第38期順位戦A級 第4節

 前説観戦記星取表

第4節前説:伊澤 興(マージャン101東京支部)

 今年の順位戦A級第4節は10月28・29日に行われます。観戦記は通常過去形で書くものですが今回は初日がスリアロ放送と言うこともあって、まずは「楽しく面白く放送を見てもらうための手引き」を勝手に書かせていただきます。
ルールや評価方法はここでは書きませんのでHPを見てね。
 101A級は8人で年間35戦を戦い1番多く昇を稼いだ人が名翔位となります。
4人による決定戦的なものはありません。同昇の場合は前年の期首順位が上の人が上位になります。
 101において期首順位は大きな比重を占めます。点棒のポイントで競うシステムで無く、昇で争うので同昇が多くなります。過去にも同昇で期首順位の差で名翔位や降級になった例は沢山あります。
 降級は下位2名でB級の上位2名と入替になります。

 他団体のリーグ戦と違うところは、まず固定面子でありません。他団体は4人打ち・5人打ちでその人達だけで1日の対局をしますが、順位戦101はみんな仲良く全員です!
 次の対局まで1時間ぐらい待つことも普通にあります。今回の放送も毎回面子は変わります。対局と対局の間も視聴者の方をお待たせするかもしれません。そこは山内さんがいろいろなデータやおもしろ話を紹介して皆様を飽きさせない工夫をしてくれるでしょう。
 そして今回の放送ではおおきに青野で有名な青野滋SDも解説してくれるとのこと!皆さん知らないかもしれませんが青野SDは最高位も獲ったことあるんですよ。
 101の真髄を語ってくれるでしょう。


 さて、この人どんな打ち手なの?を個人的主観で書きましたので参考に放送を見てください(今年の期首順位順)。

1.西尾選手・・・現名翔位。名前はツヨシだが今年はヨワシ?名翔位を獲ると翌年不調は言われているが果たして・・(攻撃6 守備4)

2.堀川選手・・・昨年の最高位戦クラシック決勝に残ったのも記憶に新しい。本当に強いよこの方・・・(攻撃3 守備7)

3.小川選手・・・近年は上位に居るのがあたりまえと言われるぐらいの安定度。攻守のバランスは必見です・・・(攻撃4 守備6)

4.平井選手・・・前名翔位。手が入りだすとやっかいな人。第1節で△5まで落ちたが借金返済間近で痛恨の前節・・・(攻撃9 守備1)

5.成岡選手・・・皆が知ってる知名度高い元鉄人。この人の強さは今さら語ってもしょうがない常に一番最善を考えてる人。
 私この方と八翔位決勝したことあるのよ・・・(攻撃7 守備3)

6.田中選手・・・ロボット。とてもシステマチック。101のコバゴー。けどなんかいつも怒ってるイメージ・・・(攻撃5 守備5)

7.亀井選手・・・でかい。101通でもあまり素顔を知らない人。私も詳しくないが、ずっと下の方に居てやっと花開いた。今年も調子が良さそう。彼の守備力を見て欲しい・・・(攻撃1 守備9)

8.愛澤選手・・・101代表。故古川先生の意思を継ぐ者。今年はすごく調子が良さそう!ツイート情報しか見てないが結構前に出てるイメージ。大好きな打ち手。絶対勉強なるので必見・・・(攻撃2 守備8)


●第3節(8月27日/東京)の結果は以下の通りです。

選手名
開始前
17回戦
18回戦
19回戦
20回戦
終了時
順位
西尾  剛
△2
A  B  B  A  △2 7
堀川 隆司
△1
A  A  A  A  △1 6
小川  隆
±0
A  B  B  B  ±0 5
平井  淳
△1
A  A  B  B  △3 8
成岡 明彦
±0
B  A  A  B  1昇 3
田中  実
△1
B  B  B  A  1昇 4
亀井 敬史
6昇
B  B  A  B  4昇 2
愛澤 圭次
3昇
B  A  A  A  5昇 1

第4節観戦記:伊澤 興(マージャン101東京支部)

 第4節の1日目は、スリアロ放送での対局になりました(実況:小林 剛 解説:青野 滋・山内啓介)。


 まだ知名度が全然ない101競技連盟に於いては本当に少しでもこの競技の面白さを知ってもらえる大チャンスです。選手も皆気合十分です。
 この観戦記を書くに当たって愛澤理事から1つの課題を授かりました。
「今回の名翔位が決まったターニングポイントになった局を見つけてください」
 一応頭の中にはあるけど、今一度牌譜を検証して確かめていきたいと思います。

 残り15半荘 まだまだ何が起こるかわからないが、ファンとしてはもっと上下詰まって最後まで混戦模様になってほしい。
 3節までは結果しか見てないがここまでは亀井旋風が吹き荒れていたそうだ。今年初A級の亀井は第2節終了時点では2位に3昇差をつける6昇を持っていた。しかし第3節に愛澤が捲り現在2位ながら絶好のポジション。このまま愛澤と2人だけの勝負なら期首順位が上だけにチャンスあるかも。
 この4節の結果次第で最終節「上を見るか」「下を見るか」を決めそうなのが成岡・田中・小川・堀川。もちろん最後まで「上を見て」打っていたいのでこの4人は大注目。
 首位の愛澤が7昇まで伸ばすともう誰も追いつけないだろうから対戦者がどこまで包囲網をひくかも注目。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※


◆◆◆ 21回戦A卓 ◆◆◆

〈堀川△1・平井△3・田中1昇・亀井4昇〉

 東1局(ドラ)。


 褒めたばかりの亀井がいきなりやらかした。3面チャンのフリテンテンパイを堀川に厳しいソウズを持ってきてダウン。しかし次ツモはロン牌そして最悪の結果に。

 東2局、平井6オール。東3局、平井→堀川64。東4局その1、平井→亀井60。東4局その2、平井30・60(チンイチ・ツモ)。と、点棒が目まぐるしく動く。

 そして南2局、遂にこの男がやってくる。


 この7種でキツイ配牌から前へ出る。


 ここからラス目で十分形の亀井からが放たれる。もちろん堀川はポンし打
 そして平井もドラをポンするがシャンテン上げない打。堀川にが切りにくいとみているのだろう。
 ここで80は打てない平井。次巡堀川のでチーして打。次巡ツモでテンパイ。
 平井さんうま〜〜〜い。


 今度は堀川が平井に打てないワンズの上のを持ってきてローリング。次巡を持ってきて再びテンパイ。
 そして御覧のとおり。これが101の風景。

 南3局、勢いに乗る堀川ヤミテン80テンパイで時間の問題と思われたがひっそり粋を殺していた男が闇夜でバッサリ。


これが決定打に。
(◎田中/●亀井)


◆◆◆ 21回戦B卓 ◆◆◆

〈西尾△2・成岡1昇・小川0・愛澤5昇〉

 過去の101のスリアロ放送はA卓みたいにアガリが飛び交わないのが通例。
 今回もアガリが出たのが東4局に西尾→愛澤42。
 ただ見せ場は作った。東2局親の成岡が四暗刻テンパイで盛り上げた(あがってよ〜)。しかし放送対局だとさらに気合が入る成岡。その後愛澤を逆転する。

 迎えたオーラス、


 降級ポジションの西尾。キッチリ逆転のテンパイを入れてきた。リーチしてたら頭まであったがまだ他者から出てくる可能性があるヤミテンを選択。愛澤がラスに。
(◎成岡/●愛澤)


◆◆◆ 22回戦A卓 ◆◆◆

〈西尾△2・平井△3・成岡2昇・亀井3昇〉

 アガリが出たのが東3局。西尾がバックのチーテンを入れる。


 そのテンパイ打牌を成岡がチーしてこの形、
 
 全員平たい所からこれをやるのは順位戦選手では成岡ぐらい。
 否!→これが出来るのは成岡ぐらい。
 この鳴きでアガリ牌を喰いとり和了者が放銃者へ。結局このままの並びで終了。平井ついに最下位脱出 ヽ(*^^*)ノ
(◎平井/●西尾)


◆◆◆ 22回戦B卓 ◆◆◆

〈愛澤4昇・堀川△1・小川0・田中2昇〉

 東2局 愛澤5・10。東4局 田中14オール。南1局 愛澤→田中28。
 田中2連勝!堀川△2で火がついた。
(◎田中/●堀川)


◆◆◆ 23回戦A卓 ◆◆◆

〈愛澤4昇・小川0・亀井3昇・平井△2〉

 最下位脱出の平井。しかし東3局に小川に40放銃し迎えた親番。


 平井の強い所は40放銃ごときでへこまない。次局は親でブンブン26オールでトップ目浮上。愛澤・亀井にしてみれば「やっとれん!」状態。


 鼻息あがる平井、同点とはいえラス目になった愛澤・亀井はある程度前へ行く局。さっきとは状況がまるで違う。なのに・・・・亀井一人「やっとれん!」状態。


 同点トップのままオーラスへ。やっとれん亀井が7巡目にを引き入れ起死回生の80テンパイ。一気にトップまで突き抜け御満悦。
(◎亀井/●平井)


◆◆◆ 23回戦B卓 ◆◆◆

〈成岡2昇・田中3昇・西尾△3・堀川△2〉

 2連勝の田中、


 101に於いて平たい所からラス落ちリーチを出す理由として、主に
・多面チャン
・ドラが2枚以上で役なし
・ラスにさせたい(トップを取らせたくない)人が親
 一発・裏ドラ・ノーテン罰のない101。
 それ相応の理由がないと東1局のリーチはなかなかお目にかかれない。今回の出アガリ80確定リーチ。一人旅でツモって30・60。
(◎田中/●西尾)


◆◆◆ 24回戦A卓 ◆◆◆

〈亀井4昇・小川0・成岡2昇・西尾△4〉

 東1局いきなり手がぶつかった。ただ西尾のほうは危険牌持ってきたら即オリ体制。軍配は西尾。


 なんと残り7局すべて流局。西尾巻き返し。
(◎西尾/●小川)


◆◆◆ 24回戦B卓 ◆◆◆

〈田中4昇・平井△3・堀川△2・愛澤4昇〉

 田中前人未踏のスリアロ4連勝なるか注目の本日最終戦。


 南1局まで小場で進み迎えた南2局。ラス目堀川3巡目4巡目に急所を引いて40テンパイ。愛澤にしてみればまだ情報少ない序盤でのスリム化のため交通事故にあったと思うしかないがあまりにも痛い40。

 南4局(ドラ)、放送見ていた人はこの局のすごさがわかってくれただろうか?


5巡目、
 それが13巡目、


 愛澤待ち(は無し)。堀川も絶好の3メンチャン。堀川は終盤を持ってきて大長考。決断は打ちきれず。直後愛澤からロン牌が。次巡さも当然のように愛澤は

 次局、さすがにドラマは終焉かと思いきや本日3連勝男がラス目になり行かないといけない立場に。


 堀川が押していればなかった局。田中7巡目に超急所のダブを暗刻にしてイーシャンテン。待ちに自信が無かったのか即出た平井からのをスルーしてテンパイ取らず。しかし愛澤のは長考してチー。
 田中望外の4連勝。青野SDも弟子の田中の活躍で御満悦。



※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※

 第4節2日目、スリアロスタジオから収録後、卓を移動して本日は対局室。


◆◆◆ 25回戦B卓 ◆◆◆

〈小川△1・亀井4昇・成岡2昇・田中5昇〉



 成岡トップ目で迎えて南入。しっかり中押しも申し分なし。
(◎成岡/●亀井)


◆◆◆ 26回戦A卓 ◆◆◆

〈愛澤3昇・小川△1・堀川△1・西尾△3〉

 降級ポジションの西尾。ただ期首順位1位の強みで△2まで戻せばチャンスあり。堀川・小川も絶対にラスは引けない。
 女神が微笑んだのは、


 愛澤の珍しい3フーロ。意地と意地のぶつかり合い。しかしこの四暗刻、ヤマに3枚生きてる(笑)。ここで終わりと思いきや、愛澤が小刻みに加点し向かえた南3局。


 愛澤 堀川と560差、
 堀川からの直撃 オーラス 80リード
 ツモアガリ   オーラス 80ビハインド
 堀川以外から  オーラス 240ビハインド
 3番目は選択しないので地獄の単騎を掴んだ小川からは見逃し。事件は未遂に終わってこのまま。
(◎堀川/●小川)


◆◆◆ 27回戦A卓 ◆◆◆

〈西尾△3・愛澤3昇・田中4昇・亀井3昇〉



 首位から落ちた田中。振り変わる前はでもアガるがサンショクになったからには安めではあがらない。一度助かった亀井。この形からではしょうがないか。


 その後田中は加点。亀井はズルズル失点しこのままと思われたが。
 亀井4巡目テンパイ。ダブが頭だが最終形。ツモるか西尾から出ればラス抜け出来る大チャンス。オーラスに望みを繋げるアガリで愛澤にもチャンス到来。


 オーラス9巡目、亀井望外の孤立ドラを重ねてテンパイ。西尾トイツのを1枚外す。同巡愛澤が暗刻になり仕掛けられる手牌に。次巡愛澤の手出しを見て西尾は続けてを切らない。
(◎亀井/●西尾)


◆◆◆ 28回戦B卓 ◆◆◆

〈愛澤3昇・堀川0・成岡5昇・小川△2〉

 本日3連勝の成岡、


 出アガリ利かない3面チャンに受けても引き寄せるロン牌。手応え十分のアガリ。
 しかし小川が逆襲し微差でトップ目にたってオーラスへ。


 愛澤が腹をくくった。第4節最終戦首位の成岡とは2昇差。成岡ものトイツ落としで十分戦闘体勢に見える。最終節に望みを繋げる大きい大きいアガリ。
(◎愛澤/●堀川)

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※

 第4節が終了して遂に成岡が首位にたった。
 成岡は期首順位5位ながらも追ってくる人間は全て期首順位が下の者ばかり。成岡とすれば「並べば自分の勝ち」は気分的に相当楽だろう。
 飲み会の席で、
伊澤「最終節無茶苦茶面白くなったじゃないですかー、最終節もスリアロスタジオ使わせてもらいましょうよ!」この酔っぱらいの一言で話がトントン拍子に進み最終節最終日のスリアロ放送が決定しました。
 またタイミングよく裏(?)の方で大きなタイトル戦をやっている関係で12月の日曜日なのにぽっかり空いていたそうな。本当に奇跡としか言いようがないことが起きてしまった。

第38期順位戦A級 第4節 星取表 (10月28・29日/東京)※初日は、スリアロチャンネルにて生配信

選手名
開始前
21回戦
22回戦
23回戦
24回戦
25回戦
26回戦
27回戦
28回戦
終了時
順位
西尾  剛
△2 B  A  B  A  A  A  A  A  △4 7
堀川 隆司
△1 A  B  B  B  A  A  B  B  △1 5
小川  隆
±0 B  B  A  A  B  A  B  B  △2 6
平井  淳
△3 A  A  A  B  A  B  B  A  △5 8
成岡 明彦
1昇 B  A  B  A  B  B  B  B  5昇 1
田中  実
1昇 A  B  B  B  B  B  A  A  5昇 2
亀井 敬史
4昇 A  A  A  A  B  B  A  A  3昇 4
愛澤 圭次
5昇 B  B  A  B  A  A  A  B  4昇 3