
第41期順位戦A級 第4節
第4節観戦記:平井 淳
残るところ2節15半荘となった。この回数で成岡の8昇を捕まえるのは非常に厳しいといってもいいだろう。しかも下(降級)を気にしながらだ。マイナスは即降級の可能性がある。
そんな中、成岡を追うプラス組は昇を重ねられるのか。
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◆◆◆ 21回戦A卓 ◆◆◆
〈成岡8昇・坂井0・藤森0・古川△1〉
開局早々の藤森の2巡目、






















それでも流局を挟んだ東2局、藤森に早い手が入る【牌譜1】。
特に手変わりを期待する形でない。最近の101ではリーチでもおかしくない。確かに藤森はそんなタイプではないが、ヤマ6枚残りのリーチの結果はどうなっていたのか(40)。
更に流局を挟んだ東4局、オヤ古川にシャンポンマチリーチが入り一発で安目を引き14オールとする。


















その2では、坂井がピンフ・ドラ1(20)を古川からアガりラス目が目まぐるしく交代し南入した(成岡04→坂井04→藤森20→古川)。
南1局、古川にチャンス手が入るが成岡に追い越される【牌譜2】。微妙なのは古川の動きである。ラス抜けまで20で成岡の仕掛けに対抗するのか。最もこの動きが無いと成岡は

その2で、ラス目古川は12巡目にリーチとする。



















南2局は、供託のリーチ棒を成岡が5・10で回収しトップ目を盤石とする。
南3局、古川の7巡目、



















(◎成岡/●藤森)
◆◆◆ 21回戦B卓 ◆◆◆
〈愛澤1昇・亀井1昇・小川2昇・松井△7〉
成岡を追わなければならないプラス組の愛澤はピンフドラ1、タンヤオと開局から2局連続でツモアガリ幸先の良いスタートをする。その3はドラ2枚持ちの亀井に

オヤとなった亀井は頭ができないままタンキマチをツモアガリ(10オール)愛澤を追うが、次局W







東3局は愛澤がカンチャン待ちの鳴きサンショクをツモアガりトップ目を固めるとここから3局は流局となった。
南3局は


が、その2でソウズのホンイチを仕掛けた亀井がピンズチー(





南4局、38差を追う亀井は6巡目にリーチとした。

















(◎愛澤/●松井)
◆◆◆ 22回戦A卓 ◆◆◆
〈松井△8・小川2昇・藤森△1・坂井0〉
小川の坂井への高目80の放銃(ピンフサンショクドラ1)で始まった。次局藤森がツモのみで局を進めると流局を挟んだ東3局坂井が、
































しかしその後は手にならず南1局は流局し南2局は坂井が松井からピンフドラ1(20)をせしめリードを広げた。
南3局、藤森に8巡目にテンパイが入るが、ドラなしのチートイツでリーチもかけられず、くるくるとマチを変えるが絵を合わせることはできなかった。
南4局藤森は坂井までの43差を追うがドラが


(◎坂井/●小川)
◆◆◆ 22回戦B卓 ◆◆◆
〈古川△1・成岡9昇・愛澤2昇・亀井1昇〉
開局最初のテンパイは成岡のピンフで、同巡愛澤が







東2局【牌譜3】、今局も成岡が悔いていたというか牌譜検証を期していた。7巡目での成岡の手牌は、

































東3局は成岡にピンフのテンパイが入るが、




次局も9巡目の成岡にテンパイが入るが、






















成岡の困窮はまだまだ続く。流局で迎えた南2局【牌譜4】。4・5巡目の


その古川は南3局を鳴きタンヤオで凌ぐ(12)と南4局は




(◎古川/●成岡)
◆◆◆ 23回戦A卓 ◆◆◆
〈坂井1昇・古川0・藤森△1・愛澤2昇〉
藤森の愛澤へのピンフ(12)の放銃でスタートするが、東4局古川が藤森との仕掛け合いから藤森に





















藤森万全かと思われたが、愛澤は16(古川)40(古川)と藤森を追い南4局を迎えた。藤森まで28とした愛澤は1巡目の



















そう坂井は20・40で未だトップが狙える位置にいたのだ。その坂井の手牌を覗きに行くと、
































(◎坂井/●古川)
◆◆◆ 23回戦B卓 ◆◆◆
〈松井△8・成岡8昇・小川1昇・亀井1昇〉
開局の成岡の6巡目【牌譜5】、






















そんな成岡も次局はアガれなかった【牌譜6】。最初からそんなにアガる気が無かったのかもしれない。真っ直ぐに行けばやっぱり12巡目の





















東3局は流局し、東4局は終盤にアガリが出る【牌譜7】。成岡のテンパイ打牌



(◎成岡/●松井)
◆◆◆ 24回戦A卓 ◆◆◆
〈坂井2昇・亀井1昇・松井△9・古川△1〉
坂井が東1局の14オール(40符のタンヤオツモ)を決めると、同点の三者が牽制し合い南1局まで流局を繰り返した。
その坂井は南2局古川のトイツ落としの


















南3局、ラス目の亀井に14巡目にテンパイが入る。
















南4局の亀井の配牌は、















一方、今日も目が出ない松井の2巡目、
















いずれにせよ成岡安泰の展開である。
(◎松井/●亀井)
◆◆◆ 24回戦B卓 ◆◆◆
〈成岡9昇・藤森△1・小川1昇・愛澤2昇〉
流局で迎えた東2局、愛澤が積極的に仕掛ける。5巡目ドラ受けのない形で


















次局は早々にチートイツをテンパイし、6巡目にはツモアガってリードを広げる(8・16)。
流局を挟んだ南2局も愛澤の速攻が決まった。4巡目、

















南3局は、藤森と同点3着目の小川がナキタン(6オール)を決め、並びは愛澤64→小川16→成岡08→藤森となった。
その2は愛澤が役なしのドラ

南4局藤森の配牌は、



















(◎愛澤/●藤森)
◆◆◆ 25回戦A卓 ◆◆◆
〈成岡9昇・愛澤3昇・古川△1・藤森△2〉
流局で迎えた東2局、最初のテンパイは11巡目の藤森で、




































次局は、オヤ古川がドラの


その2は、ラス目愛澤が6巡目に、















東4局、トップ目まで76差の古川が10巡目に1枚目の


















南1局【牌譜8】のアガリは14巡目の古川で13・26。




































ところで藤森が10巡目にテンパイ取らずをしている。





















南2局オヤ愛澤は15巡目の









































南3局、トップ目まで23差の古川7巡目、


































南4局3着目成岡まで19の愛澤は成岡9昇の後ろ髪を掴むためにも是非アガりたいところである。愛澤の配牌は、































(◎藤森/●愛澤)
◆◆◆ 25回戦B卓 ◆◆◆
〈松井△2・亀井0・小川1昇・坂井2昇〉
昨日の最終戦南4局で僥倖の逆転トップを取った松井が3巡目にして、


















東2局には、小川に早いテンパイが入った。2巡目、

















次局、再び松井にチャンス手が入る。

















東4局は、亀井が面風牌(


更に小川は次局も早いピンフ(12)を松井からせしめた。
南3局、小川への28でラス目になっている亀井は、


















南4局を迎えて、小川109→坂井08→松井04→亀井と下は僅差のレースとなっている。ラス目亀井の配牌は、




















(◎小川/●坂井)
◆◆◆ 26回戦A卓 ◆◆◆
〈小川1昇・松井△8・成岡9昇・古川△1〉
東1局成岡が、8巡目に


















流局で迎えた成岡のオヤ番、成岡は10巡目場を見透かしようにイーシャンテンからドラを切った。
















続く東4局、松井の5巡目、














































南1局10巡目にオヤ小川にテンパイが入る。















その2は成岡が、


















次局その松井はラス目古川から6巡目にしてリーチを受ける。

















南3局は小川、松井がテンパイを入れるが流局し僅差のラス回避争いの南4局となった(成岡36→古川04→小川12→松井)。松井の配牌は、





















(◎成岡/●古川)
◆◆◆ 26回戦B卓 ◆◆◆
〈坂井1昇・愛澤2昇・藤森△1・亀井0〉
東2局、オヤ愛澤は5巡目にリーチとした。
















次局【牌譜9】愛澤はドラの
















続く2局も4者牽制し合う形で流局し南入した。10巡目の愛澤は苦しい形で進退を考えていただろうが、




















次局ラス目に落とされた坂井に4巡目イーシャンテンが入るがこれがチートイツではテンパイは難しく、大船に乗った愛澤にグイっと押されて終盤に26オール(タンピンドラ1)を引かれた。まぁ振り込まなければ局が増えるだけ歓迎かもしれない。
その2も愛澤にテンパイが入るが坂井には入らず流局する。坂井に残されたのはあと2局。南3局、その坂井はこんな苦しい形で10巡目テンパイ即リーチとした。

















残るは南4局【牌譜10】。坂井の配牌の悲しさ。坂井は第一ツモが
























































(◎愛澤/●坂井)
◆◆◆ 27回戦A卓 ◆◆◆
〈亀井0・藤森△1・愛澤3昇・松井△8〉
愛澤が軽い仕掛けから入った。2巡目、

















次局松井はピンフのイーシャンテンで浮かせていたドラを重ねると雀頭を振り替え、亀井から40をもぎ取り愛澤をあっさり交わした。
流局を挟んだ東4局、松井は11巡目に、



















その2は、3着目が近づいて来たラス目亀井がタンヤオの仕掛けを入れ3・6で愛澤を交わした。
南入すると、今度は一転藤森と愛澤の激しいアガリ競争となった。
南1局、愛澤が、

















南2局、藤森が、

















南2局その2、愛澤が、

















南3局、藤森が、

















南4局を迎えて、藤森25→愛澤41→松井83→亀井。松井はいつの間にか蚊帳の外に追い出されてしまった。
愛澤の配牌は、





















(◎愛澤/●亀井)
◆◆◆ 27回戦B卓 ◆◆◆
〈成岡10昇・坂井0・古川△2・小川2昇〉
点棒移動は2局のみで、
南1局【牌譜11】、成岡の原点リーチ、流局。
南4局【牌譜12】、坂井がオヤの第1打をポン、成岡リーチに捕まる。
この半荘はこれだけでいいような気がする。
テンパイは、この他、
東2局、古川が、




















































































南1局のリーチは片アガリにも取れるわけでヤミテンが一般的であろう。






































成岡のリーチを受け早速





















(◎成岡/●坂井)
◆◆◆ 28回戦A卓 ◆◆◆
〈松井△8・愛澤4昇・坂井△1・成岡11昇〉
東1局【牌譜13】愛澤の20・40で始まった。愛澤の岐路は8巡目、




































東2局から南1局までは全て流局。唯一のテンパイは東3局の松井で7巡目に、


















南2局【牌譜14】、愛澤の12巡目、




















南3局、南4局のオヤ番が控える成岡は是非ともアガって南4局を迎えたいところである。その成岡のイーシャンテンは8巡目でテンパイは14巡目と遅く加点することはかなわなかった。
南4局、松井の配牌は、








































(◎愛澤/●成岡)
◆◆◆ 28回戦B卓 ◆◆◆
〈藤森△1・小川2昇・亀井△1・古川△2〉
先ほどの27回戦B卓と異なり激しい半荘となった。アガリが8回出たのである。しかし点棒の延べ移動量は154。1回あたり平均アガリ点は20を割っている。動きだけを記載してみる。
東1局、古川16←小川

東2局、古川12←小川

東3局、小川16←古川 イーペイコウ
東4局、亀井3・6 ツモ
南1局、古川3・6 タンヤオ
南2局、小川30←古川 ピンフドラ1
南2局その2、藤森7・14

南3局 流局
この結果、南4局を迎えて藤森21→小川01→古川13→亀井となった。
最後を締めたのは亀井で、






















(◎亀井/●古川)
第41期順位戦A級 第4節 星取表 (11月14・15日/東京)
選手名 |
開始前 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
終了時 |
順位 |
亀井 敬史 |
1昇 | B − | B − | B − | A ● | B − | B − | A ● | B ◎ | ±0 | 4 |
成岡 明彦 |
8昇 | A ◎ | B ● | B ◎ | B − | A − | A ◎ | B ◎ | A ● | 10昇 | 1 |
坂井 準司 |
±0 | A − | A ◎ | A ◎ | A − | B ● | B ● | B ● | A − | △1 | 5 |
小川 隆 |
2昇 | B − | A ● | B − | B − | B ◎ | A − | B − | B − | 2昇 | 3 |
愛澤 圭次 |
1昇 | B ◎ | B − | A − | B ◎ | A ● | B ◎ | A ◎ | A ◎ | 5昇 | 2 |
藤森 弘希 |
±0 | A ● | A − | A − | B ● | A ◎ | B − | A − | B − | △1 | 6 |
松井 秀成 |
△7 | B ● | A − | B ● | A ◎ | B − | A − | A − | A − | △8 | 8 |
古川 大樹 |
△1 | A − | B ◎ | A ● | A − | A − | A ● | B − | B ● | △3 | 7 |
立会人:山内 啓介