
第38期順位戦A級 最終節
最終節観戦記:伊澤 興(マージャン101東京支部)
いよいよ最終節の始まりである。翌日のスリアロスタジオの放送卓はまだ決まってない。本日の結果次第でどの卓を放送するか、立会人の山内が決める。また首位争いしている成岡・田中は残り7回中7回全て同卓。そして私は記録係&観戦記者( ̄◇ ̄;)
このまま2人の争いになるのか!?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
◆◆◆ 29回戦A卓 ◆◆◆
〈小川△2・平井△5・田中5昇・亀井3昇〉
最終節7戦で最低3トップが必要な平井。東場は全て流局。そして危険を冒さず値段を半減しても有り余る大きいアガリが平井からでた。このまま終わるのか?

南3局、ラス目の小川が親の田中から40をアガる。
むかえたオーラス、10巡目、田中直ツモ条件のテンパイを入れる。12巡目、小川役なしテンパイ。15巡目・16巡目 小川からロン牌が切られるがヤマ越しで亀井からは出ない。そうこうしてるうちに小川は絵があって嬉しいトップ。平井終焉か。

(◎小川/●田中)
◆◆◆ 29回戦B卓 ◆◆◆
〈西尾△4・堀川△1・成岡5昇・愛澤4昇〉
全てアガリが発生する乱打戦。私は愛澤の後ろで観戦していたのだが「行ってない」堀川がロンと言って

※危険牌を持ってくればワンズの上で凌ぐつもり
望外の20・40でやっと一息か。

オーラス、西尾はラス目なのに真っ直ぐ。3着目の成岡もアガリ競争に参加して真っ直ぐ手牌を進める。しかし一番ケアしていない堀川にテンパイが入ってた。痛い痛いラス。逆に西尾は米俵でなんとか助かる。

◆◆◆ 30回戦A卓 ◆◆◆
〈成岡4昇・田中4昇・小川△1・愛澤4昇〉
トップ4昇の3人が同卓。このような場合の小川の立場は、3人のうちダンラス状態の人がいた場合トップに押し上げてもらえる(事がある)。3人のうちダントツの人がいた場合ラスから救出してくれる(事がある)。
と悪い事は無い状態のはずなのだが・・・態勢が。
まず先制は愛澤 東3局に小川から20。次のアガリは田中、南3局に小川から12。
むかえたオーラス、


(◎田中/●小川)
◆◆◆ 31回戦B卓 ◆◆◆
〈亀井3昇・成岡4昇・西尾△3・田中5昇〉
東1局、成岡5・10。
東2局、田中が高らかに2巡目リーチ。亀井は毎巡「ウンウン」唸りながら牌を押していく。9巡目役なしながらやっと追いつく。そして10巡目遂に役ありテンパイ。田中の「入り目」を切るか「ロン牌」を切るか。ワンチャンス頼るのはしょうがないか・・。



(◎西尾/●亀井)
◆◆◆ 32回戦A卓 ◆◆◆
〈亀井2昇・西尾△2・小川△2・愛澤4昇〉
本日最終戦、終わればまた卓をスリアロスタジオに運ばないといけない。小さい団体。皆が選手&運営。
絶好調西尾が飛ばす。入り目によっては小川に放銃もあったが重ねて地獄待ちテンパイ。

(◎西尾/●亀井)
◆◆◆ 32回戦B卓 ◆◆◆
〈平井△5・田中5昇・成岡4昇・堀川△1〉
翌日の放送の視聴者目線で思うとここは田中にラスを引いてもらって4昇が3人並ぶ形で最終日を迎えたい。次点案がこのまま。田中がトップで6まで伸ばすと残り3回では愛澤は苦しいか。

堀川連チャンの東4局その3。迷うことなき両面でリーチを宣言。残り2枚の


次局成岡も負けじと手を入れてくる。ドラまで切っている親の異様な仕掛けに真っ直ぐぶつけていく。堀川まだアガリを見てのワンチャンスで放銃。ソウズ・字牌・ピンズの上に手をかけれない局面。1巡は






















(◎田中/●堀川)
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2日目(スリアロスタジオ)、さあ長い戦いも残り3回戦。首位争いしている田中・成岡が3回全て対戦するのでそこが放送卓。
◆◆◆ 33回戦A卓 ◆◆◆
〈愛澤4昇・平井△5・成岡4昇・田中6昇〉
101は他の放送対局と違う所は立会人が「開始してください」を発してからが大きく違う。放送対局みたいにあらかじめ座順と起親が決まっていて親がサイコロ振るところから始まらない。
@座順を決める
A移動
Bネームプレート(ペタペタ)
C洗牌
Dヤマを作成(プルプル)
E誰かがガシャン→積みなおし
F起親を決める
G挨拶
Hサイコロ2度振り→取り出し
視聴者は見ていてつまんないかもしれないが。101では@からが試合の始まりだからそこはご容赦願いたい。
さて大事な33回戦、愛澤は田中・成岡との直接対戦をこれで最後。是が非でもトップを取りたい。
愛澤待ったなしドラドライーシャンテン、MAX60オールまで見込める。平井も愛澤の気配を察してかポンテンで前へ出ない。しかしスリアロ男田中。

むかえた東4局、実況の山内が「こいつ強いなー」と唸らせた局。


そしてオーラス、王様の田中が、平井からの60を見逃す。(成岡は同巡合わせ打ち)ヤマ越しの愛澤からも見逃す。成岡はハネツモに照準を合わせて手を進めて遂にテンパイ どちらもヤマに2枚生きてる。成岡長考せずにドラ切りリーチ。しかし結果は・・・

(◎田中/●成岡)
戻ってくるなり成岡が悔やむこと悔やむこと。放送と放送の合間の告知コーナーでも隣で「反省している姿で隣に居さして」って乱入してくるし。

◆◆◆ 34回戦A卓 ◆◆◆
〈堀川△1・小川△3・田中7昇・成岡3昇〉
ここで決まってしまうのか。田中は2連敗しない限り名翔位。なおかつ愛澤・成岡は連勝条件。一方の小川は、前戦のラスで崖っぷちの△3。

小場で向かえたオーラス。


(◎小川/●成岡)
田中実選手2度目の名翔位おめでとうございます。101以外にももっと多く色々な大会に出て活躍してほしいものです。
対局室から出てきた名翔位なりたての田中(ピンボケですいません)。

◆◆◆ 35回戦A卓 ◆◆◆
〈平井△5・堀川△1・愛澤5昇・亀井0〉
・来期の期首順位2位が確定し目標がない愛澤。
・降級が決まって目標が無い平井。
・ラスだと別卓次第で降級になる堀川・亀井。
堀川が避けたいのは親の連チャン。実際「平井トップでいいんで早くあがってよ」と心の中で思ってる。かつ親に通る牌を差込みまでして打ちに来てる。しかし願い叶わずもう1局。

自身で残留を決めるべき前へドラも切っていく。前節の1牌押せなかったばかりにアガリを逃したのがトラウマになっているかのように前へ。しかしノーチャンスの

この牌は「ロン」がかかったらラスまである牌。あぁ無情・・・

(◎平井/●堀川)
◆◆◆ 35回戦B卓 ◆◆◆
〈西尾△1・成岡2昇・田中7昇・小川△2〉
A卓が終了した時点で放送卓は南2局ぐらい。この時点で、西尾はラスでも降級は無し(堀川が△2のため)。小川はトップで残留。堀川以外は全員モニターの前で観戦。
※堀川は奥の方でうなだれている。
田中がラス抜けするべくリーチ(成岡からはあたれない)。小川も追いついて競り勝つがまだ足らない。

成岡最後は自分のアガリで終わらせようと初手からフルスロットル。しかしツモが言うこときかない。田中もラス抜けするにはほど遠い手牌。しかしうまくアタリ牌掴んでもう1局延命。そして小川が遂に執念のトップ目に立つ。

小川は、
・自身トップで目の前の西尾がラスだと自分は100%残留
・自身トップだけだと別卓の堀川・亀井次第
次局、西尾残留を決めるべくテンパイ(もう決まっているのだが)。成岡も嫌がらせにテンパイを入れる(でたがり)。この結果によって降級者が決まる。

(◎小川・成岡/●田中)
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スリアロ会員の皆様には放送を楽しんでもらえたのかな。面白い・もっと観たい・やってみたいって人がどんどん増えることを切に願って筆を置きます。
あっ、最後に愛澤理事からの宿題。
「今回の名翔位が決まったターニングポイントになった局を見つけてください」
2回見逃しして成岡から討ち取った33回戦A卓も凄かったけれども、私は24回戦B卓をあげます。
堀川が1牌押せなかったばかりに愛澤がアガリ、次局田中が逆転し4連勝が成立。まさに漁夫の利のトップで勢いをつけてしまった。逆に堀川の降級もここがターニングポイント。私はここだと思います。
ありがとうございました。
第38期順位戦A級 最終節 星取表 (12月9・10日/東京)※2日目は、スリアロチャンネルにて生配信
選手名
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開始前
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29回戦
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30回戦
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31回戦
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32回戦
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33回戦
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34回戦
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35回戦
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終了時
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順位
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西尾 剛
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△4 | B − | B ◎ | B ◎ | A ◎ | B − | B − | B − | △1 | 5 |
堀川 隆司
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△1 | B ◎ | B − | A ● | B ● | B ◎ | A − | A ● | △2 | 7 |
小川 隆
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△2 | A ◎ | A ● | A − | A − | B ● | A ◎ | B ◎ | △1 | 6 |
平井 淳
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△5 | A − | B ● | A ◎ | B − | A − | B − | A ◎ | △4 | 8 |
成岡 明彦
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5昇 | B ● | A − | B − | B − | A ● | A ● | B ◎ | 3昇 | 3 |
田中 実
|
5昇 | A ● | A ◎ | B − | B ◎ | A ◎ | A − | B ● | 6昇 | 1 |
亀井 敬史
|
3昇 | A − | B − | B ● | A ● | B − | B ● | A − | ±0 | 4 |
愛澤 圭次
|
4昇 | B − | A − | A − | A − | A − | B ◎ | A − | 5昇 | 2 |
◆名翔位=田中/降級=堀川・平井