第37期八翔位戦 卓別リポート

  1次予選2次予選準決勝出場選手システム

準決勝:6戦制/各卓2昇以上の単独首位者勝ち上がり


A卓:苦節30年、初の決定戦へ!
A卓
終了
愛澤 圭次 A級 △2
古川 大樹 A級 2昇
田中  実 B級 △3
山内 啓介 B級 3昇

 「古川2・山内0・田中△1・愛澤△2」で迎えた4回戦の南4局並びは「田中68→古川12→山内28→愛澤」で、山内はラス目愛澤との点差が08になるにも関わらず5巡目この形でリーチとした。

 1回戦で先行する古川に対し高目ツモのリーチサンショクで一度はトップ目に立つも、南4局のオヤ古川へのラス目田中の差し込みに1昇を阻まれていただけにどうしてもトップが欲しかったのだろう。これに対しラス目愛澤が2度のチーで対抗するが、これにより4枚目のが山内に舞い降り古川へ迫った。


【5回戦(田中△1・愛澤△2・山内1昇・古川2昇)】
 開局早々、古川が田中からタンピン(20)をアガるが、次局古川は愛澤にメンゼンタンヤオ(24)を打ち上げる。なかなか忙しい展開になりそうだ。

 流局を挟んだ東3局、愛澤はを仕掛けドラののくっつきのイーシャンテンとするとオヤ山内からリーチが飛んだ。愛澤は同巡を引くと躊躇なくドラを放つと山内からロンの声が発せられた。予測される一番安い形の42。振った愛澤は助かったと思ったか、展開の悪さを思ったのか。いずれにせよ山内は良い気分だろう。東場は山内がリードして南入した(山内50→古川46→愛澤06→田中)。

 南1局は流局し、南2局6巡目に古川にテンパイが入る。
 山内との点差を考えるとマチのリーチも面白いとみていると古川もリーチと発声した。だが曲げられたのは。なかなか強欲である。
 これに対し田中が対抗し9巡目に追いかけた。
は愛澤に2枚あり田中優位のめくり合いだが、古川は零牌のドラを引き寄せた(30・60)。

 これで古川は山内に110差をつけたトップ目になった。「古川3昇・山内1昇」で6回戦となると、「◎山内/●古川」以外決着してしまう。山内はもちろん大逆転を目論む田中、愛澤にとってもピンチである。

 そんな状況下のオヤ山内の配牌は、
 ピンフの見える早い手でめくられたドラ表示牌は。ツモる山内の腕に力が入り、6巡目には捨牌を曲げた。
良さげなマチに見えるが実は田中にが3枚、愛澤にが2枚ありヤマには薄かった。このため3段目に入るも山内はツモれず、後は田中・愛澤のどちらが刺すかの展開となり差し込みしやすいを持つ愛澤がその役割を務めた(120)。

 山内がツモれなかったことにより山内のリードは僅か10である。古川はアガればOKでその2に5巡目にテンパイが入りリーチ。
 ヤミの選択もあるが、たとえアガっても僅差で南4局を迎えるのが嫌だったのだろう。仮にのツモアガリなら大きなアドバンテージとなる。そんな判断だろう。が、は次々に脇に流れ、王牌にも2枚埋もれ流局する。

 南4局、古川の手牌はチューチャン牌であふれるがその連携は悪く、山内が首の皮1枚でトップを守った。
(◎山内/●愛澤)


【6回戦(古川2昇・田中△1・愛澤△3・山内2昇)】
 田中・愛澤は、相方をラスにしなければトップを取れない。今までの展開では古川、山内の壮烈な叩き合いになりそうだ。

 出だしは古川のポンからのテンパネ8オール。その2は古川・田中・山内がともに仕掛け、唯一メンゼンの愛澤に10巡目にテンパイが入った。
 アガリに条件のある愛澤は、一旦はヤミに構えるが、15巡目の古川のチーに対して、リーチ棒を投げたが、流局。

 東2局も、愛澤以外の3人が仕掛け、ここは山内が制した(田中→12+供託10)。場は激しいがアガリが安い。田中・愛澤にもチャンスはありそうだ。

 東3局愛澤はアガリに制限の掛からないようタンピンサンショクイーシャンテンから鳴き、山内からアガった(30)。

 その2も愛澤は仕掛ける。とポンし、4巡目にテンパイ。
  
 すぐに山内からが打たれるがアガれない。ツモとなるが田中からリーチがかかり、
 2人のめくり合いとなったが、田中が愛澤のロン牌を掴み、さらに60(+供託10)を加点した。

 その後は流局が続き、南場のオヤで愛澤がリンシャンパイでツモアガって、40オールを決めた。
  

 その2は、古川20(←田中)があり南4局を迎え、愛澤198→古川60→山内94→田中。4人とも延長戦を迎えるつもりだったろう、オヤ山内を含めて。そして終局すべく愛澤(ポン)田中(ポン)が動いた。ところがここに僕も終わらせますとイーシャンテンから古川がドラのを切ってきた。2枚持っていた山内は思わずポン。
 
 しかしこれで愛澤にテンパイが入った。
 
今ポンされただが仕方がない。このため愛澤がツモってきたが打ち出される。山内僥倖のテンパイで自力でをツモアガった。これで愛澤・山内は98差となった。

 その2も暗刻の配牌をもらい俄然色めき立つ山内。
 だが、その他の部分が悪く、懸命に仕掛けを入れるが、ここは田中のナキタンに交わされた(16←古川)。
(◎愛澤/●田中)


【7回戦(愛澤△2・山内2昇・田中△2・古川2昇)】
 条件が変わり田中・愛澤は自由にトップが取れるようになった。5連勝すれば決定戦である。まぁそんなことはないにしても制限がないのは楽だ。

 起家愛澤の配牌には、ドラのが2枚で、
最初のツモがその。打してイーシャンテンである。愛澤はを重ねると5巡目にその(古川)をポンしてテンパイとした。子方三人にとっては緊急事態である。特に古川、山内はこの半荘で決めなくても兎に角決着権は手離したくない、そのためのはラスを絶対に避けなければならない。その点田中はある意味自由であろう。が4枚切られたところで愛澤がツモに打としそこに田中はを切ってきた(120)。古川・山内はラスの心配が低ければかなり押してくるであろう。この後の展開はどうなるのか。

 その2は、愛澤が3巡目にチートイツのテンパイを入れるが、田中が7巡目にリーチを入れ一発でツモアガった(10・20)。これで古川、山内は前に出るとき少しラスの心配をしなくてはいけない。

 そんなオヤを迎えた山内は、3巡目に2枚目のを仕掛けた。
 
 三者への牽制込みであろう。山内にしては珍しい仕掛けである。が、これで田中のツモを引っこ抜き摸打に力が入った。他からは出るわけではないが山内のツモ筋に(田中の?)とあり山内にテンパイが入った。仕上げはで山内がトップ目に立った(40オール)。

 その2も、山内に好配牌が入り3巡目にはこうなった。
 ここから巡目がかかったが、と引いた11巡目にを引いてテンパイを果たす。が2枚が1枚飛んでおりは直前に愛澤が切っている。枚数的にはが優位とおもわれたが山内の判断はMax60オールのある待ち。これが正着で一発でを引き寄せた(40オール)。なんと、東1局120の愛澤に、東2局その2で210差をつけた。

 その3は山内にドラ3の配牌が入るもその他が整わず田中の4巡目リーチにオヤを流された(13・26)。とは言え、充分なオヤ番であったろう。

 東3局は田中がをポンしピンズのホンイチに走ると、13巡目に愛澤にこんなテンパイが入った。
 は田中の河の河を含めた2枚切られており山内が掴めばどうなるのか。山内はですら打ちたかったようだが自重し、3枚目のは田中から放たれた。山内・愛澤はこれで117である。まだまだ分からない。

 東4局は、もう一人決着権を持つオヤ古川が仕掛けるが流局し、南1局は山内がイーペイコーを愛澤から仕留め場を進めた(16)。これで、山内・愛澤の点差は149となる。

 南2局、愛澤は前巡最低で80を見据えツモってきたを手に留め、6巡目に、
と少し光明が見えてきた。
 だがオヤ山内には8巡目に、
 テンパイ打牌は初牌のでテンパイは明らかである。これにノーテンの古川が安目とはいえ、で打ち上げてしまう(60)。これで、山内・愛澤の点差は209。

 その古川は、その2で6巡目に打牌を曲げた。
 山内・古川は443差である。ラスオヤが残っているとは言え・・・古川は程なくを引いてきた(20・40)。山内・愛澤の点差は189。

 南3局は、とりあえずアガリを優先する田中が、オヤ5巡目にリーチとすると、
「思い出のマンガン」を和了した古川が、をツモり追いかけリーチをしてきた。
 これが案外が無くなんと古川にが舞い降りた(40・80)。古川一躍2着目で山内まで113とした。分からない、決着は分からなくなった。ただ延長という決着はない(山内113→古川76→愛澤309→田中)。

 南4局、追う古川の配牌が、
 片や逃げ切りたい山内の配牌が、
 山内の第1ツモがでさすがに山内の逃げ切りかと思われたが、ここから山内のツモが効かない。この間古川は手を進め13巡目にはドラを引いて、
と迫った。
 が、14巡目田中が放ったに山内の重い声が発せられた。「ロン」。11巡目にを引き入れテンパっていたのだ。(40/道中あり)。

 山内30年目にして初の決定戦進出。おめでとう。
(◎山内/●田中)


 

B卓:小川、完勝で再び決定戦へ!
B卓
終了
小川  隆 A級 3昇
寺西謙多郎 東京 △2
平山 友厚 東京 △1
山舗  徹 大阪 ±0

 小川の調子が良い。2連勝後の3回戦こそ南4局に2着目山舗とラス目ラスオヤ平山の挟撃を受け、山舗の先切りの筋で平山の現物を抜き山舗への放銃となりラスになるが、4回戦では、

のひとまくりで2昇に戻し2日目を迎えた。

【5回戦(平山△2・山舗0・寺西0・小川2昇)】
 小川がトップを取ればコールドゲームである。その小川は東1局2巡目にして、
のイーシャンテンとし6巡目にはを引き最高のテンパイとなった。観戦記者とすれば歓迎と思っているとその小川の10巡目のに寺西からロンの声が発せられた。64(ドラ入りのチートイツ)である。小川以外の三者にとっては最高の滑り出しとなった。後は、小川をラス目に閉じ込めて己のトップを目指すだけだ。

 ということで東2局オヤ山舗が10巡目リーチとした。
点数的には物足りないがそれ故誰からでもアガれる。
 これに対抗したのが寺西でタンピンサンショクのイーシャンテンとしていたが山舗の宣言牌をチーした。
 
 高い手は小川からしか当たれないので納得のチーテンなのかもしれない。寺西は少しキツイところを通し山舗のオヤリーチを蹴っ飛ばした(3・6+供託10)。

 東3局は次は私の番ですと平山が小川の第1打から鳴いた。
 
 小川からすれば自分がトップを取れないなら平山のトップがベストである。このため小川は真っ直ぐに手を進め平山にキー牌とも思えたを鳴かした。
  
 平山自身はそれほどアガれるとは思っていなかったかもしれないが、ワンズが結構ヤマに残っており、と引きフィニッシュは高目ので決めた(30・60)。寺西にしたら「勘弁してよ〜」である(平山91→寺西72→山舗51→小川)。

 東4局はラス目小川にテンパイが13巡目に入るがピンフのみではリーチに至らず流局し、南1局はオヤ平山の仕掛けに三者受けに回り流局、更には南2局も山舗に手が入るが(9巡目打後の10巡目)、
ツモがワンズに偏りゾウズを外していればアガリがあったがこれも流局した。

 南3局小川にチャンス手が入り、3巡目にして、
イーシャンテンとなり、5巡目にはを引き入れテンパイとした。そのテンパイ打牌を平山が仕掛ける。
 
 これで注目はは平山に集まり小川のテンパイがぼけるだろう。が小川のツモ切りが続きなんとなく不穏な空気が出始めるが10巡目の寺西にはを止めることはできず(80)、これで小川はラス目寺西と37差、3着目山舗と29差の2着目となった。

 南4局は40(寺西は32)を小川から直撃できるかという勝負となったが、3者目論みの手とならない中、平山が12の仕掛けで己のトップを確定させた。
(◎平山/●寺西)


【6回戦(小川2昇・平山△1・寺西△1・山舗0)】
 小川がラスを引かなければ決着である。そのためには小川のオヤ番での高いツモアガリが望まれる。という言うことで早速平山がリーチ棒を投げた。
欲を言えばもう一役あればよいが、6巡目リーチであるなら文句は言えない。がロン牌は脇に流れ流局する。これで残ったリーチ棒、というより平山の△10が連合軍の重しとなる。

 そんな状況であったが平山が入れたピンフのテンパイに寺西の国士模様を恐れた小川が放銃する(18+供託10)。連合軍の安堵である。その2も平山は遅いテンパイであったがこれをツモリあげ加点を果たした(8オール)。

 1人がチョーマを集め残り2人に配給する。これも一つの作戦だがそれには少し手が安い。そんな間隙を縫うように小川が、
とラス抜けを果たした(5・10)。

 東3局、ドラがで山舗を除く3人に配牌であったが、小川が自風を仕掛けテンパイとした。
 
 これに対しサンショクのイーシャンテンで押していた山舗がを打ち出すと小川は大ミンカンした。この鳴きで安目を引き16巡目にテンパイした山舗は、
小川の河にがあることから平山、寺西の2人に差し込みを誘うべくリーチとした。しかし小川の河にもう1枚ある上、寺西も1枚切っておりは通っていない。無駄なリーチ棒とみていると山舗は最終ツモでなんとを持ってきた(64+供託10)。無駄なリーチどころか無謀なリーチとなってしまった(小川36→平山45→寺西74→山舗)。

 緊急事態である。東4局オヤの山舗がテンパイを入れるも流局、南1局は寺西が仕掛けテンパイを入れる。
 
が、もちろん小川から出るべくもなく、また自力でツモることもなかった。その流局間際の17巡目ドラマチのチートイツをテンパイしていた平山がリーチ棒を投げた。寺西のアガリが望ましいが次善の策として自らのアガリでもということだろう。

 が、それだけではなかった。なんと次局も平山はリーチ棒を投げた。それもノーテンで。そう、平山は寺西、山舗の小川からの直撃条件を緩和したいのだ。だが、そんなにうまくいくのだろうか。

 南3局、オヤ寺西が攻める。
  
と点数としては頼りない。ただ連荘が目的だ。だが小川の視線はそこへ行った。平山が寺西には安全そうなを切ると小川もそれに合わせる。そこに山舗から声がかかった。ドラ入りチートイツで64(+供託20)だ。平山08→小川07→山舗10→寺西。なんと2本のリーチ棒が役割を果たした。それがなければ平山28→小川17→寺西10→山舗である。小川からの直撃条件がラス目から20が12に、トップ目・3着目からは28から20に緩和されている。微差に見えるかもしれないが切羽詰まった状態ではこれが結構大きい。

 南4局12巡目、山舗が、
 小川が、
 寺西が、
 13巡目、山舗がを引きテンパイが入る。その巡の小川のツモはで寺西の11・12巡がだったため、ここで小川が安全牌を抜いた。その次の小川のツモはである。局後の質問に小川は、「さすがに13巡目では・・・」と答えていたが。
 17巡目寺西はあたり易そうなを抜いた。18。条件は厳しくなったがもう1局となった。しかし今度は6巡目に小川が仕掛けた。
 
ここからと連続で引く。はどこにあるのかと卓を回り始めると小川はここにあるよと発声した。
「ロン(7・14)!」完勝でしょう!
(◎小川/●寺西)


C卓:翻牌完全ブロックで決定戦へ!
C卓
終了
坂井 準司 A級 △2
板川 和俊 B級 3昇
保里 瑛子 推薦 △2
牧野 卓人 東京 2昇

 初戦はトップを飾るも続く2回戦、3回戦を牧野に連勝された板川は4回戦南4局をトップ目保里まで128差、ラス目坂井まで84差で迎えた。その1は坂井に6オールを引かれるがその2に大物手が入った。

 高目ツモならヤミでも足りるがここはリーチとし高目をツモり板川は牧野と並んで2昇で初日を終えた。


【5回戦(牧野2・保里△2・板川2・坂井△1)】
 本半荘もオヤ・牧野の仕掛けから始まったが、上家・坂井の絞りによって流局となった。

 東2局も、牧野は3巡目のから仕掛けた。
 
を引き入れた後に坂井からが鳴けてテンパイとするが10巡目にドラのを引くとここはツモ切りとせずに手を掛けた。と落としてもアガリが無いと踏んだようだ。牧野は有効牌を引かずに手牌を出し入れするが安全牌に窮した坂井がトイツのに手を掛け、牧野は15巡目に再度張り直した(ポン)。この間にテンパイを入れていた板川は、牧野の外しにドラの2枚は分かっていただろうがを止めることはできなかった(40)。この半荘で牧野・板川がトップラスでも決着はしないが、6回戦は大きなハンディを背負っての戦いとなる。その並びだけは避けたいはずだが。

 東3局も牧野の仕掛けは止まらない。なんとここから仕掛けた。
 
 そしてを4枚並べた。牧野の目論見通りなのかどうかは分からないがここは流局した。

 そんな牧野に次局は11巡目にメンゼンでテンパイが入った。
 次巡を引くと出アガリが効く(南家)打とする。これを板川がポン。
 
 すると牧野はツモ切りリーチとした。強気のリーチである。さすがにドラ表示牌マチの板川は押しきれず流局した。

 南1局、牧野が残したリーチ棒が焦点となるが、これを目指して板川がカンから仕掛けた。これに対し坂井の10巡目、
 坂井の選択は板川に通っていないで次巡ツモがでテンパった。さて何を切るのか。前巡の選択から打かと見ていると坂井はドラを抜いてリーチと宣言した。
 これに対し板川は冷静に「ロン」(40+供託10)。
 
 仮に坂井がを選択したとしてもアガリはなかったようだ。これで板川は牧野に20差の2着目になった。

 南2局、牧野に早いイーシャンテンが入るが漸くが鳴けてテンパイすると、そのを切った板川が次巡ツモリアガった(4・8)。
 ここに至って牧野・板川が同点となった。両者3昇で6回戦に突入するのだろうか。いやいやそんな二人ではなかった。南3局も牧野が仕掛けると板川も真っ直ぐ打ち抜き放銃となった(20)。
 

 これで南4局を迎えて、牧野40→板川14→保里36→坂井。最初にテンパイしたのは保里で、
 牧野まで54差なのでリーチをすると安目の出アガリが制限される。保里の選択はヤミテンで高目限定のツモ直条件とした。
 これに板川が追いつく。12巡目にリーチとした。
   こちらもツモ直条件である。が、このリーチが保里を混乱に落とし込んだようだ。保里がツモって来たに「ロン」と宣言した。牧野は観念、板川は安堵をしただろうが、実際は届かず、牧野が3昇とした(7・14+供託10)。
(◎牧野/●坂井)


【6回戦(牧野3・保里△2・坂井△2・板川2)】
 延長条件は「●牧野/−板川」、或いは「◎板川/−牧野」のみである。

 この半荘も4巡目の牧野の仕掛けから始まる。
 
 これに坂井、保里が追いかける。坂井の8巡目が、
  
 保里が14巡目で、
 
 牧野は2者に追い抜かれ未だイーシャンテンである。
 
 もしここで板川がを打っていたら牧野はどうしたのだろうか。坂井のホンイチ、保里のタンヤオが見えているだけに抜けない牌ではなかったように思えるが、牧野にテンパイを入れさせるのも嫌だったのだろう。流局。

 東2局は12巡目に牧野はドラを重ねてテンパイを入れるがマチ選択で切り捨てたが保里のピンフに捕まった(18)。 

 その2は板川が3・6をツモリ同点トップ目に並ぶと、東3局はバックでお出かけした。
 
 坂井は腰が重いものの牧野はもちろん板川、保里も良く動きこんな仕掛けが余り抑止力を持たない。案の上保里からが放たれた(12)。延長条件が分かっているのだろうか、「◎板川/●牧野」は逆転で終わるのだが・・・。

 流局で迎えた南1局、牧野に8巡目テンパイが入る。
 ヤミならすぐに拾えそうなでラス抜けは果たせそうだが、板川24→保里03→坂井18→牧野の点差でヤミテンならどのようなアガリでも板川のトップ目は変わらない。ということで牧野の選択はリーチ。すぐにでもロン牌を引き当て頭まで行くかと思われたが、流局した。この流局が牧野に何らかの影響を与えたようだ。南2局再び牧野にテンパイが入るがリーチ棒が投げられない。
 いや、別に投げるのが当たり前と言っているのではない。準決勝だけでなく、1次予選、2次予選で牧野はこのような場面ではリーチをしてきたのである。皮肉なもので、こんな時はツモれる。ツモ(7・14)。兎に角ラス抜けだ。板川10→牧野17→坂井04→保里。

 南3局6巡目、板川はここから仕掛けた。
 
 牧野に対する牽制もあったのだろう。これが好仕掛けとなった。8巡目にはを引き打とカンチャンに受けた。前局ラス抜けを果たした牧野は打と直ぐに対応し、板川の次巡手出しに打とした。が板川の直前のツモはでそのはロン牌となり牧野は再びラス目に落とされた(40)。前局リーチ棒を投げられない弱気がここでも出たのだろうか。

 牧野は板川までマンツモ圏内にまだ踏みとどまる90差であるからまだ分からないと思っていたが、板川の南4局その1の配牌は、
 牧野もそこそこの手牌だが如何せんその中にがある。これが2巡目に打ち出され板川がテンパイ。ただ牧野以外からはアガりたくない。板川は保里の切ったロン牌を見逃しでツモアガった(20オール)。これで牧野の目標はラス抜けにほぼ限定された。坂井04→保里19→牧野となっており12の直撃(坂井・保里からの差し込み)か4・8のツモアガリを目指すこととなった。
 そんな牧野はやはり動いた。3巡目、
 
 アガリ役はかサンショク。坂井、保里の援軍を期待しての仕掛けであろう。なおは2枚目である。ネックとなるであろうと思われたを5巡目に引き入れると6巡目のツモがで条件は満たされた。後は「板川・王牌VS牧野・坂井・保里・ヤマ」である。
 流局。板川はと引き配牌であった1枚と合わせて3枚ブロックし王牌もお仕事をした。
(◎板川/●牧野)


2次予選:6戦制/各卓上位2名勝ち上がり


A卓:「延命のみ」は眼中なし!
A卓
終了
成岡 明彦 A級 △1
田中  実 B級 3昇
奥田 直裕 東京 △2
平山 友厚 東京 ±0

 初日を終え「田中2昇・平山0昇・成岡0昇・奥田△2」となっていた。ただし初日の最終戦4回戦の終盤は大嵐であったようだ。ラス前を迎えて、平山114→成岡76→田中02→奥田でこのまま終われば「田中2昇・平山1昇・成岡△1・奥田△2」となる。しかし田中の足元を少しほじくれば「田中・平山1昇、成岡・奥田△1」でまだまだ分からない。ここで田中は、あっさりと(ツイッター表現)20・40をものにしたそうだ。これで田中はラスの心配がほとんどなくなった。続く南4局成岡渾身のリーチ(ツイッター)を打つ。ラス親奥田は真っ直ぐにアガリに行くが18巡目に已む無く刺しに行く。ん!リーチで120?じゃツモ直でいいのではないか。本当にそんな手が入っているのか。奥田のに倒される成岡の手牌。

本日のスタート時の成績となった次第である。


【5回戦 平山0・奥田△2・成岡0・田中2】 
 東1局は、ドラがとあって4人とも手を慎重に進め流局となった。次局はオヤ・奥田がマイナススコアを背負い積極的に5巡目のから仕掛ける。
 
を引いたところでを先切りしドラに振りかえるとをポンして田中の打牌をとがめた(30)。上々の出だしである。

 その2は奥田ペースの展開を嫌ったのか平山が8巡目にチーテンを入れる。
 
 が薄いわけではない。高くなる要素もなくのアンコがあることからの仕掛けであろう。すぐにアガリを期待していたわけではないだろうが、テンパイ打牌のを奥田がポンすると(リャンシャンテン)次の平山のツモはであった(4・8)。奥田は安いとほっとしたのか、自らの動きでアガらせてしまったと考えたのか・・・。

 東3局は、7巡目にを引き入れた田中がリーチとした。
 無筋である。巷のマージャンではの壁にを余らせる奴がいるかもと発想できるのだが。その宣言牌を平山がチー(イーシャンテン)すると田中の河にと並んだ。これにを打ち出したのは奥田である(28)。奥田の救いは同点3着目で済んでいること。しかし心の内は?

 南1局は牌譜がないのが惜しまれる。全員1段目に好形のイーシャンテンを入れる。アガったのは最初にテンパイした成岡で田中から出アガった(16)。
 

 南2局は未だ僅差でトップ目を守る平山(平山04→成岡18→奥田16→田中)がチャンタ模様で仕掛けた。
 
 これを奥田は正面から喧嘩を買った。打とした後までツモ切った。奥田に幸いしたのはをポンした後平山が引いたのがだったことか(12)。

 南3局はラス目まで柴差となった奥田が仕掛ける。6巡目成岡からをポン、8巡目でチー(ドラ)。これに打とした田中が放銃する(16)。
  

 南4局を迎えて平山16→成岡14→奥田26→田中と奥田の一息入れるアガリである。その南4局で平山が田中にを鳴かせる。
 
を2枚使えるかどうかが焦点である。どうにか自力で進めたテンパイは、
 
が2枚使えたものの待ちは純カラである。が、ここで平山にテンパイが入り打ち出された牌はで田中の上家成岡に切り出す牌がない。やむを得ずとすると田中がチーし待ちを増やした。これで漸くテンパイと見えたのか平山は流れてきたを少考を入れたもののツモ切ってしまう(60)。

 その2は奥田、平山が鳴いて手を進めるがロン牌に巡り合うことはなかった。

 4回戦の差し込みによるトップ落ち、そしてこの5回戦の自らの放銃によるトップ目からラス目への転落。平山の心境はいかなるものか。また、自らの望む並び作れない奥田の心持は。
(◎田中/●平山)


【6回戦 奥田△2・成岡0・平山△1・田中3】
 この半荘も奥田が主導権を握るべく東1局からタンヤオ含みで動く(チー)が3者に受けられ、ツモも効かず流局した。

 次局は平山が押しを見せる。13巡目と遅いがリーチとする。
 ツモリ三暗刻狙いだがこれも流局する。この局にチャンスを逃したのは成岡である。10巡目、
で打とするとツモ。これをツモ切るとを引きその巡に3枚目のが見えたことからを抜いて降りに回った。だがその後と連続で引き臍を噛んでいた。

 リーチ棒が残った東3局には成岡が4巡目にテンパイする。
 そのテンパイ打牌を平山がポン。
 
 次に東を引き打としを引いてと落としていった。がそこからは成岡のツモ切りと合わせても手が進まない。一方の成岡は道中を喰い変えでタンヤオとするがを引いてダウン。その後と引くのはご愛敬だろう(には喰いが入る)。

 なかなか決め手が出ない中、東4局は奥田が6巡目にリーチとする。
 その宣言牌を平山がチーしを引き入れテンパイを果たすが、
 
 ここは何とか奥田がを引き寄せた(10・20)。これで成岡が2着目で同点3着目の田中・平山との差は10となった。奥田のトップは成岡のラスが必須である。ダントツにならなければ平山の協力を期待できない中どうやって成岡にラスを押し付けていくのだろうか。

 南入し、その奥田は3者に動かれないためかタンヤオ仕掛を見せるがドラのを引かされてしまう。他3者も行くほどの手が来ず流局となる。

 奥田にとって肝となる成岡がオヤの南2局、奥田は3巡目の成岡のから仕掛けた。
 
 かなり遠い仕掛けであるが主導権を取るためにはやむを得ないところか。が、奥田への放銃が心配ない(高い手ほど奥田はあたれない)田中は展開ラスを避けるべく8巡目に仕掛け返しポンテンを入れた。
 
この時奥田は未だリャンシャンテンだが歯を喰いしばりきついところを通し条件に適うテンパイにたどり着く。
   
 ツモればテンパネの13・26だ。しかし、奥田の乾坤一擲の仕掛けもを掴み儚い夢となってしまった(12、の振り替わりあり)。

 続く南3局も田中が平山との仕掛け合戦を制し3・6をツモリアガった。
 奥田31→田中17→成岡13→平山で迎えた南4局、このまま終われば田中・成岡の勝ち上がりである。平山が13をかわせば延長である。

 その平山の配牌、
 トップ目まで61であるからツモ次第ではヤミテンにせず勝負をかける場合もあるだろう。

 一方成岡から16以上を直取りし延長するしか望みのない奥田は、5巡目にを引き、
となり役ありへ変化を得た。が7巡目のツモは。しかも成岡は3巡目にを切っている。取り敢えずのテンパイだが、ラス牌が成岡から出るなんて1ミリも期待していないだろう。それでもテンパイを取りしかない。
 その中、平山が声を上げた。「リーチ」(8巡目)。
入り目の感触とドラ跨ぎのでは出ないとの判断であろう。ここに奥田が引いてきたのは。奥田の選んだ捨て牌に平山の驚きの声が轟いた。「ロン」(40)。

 この後の飲み会では更に大きな声が響いたことだろう。
(◎平山/●奥田)

B卓:苦しんで準決勝へ
B卓
終了
松井 秀成 A級 △2
山内 啓介 B級 1昇
佐藤やすし 東京 ±0
山舗  徹 大阪 1昇

【5回戦 山舗1・佐藤1・山内1・松井△3】
 松井にとってはなんとも辛い展開となってしまった。ただ、5回戦は自由にトップが取れる。それだけが救いなのだろう。というわけで真っ直ぐに攻めるつもりなのだろうが佐藤の押しに悩まされる。東1局は佐藤ノーテンからののドラ()切りに松井は受けるしかなく、東2局は第1打のを鳴かれてしまう。

 
佐藤はここにと引いてアガリは時間の問題と思われたが、上山にが無く流局する。ただ松井も指をくわえてみてきたわけでない。交わし手を避けチーテンを入れずにメンゼンテンパイまで持ち込んでいる。

 佐藤の攻めが止まらない。東3局も仕掛ける。4巡目、
 
ホンイチを目指したようだがドラ表示牌のを手に留めるとと引いてテンパイを入れた。これを交わすべく山内がチーテンを入れると佐藤の手元に高めのが引き寄せられた(30・60)。松井はがっかりであろう。

 東4局、オヤ・松井が第1打を河に置き少し良さげな配牌に気を取り直していると南家の山舗は第1打を横に曲げた。
 少し時間はかかったが高めのを静かにツモアガった(20・40)。

 そんな松井にもチャンスがやってきた。南1局5巡目、
 4枚目までは字牌しか切っていない。ここで松井はを曲げた。本人は期待していなかったろうがこれは全ヤマ。ところがツモれない。17巡目の最終ツモ番を迎えてもなおヤマに3枚。そして3/16を掘り当てた。なんとも激しい展開で、山内一人が残された。

 続く南2局も松井に手が入った。7巡目、
 ここにを引くと三暗刻狙いで打とすると次のツモはは4枚切れているが逆に良いマチといえよう。マチカエするとラス取りの覚悟を決めていた山内が松井ならとで放銃した(80)。これで松井がトップ目に立ったが佐藤との差はわずか10である。山舗も80差だがほぼラスの心配がないだけにトップをめざすだろう。

 ということで次局は最初に仕掛けたのは松井だが、オヤ・山内以外の3人の激しい叩き合いになった。
 松井が、
   
 山舗が、
 
 佐藤が、
 
 が2枚、が3枚の掘り起こし競争となったがここは松井が制した。

 南4局、佐藤は松井まで70でまだチャンスがある。ということで山内が終わらせるべくしかけると松井に要牌が入って40オールを決めた。
 松井渾身の逆転延長である。
(◎松井/●山内)


【6回戦 山内0・松井△2・山舗1・佐藤1】
 松井のトップ条件は山舗か佐藤のラスである。東1局、山舗にお化け手が入る。5巡目、
 
 河は。ホンイチ仕掛けに見えたとしてもテンパイとは思わないであろう。これに対し知らぬが仏の松井がでツモアガる(13・26)。
 山内のオヤ番であるが、並びは追々作れば良いとことであろう。今はチョーマを集める時だと。

 次局は佐藤が1巡目ポン、3巡目チー、8巡目ポンと激しく仕掛ける。
   
かなり無理な仕掛けかと思われたが佐藤はこれをアガりきる(5・10)。

 東3局も、佐藤は仕掛け、終盤テンパイを入れるが流局する。
 

 攻め続ける佐藤に次局落とし穴がやってくる。10巡目佐藤はテンパイを取ってしまう。
 そしてテンパイ維持のためを空切りすると山舗から声がかかった(80)。

 南入しオヤを迎える山内にとっては嬉しい展開である。延長もよし、万が一の逆転トップもまた美味しいである。その山内に4巡目リーチが入る。
 を引き入れたもので一見もったいない気もするがドラがでは勝負だろう。程なく山内は牌を叩きつけその体躯のような怒声を上げた。「40オール」。

 まだわからない。山内77→山舗20→松井115→佐藤である。が、山内は松井から18を加点すると、山舗も早く決着したいと16を佐藤から上がり場を進める。残り2局で松井は133を捲くれるのだろうか。

 オヤ・松井の南2局12巡目。松井は、
からを抜いた。が薄く、周りに色気を感じたとのこと。このに山舗が素早く反応した。
 
片アガリだが松井の親を嫌ったのだ。そして松井の次のツモがでオヤは流れた(20)。

 2局で153。松井に課せられたハードルの高さである。このハードルを越えるべく松井は8巡目にリーチとする。
 松井の6巡目にはがあるがそんなことは関係ない。山に残された3枚のを求めるだけである。
 その陰で佐藤が一発逆転を狙っていた。11巡目に、
とヤミテンに構えると17巡目にを引き打のリーチとした。が、アガリの女神はそんな二人に微笑むことはなかった。

 もう点差的には松井は自らに期待できない。後は佐藤の爆発を待つのみである。その松井の期待を裏切るべく山内が動いた。5巡目、
から佐藤のに飛びついた。するこれに呼応するかのように山舗からが切り出される。最後は松井が力なくは河に置いた(12)。
(◎山内/●佐藤)

C卓:虚しい1巡増やし
C卓
終了
坂井 準司 A級 2昇
古川 大樹 A級 ±0
忍田 幸夫 推薦 △1
並川 貞行 東京 △1

 忍田にとって不本意な初日であったろう。特に4回戦はオヤで11巡目にチートイツをテンパイし地獄待ちのでリーチとしたが、は王牌でその後のツモにドラが2枚あったのである。このリーチ棒は南場まで残り、東2局の並川のリーチ棒と合わせ6オールで回収する。しかしその2で並川にドラタンキリーチをツモられると南2局にはオヤ・坂井のソウズホンイチ仕掛け(ポン)の陰で手を進める並川にで痛恨の放銃をしてしまう。

 並川はを切るよりも、高めのマチがありかつ坂井の現物のを選んだことにより、160の大物手となった。
 さて、忍田の巻き返しがみられるのだろうか。


【5回戦(坂井1昇・古川0・忍田△1・並川0)】
 この半荘も並川の仕掛けから始まる。チー、チーと仕掛けチンイチのイーシャンテンとすると、オヤ・坂井がを手許に引き寄せた。
 1昇持ち坂井の大きな大きなリードである。このため古川は、ラスを回避すべく軽く流せる手は流すべく仕掛けを入れ12を2回アガり南入させた。

 南1局に忍田が絶妙な手順を見せる。4巡目、
忍田の選択は。次にを引いて打とすると最後はツモで決めた。が薄かったといえスムースな打牌であった。がリーチも掛けられず、トップ目坂井まで115を残すアガリである。
 結局この半荘は並川の5・10はあったもののこのまま終了した。
(◎坂井/●並川)


【6回戦(並川△1・忍田△1・坂井2昇・古川0)】
 この半荘も並川のリーチで始まった。
 これは流局となると、並川は次局ピンフをヤミテンとしリーチ棒を回収し、東3局に再びリーチ棒を出した。
 これはのくっつきテンパイに10巡目にを引いたもので、一旦はヤミにするもその後をツモ切りし13巡目に宣言したものである。これにをアンカンしていた古川が一発でを掴み放銃する(52)。更に古川は、東4局に坂井に20を献上する。

 その古川に南1局にピンフドラ2の手が入りこれをリーチの上しっかりツモリアガった(20・40)。このため忍田はラス目を押し付けられた(並川24→坂井04→古川16→忍田)。

 南2局の忍田はオヤ番でイーシャンテンとなったところで並川にピンフをツモられ(4・8)、更に3着目古川までの20を追う次局は13巡目に、
のテンパイを入れるが流局する。南4局も15巡目にやっとリーチとするも、
 残り2回のツモ番は少なすぎたようだ。それでも延長戦だ。
(◎並川/●忍田)


【7回戦(坂井2昇・並川0・忍田△2・古川0)】
 忍田にとって望みをつなぐためには自らのトップと坂井のラスしかない。しかし7回戦も並川のリーチから始まった。6巡目、
これに対し12巡目に古川がドラを切ってきた。
並川、古川もヒヤヒヤで勝負を掛けているのだろうが忍田はたまらないであろう。が、勝負は引き分け・流局となり忍田は一息をつく。なお、古川のヤマにがあり勝負を避けていると30・60があったのかもしれない。

 そんなことは分からない忍田は次局7巡目ポン5巡目ポンと前に出た。
  
 古川はオヤ・並川のオヤカブリは望むところであるが、8巡目並川はを鳴かせてしまう。これで高め30・60となるテンパイである。少し時間がかかったが忍田はを引き寄せばら撒くべきチョーマを手にした(20・40+10)。

 忍田は続くオヤ番でも攻めを見せた。1巡目ポン、7巡目ポン、
  
 これに対し並川は、
からオリを選択した。この後並川に、忍田にの引きがあっただけに並びを作る忍田のチャンスは一つ流れた。

 次局は並川がドラのマチチートイツをテンパイし、ツモがないところから忍田がチーを入れ並川のハイテイを回した。忍田はここまで高い手と思っていなかったのだろうが・・・。でもそこにはドラはいませんでした。

 南入しても忍田は動く。何はともあれ坂井に来て欲しくないのだろう。これがうまくいったのか、忍田は古川にで放銃する(40)。
 一つ関門を超えた(忍田30→古川40→坂井30→並川)。あとは並川がラス抜けを果たしてくれればよい。同点3着でも構わない。
 が並川にテンパイが入らない。南2局は15巡目に至ってリャンシャンテンで、南3局は2巡目、4巡目ポンでもその後のツモが効かずテンパイしないのだ。
  
 南4局も12巡目に並川が、
 忍田が、
 忍田に40のテンパイが見えるが坂井の放銃があるのだろうか。対局終了後忍田は「リーチ棒を投げるべきだったのかな」と言っていた。この場面だけでなく前局でも考えていたとのことだ。そうすれば並川の手作りが楽になる。

 この局、忍田は再びチーを入れハイテイを並川に回すが、テンパっていない並川には空しいツモが1回増えただけであった。
(◎忍田/●並川)

D卓:最終局での大逆転
D卓
終了
愛澤 圭次 A級 1昇
板川 和俊 B級 4昇
稲毛千佳子 推薦 △4
村田 光陽 東京 △1

 スコアを見れば板川がツイていたことは分かるだろう。その割を食ったのは村田であろうか。1回戦板川の10オール2発の先行をタンヤオドラ3で交わすも(放銃愛澤)南4局12差の板川に3・6で再逆転される。「出アガリにしてくれよ〜」と言いたかったことだろう。2回戦はドラで愛澤に64を献上する等、納得の放銃もあったが見どころは作った。南4局102差を捲くるべくドラ待ちチートイツをリーチする板川に国士無双のテンパイで追いかけリーチを打ったのだ。如何せんロン牌はヤマになかったが(流局)。
 そして3回戦、南4局を迎えて愛澤43→板川49→村田05→稲毛。ラスオヤの板川がピンズホンイチ模様で仕掛けると05を追う稲毛は、

が切れずとすると板川のテンパイ打牌にはチーテンを掛けで120を放銃する。
  
 その2は、14巡目に村田がリーチとする。
 なら大逆転である。村田の一発ツモはでさすがにアガリを選択した。3回戦に限っては割を食ったのは愛澤か。
 4回戦は板川が力でおしきった。


【5回戦(愛澤0・村田△1・板川3昇・稲毛△2)】
 東2局5巡目、愛澤がポンテンを入れる。
 
 ここにを引いた愛澤はホンイチに向かい次巡ツモでテンパイとなる。
 これに村田はこっそり追いつきヤミテンとした。
 を引きアガったのはを引いた後で26オールとなった。その2は愛澤が安めで7・14とするとその後は板川5・10、村田3・6、愛澤20(板川)と3者が上がりを重ねて南3局を迎えた(村田60→愛澤47→板川10→稲毛)。
 オヤ・板川は6巡目に、
の絶好のイーシャンテンとなる。しかしここから引いたのは。仮テンの打とするが一向にワンズを引かない。それでもを引いたので役はできた。一方ラス目の稲毛にテンパイが入ったのは16巡目。
 稲毛は次巡ツモに少考入れツモ切りとし最後のツモにかけると渇望のを板川が叩きつけた(40オール)。傍からも稲毛の落胆が分かる板川のアガリであった。その2で板川は、ご愛敬で稲毛に20を献上するが、南4局は自ら12で〆た。
(◎板川/●稲毛)


【6回戦(愛澤0・村田△1・板川4昇・稲毛△3)】
 稲毛のトップは愛澤のラスが必須となる。そんな稲毛の17巡目のツモアガリから始まった(4・8)。
 テンパイ巡目が分からなかったが条件を考えるとリーチもあったのではないか。それともツモの回数があまりに少なかったのか。

 瞬間のラス目となった愛澤だが、流局を挟んだ東3局にトップ目まで抜ける。といいても高め安めの差が大きく満足するものではないだろう(5・10)。
 村田にとっては愛澤のラスは必須ではない。ただ、この半荘で決着をつけるなら自らのトップと愛澤のラスが条件となる。ということで東4局のこの手をヤミにしツモアガった。次善の結果である。
 ただ成岡ならリーチを掛け自らのトップを確かのものにしていたように思える。これはスタイルの違いで是非の問題ではないだろう。このアガリで延長への条件はできたのだから。

 南1局は村田までの78を追いかける愛澤が6巡目に軽い仕掛けを見せた。
 
愛澤にしては珍しい仕掛けだが、村田への牽制もあったのだろう。が、村田は意に介せずも愛澤に鳴かせ(打)、その後テンパイの入った愛澤からを仕掛け返し追いついた。
 
 ドラを持たない村田の押し返しで、どうしても愛澤のアガリを阻止したかったのだろう。この仕掛けに愛澤が戦(おのの)いた。自らのドラは1枚。対して村田はWでドラが絡めばかなり高い。ラス目まで42の愛澤には守るべきものがある。結果愛澤は降り本局は流局した。

 南2局の愛澤のテンパイは、
 大きく村田との差を詰めるには三暗刻への手変わりを待つしかないがこれを稲毛からアガり匍匐前進する(16)村田63→愛澤。  愛澤は次局もチートイツをテンパイするが選択はやはりヤミ。ツモれば23まで詰め寄れるが出アガリは45残る。僥倖の直撃は31。難しいところである。ここは板川から16を獲得し再び1歩前進した。

 南4局を迎えてその差は45であるが、これを捲くれなくても愛澤は負けるわけではない。村田は捲くられれば終了である。そんな愛澤の配牌は、
 第1ツモはで打。ドラタンキにすれば板川の差し込みも期待できる。後は両面を引けばいいだけだ。次巡を引いてイーシャンテンとなるが、が3枚飛んでしまった。引けるのかという局面でと連続して持ってきた。これでが焦点となりツモか直撃で勝ち上がりである。決着は瞬時についた。愛澤は無駄ツモなくあの配牌を5巡で13・26にしたのである(ツモ)。
 今日も村田にはツキがなかったのか・・・・。
おまけ:この13・26で稲毛のオヤカブリで板川はラス抜け。
(◎愛澤/●稲毛)


E卓:仕掛けて準決へ
E卓
終了
五十嵐 毅 前八 △1
藤森 弘希 A級 △1
寺西謙多郎 東京 1昇
牧野 卓人 東京 1昇

【5回戦(牧野0・寺西1昇・五十嵐△1・藤森0)】
 開局早々に牧野が仕掛ける。2巡目、

 
 牧野はホンイチ指向に打ち進め一人旅かとみていると五十嵐がオタ風とはいえ初牌のを切り出した。牧野はポンすると五十嵐が次巡のツモで手を開けた(5・10)。
 三色の一手変わりで押してきたのだ。手変わり前とは言え嵌の感触は良かっただろう。

 次局も7巡目にドラメンツをチーしテンパイを入れた。2度受けのドラ表だけにチーしたのだろう。
 
 五十嵐はすぐにドラを引くが淀みなくツモ切った。これに対し牧野にテンパイが入る。
 が2枚見えているだけに押し難いが牧野は真っ直ぐに攻めで放銃した。(20)

 牧野は次局もラス目ゆえとリーチで攻めるが流局する。

 東4局もこの形からポン。
 
 真っ直ぐなら打なのだろうが、鳴きなれている牧野の選択は。タンヤオへの移行をもみた打牌である。また、供託のリーチ棒を守る動きなのだろう。そこに牌を合わせていたような五十嵐からロンの発声が。
30・60の超大物手である。これで供託は五十嵐に取られたもののラス目牧野と3着目藤森の差は05に詰まった。

 そんな牧野に逸機が出る。南1局オヤの10巡目、
からを手放すのである。が2枚切れているだけにチートイツを見たのか、少しでもホンイチを紛らわせたかったのかわからない。すぐにを引き(ツモ切り)更にはを2枚引きリャンペーコーをテンパイさせる。最後はの空切りも見せるが流局した。

 次局は流局するが南3局はラス目牧野と3着目藤森の真っ向勝負となった。最初に仕掛けたのは牧野。打1打にドラのを選択し6巡目に動いた。
 
 これに対し道中ドラを2枚引いてアンコにした藤森が7巡目にオタ風を仕掛け返した。
 
 トップ目五十嵐でなくてもぞっとしたであろう。ドラのアンコは確定である。2着目寺西まで35差の牧野は未だイーシャンテンでオリもあるのだろうが如何せん安牌が少なく受けて立った。と引き藤森の加槓の後やっとを引いてテンパった。が安牌となっていたが選択はで藤森からのでラス抜けを果たした。トップ目までが遠いだけに藤森の途中撤退があってもよかったように思える。

 南4局はラスオヤ藤森の逆襲を避けるべく寺西、牧野(バック)が仕掛けるが両者とも撤退している。その藤森はくっ付きテンパイとなり、
持ってきたのはを先切りしており若干の期待を持てるほか手変わりもあるが、このまま流局した。
(◎五十嵐/●藤森)


【6回戦(寺西1昇・藤森△1・五十嵐0・牧野0)】
 この半荘も牧野の仕掛けから始まった。がこれが対面藤森からのポンで次巡の牧野のツモ牌が藤森に移動した。
 藤森は最初のテンパイからに振り替わっており気分上々であろう(13・26)。それより助かった牧野の気分が上がったようだ。何しろはツモ切りする牌で、また次局牧野はリーチ棒を投げられるのだから。9巡目リーチ、
 これをでツモアガって単独トップ目に立つと(13・26)、東3局4巡目に藤森のに声を掛ける。ポンではなくロンと(40)。
 これには4巡目に国士無双リャンシャンテンでを余らせていた親の五十嵐が何事ぞとツモリ掛けていた手を静止させていた。悔しさをにじませる静止であった。

 次局五十嵐の15巡目、
已む無く打とするが、オヤ牧野は10巡目にテンパっており、
17巡目に五十嵐の2枚持ちをツモリ上げた(40オール)牧野253→藤森12→五十嵐13→寺西。これで牧野がダントツになり五十嵐、藤森は寺西をラスにするしかない。

 その寺西はその2で連合軍に第2弾を浴びせた。
放銃したのは藤森で1番の安めであったことがせめてもの救いか(16)。

 ここで五十嵐から提案があった。卓上に乗せるチョーマを浮き点から2万点を超える分にしないかと。下3人の差を明確にするためである。立会人の下、4者の了解が取れ、4人の卓上にはそれぞれチョーマが置かれた(寺西37、藤森30、五十嵐34、牧野299)。

 南1局藤森が最低限の仕事をした。ドラがで手を高くする望みの無い中、
先ほどの寺西への16でラス目に落ちていたがこれで僅差ではあるが2着目となった(3・6)。ただし寺西と五十嵐は同点3着目である(藤森11→寺西・五十嵐)。

 次局も牧野は6巡目オタ風に動いた。
 
 これに対し南家五十嵐も仕掛け返す。7巡目、
 
 牧野の仕掛けにファン牌のバックはきついところであるが、寺西にファン牌を切らせない狙いもあるのだろう。それがどうしたと牧野は時間がかかったがと引き寄せ藤森再度ラス目を押し付けた(20・40)。

 南3局、取り敢えず連荘を狙う五十嵐に牧野があざ笑うかのように7巡目にリーチ棒を投げた。五十嵐は、
の最大広げたイーシャンテンだったが、即で引いてきたのはだ。五十嵐長考の末1枚を切ったがその牌に牧野から声がかかった。
 五十嵐の選択はで40の放銃である。

 残り1局。藤森は52を五十嵐は28を(70符を無視すれば)を寺西から直撃しなければならない。そんな二人の8巡目は、
 藤森が、
 五十嵐が、
でなんとも苦しい形。最終盤に五十嵐がトイトイ含みで仕掛けるも両者にテンパイすれ入らなかった。
(◎牧野/●五十嵐)


F卓:縺れた南場
F卓
終了
亀井 敬史 名翔位 △1
小川  隆 A級 ±0
保里 瑛子 推薦 2昇
岩沢 和利 東京 △1

【5回戦(小川0・岩沢△1・保里1昇・亀井0)】
 マイナスを背負う岩沢だが、開局6巡目から、彼らしく仕掛けてきた。

 
 昔岩沢と八翔位戦予選で同卓しドラなしの12の仕掛けを3局連続でされたことがあるが、本局はドラがある。岩沢はこれを手堅く上がり一歩リードした(5・10)。

 次局は保里のタンヤオドラ2の遠い仕掛けに岩沢がの後付けで仕掛け返すがこれは流局した。

 東3局小川の7巡目の迷いどころ。特に材料はない。
 小川はを選択すると9巡目のツモがで、保里からすぐにが放たれた(40)。

 この後南3局まで流局するのだが、ラス目保里にはテンパイが入るのだが点数が足りず、前に出にくい状況であった。

 南4局、オヤ亀井に7巡目チャンス手が入る。
 一気に頭まで狙える手である(小川10→岩沢25→亀井40→保里)。しかし保里までが40ということで亀井は10巡目に保里のにポンテンを掛け2巡後のもツモ切った。ドラを喰い取られた保里であるがドラは必要とせず、13巡目にリーチとできた。
 薄いと思われたであるが保里は一発でを引き寄せた(7・14)。亀井は苦笑するしかなかった。
(◎小川/●亀井)


【6回戦(小川1昇・保里1昇・岩沢△1・亀井△1)】
 東1局、小川の10巡目、
 イーペーコーにファン牌のトイツがあるだけに悩ましいテンパイである。初牌のもいいマチとは言えないが、切ると警戒される。ということで、小川の選択は打。これに岩沢が即で振り込んだ(24)。

 亀井、岩沢は自らのトップと小川、保里のいずれかのラスが必須である。それが岩沢→小川の放銃から始まった。それでも24は傷が浅い。まだまだ並びは狙えると亀井が潜航した。その2の9巡目、
 すぐに岩沢からが出て当然見逃すが直後のツモは。アガれば小川と同点だが勿論ツモ切りだ。そのツモ切ったは横に曲げられていた。しかし山に何枚かあったは亀井に訪れず、も帰って来ることはなかった。流局(終了亀井が語っていたが101公式戦での振リテンリーチは生涯2度目とのこと)。

 東2局、遠い仕掛けをしない西家亀井だが供託を守るためか8巡目に面白い仕掛けを入れた。
 
 そこにお前にはトップを取らせないと岩沢が10巡目に参戦する。
 
 高い手はお互いからはアガれないだけに岩沢はポン(亀井)にドラまで飛ばしてきた。亀井はこちらも放銃はないとみてこれをポンする。結果は流局。八翔位戦らしい瀬戸際の勝負である。

 東3局は小川、保里が先手を取り保里が供託込みのナキタンをアガった(3・6)。

 それでも虎視眈々と標的とのトップラスを見据えた亀井、岩沢の連合軍に入ったテンパイは岩沢の、
 しかし引いてきたのはで岩沢は力なく7・14と申告した。

 東場が終わり、保里01→小川16→岩沢25→亀井。アガリが安くまだまだ分からない。

 南1局は保里の一人テンパイ(ピンフドラ2、高目イーペーコー)で流局し、次局オヤ保里は7巡目にドラ、ファン牌のないこの形で仕掛けた。
 
 マチは良くないが親だけに牽制込みであろう。これに対し亀井がタンヤオでチーを入れると保里は道中を加槓し、ハイテイで2枚に残っていたロンパイのをを引き寄せた(40オール)。亀井、岩沢にとっては流局目前だっただけにがっかりするところであるが、保里は更に追撃を掛けた。
 亀井の仕掛けを受けたその2の11巡目にリーチ。
一発目にを引くのはご愛敬でこれを亀井からで出アガって(24)、これで点差は保里185→小川16→岩沢49→亀井となった。

 ほぼ終戦と思ってみていたのだが、ここから混戦になるのだからマージャン―八翔位戦は分からない。

 まず、その3で亀井が20・40で2着目に上がり小川を捉え2着目に上がる。
 

 南3局はオヤ岩沢の9巡目が、
 通常モードであれば打と思われるが、緊急事態・アガリを逃すことは許されないのである。また、が1枚見えており差し込みも期待できるのであればチートイツを本線に手を進めるかとみていたが、岩沢の選択はの通常モード。案の上その後のツモはからを挟んで。チートイツであればアガリまでは分からないがテンパイはできているが16巡目で未だイーシャンテン。
 これに差し込みを目指す亀井がを打ち出す。これでが出にくいかとみていたが、亀井の次巡は。岩沢は大きな声でテンパイを取った。しかしは保里に2枚、小川に1枚で、亀井は持っていない。亀井は678のサンショクが本線とみて手の内でロン牌となる可能性がある唯一の牌を選ぶが勿論差し込めない。しかし保里がハイテイでを掘り起こしたように岩沢もハイテイでを掘り起こした(40オール)保里21→岩沢109→亀井35→小川と、あの点差がこうなり、岩沢があと21を詰めれば延長である。その2、岩沢は5巡目に、
とし、同巡のにチーテンを入れた。30のテンパイで条件は満たした。そしてそのを亀井は2枚持っている。しかしもう1枚を持っているが保里がピンズのホンイチに走り10巡目にポンテンを掛けたため、
 
 亀井はピンズを選ぶことができなかった。最も保里も打とすることができず岩沢のツモ切りを許すことになっていた。最後のは誰に行くのか。それは降りに向かった保里の手の中にしまわれ、流局となった。

 残り1局。岩沢の配牌は、
 ドラこそあるがテンパイが見込めるかどうかの配牌である。しかしここから、と持ってきて打牌はで、
次のツモがで前巡の字牌選択がうまくいった。ここでの岩沢の選択は。亀井からは40がアガれないためである。この後を入れ替えたところで保里からが出る。岩沢は力強くポンテンを入れ、打のソウズのテンパイを見せた。2巡後更にを引くともっと分かり易くと打とマチを変え亀井の差し込みを待った。しかし亀井にはソウズがしかなくこれを空しく抜くしかなかった。
 一方岩沢にを鳴かした保里は13巡目に漸くチーテンを入れることができた。
 
 チーテンを入れさせた小川であるがは岩沢にも危なく抜くことができない。最後は保里が自力でをツモリ混戦となったこの半荘を〆た。
(◎保里/●小川)


1次予選:4戦制/各卓上位2名勝ち上がり

A卓:延長戦の行方は・・・
A卓
終了
平井  淳 B級 △1
稲毛千佳子 推薦 2昇
井上 祐希 東京 △1
牧野 卓人 東京 ±0

文:平井 淳
 6半荘を戦って、平井1昇、牧野・稲毛0、井上△1となり延長戦は8月15日となった。ということで、負けてないうちに簡単にメモを残しておこう。

【1回戦 稲毛・平井・井上・牧野(座順・以下同)】
 先行きを不安にさせる1回戦であった。配牌に恵まれ稲毛から2役ホンイチ80をゲットするも、後はチョーマが削られるだけ。稲毛の20・40に始まり牧野→井上の60を除きツモアガリが6回出た。ただ稲毛のアガリは上記の東2局私がオヤでのタンヤオサンショクだけでなんとか15差でラス逃れをすることができた。なお、リーチは牧野が3回、井上が2回でアガリは牧野に2回にツモアガリでいずれも一発ツモでありました。


【2回戦 牧野1昇・井上0・稲毛△1・平井0】
 暗澹たる気持ちで2回戦を迎えると、稲毛の5・10でオヤカブリの牧野に12を献上しラス目になってしまう。更に稲毛が40オールで突き抜けると残された3人でラスの押し付け合いとなるが再度牧野にで16を進呈してしまう。それでも東4局のオヤ番で6オールでシバ差に迫ると南1局に4・8をアガリ、何とかラスを逃れることができた。


【3回戦 平井0・井上△1・稲毛0・牧野1昇】
 青息吐息で3回戦となるが、東家井上に18、120と奪取されてしまう。いや、単に私のヌルさ故ですが。まぁ井上のトップはしゃーないと身を低くする覚悟を決めていると東4局に僥倖の配牌に恵まれ、2巡目には
となった。引きならリーチもあるかなと欲をかき始めるが引いてきたのは。仕方がなくテンパイをとるとその後のツモは。半分あきらめているとトップ目井上がワンズに寄せて打。これに対しオヤの牧野もピンズに寄せ始めた。結果は更なる僥倖の牧野からの直撃で今回もラス逃れをすることができた。


  【4回戦 平井0・稲毛0・井上0・牧野0】
 開局早々の5巡目でこの形となった。
 字牌が出やすいこと、チートイツではマチが苦しくなるこからここで打とした。3巡後にをポンしてイーシャンテン。ところがここに牧野がリーチを被せてきた。3回戦でラス逃れできたこと、また4回戦での決着はないことからここは押してみた。牧野からをポンし、最後はをツモることができた。

 この後井上のリーチのみの手に牧野が2連続でダイブするも、井上からタンピンドラ1を召し取り漸く片目を開けた。


  【5回戦 井上△1・稲毛0・平井1昇・牧野0】
 東1局に7・14をツモアガる。4回戦から続く好調に気をよくしたのか東2局に余り出掛けるつもりがないところからピンフドラ2のイーシャンテンになった。配牌からあるで右手に近いを選択すると牧野のポンの声にいささか驚いた風に稲毛のロンの声がかぶさってきた。
 アチャ!その後は何とかオーラスにラス抜けリーチのところまでは追い上げるもののそこまで。


【6回戦 平井0・井上△1・稲毛1昇・牧野0】
 ピンフがはっきり見える配牌をもらう。第1打はからを選んだ。牧野がソウズのホンイチ模様で仕掛けてきたが、9巡目にドラのをツモ切り11巡目にピンフドラ1のテンパイなる。を勝負してテンパイを取るとその以後のもツモ切った。ブラフ気味もあったのだろうか、牧野が降り始めた。そして最後に選んだのがで30の収入。

 流局を挟んだ東3局は、
にツモで安全牌のを残して打とするとその後のツモがで挙句の果てにときた。アガリを逃しと諦める気持ちであったが、捨牌が派手になったせいか一人旅となりを引き寄せ7・14の加点を果たした。

 その後は、井上、牧野が各々ノベタンリーチを引きあがるが、10オールと13・26でかろうじてトップめを守りオーラスをポンで逃げ切った。


 1日目を終えて、「平井1昇・稲毛・牧野0・井上△1」。
 よーリーチアガりますな。こいつら。結局牧野が9打数4安打、ツモ4回。井上が7打数4安打でツモ2回。私はラス目の苦しいリーチが2打数0安打。稲毛はリーチって何ですかの0打数。
 たまたま1昇は持ってますが勝てる気はしませんな。8月15日は4回くらいは打ちましょうよ。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※

【7回戦 牧野0・平井1昇・井上△1・稲毛0】
 1・0・0・△1。随分有利なポジションのはずである。が勝てる気がしなかった。その気分でもらった配牌にドラのが1枚。まぁチートイツ狙いでのんびり打とうと思っていると第一ツモでを持ってくる。改めて手牌を見ると5ブロックが見えている。字牌を処理しつつ強めに手を進めるが中盤に至るも面子は1つできるだけ。そんな時に稲毛が初牌のを切ってきた。そろそろ降りるかと思っていると次に手牌からを切ってきた。テンパイとは思ったが稲毛に降りてもらうためにポンをする。次巡も濃い所のを切ってきた。牧野がこれに合わせてくれたのでチーしてテンパイ。さすがに稲毛も降りてくれた。ツモれる気もせず摸打を繰り返すと絵があって20・40。普段であれば気分も上々と言いたいところであるが1回戦を思い出してしまう。あまりいい展開が想像できない。

 次局はラス目牧野が仕掛けると、こちらもWをポンして応戦する。すると負債を負う井上がリーチを掛けてきた。テンパイを入れつつ両者の筋を打つと牧野のタンキ待ちの16に放銃する。
 続く東3局は、
とオヤの現物待ちとなったところで牧野がリーチ。現物ツモ切りで凌ぐと井上が追いかけリーチ。次巡を掴み牧野の河の、井上の河のを睨んで、打とすると牧野にストライク。雀頭がで52。貯金がアッという間に無くなり2着目になる。

溜息をつく間もなく、次局牧野が仕掛けるとオヤ・稲毛がしれっとドラをツモ切る。 えっと思って店仕舞いをするも稲毛は、
とあっさりトップ目に立つアガリをものにする。これで3着目である。

 その2では7巡目に井上が不満そうにツモ牌を手許に見せてロンとのたまう。
 前巡の打牌は。リーチをかける間もないアガリである。稲毛82→牧野36→平井02→井上。

 南1局がこの半荘最初の流局となり、このまま大人しく進行をすることを願うも、南2局の私のオヤ番では、牧野はひいひい言いながら終盤にドラ2枚使いのピンフをツモ。とうとうラス目である。リーチをかけられなかっただけでも喜ぶべきなのだろうか。

 南3局、捨牌が2段目に入ったところで、
となりチョイト期待を膨らませるが稲毛からロンの声。私が5巡目に切っていたを井上が捨てたところであった。これがピンフドラ1で勝ち上がりの並びを稲毛が作ってくれたのだ。

 流局すればいいだけのオーラスであるが、当然のように牧野がファン牌を仕掛ける。 稲毛37→牧野114→平井01→井上でノミ手から40まで牧野の可能性は色々。それでも私からすれば即敗退がないだけにある意味気楽である。稲毛のほうが苦しいであろう。井上はひたすらアガリを目指すだけである。
 その中、後3巡の場面で牧野が少考を入れ井上の無筋を切ってきた。おいおいおい。これはそういうことですか。だが差し込めない。残るは井上のハイテイツモ牌のみ。それはそれは場に6枚切れているで延長となりました。


【8回戦 稲毛1昇・牧野0・井上△1・平井0】
 8回戦は牧野から井上へのドラ入りチートイツの放銃から始まった。これは井上の打に私がを切り井上の手出しの後に牧野が合わせたもので、私からすれば助かった1局である。

 東2局の流局を挟み東3局は再び牧野から井上へのピンフ12の移動となった。気分は既に9回戦待機であった。

 しかし、南1局に不穏な展開となる。ラス目牧野の早いリーチにイーシャンテンの井上が押すと安全牌を合わせていた稲毛が手牌を倒した。ピンフイーペーコーの高めで、30。稲毛がトップを取ると決着もあり得る。ゆっくりしていられない。

 その2は早々にがトイツのイーシャンテンが入るがテンパったのは13巡目。
河に初めてのピンズを切ってテンパイとした。漸くを引いてきたのは16巡目。ロンといってを晒すと3人の溜息が聞こえる。メンホンにあと1役あるのかと。そして点箱に手を入れ千点棒を掴もうとしている。そして3・6の申告を聞くとほっとした溜息をもらしている(今日の私はこんなものよ・・・・・)。

 次局の南2局はオヤ・牧野がリーチ。そして当然のように一発ツモ。ドラが1つあって20オール。これで平井・牧野はたったの06差である。

 その2は牧野がソウズっぽい河になっていたが、仕掛けた井上のに同巡合わせた稲毛のに牧野が喰いつき重い空気になる。しかし牧野が引き寄せたのは
 
これでラス目になってしまった。

 その3、は再び牧野の仕掛けに井上が3段目でトップ目落ちリーチを宣言した。これには3人とも声を上げた。局後井上は逆にこのことにビックリしたとのこと。井上はのサンメンチャンをタンヤオがつくでツモりアガリ10・20を浮きチョーマに加え再びトップ目へ返り咲いた。井上59→稲毛13→牧野09→平井。

 南4局をオヤで迎えるが配牌を見て気持ちは9回戦へ。牧野、井上が仕掛けるがどう流局させるかだけである。が終局は突然来た。7巡目の井上のに稲毛がロン。
 井上・平井の点差を掌握していなかった3者は若干混乱したようであるが私は消沈。以下略。


B卓:またあの舞台へ
B卓
終了
岩沢 和利 東京 3昇
関根 秀介 東京 △1
中村 浩三 東京 △2
村田 光陽 東京 ±0

文:岩沢 和利
 今年の八翔位戦は一度は出場を見合わせていたが、欠場補充により出場となった。
 組み合わせはすでに決まっていたので対戦相手を見てみると、中村さん、関根さん、村田さん。みんな決定戦に進んだことのある方ばかり。あ、僕も決定戦に行ったことあります!欠員補充だからというわけではないがいつもに比べてフラットな感じで当日を迎えた(以下敬称略)。

【1回戦】
 東1局は中村→村田12といった静かな立ち上がりだったが次局に大きく動いた。をポンしたオヤ番の関根が村田のにロンをかける。
 
いきなりの長打炸裂!
 ここで「あ、これでラスはないけどトップもないな」と思った。
 その後は中村が関根を追うがそのまま。
 僕はあまり何もできず。南4局にカンのタンヤオサンショクのテンパイが入り、ツモればトップだったがアガれず。河にはドラが3枚切られておりました…
(◎関根/●村田)


【2回戦 中村0・関根1・岩沢0・村田△1】
 開始から約2時間、ようやく僕にも「ロン」の発声ができました!ツモ、イッツー、ドラ1の20・40です!
 やっとアガれたー!と喜んでいたのですが、後から村田大三元テンパイと聞いてビックリしてました。

 その後もアガりを重ねて地固め。
 最終局、アガればラス抜けの中村がこんなポンテン。

 
 何とこれが流局。僕はペンのテンパイで何でもツモ切っていたのは内緒です。
(◎岩沢/●中村)


【3回戦 岩沢1・中村△1・村田△1・関根1】
 開局の村田のリーチは流局。次局は関根の5・10で供託も回収。

 東3局は中村のリーチ。中張牌ばかり切っての4巡目リーチ。多分チートイツと思うけど待ちもわからないので真っ直ぐ進めたらやっぱりで32打ちました。

 さらに関根に18放銃。ラス抜けしたら死のシフトだ、とポジティブシンキングの僕はオヤ番でドラ雀頭のリーチ!
 さあみんなオリろ!村田からちょっとイヤな牌が切られて焦る。「ちょっと!ちゃんとオリて!」願いもむなしく村田に28。ああ、これはダメかも。いやいやさっきトップ取っといてよかったと思おう。
 点棒状況は上は熾烈、僕以外3人とも卓上に浮き分が置いてあります。昔よく見た光景だなあ。

 南2局序盤でこんな感じ。
ここからさらにドラを2枚持ってきてアンカン。
 
 は河に3枚切られてます…
 12巡目にツモでリーチ!サンショク崩れたー
 結果はツモで30・60!トップ目になりました。オヤカブリの中村がラス目に。
このまま終われば死のシフト完成、と思いきや最終局ハイテイ(ハイテイ役はないけど)で村田の20・40。しぶといなあ。
(◎村田/●中村)


【4回戦 中村△2・関根1・岩沢1・村田0】
 願わくばこの回で決めたいと思いながらもドラ雀頭のピンフを2回とも関根からロン。40と60。 追う中村を振り切りこのまま終了。延長となりました。
(◎岩沢/●関根)


【5回戦 関根0・岩沢2・村田0・中村△2】  岩沢中村のトップラス以外は決着。
 東1局に中村からリーチ。僕の手牌は、
すでにテンパイ。ここで中村からのを見逃して山越しで関根から80。中村からアガる手もあるけど僕はこっちを選択しました。

 関根がラス目のまま南4局へ。点棒状況は関根△48、岩沢+82、村田△11、中村△23。このままなら岩沢、村田の勝ち上がり。最終局は関根、村田の仕掛け合いの中、村田が関根から12をアガって終了。
「◎岩沢/●関根」で、岩沢・村田の勝ち上がりとなりました。


C卓:延長戦、2つ目の椅子を勝ち取ったのは…  
C卓
終了
西尾  剛 B級 △1
石塚 一輝 東京 △1
佐藤やすし 東京 1昇
並川 貞行 東京 1昇

【1回戦 石塚・西尾・並川・佐藤(座順・以下同)】
 それは並川の6巡目リーチの即ツモで始まった。

 激しい展開も予想されたが、この半荘は小場での展開となり、南4局を迎えて並川23→佐藤16→西尾10→石塚の並びとなった。
 佐藤は打して
からトイメン西尾の第1打をポンして打とした。この後を2枚引き寄せをポンすると程なくをツモアガった。が佐藤のヤマになかっただけに絶好の選択となったようだ。
 最後は並川が手変わりの期待できない早いタンピンを石塚からアガって1回戦を〆た。


【2回戦 西尾0・佐藤1昇・並川0・石塚△1】
 東1局、西尾が仕掛ける中、佐藤は、
となるがテンパイを取らずに打とするとを引き寄せ西尾の現物に合わせた並川のを捉えた。

 続くオヤ番で中盤に、
となり、2枚目のが打ちだされるがこれをフカした。ツモに打としたところでピンズのホンイチ模様の並川からが打ち出される。その後佐藤はと引いて並川の再度のツモ切りを捕まえることができた。うまくいく時はアガリが向こうから押し寄せてくるものである。


【3回戦 石塚△1・佐藤2昇・並川△1・西尾0】
 並川のヤミテンタンヤオカンチャンツモ(5・10)からスタートするが、次局西尾がチートイツのテンパイ打牌(西尾は切っている)で石塚のドラ3に放銃してしまう。これを並川が佐藤からの60(ポンドラ2)で逆転すると石塚はドラ1を即リーチで追撃し、ツモって再逆転を果たす。

 迎えた南2局は、並川が中盤カンを引き寄せ、
のヤミテンを入れると、トップ目石塚が無筋のを強打してきた。これにラス目西尾が石塚の現物を頼りにを切りだしてしまった。


【4回戦 佐藤2昇・並川0・石塚△1・西尾△1】
 東1局、ワンズのホンイチ仕掛けの石塚に今のうちと手バラから並川がワンズを切り出して40を放銃する。しかしこれで並川の足が止まる訳もなく、仕掛け、リーチと攻めるがいずれも流局した。決まったのは東3局で、
からをポンしてドラを切り出すと力強くドラ表示牌をツモった。

 南3局に石塚がオヤ番を迎えた時の並びは、並川93→西尾08→石塚33→佐藤となった。この並びであるなら佐藤、並川の思惑は並川トップ目のまま終局させることである。ところが、ドラのその1で並川が、ドラのその2では佐藤がそれぞれ石塚のナキタンの18に放銃してしまう。もっともその2は石塚の仕掛け、
   
がソウズのホンイチに見えなくもなく、ドラのを並川にポンさせたうえでのの選択であった。その3は並川が西尾の河にが2枚並ぶ中、早くも
のイーシャンテンとなり10巡目に漸く石塚のにポンテンを掛けた。打はヤマに3枚ある。これに対し石塚は唸りながら14巡目にリーチを掛けた。そして引き寄せたのは(ペンマチ)であった。これで逆転である。石塚は更に18、14オールとアガリを重ね延長戦へ持ち込んだ。


【5回戦 佐藤1昇・並川0・西尾△1・石塚0】
 佐藤も尻に火が付いたとWから仕掛け10オールとすると、その2では並川が、既にが2枚切られている5巡目に、
をリーチとし、薄い薄いを引き寄せた。

 だが、その並川のオヤで、佐藤は積極的に仕掛け、
  
とするとと引き寄せ、再逆転した。西尾、石塚にしたらたまったものではない。それぞれ仕掛けを入れてみるものの結果を出すことができない。

 そんな中、並川は、南2局に、
でツモアガると止めを刺すように、
をリーチをかけて、ツモアガってしまい、勝負あり。この後西尾、石塚はそれぞれチートイツをアガるが、最後は並川が16で〆た。


D卓:三者並んだ△1から這い上がったのは…
D卓
終了
菊池 智江 B級 △1
忍田 幸夫 推薦 3昇
桑原 俊之 東京 △2
寺西謙多郎 東京 ±0

【1回戦 桑原、寺西、忍田、菊池(座順・以下同)】
 忍田が盤石のゲーム回しを見せる。東3局のオヤで桑原のポンの仕掛けにで仕掛け返し、桑原との突っ張りあいに、終盤安全牌のを手出しすると東1局にオヤカブリしアガリの欲しい桑原のアンコのタンキからのマチカエを捉えて60をアガる。

 ドラがの南2局には、3巡目にのチーから入り、5巡目にはをポンする。ドラのを意識させながらジュンチャンにまとめて加点している。


【2回戦 寺西0・菊池0・桑原△1・忍田1昇】
 東1局にオヤ・桑原にを鳴かせた菊池がドラのノベタンリーチを打つが流局。この時忍田はスーアンコタンキのイーシャンテンだったが1枚切れのも押さずに降りた。

 東3局に桑原が10オールでリーチ棒を回収した次局、忍田は11巡目に菊池からをポンした寺西に即でホンイチの40を放銃してしまう。違和感があり全戦終了後に忍田に確認したところ菊池もテンパイと読み打牌に窮したとのことであった。菊池の手牌が見えていた観戦子には菊池のノーテンが見えており違和感があったが、慎重に打つとそういうこともあるのだろう。

 ラス目に落ちた忍田であったが、オヤリーチを空振った後に北家でとドラのがトイツの配牌をもらい両面ターツもすぐに4つできるとから仕掛けてリーチ棒を回収するとともにラス抜けを果たした。

 忍田が菊池から20を追加して桑原40→寺西・忍田60→菊池となって迎えた南4局、菊池は5巡目に、

となりツモ限定のリーチとした。その後の河に空しくが並ぶ。一方の忍田はイーシャンテンとリャンシャンテンを行き来しながら17巡目にテンパイを入れ最終ツモでタンピンをツモアガリトップ目へ躍り出た。一方菊池にもまだラス抜けのチャンスが残った。

 その忍田はその2で10オールをツモアガり、トップ目を盤石にするかと思われたが、配牌に恵まれた桑原がホンイチ模様で菊池からを鳴けるとまだイーシャンテンでしょうと寺西からのも叩けてそのままツモリアガリ再逆転を果たした。初戦ラスの桑原はほっとしたことであろう。


【3回戦 寺西0・忍田1昇・桑原0・菊池△1】
 東1局にオヤ・寺西がブラフ込みで積極的にワンズのホンイチ仕掛けを見せると、忍田が濃い所を切って押してきた。間もなく力強く寺西の現物を手許にたたきつけた。マンズのホンイチチートイツである。
 多少のチョーマの出入りがあり、オーラスに桑原のツモれば同点トップのリーチが入るが忍田が盤石の横綱相撲でこの半荘を押し切った。


【4回戦 寺西△1・忍田2昇・桑原0・菊池△1】
 「寺西58→忍田01→菊池24→桑原(供託10)」で迎えた南2局6巡目、菊池に、
のチャンス手が入った。河にはが2枚が1枚切られており結構感触がよいマチに思えた、ところが最初に出てきたロン牌は桑原からのである。そういう巡りなのであろうか、菊池は躊躇することなくロンを掛けた。

 そのまま迎えたオーラスは、このまま終われば忍田・寺西の勝ち上がりであるが、押してくる桑原に忍田がやや不満そうにツモロンを宣告した。ドラ入りチートイツである。立会人・成岡が「強すぎる忍田」とツイートしていた。


【5回戦 桑原△1・寺西△1・菊池△1・忍田3】
 もう忍田は何もしなくてよい。ということで、桑原の仕掛けに対する菊池のリーチ、菊池の仕掛け続くも全局流局で迎えた東4局、菊池の早い打牌が西家・寺西に捕まり28(+菊池のリーチ棒込)。

 漸く菊池に目が出たのは、南2局、10巡目にをアンカンすると11巡目に、
 
でリーチとした。これに対し桑原も、
で同巡に追いかけた。軍配は菊池に上がり、高めの48にリーチ棒2本がついてきて寺西まであと08にまで迫った。

 菊池は次局もリーチと攻めるも流局。残るは南4局のオヤだけとなった。菊池は、中盤に、
なったが、ここでをツモ切ってしまう。その後のツモはでテンパイ止まり。菊池、俊幸が泣いてないか!


E卓:怒涛の4連勝
E卓
終了
山内 啓介 B級 ±0
小島たかよ 推薦 △3
石川 由人 東京 △1
平山 友厚 東京 4昇

【1回戦 山内・小島・平山・石川(座順・以下同)】
 山内が先行し、これを石川が高目のサンショクをツモリアガリ、石川26→山内15→小島16→平山で迎えた南2局の平山に次のテンパイが入った。

ダブでもありヤミテンの選択もあるが、ここは平山らしくリーチとした。これに困ったのはトップ目石川である。平山の河が強いし自らにテンパイが入っている。1打目は筋のかかっているとしたが2打目は御用となるとなってしまった。平山もトップ目から出ると思わなかったのだろう「ロン」の声が一瞬おくれたようにも聞こえた。或いは「ツモらせてくれよ」という言葉を飲んだのかもしれない。それでもこれでトップ目である。

 南3局は小島のドラ入りチートイツのテンパイが入るがが切れきれずに待ちとしたためアガリきれず、オーラスは平山が自力で締めた。


【2回戦 山内0・小島0・石川△1・平山1昇】
 1回戦に続き、平山から山内への放銃(24)で始まるが、平山は28、12をツモアガりトップ目に立った。これを山内が南3局に渾身の28をでツモリアガリ再度逆転するも、平山はオーラスにあっさりカンチャンのタンヤオドラ1をツモり再々逆転を果たした。その2は山内がツモ専のサンショクリーチを放つと、これもラス抜けにツモ専となるためリーチを掛けられずにいた小島が少考を入れ追いかけた。これで山内も出アガリでトップになれる。がいずれもカンチャンで2人合わせて58は二人にツモられることはなかった。


【3回戦 平山2昇・小島△1・石川△1・山内0】
 平山の配牌は国士無双でも狙うかというようなものであったが、トイツがアンコになりドラまで切り飛ばして10巡目に2枚目のを仕掛けた。緊急事態である。
 
これに対し15巡目に平山のドラ切りにポンテンを掛け山内が放銃する。
 
 対局後の反省会では頻りに後悔していたが・・・・。一方の平山は、「ツモらせてくれよ、オレの60オール」とは思わなかったであろう。

 山内は漸く南3局に点数を併せたリーチを打つ。
 流局かなと眺めていると山内はを引き寄せ怒声を響かした。平山35→山内08→小島03→石川となり僅差ではあるがラス抜けを果たした。

 オーラスは平山が5巡目に、
をテンパイした。ツモって順位に変動なしかとみていると7巡目にをアンカン、9巡目にを引き役ありへと変化した。不幸の主は小島であった。


【4回戦 石川△1・小島△2・山内0・平山3昇】
 観戦子も八翔位戦の予選で3連勝したことがある。その時は他の3人が△1で並んだので涙を飲んで4連勝はしなかったが、今回の平山は色々と動ける。

 山内12→平山28→石川16→小島となって迎えた南2局に小島はリーチを決断した。
 ツモったら石川と2人で山内をラスにしましょうということだ。しかし石川からはアガれない。ということで石川は前に出た。
 そして小島がしっかりとを持ってきた。これに納得できないのは山内より平山であったようだ。

 その2ではドラ1リーチを放つも石川にナキタンドラ1で捌かれるとオーラス12巡目に、
でリーチとした。しかも河にはが。これを力強くで引きアガる。
 その2は石川にドラ3のイーシャンテンが入るが山内が20で捌き延長戦とはならなかった。
 流石、剛力平山。


F卓:死のシフト、脱出なるか?
F卓
終了
小宮山 勤 B級 ±0
保里 瑛子 推薦 2昇
奥田 直裕 東京 1昇
木村 由佳 天鳳 △3

 さて、この卓はどうレポートしようか。

【1回戦 奥田・木村・小宮山・保里(座順・以下同)】
木村が一人離される中、最後は奥田、小宮山の叩き合いで奥田の勝利。

【2回戦 保里0・木村△1・小宮山0・奥田1昇】
木村先行も保里が南場西家でドラの暗刻をツモリあげ逆転。ラスはオヤカブリもあり小宮山。

【3回戦 奥田1昇・小宮山△1・木村△1・保里1昇】
 小場のトップ目で迎えた東3局の保里は終盤対子落としを入れつつ回っていると16巡目に、

となりハイテイで絵を合わせた。何にも描いてませんが。
オーラスラス目木村が引きアガリしか許されないメンホンリーチを入れるが当然のごとく流局した。
 これで世に言う「死のシフト」が完成した。


【4回戦 小宮山△1・奥田1昇・保里2昇・木村△2】
 保里の好調が続く。東場は、
 東1局+12(木村)
 東2局+16(ツモ)
 東3局その1 +120(ツモ)これは小宮山のリーチに追っかけリーチをしたもの。
 東3局その2 小宮山のドラ入りチートイツテンパイまで。
 東4局奥田の28(ツモ)
で終えた。

 最後の望みを掛け保里まで212差の小宮山の親を迎えた。小宮山は、中盤までに、
 として虎視眈々と下家奥田に狙いを定めるが何も引かない。仕方なく15巡目には木村のを仕掛けテンパイとするも木村の差し込みが果たせず流局となってしまった。
 観戦子のメモ帳に「終了」の文字が大書された。

 更に次局保里はダメ押しのように木村からメンホン一通をアガった(120)。必然観戦子も視線は別卓のE卓に注がれる。まぁ、たまにはと小宮山の手牌を見ると怪しげな形になっている。
もちろん理牌されている訳ではないので一瞬にはわからなかった。そして河を見ると木村の河に先ほどが置かれている。ムムム。そんな中、奥田が苦しそうに小宮山には通ってないの対子落としをしてきた。これはこれはとみていたが、木村の17巡目がのツモ切り。お前じゃない。そして小宮山最後のツモは「」。思い出ができました。なんたって小宮山は保里を捲くった(+98)が、奥田―木村は160差なのである。

 南4局その1、奥田が10巡目にをポンしてテンパイを入れた。
 
遅れること3巡、木村にポンテンが入る。
 
を引いてきたのは木村で6オール。あと136+1。

 南4局その2、木村はが若干薄めの中、次の形からにチーテンを掛けた。
 是非は問わない。これに奥田がつかまった。あと100+1。

 南4局その3、木村は6巡目にをポンしてこの形。
 
 ここから保里ので三度18をアガった。あと82+1。

 南4局その4、木村の5巡目、
 これは間違いなくチャンス手である。これで決めないとそうチャンスは続かない。そして7巡目にツモでテンパイ。が2枚、が1枚切られているが勿論テンパイ打牌はである。が10巡目の木村のツモ牌は。そんなもんで待てるか〜。一瞬の間を置き木村はツモ切った。奥田の手牌にが2枚ありどうなるかと見守っていると、テンパイが入っていた保里からが打ち出された。とうとう奥田を逆転した(+38)。
 南4局その5、奥田は第1ツモで、
 以下のツモは。さて、あなたならどうなっていますか。
 奥田は第1打にを選び、ツモで更にワンズを払った。そう、奥田はツモ専リーチからメンピンドラ1の差し込みを見据えたのだ。よってツモでテンパイ。
ところが前巡に河にが2枚切られドラ表示牌と合わせて4枚が見えてしまった。も1枚切られている。ということでヤミテンを選択した。
 奥田は次のツモで声を張り上げた。
 どこかのCMじゃないが、こんなことなら「早く言(アガ)ってよ」。

G卓:1回戦の炎上がすべてでした!
G卓
終了
板川 和俊 B級 1昇
高島  努 B級 △3
田村  洸 推薦 △1
山舗  徹 大阪 3昇

文:高島 努
 新型コロナウイルスの影響により順位戦が未だ始まらない中、八翔位戦が2ヵ月の延期の末、ようやく開幕を迎える次第となった。とはいえ、順位戦も八翔位戦も「勝利あるのみ」であることには変わらない。対局前の緊張感に打ち勝つべく、気合を入れて対局に挑んだ。

【1回戦 田村・板川・山舗・高島】
 1回戦は、高島が血まみれになった。東1局から、終盤に手詰まってしまい、田村に96(チートイツ・ドラ2)をで放銃する羽目になってしまうのだが、15巡めに山舗が(リャンメン・カンチャン待ちは消去されている)を通し、続いてをトイツから合わせ打ち(シャンポン待ちでアタることもない)するのであるが、田村がを手出しした後に切ったが捕まった。局後に板川が「高島のはトイツ落としのオーラがバリバリ出ていたから狙われた」との指摘を頂いたのであるが、直ちに修正しなければならないと反省させられた(現に過去にもトイツ落としを狙われたこともありました…)。現物牌はないが、他者に情報を全く与えられていない牌を打って凌ぐスキルも身につけなければいけないと思う。

 東1局その2は、板川が5・10、続く東2局その1は、板川の役牌ポンに受けていたが、またしても手詰まりしてしまい、カン待ちの18。東2局その2は、挽回しようと前にでるが、今度は田村に12(ピンフ)を放銃。

 東3局は、役牌アンコの9ポン(後に加カン)のトイトイをテンパイするものの、山舗に30を放銃、その2もピンフテンパイを果たすものの18を放銃し、ドツボにはまってしまう結末に。そして迎えたその3。6巡めに山舗がリーチをかけると、これに田村が一発で飛び込み、トップめに躍り出る。
 その4は、田村は板川から16、東4局も13・26でチョーマを着実に取り戻していくと、圧巻だったのが、南1局(ドラ)。2巡めに田村が手出しの。誰も仕掛けることもなかったので、ヤマにあるかなと考えを重ねてアガリを目指そうと思い進めていくと、タンキながらもテンパイ(役牌アンコ)にこぎつける。ところが、をツモ切ると、これがまたしても96!!なんと、が2枚入っていたのであった(当然、アンコからではなく、後から引いてきたとのこと)。ついに、チョーマを借りる失態を犯してしまった。

 それでも、その2(ドラ)は、待ちのピンフ(はタンヤオの方)でリーチをかけて、何とか突破口を見出そうとするが、ツモる機会すら与えられなかったのだ。田村が私の現物を切ると、山舗からのロンの声。これが、タンヤオ・ピンフ+サンショク付きの方で80。
 田村も南3局に板川から80を獲得し、最後の追い上げを見せるが、ここまで。数多の長打がでた1回戦が終わった。


【2回戦 板川0・高島△1・田村0・山舗1昇】
 東1局、高島が9巡目に以下の手牌となる。
普通ならば、と落としていきたかったが、ワンズを切るのが怖くて、と落としてしまう。観戦されていた坂井選手から、「ソーズも通ってないよ!」との指摘が。正しくその通りである。アガリを貪欲に求めるならば、腹を括って、ワンズなのだ。その後を引いてヤミテンに構えるが、どちらを選んでも成就できていないのはあくまで結果論である。
 東2局は、山舗が5・10(メンツモ・ドラ1)。つづく東3局に高島にチャンスが訪れる。
これを山舗からアガって、待望の初アガリでトップめとなる。
 東4局は、田村が3・6。そして、南1局、またしても山舗からリーチの声がかかった。そして、しっかりとドラでサンショクの方の二を引きアガり(30・60)、一気にトップめへと浮上。
 流局を挟んだ南3局。オヤ・田村が配牌から1牌切ると、次の手番である山舗がを切ると、田村がそのをポン。早くも2巡めの山舗が打。そして、高島の1打目。孤立牌(山舗がを切ったからではありません!)を切ると…、
 
想定外のポンテンで42の失点を食らってしまう。

 ラスめ・板川との点差が35になり南4局を迎えた。私は、手が重くてんやわんやしていると、板川が山舗のでアガり、ラス抜けに成功し、痛恨の連敗を食らってしまった。
 局後、ヤミテンの理由を質問してみると、「これは、待ちではなく待ちである。が河に2枚出ている中で、誰しもがは不要。こんなのをリーチしているようではダメ!仮にを引いてきた場合は、フリテンリーチである。」と伝授していただいた。「何がアガれるのか、何がアガりやすいのか」の判断が、私は他の人よりもずれているので、様々な選手の考えを聞いて学んでいきたい。


【3回戦 山舗2昇・田村0・板川0・高島△2】
 東1局、板川が2役ホンイチを他家が対応する中、ツモアガると、続く東2局も1役ドラ1の5・10。さらに、東3・4局とリーチで畳みかける。この2本のリーチ棒は、山舗がカンをツモって、10・20と共にさらうのであるが、南1局の山舗→田村16を挟んで、南2局も、チートイツをツモアガり、トップを盤石なものにしていく。

 この時点で、スコアを確認してみると、板川がトップめのまま終わった場合、田村ラスになると、「死のシフト」が完成してしまう。これは、絶対にやってはいけない。高島ラスの場合、田村は板川に昇差をつけられるものの絶望的にはならない(高島は、次回は板川ラスが絶対条件。しかも以降も条件付き4連勝)。私は、変なアガリ(自身がトップにならず田村をラスにしてしまうアガリ)はせずに、トップを目指し、南3局に取り組み、執念でテンパイを入れ、渾身のリーチ。
 しかし、手を開けることができなかった。南4局も、板川が山舗からあっさりアガり、終局した。


【4回戦 田村0・高島△3・山舗2昇・板川1昇】
 高島は、板川をラスにする以外道はない状態となってしまった4回戦(さらにトップをとれないと前進できない)。尚、厳しいのは田村も同様である。「山舗→板川ライン」が機能してしまうと終わってしまうからである。

 それが十分に伝わってくるのが、東1局に田村が、原点リーチをかけてきたのだ(結果は流局)。続く東2局は、高島以外の3者が役牌をポンしてくる。この局、アガったのは、山舗であり、放銃したのが板川であった(40)。「逆ライン」なのかと思ったが、山舗から見れば延長になっても、2昇以上あれば勝ち上がれると考えたのであろう(仮にラスを引いてしまい、田村がトップを取ってしまえば、敗北の可能性もあるからだ)。  とはいえ、板川をラスにする希望が出てきたのも私からみれば事実。東3局、待ちのメンゼンタンヤオのテンパイを入れると、板川から16ながらもアガることができた。続く東4局、中盤にテンパイを入れる。
1巡だけ、ヤミテンの出アガリが効く引きを待ってみたものの、オヤが板川であることを考えて、ツモ切りリーチをかけると、を引いて、待望のトップ目になった。
 しかし、山舗が私のトップを許すはずがなく、南1局に田村から12をアガり、南2局(ドラ)には板川のタンヤオリーチに対して、チャンタをツモアガり、大きな13・26を獲得。南3局は、流局。南4局の私は、ホンイチチートイツを目指すがイーシャンテンまでで終局。私は、「ただ、死んでいないだけ」の延長戦に突入した。


【5回戦 高島△3・板川0・山舗3昇・田村0】
 今度は、山舗とのトップラスが条件となった5回戦。東1局に、チャンスが訪れた。
 タンキ待ちをコロコロ変えて、を引いた状態が最終手牌であった。いわゆる「ツモ直」なのであるが、成就できずに、田村が20を山舗からアガり、田村逆転のポジションになる。しかし、田村の喜びも2分で終わってしまう。東2局に山舗に痛恨の80を放銃してしまったからだ。

 キツイのは、私も同様なのであるが、東3局に、イッツーの手変わり(待ち)を待っていたが、先にを引いてしまい、3・6。終盤ということもあり、アガリを宣言した。続く東4局は、手変わりや点数アップの全くないピンフのみのテンパイを入れて、もちろん山舗から12。「蚊に刺された傷」にもなっていないが、何とか希望へとつなげていこうと考えていた。

 南1局(ドラ)。私は、タンヤオと456のサンショクを目指すチーを入れてひたすら前進を意識したが、板川がをポン。田村がをポン。両者に挟まれてしまい、板川が田村から40をアガり、最後のオヤが終わってしまった。

 南2局(ドラ)、私に以下のテンパイが入る。
 この時、私は以下のように考えていた。「山舗からならば、この状態でも出アガリしよう。板川・田村からは、当然見逃す。ツモってきた場合、『記念役満』にしかなりえない可能性が強いのかなと思ったので、アガらずに頃合いのタンキ待ちにして、山舗を狙う」と。こちらにも、私の考えに対し、「ツモアガリならばしてもかまわない。320もチョーマがあれば、南4局に田村にチョーマを適度に献上したらよい」との指摘を頂いた。
 実際は、も現れることなく流局した。その後は、板川がしっかりと〆めて、山舗と共に勝ち上がりを決めた。


 コロナウイルスの影響により半年ぶりとなってしまった待ちに待った公式戦。9月には東京対局室で対局しようと強く願い今回の勝負に挑んだ。こんなに負けて悔しいものかと改めて感じさせられた。
 話題を変えるが、今年の1月に「高島は迷っているだけだ」と愛澤理事長から指摘を頂いた。迷いについては改善途中ではあるが、それ以上に窮地に立たされた時の精神的な立ち直りも課題点だと思う。
 公共交通機関の代わりに使った自車の中で、打ち上げで指摘されたことや今日1日のことを思い出しながら、目を腫らして帰途についた。


出場選手一覧

1次予選 2次予選 準決勝 決定戦
選手名 選手名 選手名 選手名
                  八翔位 堀井 統之
      前八翔位 五十嵐 毅          
      名翔位 亀井 敬史 F          
      成岡 明彦          
      坂井 準司 坂井 準司    
      小川  隆 小川  隆 小川  隆
      愛澤 圭次 愛澤 圭次    
      藤森 弘希          
      松井 秀成          
      古川 大樹 古川 大樹    
      田中  実 田中  実    
平井  淳                
山内 啓介 山内 啓介 山内 啓介 山内 啓介
西尾  剛                
菊池 智江                
板川 和俊 板川 和俊 板川 和俊 板川 和俊
小宮山 勤                
高島  努                
推薦 忍田 幸夫 忍田 幸夫          
推薦 稲毛千佳子 稲毛千佳子          
推薦 小島たかよ                
推薦 田村  洸                
推薦 保里 瑛子 保里 瑛子 保里 瑛子    
OP 石川 由人                
OP 石塚 一輝                
OP 井上 祐希                
OP 岩沢 和利 岩沢 和利          
OP 奥田 直裕 奥田 直裕          
OP 桑原 俊之                
OP 佐藤やすし 佐藤やすし          
OP 関根 秀介                
OP 寺西謙多郎 寺西謙多郎 寺西謙多郎    
OP 並川 貞行 並川 貞行          
OP 平山 友厚 平山 友厚 平山 友厚    
OP 中村 浩三                
OP 牧野 卓人 牧野 卓人 牧野 卓人    
OP 村田 光陽 村田 光陽          
OP 山舗  徹 山舗  徹 山舗  徹    
天鳳 木村 由佳                
【凡例】選手名左の記号は今期順位戦の所属クラス。
    八:八翔位・名:名翔位・前八:前八翔位・天鳳:天鳳予選優勝
    推薦:麻将連合推薦枠出場・OP:オープン出場(支部内は五十音順)、アルファベットは卓番。

第37期八翔位戦 システム

【出場資格】
・麻将連合推薦、オープン参加選手及び連盟所属選手。
・オープン参加選手は、マージャン101各支部内より選抜。
・「天鳳予選」優勝者(4月4日「オンラインマージャン『天鳳』」にて開催)
【1次予選】
・各卓4戦(1日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・4回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【2次予選】
・2次予選シードの連盟所属選手及び1次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・6回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【準決勝】
・2次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が決定戦の出場資格を得る。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、7回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。
【決定戦】
・八翔位及び準決勝通過者により行う。
・10戦(1日4戦)を戦う。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者を優勝とする。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、11回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。