1・小宮山2昇) 】
 東場は安田以外の3者がアガり、安田△64、山内+40、安居+04、小宮山+20。
 南1〜3局までは流局。南4局、小宮山78←安田。その2は流局で小宮山3連勝を果たした。
(◎小宮山3昇(山内1昇、安居△1)●安田△1)

【3回戦D卓(堀川△2・山田0・岩沢0・大貝0)】
 こちらは岩沢12←堀川でスタート。その後東4局に大貝が8オールのツモアガリ。その2は、早いサンショク28を岩沢が大貝から出アガり、再度トップ目に立つが、南1局で逆にピンフサンショクドラ1の80を大貝に打ち、一気にラス目まで転落した。
 その後は山田がアガるが大貝には届かず終了。
(◎大貝1昇(山田0、堀川△2)●岩沢△1)

【4回戦C卓(山内1昇・安居△1・堀川△2・大貝1昇)】
 点棒が動いたのは東2局。堀川がの片アガリの16を安居から。これが堀川の今期初アガリだった。
 その後、南1局に安居が5・10でラス抜け。南2局に堀川3・6と小場で進み、山内△13、安居△02、堀川+23、大貝△08で南4局を迎えた。
 微差のラス目山内がテンパイで押す。しかしその打牌のがオヤ大貝に捕まった。
 こんな78では助からないのが普通なのだが、その2で山内はドラのシャンポン待ちでドラをツモり、20・40であっさりラス抜けした。
(◎大貝2昇(堀川△2、山内1昇)●安居△2)

【4回戦D卓(岩沢△1・小宮山3昇・安田△1・山田0)】
 好調小宮山が13巡目にドラのを切ると山田に捕まり80の失点。さすがに行き過ぎたかと反省したかどうか。
 東3局は岩沢が小宮山から80。小宮山がドラ3枚のイーシャンテンから山越のをツモ切るとタンピンサンショクに捕まった。東4局も岩沢が安田から20のアガリ。
 さすがに小宮山も厳しい状況となった。南1局にはリーチが入ったが、岩沢が山田のイーぺイコードラ3にササってしまい、あっさり蹴られる。
 南3局、トップ再奪取を目指す岩沢がをポンして攻める。そこにラス目小宮山が再度のリーチ。今度は一発でツモり、一気にラス抜けを果たした。
 南4局を迎えて、オヤから山田+166、岩沢+06、小宮山△58、安田△64。9巡目に安田がチーテンを取るが、出もせず、ツモれもせず流局となった。
 
(◎山田1昇(岩沢△1、小宮山3昇)●安田△2)

 第1節を終えて、堀川、安田の不調が気になったが、地力はある2人なのでこれから巻き返すだろう。今期は対局数は変わらないが8節まである。選手は長丁場になったと感じることだろう。何がおこるかはまだまだ分からないが。
(記・愛澤 圭次)

第35期順位戦B級 第1節 星取表 (5月18日/東京)

選手名
開始前
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
終了時
順位
堀川 隆司
S-0
D 
D 
D 
C 
△2
6
安田健次郎
S-0
D 
C 
C 
D 
△2
7
山内 啓介
S-0
C 
D 
C 
C 
1昇
3
岩沢 和利
S-0
C 
C 
D 
D 
△1
5
小宮山 勤
S-0
D 
D 
C 
D 
3昇
1
大貝 博美
S-0
D 
C 
D 
C 
2昇
2
安居 嘉康
S-0
C 
C 
C 
C 
△2
8
山田 史佳
S-0
C 
D 
D 
D 
1昇
4
                              立会人:愛澤 圭次