第31期八翔位戦 卓別リポート
1次予選 | 2次予選 | 準決勝 | 出場選手 | システム準決勝:6戦制/各卓2昇以上の単独首位者勝ち上がり
A卓 |
1 |
2 |
3 |
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 終了 |
|
奥田 直裕 | 東京 | ◎ | ● | − | ◎ | − | ● | − | ● | ◎ | − | ◎ | − | ◎ | 2昇 |
坂井 準司 | 大阪 | − | − | ● | ● | ◎ | ◎ | ◎ | − | ● | ● | − | ● | ● | △3 |
田村 洸 | 大阪 | − | − | ◎ | − | − | − | − | − | − | − | ● | ◎ | − | 1昇 |
三上 龍玲 | 東京 | ● | ◎ | − | − | ● | − | ● | ◎ | − | ◎ | − | − | − | ±0 |
B卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 | 7 | 8 | 終了 |
|
山内 啓介 | 前翔龍 | − | ◎ | − | − | ● | − | − | − | ±0 |
石川 由人 | 東京 | ● | − | ● | − | ◎ | − | − | ● | △2 |
大川戸 浩 | 東京 | − | ● | − | ◎ | − | ◎ | ● | − | ±0 |
堀井 統之 | 東京 | ◎ | − | ◎ | ● | − | ● | ◎ | ◎ | 2昇 |
まずは対局者を紹介したい。
一人目は山内啓介翔龍。101競技連盟にも長く所属し、普段の豪快な人柄とは裏腹に、非常に緻密で繊細な麻雀を打つような印象がある。B卓唯一の連盟所属選手であるため、ここは何としても勝ち上がりを決めたいところではないだろうか。
二人目は堀井統之選手。マージャン101イン東京に参戦している人の中でアマチュア最強の一人ではないかと言われているほどの強者。
三人目は大川戸浩選手。日本プロ麻雀棋士会に所属し、競技麻雀に対する造詣も深い。二次予選で私が対局し、その驚異的な粘りで勝ちあがりを決めた。
四人目は石川由人選手。元順位戦所属選手で、イン東京でも好成績を残している。かつて順位戦に身を置いていた者として、この対局に臨む心境はどのようなものであろうか(以下敬称略)。
対局が始まるまでの過ごし方は人それぞれ。着卓し瞑想する者もいれば、他の者と話をしている者。喫煙所で一服してから対局室に来る者、各々が対局にスムーズに入り込めるようにリラックスする方法をとっている。
集合時間となり全員が着卓すると、立会人が挨拶し対局が開始される。たちまち糸がピンと張り詰めたような緊張感が対局室に走る。まずはB卓唯一の順位戦選手山内の後ろから観戦していく。
【1回戦 起家から(以下同)堀井・山内・大川戸・石川】
東1局(ドラ)、山内配牌は、
ピンフこそなくなったものの、最高形と言っても過言ではない形でテンパイを果たした。高目をツモればいきなり跳満が炸裂する。
山内がテンパイ打牌のを河に置くと下家の大川戸から即が出て52の出アガりとなった。大物手炸裂とまではいかなかったが、先制できたことに少なからず喜びは感じたのではないだろうか。
東2局(ドラ)、東1局に先制し親番を迎えた山内の配牌は以下の通り。先ほどの勢いが手牌に現れてくれるであろうか。
ピンフ、サンショク、ホンイチ、またしてもツモ次第で期待の膨らむような手だが、ドラが役牌であることと自分には1枚もないことから、他家の出方を伺いながら手を進めることになるだろう。全員が互いの手の内を慎重に探りながら局が進んでいく中、10巡めに大川戸がを静かに河に置く。局の始まりよりも高い緊張感が卓上を覆う。
ドラを切った大川戸は当然のようにテンパイしており、その値段もやはりドラを切るに見合っていた。
東1局の放銃など無かったかのような手牌の整い方。高目ツモなら跳満となる。が、残念ながらこの手牌が開かれることはなかった。せめてテンパイ打牌がドラでなければもう少し目立たなかったのであろうが、全員にマークされ流局に持ち込まれてしまった。大川戸の肩がガックリと落ちたように感じた。
しかし東3局(ドラ)、大川戸はオヤ番でまたしても手を入れる。中盤に、
ここからをポンしを切り高めならマンガンのテンパイとする。が、テンパイ打牌のが石川の20に御用となってしまった。ドラがトイツだけに受け入れを最大限にしていたのだが、それが仇となってしまった。逆に大川戸の勝負手を潰した石川、東4局の親番ではトップめ山内に迫るアガりを決めたいところである。しかし局を制したのは山内。石川に親被りさせる形で7・14をアガりリードを広げる。石川としては山内追撃に向けて加点したかっただけにここでのオヤカブリは避けたい所だったであろう。
南1局(ドラ)、ここまでアガりも放銃もなかった堀井がついに動き出した。配牌は、
すでに2メンツありこの手牌ならば先制することができそうである。5巡目には、
のイーシャンテンとなり、6巡目にを引き入れ即リーチ。一発でを引き当て26オールのアガリとなった。このアガりで一気にトップめまで突き抜けた堀井。後はこのまま平穏に局が進んでくれることを祈るばかりか。南1局その2は無事流局となった。
南2局は石川が速攻の3・6。山内の切ったを叩くと間髪入れぬリャンメンチーでテンパイを入れ早々に引きアガった。
であり、とどちらをツモっても13・26のアガリとなる。この手が成就すればぐっとトップめに近づけるのだ。しかしオヤの大川戸がこの期を逃すはずが無く、真っすぐに手を進め石川がツモ切ッたを捕らえリーチ棒付の18の嬉しい収入となった。
南3局その2(ドラ)、山内がを叩いて積極的に動き、堀井との点差を詰めようとする。これに対し堀井も自風のを叩いて応戦。しかし2人の間には圧倒的な速度差があった。
山内は6巡目のを鳴いた時点でイーシャンテン。
5巡目のポンでテンパイ。更には山内の持っているが入り目によっては出て行く形。不幸なことに山内はをアンコにしを打つこととなってしまった。堀井は20差の2番手から16を直撃という嬉しい形となった。
南4局(ドラ)、ここまで優位に局を進めてきた堀井。このまま無事にトップを取ることができるのかと思いきや、山内が6巡目にリーチと出る。
直撃とツモ以外での出アガりは同点トップとなってしまうが、キッチリと手を作った。果たして軍配は山内か堀井か。と思っていたところであるが決着は思わぬところでついた。ラス目の大川戸が3着目石川と44差であったため、このリーチ棒により7・14のツモアガリでラス抜けできるようになったのである。当然のように大川戸は真っすぐに手を進め、13巡目にリーチ。
2巡後にを手元に引き寄せラス抜けを果たした。
大川戸は立ち上がりこそ苦しかったが、最終的にはラス抜けできたことに胸をなでおろしたであろう。
逆に先制したが逆転を許してしまった山内、大きな失点こそないもののラスを押し付けられてしまった石川の心境は苦しいものであったであろう。
八翔位戦準決勝初日はイン東京が行われることから、1回戦だけを観戦し、世話人の仕事へと向かった。翌日にどんな戦いが繰り広げられるのか期待に胸を膨らませていた。
【5回戦 大川戸0・堀井1昇・石川△2・山内1昇】
東1局(ドラ)、大川戸が開局から10オール。
準決勝は6回戦終了時に単独2昇首位者が勝ちあがりとなり、延長戦はその回が始まった時点での首位者がプラス1昇するまで終わらないサドンデスとなる。大川戸としてはここで昇を獲得し6回戦での決着権を獲得しておきたいところである。そんな状況でのこの10オールはまさに値千金。
東1局その2(ドラ)、堀井が高速の2巡目リーチ。
これは堀井の一人舞台となるのかと思っているとなんと石川が4巡目に追いついた。
が、こちらはヤミテンに構え押し続ける。ここでの軍配は石川にあがる。リーチ者の堀井からを召し取りリーチ棒付20の加点となった。
東2局(ドラ)。山内が4巡目にリーチ。
ドラも役も無いリャンメンテンパイ。一発裏アリのルールであればリーチを打つのが大多数になりそうな気もするが…。ここでのリーチ判断は非常に難しいところである。一方でラスめ堀井も山内のリーチに追いついていた。
リーチに対してヤミテンで応戦。堀井からしてみれば自分にドラがなく、他の2人がオリているので山内にドラがトイツ以上である可能性が高い。また自分でマチを3枚も使っているため追いかけリーチとは行きづらかったであろう。この局は山内、堀井両者のロン牌は脇の2人の手牌に収められ流局となった。
東3局(ドラ)。石川配牌は、
オヤ石川の配牌にドラがトイツ、しかし他がバラバラであるため手なりでまとまればよし、でなければチートイツといったところか。切り出しもからとしている。一方でラスめ堀井は着々と手牌を育てていた。
13巡目、ここにを引いてくる。シャンポンのまま行くか、ドラでのツモアガリを見るか、非常に悩ましいところである。堀井の選択は打。そして最終手番に堀井の手元に踊ったのはなんと。見事としか言いようのない13・26のツモアガりであった。このアガりで堀井はラス目から微差ながらもトップめへと突き抜けた。2着目だった石川はオヤカブリによりたちまちラス目との厳しい戦に追い込まれた。
東4局は、いままでオヤカブリを食らい続けてきた石川が反撃と出る。ラスめ山内から12を直撃し、点差を広げることに成功した。
放銃した山内であるが、イーシャンテンの形が、
またしても入り目によってはロンパイが出る形。持ってきた4枚目のをアンカンするとリンシャンにいたのは最悪の。押し出される形での放銃となった。
南1局(ドラ)。山内、石川ともにテンパイを果たすも、この局は流局となった。やはりドラが字牌の時は全員が慎重になるためアガりも発生しづらくなっているのであろう。
南2局(ドラ)、この局は激しい戦いとなった。まずは石川がリーチ。配牌こそ良くなかったがツモに恵まれ高めピンフが付く。
このリーチの同巡にラス目山内が追いつき追いかけリーチとする。
山内としてはなんとしてもこの手を成就させてトップめに立ちたい所。が、麻雀の神様は残酷である。石川が一発でをツモり7・14のアガり。山内は一度もツモらせてもらえなかった(石川34→大川戸12→堀井50→山内)。
南3局(ドラ)、しかし山内の不幸はまだ終わらない。この局でもテンパイ打牌がロンパイとなってしまった。配牌が悪く、放銃を避けるのが精一杯かと思われた山内であったが、終盤ドラマチチートイツのテンパイとなった。とのどちらに受けるか選択であったが、当然のようにドラ受けにしリーチ。しかしは既に2つ仕掛けていた大川戸のロン牌。20の失点となってしまった。
南4局(ドラ)、このラスオヤだけは絶対に落とせない山内。なんとかしてアガりに結び付けたいが、トップ目石川がを仕掛けあっさりと山内から12をアガりトップを確定させた。
【6回戦 堀井1昇・石川△1・大川戸0・山内0】
東1局は流局と静かな立ち上がりとなった。しかし石川がドラのをトイツにしてを叩いており、堀井を狙う刃が衣の下に隠されていた。
東2局(ドラ)、石川が堀井から放たれたを叩いてテンパイ。
このまま石川トップ、堀井ラスで対局が終了した場合、勝負は振り出しに戻る。堀井としてはそれだけは絶対に避けたい。
しかしここからの堀井が非常に苦しい。手は入るものの、東2局その2、東3局と連続で流局に持ち込まれてしまう。堀井以外の三者としては堀井のトップだけは絶対に阻止しなければならないので当然の展開とも言える。
東4局(ドラ)、山内が高速の14オール。5回戦で引かされたラスを取り戻し、延長戦の際になんとか決着権を手に入れておきたいところである。
東4局その2(ドラ)、ここでは大川戸がファインプレー。4巡目のイーシャンテンがこの形。
をチーすると堀井から即がでて20を召し取る。堀井包囲網は想像以上に厳しいものとなっている。果たして堀井はこの包囲網を突破することができるのであろうか(石川04→山内36→大川戸100→堀井)。
南1局(ドラ)、オヤの堀井が13巡目にリーチ。
なんと13巡目という終盤にも関わらずヤマに3枚も残っていた。これをアガれれば堀井はたちまちトップめへと躍り出ることができる。しかし牌の巡り合わせは実に残酷なもので、力を込めてツモる堀井の指がロン牌を掴むことはなかった。
南2局(ドラ)、東4局以外特に目立った動きのなかった大川戸に、この局チャンス手が舞い込んだ。
なんと4巡目にしてこの形である。6巡目にツモでテンパイを果たすと、あっさりとを手元に引き寄せ13・26。このアガりでたちまちトップめに立ってしまったのだ。南3局のオヤ番も無事に流局し、残すは南4局だけとなった。
南4局(ドラ)、南2局で最高の手を入れた大川戸。なんと南4局でも超高速配牌を手に入れた。
石川の切った第1打を叩いてたちまちイーシャンテン。12巡目に山内から出たを更に叩いてテンパイを果たした。
一方で29差を追う山内もただ大川戸の動きを見守っていたわけではない。大川戸が切ったドラをポン。更に大川戸からをポン。石川のをポン。最終形こそ望むような形にならなかったが、大川戸を脅かすには十分な仕掛けに見えた。
【7回戦 堀井0・山内0・大川戸1昇・石川△1】
先ほどは堀井が標的にされたが、今度は大川戸が標的にされる番である。先ほどまで味方であった2人が今度は積極的に自分を狙ってくると思うと胃が捻られるような気持ちになる。
東1局(ドラ)、山内が手変わりをする前に安めをツモり10・20。開局の滑り出しとしてはかなり良い感じだ。このまま対局を自分のペースで進め、8回戦では決着権を所持していたいところである。
東2局(ドラ)、先ほどは包囲網によりラスを引かされた堀井だが、まだスコアがマイナスになったわけではない。再び決着権を手にするために、この局石川から64を召し取る。
石川も十分な形のイーシャンテンからの放銃だったので、致し方なしといったところか。しかし石川もそろそろスコアを戻したいと思っているに違いない。ここでの64の失点は大きなハンデとなってしまうだろう。
しかしマチが自由に選べるドラトイツのチートイツとドラマチチートイツではアガり易さは雲泥の差。この手に飛び込むものはおらず、石川がを手元に引き寄せることもなかった。
東4局(ドラ)、石川、ドラがトイツの手をもらい序盤素直に手を進める。しかし5巡目の石川手牌は、
ここにをツモりツモ切りとしている。恐らく大多数の人間がを切るのではないだろうか。ドラがトイツであるわけだから何としてもアガりたいところである。しかし石川はこの手を成就させるにはチートイツしかないとばかりにツモ切り。すると次のツモがで打。狙い通りチートイツイーシャンテンとなった。しかしここからが長く、なかなかテンパイしてくれない。そのまま残念なことに流局となってしまった。見事な読みを見せてくれただけに、心中では石川がこの手を成就させることを祈ってしまっていた。
南1局(ドラ)、そんな石川に遂に大物手がやってきた。3巡目に堀井から放たれたを叩くと残った形はこうなっていた。
オヤカブリによってトップめから3着めまで落とされた堀井。大川戸との差は34しかないため、なんとか大川戸をラス目に沈めたまま対局を終了したいに違いない(山内14→石川02→堀井34→大川戸)。
南3局(ドラ)、南2局はオヤの山内がダブルバックの仕掛けをいれるも流局。そして3人の標的である大川戸のオヤ番がやってきた。大川戸は何としてもトップを取り勝ちあがりを決めたいところだがその焦りからか、仕掛けを入れてしまう。
【8回戦 山内0・堀井1昇・大川戸0・石川△1】
開始時の首位者がプラス1昇するまで決着がつかないとなると、やはり延長が起こり易くなるであろう。果たして包囲網を抜けて勝ち上がりを決めるものは現れるのであろうか。
そんな延長8回戦は流局からスタートした。皆もちろんトップを取りたいのは山々であるが、同時にラスは絶対に引きたくない。首位者以外は誰がトップを取っても延長のため、スコアがマイナスになっても逆転の目はいくらでも残されているが、マイナスから勝ち上がりを決めるとなると実質連勝条件といっても過言ではないため、相当厳しいのである。
東2局(ドラ)、ここで初めてチョーマが動く。聴牌していた大川戸がツモ切ったが山内のピンフに絡め取られた。打点こそ12であるが、101ではこの失点が後々まで響いてラスを引かされることも珍しくない。
東4局(ドラ)、現在ラスめの大川戸。東3局のオヤ番は流局となってしまったがここで再び高速のツモアガリ。6巡目に5・10のアガリとなる。
本当は手変わりしてからしてからツモり20・40としたかったところであろうが、この際贅沢は言っていられない。
南1局(ドラ)、この局は堀井が積極的に動いた。5巡目のをチーして打。しかしその手牌を見て少々驚いた。残りの形は、、絞りのキツい101ではここからアガりに向かうのはかなり厳しいように感じた。が、ここに、と立て続けに引き当て9巡目にはペンマチのテンパイとなった。
堀井の狙いが流局であったのかは不明だが、この仕掛けにより、周囲は翻牌を容易に打つことができず、全員の手が膠着したまま流局となった。
南2局(ドラ)、オヤの堀井はここで加点しトップをもぎ取りたいところ、しかし他の三者がそれを許すはずもなく、西家石川が堀井の第1打を叩くと2巡目のもチー。最後にリャンメンを引き入れ20のテンパイを組んだ。
南3局(ドラ)、残すところ2局。堀井は何とかしてトップめに立とうと牌と格闘。 ここに1巡目ツモとなるが、これをあっさりツモ切り。他家への牽制の意味も込めて手牌をまっすぐに進める。
6巡目、となっていたところに、ツモ。何を切るべきか、たった一打のミスが命取りとなり堀井をラスへとしてしまうだろう。そんな緊迫した状況の中、堀井の選択は打。すると8巡目にツモとテンパイを果たす。しかし周囲もただ手をこまねいていたわけではない。同巡、山内もイーペイコーでテンパイをしていた。
勝利の女神はどちらに微笑むのか、堀井がヤマに手を伸ばすと引き入れたのは。当然のアンカン。「ロン!」対局室に響き渡るこの日一番の発声。堀井の手元には心から待ち望んだロンパイのが引き寄せられていた。見事な読みでアガりを手にした堀井。このまま南4局も楽に終わってくれればいいのだが、そんな簡単に勝ち上がりを許してくれるほど甘い対局相手ではなかった(堀井53→山内12→大川戸05→石川)。
南4局(ドラ)、堀井はアガればもちろん勝ち上がりだが、無理に前に出て放銃しては元も子もない、ここは守備的に構えるのが妥当である。9巡目には高めツモ条件ながら山内からリーチが入る。
石川もまっすぐ手を進め、イーシャンテン。
全員が堀井を狙っている。このまま勝ち上がらせてなるものかという気迫が言葉にせずとも卓上を飛び交っていた。しかし山内の条件を満たす高めは石川の手の内に、また石川がテンパイするための牌も既に他家の手の中にしまいこまれてしまい、成就することはなかった。
流局し、立会人に得失点を告げると堀井が勝ち上がりとなったことが宣言された。そこで初めて堀井は安堵のため息を漏らし、弛緩した表情を見せていた。この8半荘、堀井は一瞬たりとも気を抜かなかったに違いない。
その丁寧な打牌、そして幾度となく自分の前に立ちはだかった包囲網を突破した力強さにより見事勝ち上がりを決めた。観戦を終えて、心の中に堀井の対局中の険しい表情と、対局終了後の清々しい表情を思い浮かべ、自分ももっと麻雀と向き合いたい、もっと多くの打ち手と出会いたいと感じた。
堀井さん勝ち上がりおめでとうございました。決勝も頑張ってください。
それでは今回はこの辺で、皆様また次回のイン東京、そして八翔位戦でお会いしましょう!
C卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
終了 |
|
村田 光陽 | A級 | ● | ● | ● | − | − | ● | △4 |
成岡 明彦 | A級 | − | ◎ | ◎ | − | − | ◎ | 3昇 |
平井 淳 | A級 | − | ◎ | − | ● | ◎ | − | 1昇 |
熊谷 修 | 東京 | ◎ | − | − | ◎ | ● | − | 1昇 |
準決勝C卓は何とも豪華な顔ぶれとなった。現役最強と呼び声の高い成岡を始め、翔龍のタイトル獲得者の平井・熊谷、そして長年A級で戦い、タイトルこそ手にしてはいないが一線で活躍してきた村田、まさに決定戦のメンツであってもおかしくないメンバーである。
初日を終えてのスコアは成岡、熊谷が2−0の2昇、平井が1−1で0、そして不調の村田が△3(同点トップが1回)。成岡・熊谷が有利なのは間違いないが、このメンツでは簡単には抜け出せなさそうというのが私の予想。村田の複調が以降の戦いのキーポイントになりそうな気がした。
5回戦の座順は起家から村田・成岡・平井・熊谷。東1局、先行したのは平井。7巡目にドラ切りのリーチ。
ここに村田が追いつく。
平井と村田は平井に合わせてドラの河にはいずれもを切っており があり、手詰まった熊谷が14巡目にをツモ切って村田が幸先の良い先制点をものにした。熊谷も村田が押してきているのは百も承知だったろうが、残りの巡目を考えるとやむなしか。
その熊谷は東2局に10・20をツモり、難なくラス抜けを果たす。
が、次の東3局、早くも決定打が出た。ドラのを2枚持った平井が5巡目にをポン。
その後村田が7・14で平井を追撃しようとするも二の矢、三の矢が出ないまま、焦点は成岡vs熊谷のラス回避争いとなる。結局成岡が南3局に平井から12を打ち取り、5回戦は平井◎−熊谷●で終了した。
規定の6回戦を迎えてのスコアは成岡2昇、平井・熊谷1昇、村田△3。成岡がトップなら文句なしだが平井、熊谷も成岡とのトップ−ラスを決めることができれば逆転で勝ち上がりという状況である。もっとも勝ち抜けは一人だけ、最後の最後は必ずといっていいほど3対1の戦いになるので、そうは簡単には終わらないであろう。
その6回戦は熊谷・村田・平井・成岡の座順で開始された。序盤は比較的静かな立ち上がり。平井→熊谷24、村田→平井16とアガリが出て、ゲームが動き出したのは東3局。北家の村田が熊谷の打ったをチーしたところで、西家の熊谷にテンパイが入る。
が、熊谷は即リーチをかけず、何かを確認するかのように次巡にリーチ。すぐにをひき寄せ20・40とした。これで点差は、熊谷124→成岡16→村田08→平井となった。
熊谷はこのトップめを維持したまま成岡にラスを押し付けることができれば逆転で勝ち上がりとなる。
しかし、さすがに成岡の壁は厚かった。東4局の5巡目に成岡の手が止まった。
2巡目に手順でを打っているためを放ってテンパイを組んでもフリテンである。果たして成岡の選択や如何に、と興味深く見守っていると、取らずの打とした。そして、時間はかかったが11巡目に待望のテンパイ。
すると次巡、ひときわ通る声で「ロン」とを引き寄せる成岡。決定的とも言うべき60オールである。次局のサイツを振る際、成岡の手が震えていた。
その東4局その2の7巡目、今度は熊谷の手が止まった。
今ひいてきたのは。十分に時間を使い、熊谷は河にを置いた。そして9巡目のツモが。無表情を装う熊谷だが、果たして心中は冷静であっただろうか。そして14巡目に平井が手を開ける。
直前の村田の河にはドラのが。しかしこの手、村田のではアガらないのはわかるが、リーチとしないのはいかにも消極的な気がしてならなかった。対局後に平井本人に直接その疑問をぶつけたところ、やはりここは30・60狙いでリーチをかけるべきだったと悔やんでいた。それだけ成岡のあの60オールが精神的にもダメージを与えていた、ということなのだろうか。
その後、成岡は追撃の手を緩めず、南2局には、
この時点で成岡と番手の熊谷との点差は288まで開いていた。そしてオヤは成岡。さすがにこの点差では3人がかりとはいえなすすべもなく、成岡の勝ち上がりで幕を閉じたのであった。
2次予選:6戦制/各卓上位2名勝ち上がり
A卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 | 終了 |
|
井戸田耕二 | 前八 | ● | − | − | ● | ◎ | ◎ | ● | △1 |
平井 淳 | A級 | ◎ | ● | ◎ | − | − | ● | − | ±0 |
西尾 剛 | A級 | − | − | ● | − | ● | − | ◎ | △1 |
三上 龍玲 | 東京 | − | ◎ | − | ◎ | − | − | − | 2昇 |
初日を終わって、三上2昇・平井1昇・西尾△1、井戸田△2。4回戦終了時の西尾、井戸田の表情を見ると5戦目コールドもある結構な差が付いたかと思って家路についた。が、よくよく考えれば、規定の6回戦までの2戦を連勝・連敗すれば全員に勝ち抜け・負けのあるスコアーである。ということで2日目は、陽の高いうちから飲むのは想定せず、延長戦も覚悟で対局室に向かった。
【5回戦 起家から(以下同)平井1昇・三上2昇・井戸田△2・西尾△1】
井戸田は1回戦で16出アガリのトップ目から、また、4回戦では東1局原点からのリーチを敢行しており、どうせ前に出てくるだろうと今日は厚めに安全牌を持つことにする。すると当然のごとく東2局に原点リーチ。これには慌てることなく対応し無事流局。迎えた東4局、6巡目に、
で、オヤ番の南1局。配牌が
チートイツ本命と思ったが、「みんな降りてね」の願いを込めて三上の第1打をポン。しばらくツモ切りを続けるとなんと井戸田が三元牌を切り出す。ふへーと困ってしまった。
結局以外のファン牌をすべて切られるが早いテンパイの気配は感じられない。終盤ホンロウトイトイのイーシャンテンになるが安全牌のを3枚並べて何とか流局させた。何とも井戸田との距離感がつかめない。
南2局は再び井戸田のリーチ。牌姿はよくわからないが、どうやら手変わりを待てばアガリがあった模様で、これも流局(因みに、井戸田は全7回戦で、7回リーチを掛け、アガリは西尾に即で追掛けられた宣言牌でアガッた1回のみ)。
あと2局と迎えた南3局。井戸田が少考を入れ7巡目からとペンチャンを外してきた(ドラ)。安全牌はまだあったが、テンパイとは見ず、トイツのをほぐしたら、井戸田はこれをポン。緊張が走る。そして次巡三上のをチーして打。河にはがあり、本命はサンショクなのか。ブラブラしているを切ろうかと思ったが現物のが来たのでツモ切り。で井戸田がを引き寄せ「ロン」。をアンコにした14オール。なんと相方は。ラッキーラッキー。
このまま流局した南4局。井戸田21→平井25→三上03→西尾の僅差。西尾が中盤までにポン、チー()。ドラはで西尾が切っており18が本命。最終盤このままでは死のシフト(2・1・△1・△2)になるためこれを阻止すべく井戸田が差し込みを図るがこれは空振る。が、実は11巡目の井戸田のを既に見逃していたのだ。実は西尾の手出しツモ切りを確認できず、を持ちながら単に安全牌があってこれもラッキーでした。
【6回戦 井戸田△1・三上2昇・西尾△2・平井1昇】
やってきました死のシフト。通常に人は大丈夫、或いはあきらめなのでしょうが、昔々の八翔戦(7期)でこれをクリアーされてタイトルを逃した私には一種のトラウマがある。「これを食らうような奴はプロじゃないと」いう師匠西田の声は今も耳に残る。
*当時はシステムが異なり、単独首位を守れば優勝であった。
で東1局。3巡目にテンパイすると三上からロン牌が。ピンフのみのわずか12であるが、これで役割は決まったはずである。脇の2人からもため息が聞こえた。
ところが東2局で三上が発声する。しかも「ロン」と。しかも30。120なら分からなくもない。以下略。
その2でも20オールをアガる。このオヤを西尾がリーチツモで落とすと、西尾のオヤは私が7・14で落とした。で東4局。ここで私のミスが出る。ピンフドラ1をテンパイするのだがこれを三上からアガってしまった(30)。井戸田の打牌に合わせたものだから脇から、或いはツモまで我慢すべきであった。これでは私が三上の上14。オーラス8・16以上で順位が変わる。三上の上に行くことも必要だが難しいところである。
その後流局を重ね残り2局(であったいいな)。マイナス連合軍は自力ツモによる、(1)西尾が上がり三上の上に行く。(2)そしてオーラスに井戸田が大外大捲りを決める。というシナリオが残った。
が私と三上の差は14。2局あればこれを34にすることができる(はず)。
そして南3局その1は西尾がメンタンピンをツモって26オール。その2を井戸田が5・10。
南4局は三上のアンカンにより減じた南家井戸田のツモを回復するため、西尾がチーして打のドラ打ち。それを見向きもしない井戸田の咆哮。
愛澤さん、山内さん、やっぱり私に「プロ」は無理みたいです。
【7回戦 井戸田0・三上2昇・平井0・西尾△2】
先に述べた7期八翔位戦で得た教訓は「決めようとおもわないこと」。大魔神飯田さんの最初のタイトルである5期八翔位戦で飯田さんは「何度でも打ってやる」の気持ちで対局したそうで、その気持ちになれなかった私は栄光を掴みとることができなかった。決勝にほど遠い場所ではあるが、気持ちの持ち方は同じである。
南3局のオヤを迎えて平井11→西尾16→三上35→井戸田。配牌リャンシャンテンで3巡目イーシャンテン、5巡目テンパイ。
を引いたものでドラの振り替わりもあり通常はヤミテンだが、ここは流局目当て(というか、やっぱりアガリたいのだが、流局上等の覚悟)でリーチとした。決して決めに行ったわけではない。そしてが手許にやって来て8回戦への切符を手にした(と思った)。
その2は三上の13・26。オーラスを迎えて平井05→三上49→西尾51→井戸田。いきなり決着(私の負け確定の意)は井戸田のハネツモ。その時はその時、身の不幸を恨むしかないだろう。直撃なんてバカなことをしないのみである、なんてことを思っていたら西尾が三上の第1打をポン。なんとこれがドラである。・・・・・・・・・
とは言え、西尾のターゲットは三上。出来るだけ手を進め最後は降りればよいと3副露まで進めとのシャンポンマチ。終盤西尾が引きアガリ蜘蛛の糸をつなげた。
B卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
終了 |
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山内 啓介 | 前龍 | ◎ | ◎ | − | − | ◎ | ● | 2昇 |
明村 諭 | 推薦 | ● | ● | ◎ | ● | ● | − | △3 |
奥田 直裕 | 東京 | − | − | ● | ◎ | − | ◎ | 1昇 |
湯村 浩章 | 仙台 | − | − | − | − | − | − | ±0 |
【1回戦 起家から(以下同)明村・山内・奥田・湯村】
山内とは初対戦。その山内が好調振りを見せつけるように奥田から20、30とせしめる。その奥田も4・8でとりあえず一息。奥田のイメージは受ける時はキッチリ、攻める時は打点が高い。次局に私に手が入り
がオヤの湯村の現物で湯村がアガリに向かってくる気配ならトップ目の山内からの差し込みも期待できるがすでに3人受け模様。キッチリ受けられてラス。
【2回戦 山内1昇・明村△1・奥田0・湯村0】
流局後の東2局、私のオヤで中盤にペン待ちとなるサンショクのみのチーテンをふかしたら奥田に7・14をツモられてオヤかぶりスタート。これは私的には致し方無しだが次局タンヤオドラ1待ちのテンパイから、たらればのピンフになっていたでたったいま役アリに変わった湯村に28の放銃で何とも具合が悪い。さらに南2局のオヤでタンヤオのテンパイをしている所に山内のシャンポンをツモりサンアンコの20・40でまたもオヤかぶり。2ラスとなってしまい早くも土俵際まで追いやられてしまった。
【3回戦 山内2昇・湯村0・明村△2・奥田0】
唯一の救いは山内が連勝してくれた事。上手く湯村、奥田を封じ込められればまだチャンスはある。そこで東2局オヤの湯村に対して南家の私は3巡目にこんな仕掛けを入れる。
【4回戦 奥田△1・山内2昇・湯村0・明村△1】
奥田と並ぶことができこれでまだまだわからなくなった。東場は全て流局。私はラスオヤなのでこういう展開は正直嬉しくない。この時は普段より前に出る事を意識していた。その甲斐あって南1局に湯村から12を直撃できたが次局があまりに酷過ぎた。奥田のみ前に出ている場面でオヤの山内と湯村はすでに受けている。私は粘って終盤にピンフのみ待ちで追いついた。だが残りツモ2回を残し自分で2枚使っているをツモってきて長考。奥田の最終手出しは、ドラのはすでに枯れている。ラスオヤであせったのか20までならまだラス落ちしない、サンショクやイーぺイコーは無いと読んで押したらタンヤオチートイツの32に刺さりトップからラスに転落しそのまま終了。
【5回戦 湯村0・明村△2・奥田0・山内2昇】
私のやる事はトップを取る事のみ。東1局に千載一遇のテンパイが入るが残念ながら流局。
【6回戦 湯村0・明村△3・山内3昇・奥田0】
事実上奥田と湯村の一騎打ち。奥田が東3局で山内からメンホンイッツーの80をアガりトップ目に立つ。湯村はこれを捲らねばならないが、私にとっては山内がラス目になったのでトップを取れば延長戦に持ち込めるチャンス到来である。その後奥田は山内から30の加点を得るが、南場に私の入り手がまとまり、4・8、ともにリーチ棒込の18、52と立て続けにアガリ、オーラスにたどり着いたときは、奥田05→明村156→湯村68→山内。後一歩と迫りアガれば延長のテンパイまでこぎつけたが、最後は山内がアガラスを決めて、奥田の「よし」の一声とともに山内と奥田が勝ち上がりとなった。
C卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
終了 |
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村田 光陽 | A級 | − | ● | − | − | ◎ | − | ±0 |
堀川 隆司 | B級 | − | − | ● | ● | − | ◎ | △1 |
山本 裕司 | 推薦 | ● | − | − | ◎ | ● | ● | △2 |
石川 由人 | 東京 | ◎ | ◎ | ◎ | − | − | − | 3昇 |
石川が絶好調!1回戦ではトイトイサンアンコを4巡目にテンパイし8巡目には私からロンで80。どうせならツモってくれたらいいのに…なんて思いながら、石川の好調っぷりを眺めていた。2回戦では村田が26オールをツモるも、これをダブツモドラ2であっさりとまくりこれまたトップ。3回戦でも東1局にチンイチをツモアガりの40オールでそのまま逃げ切り、と3連勝。ラスは私と村田、堀川と仲良く1回ずつ。
これで石川の勝ち上がりが確定的となり、残りの1枠を2人で争うこととなった。
【4回戦 石川3昇・山本△1・村田△1・堀川△1】
また石川にトップを取ってもらってもいいかなぁ…(私がラスでなければ)などと考えながら始めた4回戦、まずは東1局に石川→村田12。
東2局には本日初めてといってもいいようなまともな手が入る。4巡目には、
この選択が功を奏し南1局まで流れ、南2局を迎える。南2局は自分のオヤなので攻める姿勢を見せないと子方に攻められオヤカブリの可能性が高くなる。途中までは頑張っていたのだが、石川のテンパイ気配と、村田の微妙に押している感からここでもオリに回る。しばらくすると村田がをツモ、やっぱりテンパイが入っていた。あとは安く済んでね、と思っていると8・16のチートイツ。実は石川のロン牌もで80の手が入っていたらしい。危ないなぁ。
南3局になり、これで点差は山本44→村田52→堀川12→石川。私としては石川がラスより堀川にラスになってもらった方が望ましい。このまま南4局になれば40までなら石川に差し込めるなと考えていると、堀川12→石川と願ってもない展開に。南4局も無事流局し±0に戻し1日目は終了した。
東1局に山本はホンイチの40を堀川からアガるとオヤの東2局にも手が入る。8巡目には、
とりあえずはを捨てての3面待ちにするが、すでにが2枚捨てられていることもあり、次巡にはション牌のタンキにマチカエ。この後もマチカエをしたらアガり逃しをしてしまった。これはまずいな…と思っていると、14巡目に堀川がを叩きつけるように「ロン」。チートイツドラ2の20・40だった。やっぱりやらかした後には何かある。
この後、東3局は村田が4・8、東4局は堀川→石川に16と小刻みに点棒が動いた。
そして南1局に事件は起きた。いや起こしてしまったと言った方が正解か。
7巡目に石川がドラのを手出し、かなりの確率でテンパイだろう。そして8巡目にはの手出し。これでテンパイは100%か。しかしこのは何だろう。ターツ選択のようには見えないしはスライドかな…と考えながらオリ気味に打っていると、親の村田が13巡目にを手出し。こちらもテンパイ間違いない。両方に囲まれ安牌に窮しながら打っていたのだが遂に安牌がなくなってしまった。いろいろ考え引っかけのカン待ちはないな、と確信しのトイツ落としを選択。すると村田から「ロン」が…。トイトイサンアンコの120の放銃となってしまった。この後も村田は20オールをアガりトップを盤石なものにする。あとはラス抜け争い。
南4局の点差は村田158→堀川47→石川122→山本(供託10)となりハネマンでラス抜けできるがそんな元気はなく期待は堀川の連荘だった。堀川にテンパイが入れば差したかったのだが、結局テンパイは入らず流局となり村田のトップで終わった。
【6回戦 堀川△2・村田±0・石川3昇・山本△1】
村田のラス、もしくは山本のトップ以外はこの半荘で決着がつく。
東1局山本がをチーしてタンヤオのみのテンパイ。するとオヤの堀川がリーチ。堀川の捨て牌を見ると序盤はピンズとマンズしか捨てていない。最初はソウズのホンイチかと思っていたが途中でのトイツ落とし。堀川の立場としては勝ち上がるためには延長が必須で、そのためには村田のラスが望ましい。山本がトップでも延長にはなるが、その延長では2、0、0、△2の延長となりかなり苦しくなってしまう。
で、このリーチをどう考えるかだが、村田からの直撃が理想なのにリーチをしたのだから役がない。もしくはツモ狙いなのでリャンメン以上の待ちで安い(山本・石川から高い手をアガると村田をラスにし辛くなる)かのどちらかだろうと思い、持ってきたはツモ切りした。すると堀川から「ロン」。リーチの42かなと思っているとドラもあり78となった。シャンポンなのでヤミテンでもツモると26オール。なぜリーチしたのだろうか。ヤミテンでの42でも十分だし、リーチをしなければ見逃す選択しもあっただろう。このアガりで村田はかなり楽になったと思う。山本がトップになりにくくなり、あとは自分がラスにさえならなければ決着なのだから。
東1局その2は村田がピンフツモの4・8、東2局は流局。東3局は堀川が14巡目にツモで20・40。
これで村田、石川はトップを狙いにいく必要がないため、堀川のトップが濃厚となった。あとは村田をラスに落とすことが出来ればいいのだが、4.・8をツモっているので現在2着目。なかなか大変な作業になりそうな感じがする。
東4局は山本がタンヤオで仕掛け、最終手番でオヤの連荘が望ましい堀川が差し込み18。
その2でもアガリには向かうが石川にあっさりと流され山本→石川の12となり南入となった。この時点での点差は堀川136→村田28→石川64→山本。
南1局は堀川がドラのをアンコにしてアガリ向かうも石川の5・10で局が流れる。どうせならもう少し高くしてアガってくれると2着めになり村田をラスにしやすくなるのに…などと心の中で呟いてみた。
南2局は村田のオヤ番、オヤカブリをさせたかったのだが残念ながら流局し南3局へ。
南3局石川のオヤ、その石川が1・2巡目から役牌から捨てている。アガリに行く必要がないのだがアガる気なのかな…。すると石川がをポン。やっぱりアガリに来ていた。ならば、と石川に振り込んでもいいかと考えを捨て「ロン」される。これで石川が2着目に浮上。私や堀川としては助かるいいアガリとなった(堀川116→石川15→村田92→山本)。
その2でも石川がアガリに向かって来てくれ、山本→石川42とアガり、その3は流局。これでオーラスに40オールをツモると延長という形になった。
南4局2巡目に村田がをでチー。この鳴きはイヤらしい。上家の堀川を牽制するとともに、私の打牌の多少制限されてくる。13巡目にようやくテンパイが入る。
しかしこのテンパイ打牌のを村田が「ロン」。
D卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5
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6
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7 | 8 | 終了 |
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田中 実 | 名翔位 | − | − | ● | ● | − | ● | ◎ | − | △2 |
岩沢 和利 | B級 | ● | ● | − | − | ◎ | ◎ | − | ● | △1 |
堀井 統之 | 東京 | − | ◎ | − | − | ● | − | − | ◎ | 1昇 |
熊谷 修 | 東京 | ◎ | − | ◎ | ◎ | − | − | ● | − | 2昇 |
今回の組み合わせ、私(堀井)の第一印象は「やりやすい」メンツ。決して「勝ちやすい」ではない。一番「やりにくい」のはあまり対戦をしたことがない相手。どういうタイプかわからないと手の尽くしようがない。そして勝っても負けてもあまり納得感が得られない。今回のメンツ、3人ともタイプは全く違えど私にとっては良く知ったメンツ。「意気込み」と「楽しみ」が半々入り混じる中、対局を迎えた。
【1回戦 起家から(以下同)岩沢・熊谷・田中・堀井】
序盤から大量リードを奪った熊谷があっさり逃げ切り。ラス抜け争いは、再三の勝負手が空振りまくりながら、南3局13・26をツモアガった堀井が会心のラス抜け。
【2回戦 堀井0・田中0・岩沢△1・熊谷1昇】
南4局を迎えて、田中07→熊谷06→岩沢11→堀井の僅差の戦いの中、堀井が3フーロの5・10を決めて決着。
【3回戦 熊谷1昇・岩沢△2・堀井1昇・田中0】
熊谷、堀井のトップ争いは熊谷に軍配、南2局に20オールを引いた岩沢が何とか3連敗を免れる。
【4回戦 堀井1昇・岩沢△2・熊谷2昇・田中△1】
東1局、好調な熊谷がいきなりこんなツモアガり。
でチュウレン!!!チートイツドラ2待ち96テンパイからを引きマチカエでエイ!とを勝負した堀井、オヤカブリながら、刺さらなかったこと、超ド高目でなかったことに、内心少しホッとする。
南場になって、先行した熊谷を岩沢が追いかけるが届かず。また東1局でオヤカブリした堀井も南3局に田中を捕らえラス抜け。下位陣にとっては最悪の結果となった。
初日を終え、熊谷3昇・堀井1昇・田中△2・岩沢△2。常日頃から「マージャンは何が起こるかわからない」という思いを強く持っているので、気を緩めたつもりはなかったが、自戦記を依頼されていた私は既にどのシーンを取り上げようか考え始めていた。よもや、初日の分は上述の程度しか書けないハメになるとは知らず・・・。
【5回戦 熊谷3昇・田中△2・堀井1昇・岩沢△2】
田中、岩沢にとっては堀井とのトップラスが必須。それ以外はコールドゲームにはならずとも、限りなく可能性が低い6回戦になってしまう。
東1局、いきなり田中が堀井からチートイドラ2の64。細心の注意を払ったつもりがのトイツ落としが捕まった。他に打てる牌がなかったわけではないだけに悔やまれる。引きずってはいけないとわかっていながら、この後長い時間ネガティブ思考が心の中を支配することになる。
いったんは熊谷がトップ目に立ち、熊谷トップならと思ったが、南3局岩沢の6巡目リーチ、即ツモ。
この30・60で岩沢が逃げ切り、見事にトップラスを喰らわされた。
【6回戦 岩沢△1・熊谷3昇・田中△2・堀井0】
まだ断然有利なはずである。だが、5回戦開始時の心境とは程遠く、「負けるのか?」という思いが心の中を駆け巡る。
東4局、岩沢が田中からタンピンドラ2の80。岩沢トップでもラスにならなければ延長だが、ネガティブ思考は増大。
そんな中、ようやく南1局、10巡目に1枚切れ、4枚切れのところ、を引き入れリーチ、即ツモ。
我ながらビックリして声高々と「ロン」と発声したこの20・40で10差ながらトップ目に立つ。
南2局、南3局と流局し、南4局を迎え、堀井10→岩沢65→熊谷36→田中。岩沢が堀井を捲っても延長だが、田中にしてみれば3、0、0、△3は本望ではない。出来れば堀井とトップラスを決めて、3、△1、△1、△1に持ち込みたい。堀井からの120以上、または役満ツモが条件の田中の河がコクシ模様。堀井はどうにかピンフのテンパイを組んだが、ビクビクもの。さらに岩沢がチートイの早いテンパイを組んでいた。さて、結果は?マチカエした岩沢のを捕えた堀井の18。これで何とかなるか?いや、甘かった。
その2、堀井、岩沢の点差は46だが、その岩沢がオヤ堀井の第1打をポン。役牌アンコのドラ2か? 上家ということもあり、数巡後からは何も打てなくなった。そして終盤、岩沢がドラを手元に引き寄せた。
【7回戦 堀井0・田中△3・岩沢0・熊谷3昇】
5・6回戦連勝の勢いそのまま、開局から4局連続和了の岩沢、気がつくと、東3局その3を迎えて、岩沢90→田中28→熊谷10→堀井。そしてこの局、堀井が2枚切れのを河に置くと、田中から「ロン」の声。チートイツドラ2の64。これでトップ岩沢との差は192、「こりゃ、ダメだな」という思いが一瞬だけ脳裏を走る。しかしすぐに田中の心の声が聞こえてくる。「俺はまだ諦めていないからな。俺が岩沢を捲るから、お前はちゃんと熊谷を捲れよ。」この瞬間、5回戦東1局にを打って以来心を奪われていたネガティブ思考から解き放たれた。言い換えると、ようやく開き直れたのである。
南場に入ると、田中がひらすらアガり倒す。岩沢から80、熊谷から60、42。なんと堀井の力など全く借りずに再延長の並びを作った。さらに田中が14オールを加点した後の南2局その4、熊谷も負けじと13・26、ラス抜けを果たした。
南3局を迎え、田中279→岩沢75→熊谷37→堀井。堀井が中盤に切りリーチ。
当然田中からの差し込みも期待した跨ぎのリーチなのだが、田中の選択は差し込みではなく、リーチ棒を投げ2人でツモる方。手の内に差せそうな牌がなければその方がいいに決まっているが、そんな手組みには到底しないだろうから、普通は差せそうな牌がありそう。だとすると、少しでも堀井へ加点したい、または出アガり28だった場合も考慮してリーチ棒を投げたということか。結果的には、終盤に堀井がをツモリ、田中・堀井にとっては最高の形となった。
南4局は、仕掛けたラスオヤ熊谷の早いドラ切りを見た堀井が真っ直ぐいって3・6、再延長。
それにしても、この7回戦、私にとっては田中様、様、である。と同時に、結果的に私に利したことは別にして、現名翔位の底力を十分に見させてもらった。
【8回戦 田中△2・熊谷2昇・岩沢0・堀井0】
東場は田中の3・6、5・10のみ。東4局のツモアガりで堀井をラス目にしてしまったが微差。田中としては上々の東場である。
しかし、南場に入ると様相が一変。南1局の熊谷16(←田中)を挟んで迎えた南2局、熊谷がポンテン、ツモアガり。
岩沢が細かく点棒を積み上げて迎えた南3局その3、ドラトイツの配牌をもらうもアガれそうな感じがしなかった堀井のツモが効いた。形が整ってきた10巡目にを引き、
ここでドラをリリース。11巡目ツモでシャンポンに取り、12巡目ツモでマチカエ、そして15巡目に渾身のツモアガり。
この30・60により、南4局を迎え、熊谷50→堀井133→岩沢36→田中。まだ延長の並びである。熊谷の協力はあるにしても、延長の可能性はまだ高いと言えよう。堀井は熊谷からの差し込みも当然意識はしていたが、結果的にはワンズに寄せるしかなく、しかも捨て牌がワンズに見えない。苦しみながらもペンカンを引き入れ、1枚切れのと2枚切れので、タンキを選択。
こんな待ちでは、たとえ捨て牌がワンズ一色手に見えたとしても、熊谷も差せるわけがないのだが、終盤1枚切れのトイツ落としをした岩沢が次巡切り。まさかの78直撃である。軽率だった感は否めないが、熊谷が堀井に差そうとしている状況から、差しやすい待ちの可能性が高い、なんて意識が岩沢の頭をかすめた故の失着かもしれない。実はこの時、田中が既に待ちのピンフドラ1でアガラス(岩沢からの出アガりのみ不可)のテンパイをしていた。堀井の河がワンズ待ちを示唆していたら熊谷が田中に打ち上げていた可能性も十分にあり、堀井にとってはこの点もラッキーだった。
南4局その2、並びは、堀井28→熊谷219→田中42→岩沢。わずかな可能性はあれど、さすがにこの局が最終局になるであろうことを各々が感じつつも、皆それぞれの仕事をこなす。岩沢の堀井直撃条件緩和のためにリーチ棒を投げる田中。岩沢の30・60リーチを鑑みチーテンを取らずにリーチ棒拠出に備える熊谷。岩沢の現物を溜め込み、直撃だけをケアする堀井。条件クリアに向け、ツモと闘う岩沢。そして・・・何も起こらなかった。熊谷、堀井の勝ち上がり。
私は八翔位戦を毎年楽しみにしている。101が好きであること、条件戦が好きであることもその大きな要因だが、八翔位戦は今回の2次予選のような段階でも2日間に分けた対局を行う。決着がつくまでやるのだから、延長戦はもちろん、3日目、4日目も有り得るのである。賛否両論はあると思うが、私はこの「とことん」やるのが好きだ。一方で、運営する側の立場を考えると、これはたいへんなことである。ここまでやってくれるなんて、といつも思う。運営の方々、それをサポートして下さった方々に感謝したい。
E卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
終了 |
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愛澤 圭次 | A級 | ● | ● | − | − | − | ◎ | △1 |
山田 史佳 | B級 | − | − | ◎ | − | ● | ● | △1 |
大川戸 浩 | 東京 | ◎ | − | ● | ◎ | − | − | 1昇 |
坂井 準司 | 大阪 | − | ◎ | − | ● | ◎ | − | 1昇 |
【1回戦 起家から(以下同)山田・愛澤・坂井・大川戸】(文中敬称略)
初戦は101では珍しくアガリが飛び交う打撃戦に。東場に60、80とアガった私のトップ目で迎えた南1局。ラス目のオヤ番山田が2巡目にドラのを切り飛ばしてくる。「うん、うん、ラス目にありがち。」と高を括っていたが、4巡目に捨てられた愛澤のに電光石火の「ロン」の声。「え〜もうテンパイやったん?」と驚いたが、開けられた手牌を見てさらにビックリ。
一方、過失責任ゼロの不幸な事故に襲われた(ように見えた)愛澤だが、ラス前にピンフドラ2の40をヤミテンでアガってラス抜け。冷静である。
そして南4局(坂井67→山田90→愛澤15→大川戸)愛澤と私が序盤から流局を狙う中、ラス親大川戸がピンフツモドラ2の26オールでラス目脱出。「う〜ん、力強い。」などと感心していると、その後も42出アガり、再度の26オールと鮮やかにトップを逆転された。
「今までの1時間半はいったい何だったのか?」と眩暈がしそうになったが、気を取り直して南4局その4へ。幸いラスの心配はあまりないのでアガリに専念すればよい。大川戸との点差は78。配牌も良く6巡目イーシャンテンが以下の形。
リャンメン待ち以上が残ればリーチの予定だったが、次巡引いてきたのは最も嬉しい、いや悩ましい。自力決着を狙っている山田が序盤にを切っていることや大川戸が下家で山越も狙えることから、この場合だけヤミテンにしようと決めていた。絶好のテンパイにすっかりアガれる気でいたが、一向にロン牌が顔を見せない。そうこうしているうちに、上家の愛澤にを打たれる。「いやいや、想定内です。」とばかりにさりげなく見逃したが、その後も大川戸からは出ず、自力でもツモれず。よっぽど「大きくツモ切ってリーチ!」と宣言しようかとも思ったが、迷っているうちに愛澤に2枚目のをツモ切られ、次巡山田が愛澤からアガって終局となった。チャンス手をものにできずトップを逃した私と同様、まさかのラスを押し付けられた愛澤も心中穏やかではなかっただろう。対して逆転トップの大川戸、ラス目から突き抜けての1昇だけに嬉しさも倍以上だったに違いない。
【2回戦 山田0・坂井0・愛澤△1・大川戸1】
流局後の東2局、オヤの私がピンフのみの18とその2でダブの78を山田から。
山田のラス抜け→愛澤ラス目→大川戸のラス親とくれば、まるで1回戦と同じ展開のような気がして嫌な予感が漂ってくる。そして、悪夢の再現とばかりに大川戸からリーチがかかる。1回戦のトラウマか、今にもツモられそうな気がして心拍数が高鳴っていく。普段はあまり信じていないくせに、神様や仏様にすがりつきたくなるのがこんな時。祈る以外にできることといえば、その2に備えて心の準備をするぐらいだったが、何とか無事流局して待望の1昇を手にすることができた。
【3回戦 山田0・大川戸1・愛澤△2・坂井1】
開局はオヤ山田と西家愛澤とのぶつかりあい。を鳴いてピンズのホンイチ模様の山田に対し、愛澤も一歩も退かず生牌のダブも叩き切る。結果は愛澤のドラ2に山田が52放銃。
東2局は私が役牌のポンテンで山田から12。と、ここまでは順調だったが、東3局にやってしまった。ラス目山田のリーチに対し、手詰まりから後筋を追ってドラとのシャンポンの52を放銃、痛恨のオリ打ち。 逆に山田はこれで勢いづいたか、東4局にもピンフドラ1をリーチして引きあがり13・26。愛澤を黒棒1本かわしてトップ目に。
山田は続く南1局のオヤ番でもタンピンドラ1の60を大川戸から、その2では本日最長不倒の60オール(タンピンサンショクツモドラ1)をアガって王様状態、トップを決定づけた。この時点で点差は「山田301→愛澤105→坂井07→大川戸」と1昇持ちの2人がラス抜け争いをする痺れる展開に。点棒はわずか07だけ私が上だが、このまま終わるとは到底思えない。大川戸はトップ目山田の下家。私はラスオヤでもあり、条件的に私の方が不利と危惧していたが、大川戸の連続放銃により点差が開いて55に。南4局10・20でラス抜けの大川戸であったが、さすがに今回は条件を満たす手が入らなかったようで静かに流局となった。
【4回戦 山田1・大川戸0・坂井1・愛澤△2】
東1局は西家の私にドラトイツのチャンス手。ポンテンの待ちから雀頭のドラをアンコにして待ちのノベタンへ。オヤの山田もテンパイ気配で真っ向勝負とばかりにツモ切りを続けてくるが、こちらも少々のことでは退く気はない。これに困ったのが両者の共通安全牌がなくなった大川戸で、オヤの現物が私への80放銃に。
馬群が詰まって迎えた南2局。点差は坂井04→大川戸38→山田・愛澤。オヤの大川戸がタンヤオの24を山田からアガると、その2では勝負手のドラ2のオヤリーチに私が後スジで放銃し盤石のトップ目に。一方、オリ打ちでラス目に転落した私はその3でも愛澤に12を放銃して、もはや泥沼状態。3着目山田との点差は24。「まだ何とかなる、何としてもこれを捲らねば」と迎えたオヤ番南3局。終盤に役なしテンパイが入る。
愛澤、山田は既にオリているようだが、大川戸は恐らくテンパイ。待ち牌の残り枚数に自信はなかったが、大川戸を降ろすためには一刻の猶予もなしと見てリーチを敢行した。だが、安易な選択をあざ笑うかのようにリーチ後のツモは、、! そして当然のように流局。足止めリーチのつもりが自分の息の根を止めてしまったようで、オーラスは手牌バラバラのうちに大川戸がアガって終了となった。開局時のトップ・ラスがそっくり入れ替わるという波乱の結末。大川戸、本日2度目のトップはまたもラス目からの大逆転で気分も最高潮だったに違いない。対する私はまさかのラスに茫然自失。唯一の救いはこれがこの日の最終戦だったことか。このまま続けていたら決していい結果にはならなかったと思う。
【5回戦 大川戸1・愛澤△2・山田1・坂井0】
日付が変わって5回戦。前日の私の自戦記メモには「愛澤の復調が鍵」と記されている。不運な放銃2発で△2となったが、今期の順位戦A級のトーナメントリーダー(対局時点で4昇の首位)愛澤がこのまま終わる訳がなく、必ず巻き返してくるはず。そうなれば戦いも長引く可能性が高い。そんな予感がしていた。
開局は序盤から私が局面をリード。翻牌全てを切り飛ばして9巡目にテンパイ。
場には3枚切れ2枚切れでオヤの大川戸がと捨てており、ピンズ待ちはかなり良さそうで、最後まで押すつもり。1人旅かと思っていたが、とんでもない、更に上手がいた。愛澤が14巡目に静かにを引き寄せる。
ピンフツモドラ2の13・26。ドラを重ねてのテンパイ打牌が私に合わせた格好になっており、全く気がつかなかった。を掴んでも止まらなかったと思う。危なかった。
スコア上どうしてもトップが欲しい愛澤。1昇持ちのどちらかをラスにしてのトップが理想だが、まさに狙い通りに大川戸にオヤカブリさせることに成功した。愛澤自身も昨日とは違った手応えを感じていたのかもしれない。
東2局はその愛澤のオヤ番。ラス目大川戸が11巡目にのトイツ落としで以下のテンパイ。
13巡目には少考の末ドラもツモ切り。これを見て3者が撤退する中、15巡目に力強く高目ツモで13・26。ラス抜けどころか一発で愛澤と同点トップ目に並ぶ。昨日から続く大川戸の好調振りにゲンナリしそうになったが、まだ始まったばかり。
気持ちを入れ替えて東3局。私の配牌はトイツの平凡なものであったが、1枚目のを見送った後にツモが縦に重なり、瞬く間にチートイツのテンパイ。同じくチートイツ模様であった愛澤から16の出アガり。山田か大川戸からの出アガリがベターだったが、贅沢は敵。
東4局は私のオヤ番。配牌でダブがアンコで迷わず前に出る。上家の、下家のと2つポンしてこのテンパイ。
南1局はオヤの大川戸が11巡目に破壊力満点のこのテンパイ。
高目は勿論、安目でも十分決定打になる絶好手。本人も内心「リーチ」のつもりだったろう。打牌を通じてテンパイ気配がビンビンに伝わってきた。ところが、このオヤに対する愛澤の打牌も強く、オリる気配が全くない。全面戦争とばかりに無筋をぶつけ合う2人。この時私にも泡沫テンパイが入っていたが、既に何通りかのツモアガリを逃しており、とてもじゃないが戦える気がしない。
危険牌がくれば即撤退のつもりだったが、12巡目のツモが「夢ではないか!」の。3・6の点数以上に価値のあるアガリとなった。
南2局は私がピンフツモの4・8でシバ差ながらトップ目に。リーチも考えたが、流局した場合の山田のラス抜け条件が格段に緩くなるので自重しておいた。
南3局は愛澤にドラ3のチャンス手。2巡目に、
上記の手牌に、と引いて10巡目にのテンパイ。11巡目ので少考、ツモ切ったが、次順のツモが(手出し)で痛恨のアガり逃し! 表面上は単なるトイツ落としだったが、2枚目のを切る時には「やらかした感」満載の溜息まじりだったので、何らかの選択ミスがあったとは感じていたが・・・見えないところで助かっていた。
迎えた南4局、点差は坂井02→大川戸17→愛澤32→山田。何とか自分でアガってリードを広げたかったが、取った配牌はバラバラでドラのもポツンと1枚。やむなく流局作戦に出るが、13巡目に愛澤からリーチがかかる。
どこから出ても20でトップ逆転。注目の山田は既にドラのも飛ばしており、当然ながら不撤退の構え。点差が点差だけにもとよりトップは諦めていたが、誰の声を聞くこともなく奇跡的にそのまま流局となった。
【6回戦 山田0・坂井1・愛澤△2・大川戸1】
いよいよ規定の6回戦。前回の余勢をかってか、東1局に私が山田からホンイチチートイツの64をアガる。
東3局にも追加点を狙って仕掛けたが、オヤの愛澤にメンツモの6オールをプレゼントしてしまう結果に。その2で山田にリーチがかかるが、愛澤が再度の6オールでトップ目に並びかける。△2の愛澤にしてみれば自身のトップ以外での延長は考えていなかったに違いない。ただし、山田ラスではトップがとれないので私か大川戸のどちらかをラスにするしかない。愛澤はその3でも、とポンして7巡目にテンパイ模様だったが、音無しの構えに見えた大川戸が値千金のツモドラ1(5・10)でようやくオヤを流すことに成功した。
南入して点差は愛澤07→坂井03→大川戸117→山田。
南1局はオヤの山田が超終盤にリーチ。これに愛澤が最終手番で綺麗に差し込んだ。ある程度予想はしていたが、既に通常の101ではない。ただ、表面上はサラリと振込んだ愛澤であったが、これは一か八かの賭けだったかもしれない。山田のアガリ手が高ければ自分がラス目になる。だが、このオヤ番が「山田蘇生の数少ないチャンス」とばかりに迷わず差し込みに行った。子方3人の視線が集まる中、開けられた山田の手牌は、
メンピンドラ1の60。愛澤、これなら許容範囲だったか。覚悟の放銃でいったんは水面下へ。
これで山田のラス抜けが現実味を帯びてきたが、その2は大川戸がピンフツモサンショクの13・26をあっさりアガってトップ目に。
山田のオヤカブリで点差が広がったことに喜んだが、よくよく考えればこれで大川戸に代って私がラス抜けの標的に(点差は大川戸62→坂井53→愛澤20→山田)。
南2局は私のオヤ番。ホンイチ模様の大川戸が10巡目に山田のをポン。この動きでテンパイした山田が11巡目に当然のリーチ。これに対して愛澤は無筋を連発、と予想通り3方から火の手が上がり、一人私は蚊帳の外。決着がついたのは15巡目。愛澤が珍しく震える手で「ロン」と開いた手牌は、
ホンイチツモ二役サンアンコの30・60! 南1局の覚悟が見事に実を結んだこのアガリに、文字通り震えたのは私。放銃した訳ではないのに、局が進む度に順位が下がっていくではないか!ただし、山田のリーチは、
ドラ絡みのシャンポンマチのこのテンパイ。これが何とヤマに3枚生きており、もし引きアガると一撃で天地がひっくり返るところだった(愛澤45→大川戸92→坂井53→山田)。
南3局はオヤの愛澤が終盤にリーチ棒を投げて山田との点差は実質43に。ますます山田との距離が縮まっていく。
そして運命の南4局。山田のラス抜けのハードルを下げるため(7・14でラス抜け)愛澤がもう1本リーチ棒を出す可能性もあり、自力で決着をつけたかったが「中途半端に前に出るよりは」と配牌を見てオリを決める。オヤの大川戸も明らかなオリ模様であり、後は山田の手牌・捨牌に全神経を注ぐのみ。中盤、愛澤がダブ、ドラ のと切り出して援護射撃を狙うが、肝心の山田は微動だにせず。山田に動きがないことから「ひょっとして手になっていないのでは?」と期待しかけたが、実際は6巡目に早くも条件を満たすイーシャンテンになっていた。しかも、誰にも気づかれていないチートイツで、6巡目に、
だが、メンツ手も狙える手恰好が逆に仇となったか、ツモでを切ると次のツモがで即カブる。愛澤のドラを叩くわけにもいかず、その後、河にも3枚並ぶ羽目に。待ち頃の牌を探して1人牌山と格闘する山田だったが、最後まで有効牌が訪れることはなく、大川戸と私の勝ち上がりが決まった。
諸事情により101に別れを告げてから約20年。こうして再び八翔位戦に参加できる日がくるとは夢にも思っていなかった。縁の下で支えてくれている家族に心から感謝したい。そして、今はただ「少しでも長くこの舞台に立っていたい。」そう願っている。
F卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
終了 |
|
成岡 明彦 | A級 | − | − | ● | − | − | ◎ | ±0 |
大貝 博美 | B級 | ● | ◎ | − | ● | − | − | △1 |
平山 友厚 | 東京 | − | ◎ | − | − | ● | ● | △1 |
田村 洸 | 大阪 | − | ● | ◎ | ◎ | ◎ | − | 2昇 |
【5回戦】
「死のシフトだけは絶対避けにゃあかんよなぁ」開始前、成岡がポツリとつぶやいた。初日を終えて平山と田村がそれぞれ1昇、成岡・大貝がともに△1。スコアばかりの話ではなく、上位陣2人は実にのびのびと打っているように見える。条件がどんどんキツくなってくる中、成岡と大貝は順位戦選手としての意地を見せられるか。
南家スタートの成岡、開局の手順が秀逸。
しかし前日の展開同様、この一戦もすんなりとはいかなかった。成岡+4.5・大貝△1.1・田村△0.3・平山△3.1で迎えた南2局、成岡のオヤ番。10巡目、平山のテンパイ形が勝負手に変わった。
西家・田村にも自風のアンカンが入っており、こちらも沸点到達の気配。さらにはそこに大貝も割って入った。生牌のとをたて続けに押したのだが、その時の手牌はこんなもの。
すでにが2枚出の役なしだが、大貝はここからをチーして打とし、前がかりになっているターゲット2人からの出にも備えた。囲まれたトップめの成岡はひたすらに流局を願っていたに違いないが、結果は14巡目の田村が喰い下がってきたで70符4翻、12・24のツモアガリ。
【6回戦】
起家より、大貝△1・平山0・田村2昇・成岡△1。逆転決着の可能性も残したまま規定の6戦目を迎えた成岡と大貝は、トップしばりのつもりで臨んだに違いない。東1局9巡目、出ムチをくれるかのように放った成岡のリーチもその証左。
チーテンで対抗する大貝、しかしそのマチ(の形)でもあるを成岡がひいて10・20。ちなみには田村の手中に2枚。
東3局、今度は大貝が平山との同テンをひき当ててツモのみの3・6、打点以上に手応えのあるアガリ。
一方微差の3着めになった平山は、東2局に続いて東ラスの仕掛けも流局となってややイヤな雰囲気か。
南1局その1、大貝のヤミテンに成岡が捕まる。の片アガリで24、これで大貝が僅差ながらトップめに立った。
続くその2、田村の第1打に大貝が動いた。大貝の喰いテンでない仕掛けは6戦全てを通じてこれが最初で最後。むろん手の中にそれなりの理由もあったわけだが、必然の鳴きかどうか本人も半信半疑ではなかったか。残った形がこれ。
ラスは許されない平山だけに、これは不承不承でもテンパイにとる手。すると11巡目、平山に来たのが場に1枚出の。「残りのは山の中」と見た平山、アンコのを1枚外してマチを変えるとともにラス落ちリーチと打って出る。実に思い切った決断だが、これが見事にハマった。轟音とともにひき寄せた一発目のツモがお目当てので10・20、ラスを遠ざけるどころかトップめまで躍り出た(平山24→成岡07→大貝22→田村)。
田村がラスでも平山がトップでは決着なので、成岡と大貝はなんとしてもトップを奪わねばならない。しかしオヤの平山がブラフ気味に仕掛けた南2局、終盤にピンフのテンパイを入れた成岡はツモっても足りない(平山と同点にしかならない)ことを承知でヤミテンに構えた。勝負どころはまだ先にあると見たか。結局平山の目論見通り(?)、ここは何事もなく流局に。
南3局、成岡が8巡目の打牌を横に曲げてリーチ宣言、中身はドラ1枚使いのカンマチ。オヤの田村は現状ラスめであるが、平山がトップのままならばこれに勝る結果はないので、リーチを受けても柳に風。間隙を突こうと狙う大貝もテンパイに至らず、この局もまた流れた。
さあエンディングが近づいてきた。南4局の並びは平山31→大貝03→成岡19→田村で成岡がラスオヤ、供託リーチ棒が1本。平山・田村はこのままの終局ならばオーケー、成岡・大貝はトップ逆転が第一義。そんな状況下の3巡目、田村が自手を見下ろしながらぐっと考え込んだ。考えた末に手から切り出したのはドラの。さらに田村は次巡もドラの続け打ち、これは普通に考えれば平山へのアシスト要請だろう。そして5巡目、平山がを切ると田村がこれをカンチャンで喰った。さらに田村は7巡目に成岡が切ったもポンして手牌7センチ、成岡・大貝にとってはいよいよ待ったなしの状況。逆に平山にしてみればこれは千載一遇のチャンス、安手を見せている田村に差し込めば準決勝への勝ち上がりが決まる。その直後の手番、田村の捨て牌を吟味してを抜き打つ平山。そしてやはり「ロン」の声がかかったが、声の主は田村ではなくオヤの成岡だった。
4枚目のをひき入れてギリギリ間に合わせた、実に価値ある24。は確かに田村の有効牌だったが、出かかった発声がまだ「チー」だったのが平山にとっての誤算。
ついに成岡がトップめに立った。このまま終われば田村1昇・大貝△1での延長戦突入。ところが攻め手を緩めぬ成岡は、続くその2でも7巡目リーチと出る。
ツモれるか否かが焦点かと思われたが、2巡後に手詰まった平山がで飛び込んでしまった。失点42の平山がラスめにまで落ちたことにより事態はさらなる急展開、突如として成岡の勝ち上がり条件が整った。
南4局その3(成岡+6.9・大貝△0.4・田村△2.6・平山△3.9)、大貝の往き方が難しい。平山をラスにしたまま成岡を捲れば逆転での勝ち上がりだが、自分にアガリがない時は平山にラス抜けさせる努力が必要になるか。したがってヤオチュー牌8種の配牌からともかくもテンパイに辿り着いた12巡目、大貝は悩みに悩んだ。
すでに前巡、平山にカンチーの仕掛けが入っている状況。むろん考えているのはリーチの良し悪しだが、周りがあきれるほどの長い時間を遣った末に、迷いを振り切るようにひとつうなずいてリーチに踏み切った。ツモか成岡からの出アガリならば逆転決着、田村からの出でも延長に持ち込める保険つき。もっとも平山以外がリーチに飛び込んでくる可能性はコンマ数パーセントしかない上に、すでにこの時点ではヤマになし。そして下家・平山の手は以下。
この2日間を通して本調子には遠く及ばなかった成岡は、最終盤の一瞬の切れ味だけで差し切った形。しかし今までと違う形であってもこれもまた強い勝ち方であり、今後の対戦者には心配の種が増えたことだろう。
1次予選:4戦制/各卓上位2名勝ち上がり
A卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
|
西尾 剛 | A級 | − | ◎ | ● | ◎ | 1昇 |
寺西謙多郎 | 東京 | ● | − | − | − | △1 |
星賀 一彦 | 東京 | − | ● | − | − | △1 |
湯村 浩章 | 仙台 | ◎ | − | ◎ | ● | 1昇 |
一次予選の組み合わせを見て最初に思ったことは、「きっと苦戦するな」。
まず、仙台からの湯村さんとは対戦したことがない。私(星賀)は相手のことを考え過ぎて自滅する悪い癖がある。湯村さんからすれば3人ともよく知らないわけだからむしろ自然に闘えるだろう。
西尾選手(今期よりA級)だがこのお方はとにかく手堅い。昨期順位戦のラス率がなんと約12%。各節(2日間)でマイナスの時がなかった、つまり年間ずっと沈まなかったということなのだ。そして連続ラスは無し(連勝もなかったが・・・)。
そして今回初参加の寺西さん、イン東京で度々お手合わせいただいているが、とにかく粘り強い。流局寸前に(死んでいるはず)と思っていたところから突然のロン!の声がしばしば。
【1回戦 起家から(以下同)星賀・寺西・湯村・西尾】
東1局(ドラ)9巡目タンヤオのテンパイ。待ちはカンで、雀頭が。引いたところでドラ引きを考え打、一巡おいて引きで打。拝みうち、ドラ待ち・・・。前巡ツモ切りの西尾手出しの。(合わせ打ち?)をツモ切ると西尾からロン。234のタンピンサンショク、80。いきなりやらかした。
あせって東3局にリーチをかけたが待ちがひどくドラの単騎。当然誰にも相手にされず空振り。
南1局 西尾→80寺西・湯村90→星賀(供託10)。湯村が1つ仕掛けてホンイチ模様、手に初牌の・。オヤ番なのでますます苦しくなるがさすがに手じまい、流局希望。すると寺西から!湯村80。湯村10→西尾80→寺西10→星賀、他力ながらラス抜けが見えてきた。
南2局 湯村20・40 オヤかぶりの寺西が私と入れ替わって10差のラス目となる。
南3局は流れて、南4局に寺西からリーチが入るが流局。かろうじてラスはのがれたが南場はテンパイすら入らない。(こりゃあ今日はあかんかな・・・)
【2回戦 西尾0・湯村1昇・寺西△1・星賀0】
案の定ロンの声は西尾・湯村ばかり。南2局に一つ仕掛けた親の湯村(タンヤオ?)。私はチートイツのテンパイ、ドラとの2択。4枚切れ。がは打てず。次巡ツモ。ほどなく西尾7・14。
南3局に湯村8・16でオヤかぶりの寺西がラス目。しかし私とはわずか08差。
南4局 トップ目湯村と西尾の点差が78となり西尾は20・40を作りに来る状況でラスオヤの私。西尾はワンズのホンイチへ真っすぐ。上家の私はしぼるが、ポンポンと仕掛け、ほどなくツモアガリ。
【3回戦 星賀△1・西尾1昇・寺西△1・湯村1昇】
上下が別れた状況でここまで私も寺西もノー和了。ここらで何とかと思っていたらいきなり湯村がホンイチチートイツドラ2の120を西尾から召し取る。終盤寺西が湯村に迫るが結局そのまま。
【4回戦 西尾0・寺西△1・星賀△1・湯村2昇】
寺西と私はとにかくトップが必要。その時西尾がラスならば勝ち上がりだが、とにかく連敗しない西尾だけに自身のトップが必須。
東1局 西尾14オール。東1局その2 湯村 7・14。
東2局は流れて親番を迎えた私。配牌にダブアンコ。何とかまとめてドラ入りの78を湯村から出アガった。これで29西尾を上回り初めてリードを奪えた。
東3局その2、今度は寺西が湯村から20。東4局は流れて南入。
南1局(星賀29→西尾→29寺西→83湯村)、湯村が連続振込でラス目(もちろん本日初めて)となったこの状況。西尾がトップを奪い返せば決着だが、星賀・寺西がトップならば湯村は一つスコアを落とし延長となる。ラス抜けを目指す湯村がリーチ。ところが親の西尾の打牌も強く、私も寺西も前にでられない。すると湯村の打牌に西尾のロン。ホンイチトイトイサンアンコの180。これで西尾161→星賀58→寺西→273湯村。湯村はラスをひいても西尾トップなら決着なので結果オーライの振込。
さらに南2局、西尾80←湯村と差は広がる。
南3局の私のオヤ番。西尾との差241。その1で西尾から42。しかしその2は手にならず。上家の寺西のアシストを受けようにも手役さえ見えない悪配牌、悪ツモ。
南4局 私は西尾からの満貫直撃か倍満ツモ条件、役満出アガリもあるが…。寺西は倍満直撃か役満条件。が、湯村(親)120←星賀。これで万事休す。南4局その2は西尾が12で締めて決着。
西尾・湯村の勝ち上がり。4戦中2回ずつトップの2人の圧勝といえる苦い結果で私の八翔位戦は早くも終了した。
B卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 | 終了 |
|
堀川 隆司 | B級 |
−
|
◎ | − | − | − | 1昇 |
椋 大樹 | 推薦 |
−
|
− | ● | ◎ | − | ±0 |
藤森 弘希 | 東京 |
●
|
● | ◎ | − | ● | △2 |
熊谷 修 | 東京 |
◎
|
− | − | ● | ◎ | 1昇 |
【1回戦 起家から(以下同)堀川・藤森・熊谷・椋】
東1局、藤森がタンヤオドラ1の5・10をツモるも、東2局に堀川の3・6、東3局に藤森が熊谷に18、さらには南3局にも藤森が熊谷に30を放銃してラス目に落とされ、その並びのまま終了した。
【2回戦 椋0・藤森△1・堀川0・熊谷1昇】
1回戦をラスで終えた私は是非ともトップを取りたい半荘であるが、東2局で堀川のツモサンアンコ役牌ドラ3の30・60をオヤカブリし、早くもトップ取りからラス逃れに方針変更する。東3局、3巡目に絶好のを引いてサンメンチャンのテンパイが入り、ラス抜けをするためにリーチを敢行。
しかし2巡目から既にテンパイしていた堀川に押し返され8オールをツモられる。
その後熊谷の8オールを挟んだ南1局、9巡目に下記イーシャンテンから、
を引いてイッツーが確定し、ドラ表示牌待ちを避けを切るも次巡を引いてしまう。しかしすぐに椋からが出てラス抜けを果たす(堀川160→熊谷→20→藤森→64椋)。
これまでほとんど前に出なかった椋だが、ラス目に落ちさすがに前に出てくる。南2局にはリーチ(流局)、南3局には5・10、南4局には13・26のツモアガリと3局連続の攻撃でラス抜けを果たし、私はまたもやラスとなった。
【3回戦 藤森△2・熊谷1昇・堀川1昇・椋0】
△2の私はここでトップを取らないと4回戦が相当条件の厳しいものとなってしまう。理想は昇持ちの堀川か熊谷とのトップラスである。
東1局その1、藤森ピンフツモの8オール、東3局、熊谷の3・6、南1局、堀川ピンフツモの4・8と小場の状態が続く(藤森11→堀川02→熊谷15→椋)。私としては堀川か熊谷をラスにしたいところであるが、このような非常に拮抗した状況では自ら動くのも怖い。まずは自分のトップを守り切ることを最優先して局を進めていく。
南3局、西家藤森が17巡目に堀川からドラ1の28をアガる。
実はこの手牌、13巡目にイーシャンテンからを引き一旦テンパるのだが、ラス目で前に出てきている椋に対してが切り切れず、13巡目〜15巡目にかけて3人の安牌であるワンズのメンツを落としてオリに回る。しかしその間に連続してを2枚引いて結果的にテンパイをしていたのである。これには堀川も私がオリに回ったと感じたのか、椋の現物であるが出てきたのである。さすがの堀川もこのアガリには唖然としているように見えた。昇持ちの1人である堀川をラス目に落とす大きな大きなアガリである(藤森41→熊谷15→椋11→堀川)。
南4局、ラス抜けを目指す堀川が終盤にドラのを切り、トップを目指すオヤの椋がチーをする。その直後堀川が場に3枚切れているラス牌のを力強くツモりあげ5・10のラス抜けを果たす。私としては堀川ラスのまま終わらせたかったが、何とかトップを守り切ることができ、首の皮一枚残すことができた。
【4回戦 椋△1・熊谷1昇・堀川1昇・藤森△1】
いよいよ規定の4回戦。延長条件は藤森and/or椋のトップかつ堀川or熊谷のラスである。この回で決着を付けたい堀川と熊谷、何としてでも延長したい私と椋。ここに2つの連合軍が結成される。
東1局その1、椋のタンピンツモ14オールでまずはひとつ条件をクリア。 その後、ずっと流局が続くも東4局、椋が熊谷からアガれる方のイッツー28を出アガり、これで延長の並びができる(椋84→堀川・藤森28→熊谷)。あとはこの並びのまま回すだけだが、ラス目に落ちた熊谷が黙っているはずもなく、南2局のオヤ番でリーチ(流局)、南3局にもリーチ(流局)と攻勢をかけてくる。あとで聞いた話によると南3局のリーチは堀川の13・26ツモでトップをまくれるようにするためのノーテンリーチだったらしいが。
南4局、オヤでもあり供託も2本あるのでトップを目指してアガりに行きたいところであるが、熊谷に16以上を振り込んだらラスに落ちてしまうので配牌からオリに向かう。熊谷が5・10をツモっても終了なのでヒヤヒヤものであったが無事に流局して延長となった。
【5回戦 堀川1昇・椋0・藤森△1・熊谷0】
△1の私は勝ち上がりの決着条件は持っていないため延長を目指すが、現実的な延長条件は自身のトップか堀川のラスである。
東2局、堀川メンツモ3・6。東3局、私はオヤでテンパイを入れ、
これをツモアガるようならトップに大きく近づくのだが、その思いを砕く堀川がピンフイッツードラ1をツモ20・40。
南1局、椋3・6ツモ。 南2局その1、椋が勝ち上がりを争っている熊谷からサンアンコドラ1の96をアガる。椋はこれでトップ目に近づき、堀川のアシストも考えるとかなり勝ち上がりに近づいたと言える(堀川04→椋128→藤森76→熊谷)。
南2局その2、熊谷が高めのリーチツモチャンタをアガリ20・40(堀川24→椋84→熊谷24→藤森)。
南3局その1、熊谷がハネマンを引きに行くタンピンドラドラをリーチ。私もイーシャンテンで応戦する。
理想はを引いてのリーチだが、どころかすら引いてこない。少しして熊谷から東が出たのでポンテンを取るもは熊谷のロン牌。熊谷80←藤森(堀川24→椋04→熊谷184→藤森)。この並びでは再延長となるため、南4局の堀川は椋か熊谷にトップを取らせる必要がある。そうなれば下家の椋の方がアシストしやすいことを考えるとここは熊谷にとってはツモってトップ目に立っておきたかったところなのであまり嬉しくないアガリである。
南4局その1、このまま流局すれば延長であるが、堀川の魂胆を考えるとサッとアガって終わらせてしまうか、トップに立つ役満を狙うしかない。もちろん延長した時のことを考えると後者の方が圧倒的にいいわけで、そんな中取った配牌がこれ。
北家なのでを鳴いてサッとアガることもできそうだが、スーアンコ狙いで手を進めた。6巡目にはをアンコにして、さらに数巡後にはこの形になり、
南4局その2、役満か熊谷からのハネ直なら延長のため、再度スーアンコを目指して手を進める。そんな中私は途中、椋がトップになれば延長になると条件を勘違いしてしまい、椋と熊谷が124差なので椋のマンツモをOKにするリーチ棒を投げてしまう。結局椋がトップになれば堀川と椋の勝ち上がりになり、延長にはならないことが瞬間頭から飛んでいた。結局椋に逆転手は入らず、流局して堀川・熊谷の勝ち上がりとなった。
結果的には私のリーチ棒が影響することは無かったが、さもすれば勝ち上がり者を変えていたかもしれない事態だったたけに、対局者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
C卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
|
安居 嘉康 | B級 | − | − | ● | ● | △2 |
山田 史佳 | B級 | ◎ | − | − | ◎ | 2昇 |
関根 秀介 | 東京 | ● | ● | ◎ | − | △1 |
平山 友厚 | 東京 | − | ◎ | − | − | 1昇 |
八翔位戦、それは私にとって特別の大会であります。
普段から、一発裏ドラなしルールをメインに対局している。が、八翔位戦のルールは一発裏なしはもちろんのことノーテン罰符も無し、更に偶然役の天和・地和・海底もありません。
一番衝撃的なことは、開門2度振り(皆さんやったことありますか?)八翔位戦に参加しなければ知らなかったことです。
そして対局戦日当日にやることは、朝早めに起きて散歩、その後しっかり朝食をとって1時間ほどテレビを見てリラックスモード、更に1時間ほど早く家を出て「勝負の神様」である神田明神に参拝する、これが私の八翔位戦当日の行動となります。
対戦相手ですが 昨年も八翔位戦で対戦して負けた順位戦選手の山田氏、過去何回か八翔位戦で戦ったことのある順位戦選手の安居氏、他の大会で優勝経験もあり強い打ち手の1人である平山氏、となっています(以下敬称略)。
皆さん、マージャン101で何回も対戦しているメンバーで打ち方をある程度認識しているメンバーであります。そして 11時50分に対局がスタートしました。
【1回戦 起家から(以下同)山田・関根・平山・安居】
緒戦は山田が軽く2回あがり、それが決め手となりトップで終了。私は山田に28を振ったためラスに。
【2回戦 平山0・山田1昇・安居0・関根△1】
過去の例から1回戦目ラスを引くと通過する確率が極端に低くなる。(やばい 焦る!)2回戦目はトップを取りに行くためある程度前にでる。
トップ条件で望んだ2回戦東1局その1で可能性が萎む。オヤ・平山が、40オールツモ。早くも160差を付けられる。
通常のプレーヤーであればどうにか逆転もあるかもしれないがターゲットが平山だと難しい。完全にリスクを背負って前にでないと逆転できない。そう思っていた。ここからはほとんど前に出ることに決めた。
次にチョーマが動いたのが東2局その1、関根が平山から1フーロのドラ1の20をアガる。トップしか見ていない私には平山からの20 は大きいと思った。「よーしこれから」というところで次にミスをしてしまった。
東3局にはオヤの安居にタンヤオピンフ30を放銃。イーペイコーにならないの方で助かったがこの30放銃はすごく痛い。東場を終了して 平山→110安居→30山田→10関根となる(焦る!!)。
関根 南3局6巡目、子でタンピンドラ1をリーチし流局に終わる(後で考えるとリーチをかけなくてもよかった)。
南4局、山田と20、安居と50、平山と130。とりあえずラス抜けが必須だが7巡目に平山がリーチ。私は手ができていない。山田か安居からで上がってもらいラス抜けしたい。だがそんなに甘くない。平山は安居の打牌を咎めるが40止まりである。返す返すも南3局のリーチ棒が恨めしい。
【3回戦 山田1昇・安居0・関根△2・平山1昇】
ここで小休憩(20分ほど)があり、その間にやるべきことを再度確認する。私の条件はトップ、それと他の人の条件も考慮に入れなければならない。
3回戦が開始すると、どうしてもトップが欲しい安居と関根が交互にリーチを掛ける展開になるが両者とも実らない。漸く南1局に関根のででサンショクとなるリーチに山田がで御用となる。さらに南2局には僥倖にも平山からタンヤオピンフドラ2を直撃することができた。これで関根132→山田04→安居60→平山。並びも上々である。このまま終局を願ったが、敵もそう甘くはなく、平山40←山田、山田40←安居と目まぐるしくラスを押し付け合い最高の並びとはならなかった。
【4回戦 安居△1・平山1昇・関根△1・山田1昇】
最終4回戦も同じように背水の陣。トップしかないつもりで前に出る予定である。勝ち上がり条件は、マイナス組トップ、かつプラス組ラス、そうすれば延長5回戦へ持ち込める。トップを取りかつ平山or山田ラスにする麻雀を打つためには東場で点棒を多く持っておきたい。
同じ目標を持つ安居が東2局にリーチを掛けるが流局し、東3局オヤ番の関根仕掛けて平山から供託とともに18をもぎ取った。いい感じだがもっと決定打が欲しい。
しかしその2でこのままでは終われない安居がドラ3をリーチでツモって20・40、一歩先に出た。これで点差は安居82→関根08→山田18→平山。
安居トップかつ平山or山田でも延長に入る。しかし、勝負を決定づける一番が東4局に起こる。トップめの安居が山田に120の放銃。マイナス組連合軍としては最悪の状態になった。
その後、南場で関根・安居は点棒を稼ぐため重ねるリーチ。
細かいやり取りをして迎えた最終南4局。山田118→関根03→平山84→安居。私の条件は平山からハネ満直撃のみ。鳴いていく平山をターゲットに私は次のテンパイを入れた。
やはり実力の差を痛感した今回の対局であったが、私は「苦しい麻雀が好きなんだなー」と痛感した。来年も機会があれば参加させていただきたいと思います。
D卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
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安田健次郎 | B級 | ● | ◎ | ● | − | △1 |
明村 諭 | 推薦 | − | − | ◎ | − | 1昇 |
三上 龍玲 | 東京 | − | − | − | ◎ | 1昇 |
菊崎 善幸 | 東京 | ◎ | ● | − | ● | △1 |
1回戦、3着目のオヤ・安田まで55差で迎えた南4局、ラス目の南家。条件を満たすテンパイが入る。
2回戦、東1局に13・26で先行した安田を、東2局に菊崎からの80で追い抜く。
しかし安田が意地を見せる。南2局のオヤ番でリーチツモドラ1の20オールで再びトップ目に立ち、そのまま逃げ切り。菊崎ラスで振り出しに戻る。
3回戦、東場で明村が安田から64、120とアガってダントツ。トップはきついかと思ったが、明村から52直撃、さらに菊崎から64とアガって28差まで詰め寄る。
しかしここまで。その後18、52、80と連続放銃でトップ争いから完全に脱落。またもトップはおあずけ。
4回戦、東1局に起家安田が菊崎から120。あとはこれをまくればこの回で決着だ。
東3局親番、手が入った。8巡目テンパイから、望外の高目一発ツモ。
これで三上トップ、菊崎ラスの決着の並びができた。これを最後まで維持できれば勝ちだ。明村も援護してくれるはず。
ただ、当然安田と菊崎も死に物狂いで、結託してでも攻めてくるだろう。ここで守りに入るとまくられる。もうひとアガリ、ダメ押しが必要だ。
東4局、ダメ押しの13・26を引きアガる。その後は明村が3回アガってくれて無事に終了。戦うとイヤな相手ほど、パートナーになると本当に心強い。
初めての八翔位戦。未熟なところは多々あったと思うが、内容はともあれひとまず勝ちの結果は大きいし、素直にうれしい。2次予選もせいいっぱい戦う。
E卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 | 終了 |
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岩沢 和利 | B級 | ◎ | − | − | ◎ | ◎ | 3昇 |
須藤 浩 | 推薦 | − | ● | ◎ | − | ● | △1 |
石川 由人 | 東京 | ◎ | − | ● | − | − | ±0 |
古川 正和 | 東京 | ● | ◎ | − | ● | − | △1 |
今年で八翔位戦は8年連続の出場になる。
比較的実力差の出やすいシステムで、当然あまり勝ち進むことはないのだが、これほど苦しく、楽しいマージャンは他では味わえないのでやめられない。
ただ、ここ1、2年は苦しいという感覚が薄れて、楽しいだけが残り、これは良いこと?
【1回戦 起家から(以下同)古川・須藤・石川・岩沢】
手が入らないことを言い訳に傍観者を気取っていたら、石川と岩沢のツモり合いで、気づいたら南4局、岩沢(親)・石川165→須藤26→古川という最悪の事態に。
残り4巡でテンパイしたのが、
【2回戦 須藤0・古川△1・石川1昇・岩沢1昇】
東1局南家でタンヤオチートイツをツモった後は何もできなかったが、小場に助けられてギリギリ逃げ切る。
【3回戦 岩沢1昇・古川0・須藤△1・石川1昇】
東場は須藤が引き離して逃げる展開を、南場で古川、石川、岩沢と順に引きアガり、南4局は須藤13→古川31→岩沢11→石川(親)。
早めに・を仕掛けたときには手の内1メンツと雀頭があり、くっつき待ちの十分な態勢。しかしここから何もくっつかず、須藤がを打ってきたりして、ようやくカンチャンが出来たときには、場が十分煮詰まっており、ギブアップ。最後は、テンパイに向かうのに全く役立たずのメンツと思っていたのアンコが、オリるときにはとても役立って無事流局というオチであるが、こういう手はもっと頑張っても許される局面に来てほしい。
【4回戦 石川0・岩沢1昇・須藤0・古川0】
勝負が決する可能性が高い4回戦。何かしなければならないのに、小差に甘えた怠慢により局を進めてしまい、南4局、岩沢22→須藤09→石川04→古川(親)。このまま終われば延長に行けるのだが、このまま終わるのもつまらない。
ただ、アガリに向かうための条件である早い手には恵まれず、4人の中でおそらく初めに延長やむなしの結論を出したと思う。その後延長やむなし人数も徐々に増えていき無事流局。
【5回戦 古川△1・岩沢2昇・須藤0・石川0】
トップを取らないとほぼ負けとなる。厳しい条件で、以前なら苦しさを感じたであろう局面が、今は何故か心地良いくらいである。
南2局に疲労もあってかフワフワした感じで、普段は仕掛けそうにない所から仕掛けて、運良くタンヤオドラシャンポンのテンパイ。ラス目の石川のリーチ宣言牌が運良くドラで、何となくトップに立つ。
南4局を迎えて、古川42→岩沢35→須藤100→石川(親)。何となくトップにいるくせに、もう1回行けそうだなと甘い考えでいたが、岩沢がブンブン来だして、さあ大変。その後、須藤からもリーチがかかり絶体絶命。石川の苦悶の打牌に対して、私はさっきからもうおりてしまっているので、何もできることはなく、ただ神に祈るのみ。いやいや、それでも流局になるんじゃないかと根拠なく考えていた私の祈りは浅さかったのだろう。須藤の掴んだに岩沢が「ロン、12,000」。
石川が「ん??」、そして星取表を見ながら「ん??」を繰り返している。「ロン」の時点で負けを覚悟したのに、望外の勝利をしばらく信じられなかったようである。失礼ながらその姿が面白くて笑ってしまった。それにしても、この須藤のリーチはリスク少で、いろんな意味で絶妙に思われたのに、不運としか言いようがない。
負けはしたが、今回もとても楽しい勝負だった。八翔位戦ならでは醍醐味が味わえた。以前と違い、負けても悔しさがなくなってしまったが、それは力量不足(しかももう伸びることはない)を受け入れたからで、これも大きな成長?と考えることにしよう。
こんな感じで許されるのであれば、来年も是非出場して楽しみたいと思う。
F卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
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大貝 博美 | B級 | ◎ | − | − | − | 1昇 |
忍田 幸夫 | 推薦 | − | ● | ● | − | △2 |
佐藤 文彦 | 東京 | ● | − | − | ● | △2 |
大川戸 浩 | 東京 | − | ◎ | ◎ | ◎ | 3昇 |
「異種格闘技戦やな」
この卓の組み合わせに対する、ある順位戦選手のインプレッションである。が。自分から見れば、
「ラオウとモスラとミラーマンの戦いに巻き込まれたピグモン」
というのが正直なところ。まあ、異種格闘技といえばそうか。
大貝への20放銃で始まった1回戦。次局も大貝が押して佐藤から96(ダブドラ1)。自力ではないが、ラス抜けできてちょっとホッとする。その後、自分以外の3人がそれぞれアガるも、順位は変わらず。途中、タンピン高目サンショクのテンパイがあったりもしたが、結局、自分だけがノーホーラ。ラスでなかったのがせめてもの救いである。
2回戦は、席決めの結果、大貝が座っていた席になった。「ツキの残り火残ってないかな」と思っていたら、自分がオヤの東2局。ソーズが押し寄せて
次局は佐藤が20・40。やはり楽にはさせてくれないなあと思った東3局。
ここにツモでテンパイした次巡、大貝からが出て40。
少し佐藤を離せたと思った次局、佐藤が忍田から52。南1局も佐藤からリーチ。よくも手が入るものだと思ったが、これは流局。
ここから忍田が2局連続でアガリ(大貝から12と13・26)、大貝ラス濃厚な点数状況(忍田と100差)での南4局。前巡を切っていた忍田がを切ると大貝からロンの声。なんと、123のジュンチャンサンショクドラの120。これで、1昇が2人に△1が2人の源平模様となった。
3回戦、個人的なテーマは「とにかくラスを引かないこと」。
で、東1局にイッツーのカンのテンパイ。を引いても構わずツモ切るあたり、テーマをすっかり忘れているが、忍田の切ったに大貝がロンの声。タンヤオサンアンコの96。しかもが3枚(の形)。危ないし!
その2は流局して迎えた東2局、ピンフをツモって4・8。
東3局はオヤの忍田がリーチを打つも流局して迎えたオヤ番。ここで、タンピンドラ1を佐藤からロン。かなり気が楽になり、その2も忍田のリーチに押して14オールをアガってトップめにたったその3。佐藤からリーチ。よくも手が入るものだと思っていたら、をビシッと手元においてロンの声。リーチツモチートイツドラ2の30・60。
一気に40差まで詰め寄られて南入するが、南1局、南2局ともに流局。佐藤はどうしてもあとヒトアガリしなければならないが、私もファン牌を忍田からポンして立ち向かい、佐藤から20をアガる。
南4局は無事流局し、2昇・1昇・△1・△2で、しかも自分がプラス側という願ってもない形で4回戦へ。
延長条件は佐藤トップ&大貝ラスの一点のみ。当然ながら、これを避けるのが自分のテーマ。大貝にうまいこと高い手が入った時に差し込みでもできればいいのだが、そんな腕前など持ってはいない。
3局流局が続いた東4局、大貝がピンフをツモって番手と30以上差をつける8オール。なのに次局、大貝のチョーマを削るやってはいけないツモアガリをしてしまう。
不慣れがモロに出ている。順位戦選手なら絶対にアガらない。アガらずにおけば、佐藤は南4局にハネマンをツモっても条件を満たさないのだ。
南1局、オヤ番で忍田が10オールツモで南4局の条件を緩和する(30・60→8・16)。その2で今度は佐藤から12をアガってしまうが、それでも条件は少し重くなる(13・26)。南3局ではアガれない忍田がリーチ棒を出して流局。これで、南4局、佐藤は10・20でよくなってしまった。自分の力のなさに泣けてくる。そして、当然のように佐藤リーチ。だが、忍田も差し込めないので、ツモれるかどうかの一点。佐藤は私からもロンできないので、せめて大貝がオリやすいようにと、持っていそうなところから切り出す。あとは佐藤のツモ筋にロン牌がないことを祈るのみだ。3巡、4巡、佐藤のツモ切りが続く。そして、佐藤の最終ツモ。ロン牌はそこにはなく、終局となった。
4人のうち2人が残るルールにより、結果的に私は残ることとなったが、率直に言って、「勝った」感はまるでない。
今、こうやって書いていても、「紙一重で助かっていただけじゃん!」というのがミエミエである。特に、4回戦の内容はひどいものであった。八翔位戦に参加させていただいているのであるから、もっときちんと打たなければ、打てなければならない。
幸い、もう一度戦わせていただく機会をいただけた。次こそは、きちんと戦いたいと思う。
G卓 |
1 |
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3 |
4 |
5
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終了 |
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平井 淳 | A級 | ◎ | − | − | − | ◎ | 2昇 |
菊池 一隆 | 東京 | ● | − | ◎ | ● | − | △1 |
奥田 直裕 | 東京 | − | ◎ | ● | − | − | ±0 |
中村 浩三 | 東京 | − | ● | − | ◎ | ● | △1 |
去年から秋葉原にある雀友倶楽部にて毎週土曜日に開催されているマージャン101イン東京に足を運んでいた。年間24半荘打てば、八翔位戦の出場資格が得られるとのことで、年末の締め日までもう何日もなかったが、ぎりぎり24回を打ち、なんとか資格を獲得した。あとは出場が認められることを願うのみだった。
無事出場が認められ1次予選を迎えた。
対戦相手は、101競技連盟A級平井淳選手。昨年の私の所属するRMUが主催するクラウンの決勝に残り、最後の最後で捲られはしたが見事に準優勝を果たしている。
次に、イン東京でいつも顔を合している奥田直裕さん。下馬評では、「何が起きようと奥田さんが敗退することはない」との意見ばかり。勝ち抜けるには奥田さんを味方にできた者。私もそう考えていた。
最後に、雀友倶楽部レーティングダントツ1位、菊池一隆さん。彼とは、雀友倶楽部がきっかけでよく話すようになり、セットなども一緒に打つ存在。麻雀に対する姿勢や麻雀感を聞けば聞くほど感心させられている。
この素晴らしい相手と対戦できる喜びと軽い緊張感とで高鳴る胸を抑えながら対局は開始した。
【1回戦 起家から(以下同)中村・菊池・奥田・平井】
東1局(ドラ)、オヤ番でのスタートで、ピンフドラ1が見えるまずまずの配牌を貰ったが他の3人の捨牌からもやる気がみなぎっている。そんな中、ツモが利かない。中盤2シャンテンで進む中、西家の奥田にテンパイ気配が醸し出される。粘れるだけは粘ろうと考えていると、菊池のに奥田のロンの声。16。
東2局は流局し東3局。早い巡目に親の奥田からのリーチが入るが、なんとか流局。
東4局(供託10)、
のイーシャンテンに役なしになるをツモリしぶしぶ打のテンパイ取り、程なくをツモリ5・10。
中村29→奥田11→平井11→菊池の並びで迎えた南1局は、菊池から奥田へアンコの待ちの16。
静かに点棒が移動する展開であったが、南2局に事件が起きる(起こす?)。オヤの菊池が早々に東を仕掛け萬子のホンイチ模様。そこに南家の奥田がを切る。同巡私にピンフドラ1のテンパイが入り余剰牌は。私の待ちはといかにも良い待ちに見える。でここは勝負とテンパイを取った。これを菊池がチー。3人テンパイの様相である。そこに持ってきたのがダブルワンチャンスとなる。
このだけ押して、次のワンズは何であろうとやめようと決心。菊池のホンイチに振り込みたくはないがいかにも通りそうに見えてしまいリリース。ホンイチにはなっていなかったがドラが2枚あり60の献上となってしまった。トップ目からラス目への60放銃。101のシステムではまずありえないだろう。ここが勝負所と思った決心も点棒とともに消え去ってしまった。
続く南2局その2。なりたくはなかったラス目に転落。ここからは、トップ目の行方よりもラス目の行方が気になる状況に陥る。ラス目になってそんなことに気づく。親の菊池と平井が仕掛けあうなかの終盤、
ピンズか高く、ワンズ、ソウズが安い場。どうにかテンパイして欲しいと願う中、ツモったのは。ワンズの下は激安で単騎を選択し、程なく絵が合い大きな大きな13・26でトップ目復帰である。
南3局は流局で迎えた南4局(ドラ)。ラスめ・平井のうち回しが光る。
にをツモるとノータイムの打。すぐを重ねてフリテンの・・リーチ!終盤をツモり26オール。これで一気にトップへ。南4局その2は8オールで加点。南4局その3は、トップが狙えなくなったため、中村が仕掛けて3・6で終局させた。
【2回戦 平井1昇・奥田0・菊池△1・中村0】
東1局は、中村から平井へ30。東1局その2、中村が早いテンパイのドラマタギピンフをリーチして13・26。東2局、菊池の味のあるチートイツツモで8・16。東3局、今度は平井が3巡目にツモチャンタの10・20。東4局も平井が7・14。奥田以外がツモりまくる展開で奥田気付けば254持ちのラス目で南入。
南1局、南2局は流局。南3局は奥田が仕掛けたオヤの菊地にリーチで牽制するが菊池が20オールをツモり、平井を捲り遂にトップ目に立った。
南3局その2は流局し、南4局。ドラで並びは菊池18→平井74→中村46→奥田。中村は中盤ドラなしチートイツのイーシャンテンとなり、ドラ表示牌のを切る。すると、一番鳴かれたくなかった奥田からポンの発声、打。ソウズのホンイチ模様である。中村はすぐチートイツをテンパイし、奥田の現物で待つもアガれず、終盤ソウズを持って来て手仕舞いとなった。残り2巡。何事もなく終わって欲しいと思う願いは虚しく、奥田が、
【3回戦 平井1昇・中村△1・奥田1昇・菊池△1】
東1局、平井から菊地へピンフドラ1の20。
タンヤオとサンショクへの手変わりを見てのヤミテンだったとのこと。リーチしてもツモりそうな待ちだったのでホッとする。
東2、3局は流局。東4局は、中村がドラ単騎をツモり10・20。
南1局、南家の中村が、菊池が早い巡目に切ったをポン。加点しようと戦っていると、菊池のアガリが炸裂。タンヤオツモイーペイコウにドラがアンコで30・60。
南2局、オヤでドラのが配牌からトイツで入っていたが、残念ながら流局。
南3局、トップ目菊池との差は110。中盤、
のところに、ツモ。引きのリャンメン待ちなら、カンチャンのイッツーに取ろうと考えていたが、サンメン待ちとの比較になり20・40ツモってもまだ下、さらにドラも見えていないことからピンフに取り、大事にダマテンとした。すると時間がかかったもののツモ。ツモるならイッツーに取ってリーチだよなーとか考えながら4・8を申告した。
南4局は、ラス目平井が44差をリーチピンフドラ1をツモり奥田にラスを押し付けた。因みに前局私が20・40だと平井と奥田の差は20となり、オーラスの平井のリーチは無くなり、20の出あがりでラス無しもあり得た。否、菊池→平井のおいしい決着なんてのも。
ここでトップを取らないと結構キツイと思い、勝負の半荘へ。
東1局、中村はピンフドラ1でリーチ!待ちには自信があったが巡り会えず。東2局、奥田から菊地へタンヤオドラ1の42+供託10。
東2局その2、
にをツモり、345のサンショクへ一直線の打。場にが2枚打たれ、少しションボリしていると、ツモってきたのは。迷わずリーチする。場にはが1枚、が2枚打たれあまりいい状況とは言い難い。負けてる時のリーチとも言えるだろう。しかしなんとか終盤にを引き寄せ20・40。
東3局はまたもやをツモり、ツモドラ1の5・10。
東4局、オヤ番で奥田のリーチを受けるもなんとか流局し、事なきを得る。南1局も流局し、南2局、奥田が手詰まった菊池からドラ1の30をアガり、南3局は、平井が一手変わりスーアンコをそのままツモり、13・26で南4局へ。
南4局を迎え、中村62→平井51→菊池20→奥田。終盤平井に勝ち上がりのテンパイ(平井トップ奥田ラスで菊池との勝ち上がり)が入るもは、奥田がピンフドラ1を最終手番でツモりラス抜けした。
勝負は、延長戦へと突入した。決定条件は、奥田と中村は、どちらかがトップで平井以外のラス、平井トップで、中村、奥田ラス。菊池トップだとほぼ延長戦。
【5回戦 菊池△1・中村0・平井1昇・奥田0】
東1局は、平井から奥田へ40。続く東2局も平井から奥田へ16。このままだと、奥田と平井の昇がひっくり返るだけなので延長戦となる。東3、4局(奥田リーチ)は流局。続く南1局は、平井のリーチタンヤオに奥田が捕まり28。
南2局。奥田が序盤から果敢に攻める。トイトイの仕掛けに3人の打牌が制限される。そんな中、中村にもアガリのチャンスが来る。切りきれずにいたが重なり以下の手牌に、
が4枚場には切られていて、もし山にが残っていればそれはそれで良し。奥田にトイツで入っていれば降り打ちの可能性があり、またをツモれば26オールと勝ち抜けに繋がる大きな手と捉えリーチを敢行した。結果的には、奥田を降ろし、ツモアガリを阻止していたとのことなので成功とも言えるが途中、を落とす手順を追えれば8オールをツモっていたので悔しい局となった。
南3局は、リーチ棒が転がっていることもありそのまま前のめりになってしまい、平井へ24となり、苦しい状況となってしまった(奥田22→平井06→菊池34→中村)。
南3局その2は流局。南4局その1はこのままでは敗退の菊池が前に出て、奥田へピンフの18を打ち上げる。その2は奥田のトップで構わない平井がを早々に仕掛けて8・16で終局させ、奥田との勝ち上がりおまけのトップとともに決めた。
道中、トップを、取れる位置にいながらもなかなかトップが取れず前のめりになってしまった。八翔位戦というキツくそして面白い試合に出場させていただきありがとうございました。また、来年挑戦したいです。そして、勝ち上がった平井選手と奥田さんの健闘を応援しています。
H卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
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小宮山 勤 | B級 | − | ● | − | − | △1 |
山本 裕司 | 推薦 | − | ◎ | ◎ | ● | 1昇 |
堀井 統之 | 東京 | ◎ | − | − | ◎ | 2昇 |
伊澤 興 | 東京 | ● | − | ● | − | △2 |
青野現SDにマージャン101大阪支部を任せて頂いていた25歳の時、ヘタクソながらもその恩賜で八翔位戦に出させていただいてから虜になり、16年連続で出場しました。その間、101を通じて多くの友と呼べる方達と出会えました。
しかし、7年前の準決勝のオーラス、2度目の決定戦進出に向けて打った渾身のリーチが流局した時、心の糸が切れ、辛くてしんどいマージャンから私は遠ざかりました。
昨年偶然にHPを見つけて旧友・山内選手の初タイトルの報を知りました。一緒に祝杯をあげたいがために秋葉原に足を運んだのがきっかけで久しぶりに101に再会し、紆余曲折ありながらも今回八翔位戦に7年ぶりの出場の機会を得ました。
昔取った何とやらで、ブランクはあるものの「全然大丈夫っしょ」と高慢な気持ちで挑んだ八翔位戦。他の対局者3人は真摯に牌に向き合い、全身全霊で打っているというのに…。
1回戦。毎局手が入る山本・堀井を尻目に、冷えている小宮山・伊澤。好調者2人は、放銃はするがその倍以上ツモアガリする。冷えている2人はノー放銃だが、12しか収入がなかった。◎堀井・●伊澤。
2回戦。1回戦と同じ展開、毎局手が入る山本・堀井を尻目に、南4局に伊澤が小宮山から80出アガリしてやっとラス抜け、◎山本・●小宮山。
3回戦。あとがない伊澤・小宮山。東1局から前がかり気味に攻めプラス者2人からのデバサイを目論むが、伊澤フリテンロンの大チョンボで場を一気にシラケさせる。
しかし直後、奮起した小宮山がこの20・40で意地を見せる。
東4局 (小宮山100→山本・堀井220→伊澤)、上だけを見ればいい山本が、
場はソウズが高くピンズが安い局面。ここで山本は打でヤミテンに構えたが、を持ってきてシャンポンリーチを敢行。一方、伊澤はその数巡前からこのテンパイ。
この日の山本の調子の良さと小宮山の点棒を維持するため真直ぐ行くがで打ち込み。
そして南3局(小宮山41→山本17→堀井307→伊澤)、トップめと41差の西家・山本がこの手を堀井から出アガり、ついに逆転。
そのまま終わり、◎山本・●伊澤。
4回戦。死のシフト完成。ラスを引き受ければ勝ち抜けが確定する山本と、ラスさえひかなければ勝ち上がり確定の堀井。思惑が一致している山本・堀井のゲーム回し。小宮山の粘りで一瞬延長の並びができるも、南2局の堀井のドラ単騎リーチに4枚目を持ってきた山本が差してゲームセット。◎堀井・●山本。
1年間精進して、来年また帰ってきます。
I卓 |
1 |
2 |
3 |
4 |
終了 |
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高島 努 | A級 | − | − | − | − | ±0 |
山舗 徹 | 大阪 | − | ● | ● | ● | △3 |
坂井 準司 | 大阪 | ◎ | − | ◎ | − | 2昇 |
田村 洸 | 大阪 | ● | ◎ | − | ◎ | 1昇 |
唯一の大阪開催となったI卓。普段からマージャン101で顔を合わせることが多い4名、手の内を知り尽くした者同士の戦いとなる。
1回戦は24と5・10のアガリを守りきった坂井がトップ。
2回戦では東4局に高島が強烈なアガリ。
3回戦は僅差の展開となるが、東2局の山舗→坂井40のアガリが効いてそのままの並びで終了。
坂井2昇・高島0・田村0・山舗△2で迎えた4回戦。坂井はほぼ安泰であと1枠を高島と田村が争う。田村が開局に8オールを引き、次局も手を開く。
その後は坂井も点棒を持つ展開となり、田村18→坂井152→高島02→山舗となった最終局。オヤは坂井なので一局勝負、高島は田村から20以上を直撃出来れば延長に持ち込める。
ドラ含みのタンヤオ手で3つ仕掛ける高島、必死にオリる田村。しかし高島が自力でロン牌を持ってきてしまう。出アガリ出来るテンパイを組み直すもそのまま流局、坂井と田村の勝ち上がりとなった。
出場選手一覧
1次予選 | 2次予選 | 準決勝 | 決定戦 | |||||||
級 | 選手名 | 卓 | 級 | 選手名 | 卓 | 級 | 選手名 | 卓 | 級 | 選手名 |
八 | 小川 隆 | |||||||||
前八 | 井戸田耕二 | A | ||||||||
前龍 | 山内 啓介 | B | → | 山内 啓介 | B | |||||
名 | 田中 実 | D | ||||||||
A | 村田 光陽 | C | → | 村田 光陽 | C | |||||
A | 愛澤 圭次 | E | ||||||||
A | 成岡 明彦 | F | → | 成岡 明彦 | C | → | 成岡 明彦 | |||
A | 平井 淳 | G | → | 平井 淳 | A | → | 平井 淳 | C | ||
A | 高島 努 | I | ||||||||
A | 西尾 剛 | A | → | 西尾 剛 | A | |||||
B | 堀川 隆司 | B | → | 堀川 隆司 | C | |||||
B | 安田健次郎 | D | ||||||||
B | 岩沢 和利 | E | → | 岩沢 和利 | D | |||||
B | 小宮山 勤 | H | ||||||||
B | 大貝 博美 | F | → | 大貝 博美 | F | |||||
B | 安居 嘉康 | C | ||||||||
B | 山田 史佳 | C | → | 山田 史佳 | E | |||||
推 | 忍田 幸夫 | F | ||||||||
推 | 山本 裕司 | H | → | 山本 裕司 | C | |||||
推 | 須藤 浩 | E | ||||||||
推 | 明村 諭 | D | → | 明村 諭 | B | |||||
推 | 椋 大樹 | B | ||||||||
OP | 湯村 浩章 | A | → | 湯村 浩章 | B | |||||
OP | 寺西謙多郎 | A | ||||||||
OP | 菊池 一隆 | G | ||||||||
OP | 奥田 直裕 | G | → | 奥田 直裕 | B | → | 奥田 直裕 | A | → | 奥田 直裕 |
OP | 星賀 一彦 | A | ||||||||
OP | 藤森 弘希 | B | ||||||||
OP | 堀井 統之 | H | → | 堀井 統之 | D | → | 堀井 統之 | B | → | 堀井 統之 |
OP | 石川 由人 | E | → | 石川 由人 | C | → | 石川 由人 | B | ||
OP | 佐藤 文彦 | F | ||||||||
OP | 三上 龍玲 | D | → | 三上 龍玲 | A | → | 三上 龍玲 | A | ||
OP | 関根 秀介 | C | ||||||||
OP | 平山 友厚 | C | → | 平山 友厚 | F | |||||
OP | 大川戸 浩 | F | → | 大川戸 浩 | E | → | 大川戸 浩 | B | ||
OP | 伊澤 興 | H | ||||||||
OP | 古川 正和 | E | ||||||||
OP | 中村 浩三 | G | ||||||||
OP | 菊崎 善幸 | D | ||||||||
OP | 熊谷 修 | B | → | 熊谷 修 | D | → | 熊谷 修 | C | ||
OP | 山舗 徹 | I | ||||||||
OP | 坂井 準司 | I | → | 坂井 準司 | E | → | 坂井 準司 | A | ||
OP | 田村 洸 | I | → | 田村 洸 | F | → | 田村 洸 | A | ||
【凡例】選手名左の記号は今期順位戦の所属クラス。 八:八翔位・名:名翔位・前八:前期八翔位・前龍:前期翔龍。 推:麻将連合推薦枠出場・OP:オープン出場、アルファベットは卓番。 |
第31期八翔位戦 システム
【出場資格】
・麻将連合推薦、オープン参加選手及び連盟所属選手。
・オープン参加選手は、マージャン101各支部内より選抜。
【1次予選】
・各卓4戦(1日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・4回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【2次予選】
・2次予選シードの連盟所属選手及び1次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・6回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【準決勝】
・2次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が決定戦の出場資格を得る。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、7回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。
【決定戦】
・八翔位及び準決勝通過者により行う。
・10戦(1日4戦)を戦う。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者を優勝とする。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、11回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。