第35期八翔位戦 卓別リポート

  1次予選2次予選 | 準決勝 | 出場選手システム

2次予選:6戦制/各卓上位2名勝ち上がり

B卓:チートイツに嫌われたらトイトイ?
B卓
終了
愛澤 圭次 A級 ±0
小宮山 勤 B級 4昇
高島  努 B級 △2
古川 大樹 B級 △2

文:古川 大樹
 順位戦参加1年目の今年は生まれて初めてのマージャン体験の連続で、つらい思いも楽しい思いも味わってきたが、八翔位戦は数少ない楽しい思いの方にできた。出場2年目にして1次予選を通過でき、初の2次予選を戦えることになったのだ。
 2次予選B卓の対戦相手は、愛澤(A級)、小宮山(B級)、高島(B級)と、全員順位戦選手となった。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※

【1回戦(愛澤・高島・小宮山・古川)】
 オヤ・愛澤がドラ雀頭のツモ20オールで先制した後の東1局その2。配牌でチートイツリャンシャンテンからの選択がことごとく裏目を引いてテンパイすらとれず流局した。

 次局、やはりチートイツで手を進めていると、また選択がツモと噛み合わず、そうこうしているうちにオヤ・高島のイーペイコードラ2の78に飛び込んでしまった。
 2局続けてチートイツ失敗。チートイツはむしろ好きな手役であり、武器として有効と普段から思っていただけに、この立ち上がりは非常に重苦しく感じた。

 その後、小宮山が立て続けにアガって古川の1人沈みで南入(小宮山20→愛澤09→高島162→古川)。
 満貫直撃でもラス抜けできない状況の南2局、ソーズのホンイチが見える4トイツのテンパイが入る。これまでトイツ選択が全くダメなことが頭をよぎり、最初からメンツ手を目指してポンから仕掛けた。結果、もポンできて20・40を引きアガった。今日はトイトイならアガれる、ということか?
  
 南3局(小宮山20→愛澤29→高島42→古川)、今度はピンズの一色手が入る。
 
ここに愛澤のをポンして打のテンパイ。アガればラス抜け、ツモならトップまで見えたが、を引くことはできず流局。

 南4局は小宮山のタンピン20に捕まってあっさり終了した。
(◎小宮山/●古川)


【2回戦(小宮山1昇・高島0・古川△1・愛澤0)】
 すべて流局で迎えた東4局、をポンして自風のでツモアガリ。
 
 やはりトイトイならアガれるのか、この40・80でダントツに。痛いオヤカブリは愛澤。

 愛澤は南4局のオヤ番でリーチ、高めドラならタンヤオもついてトップまで見えてくる40オールだったが、最終ツモでの10オール。その2は小宮山がチートイツ16を古川からあっさりアガって終了。
(◎古川/●愛澤)


【3回戦(愛澤△1・古川0・小宮山1昇・高島0)】
 アガリの応酬が見られたのは2回戦まで、以後はアガリより流局が多い地味な展開が続く。すべて流局で迎えた南2局、オヤの私のポンに対して喰いタンでドラを勝負した愛澤が3・6。

 南3局、オヤカブリラス目で押す気十分でいたところ苦しいながらもチャンタのみをテンパイ。
 
 焦りもあってツモ切ったがオヤ・小宮山のタンピンドラ1に刺さって60(小宮山45→愛澤15→高島63→古川)。

 南3局その2、5巡目にサンショクのみ28のテンパイ。
 7巡目に愛澤からが打たれるが、ドラ引きの手変わりもあるしまだ早いと見逃したところ、愛澤がすぐにツモイーペイコーの5・10を引きアガる。28をアガっていれば愛澤まで22差、南4局のリーチもかけずに済んだところだった。
あえなく、流局。
(◎小宮山/●古川)


【4回戦(愛澤△1・小宮山2昇・高島0・古川△1)】
 東1局は、古川→愛澤18。東2局は、愛澤→古川12。

 東3局、小宮山からドラが打たれ、打でテンパイ気配が漂っていたところ、これまで放銃のなかった高島の打にロンの発声が。
 小宮山の28でトップ目とラス目が同時に入れ替わった。残り全て流局。高島はこの日唯一の放銃が痛恨の一打となり、小宮山以外3人が△1で並んで1日目が終了した。
(◎小宮山/●高島)



 チートイツがダメだとやれることが半減する。メンツ手とトイツ手の両輪が揃って初めて戦える態勢になるのに、その大事な片輪が機能していないと、普段あまり目指さないトイトイに頼ってしまう。こういうトイトイは不調の証なのだと思う。一方で小宮山はピンフもチートイツも羨ましいくらい軽快にアガっていく。4昇差がつくのも当然に思えた。
 2日目の開始前、小宮山の3昇というポジションから次回トップを目指すか?が話題になった。「4・△1・△1・△2」では6回戦目で決着しにくくなるので、積極的にトップ取りには行かないと小宮山本人は言っていたのだが、実際はどうだったか・・・

【5回戦(愛澤△1・古川△1・高島△1・小宮山3昇)】
 全て流局で迎えた東4局、オヤの小宮山からドラが打たれ、場が緊張した中で高島の打に小宮山からロンがかかった。
 高島はこの日唯一のこの放銃が痛恨の一打となり(2日連続)、痛いラス目に沈んでしまった。

 このまま小宮山が積極的には取りに行かないはずの4昇目を挙げるかと思われたが、南4局に愛澤から渾身の逆転打が飛び出した。
 
 ダブドラ1の13・26で小宮山をかわし、±0に戻し単独2位に浮上した。
(◎愛澤/●高島)


【6回戦(古川△1・小宮山3昇・高島△2・愛澤0)】
 小宮山は当確、あとは第2席を懸けた争いである。自身トップまたは愛澤ラスで延長、その両方なら勝ち上がり確定。私と高島にとって愛澤ラスは共通目標だが、その愛澤がラスオヤになった。
 ただでさえ難しい直撃などこの状況で望めるはずがない以上、小場で進めてオーラスオヤカブリ、という展開をイメージして最終戦に入っていった。

 東3局は、古川→小宮山12、東4局は、古川→小宮山16 と、希望通りの小場で局が進み、その後は南2局にラス目の私のリーチが空振りしただけで南4局を迎えた(小宮山28→愛澤・高島38→古川 供託10)。愛澤がオヤなので次の局はない。最終局で取った配牌は、この2日間ずっと苦しめられたテーマ「チートイツかメンツ手か」が問われるものだった。
 これはさすがにチートイツだろう。最後にチートイツを仕上げて2日間の苦しみから解放されよう。愛澤の河に並べられたは当然全てスルーした。しかし、相変わらずトイツ選択がままならない。イーシャンテンのままでいると、チートイツの決意を揺るがす牌が来てしまった。ドラのである。2枚目のが鳴ければそちらでも条件を満たすのだからと、チートイツには不要な3枚目のドラをキープしたとたんに高島が打。鳴いてメンツ手に決めた。チートイツは6戦通じて一度もテンパイすらできなかった。
 はすでに切ってしまっていたので鳴いた時点でイーシャンテン。そこに、ずっとツモ切りを繰り返していた小宮山からもポンできてハネ満のテンパイ。
  
結局最後もトイトイになってしまった。不調の象徴。そして引いてきたのが。漠然と危険を承知しながらもツモ切ると、案の定小宮山からロンの発声が。
(◎小宮山/●古川)

C卓:小川の追い上げ実らず
C卓
終了
小川  隆 A級 ±0
菊池 智江 B級 2昇
忍田 幸夫 推薦 2昇
小田 宏一 推薦 △3

文:本誌取材班
【1回戦】
 南4局(菊池11→忍田30→小川63→小田)ドラ、ここまで耐えてきた小川が事件を起こした。トップ目の南家の菊池のポンに対し、次巡にトップ狙いの小川がドラを1枚も持っていないくせに図々しく踏み込む。すでに手遅れで、声高らかにもれなく「ロン」。菊池の手の内にはしっかりとドラがコウツ。大撃沈の意気消沈。
(◎菊池/●小川)

【2回戦】
 東1局にオヤの菊池がツモドラ1のテンパネの14オール。東2局、小川のオヤ番で忍田がツモのみの3・6。以降、流局が続く。南3局、オヤの小田が最終手番でフリテンのピンフツモの8オール。小川の必死の仕掛けの直後のことであった。その2は流局で3着目とは03差のままのラスめで南4局、小川に役なしのテンパイがすんなりと入る。すぐにピンフ手に変わったところでツモアガり、連敗を免れた。
(◎菊池/●忍田)

【3回戦(小川△1・忍田△1・小田0昇・菊池2昇)】
 忍田の3回のアガリのみ(5・10、7・14、3・6)で、2回のオヤカブリをした小川がやっぱりラスめとなっている。

 南4局、(忍田65→菊池03→小田07→小川)、オヤの菊池が5巡めに「リーチ」を宣言。これで小川と同点となり、現状はラスなし。ラス脱出に向け、手を広げていた小川は安全ハイに窮していたため、それなりに真っ直ぐ進めていると、テンパイが組める展開に。
 巡目が早いので、ほぼ「ノーテンリーチ」の可能性が高い。しかし、実践心理としてはそうはいかないのである。「65差のトップめまで届かない」ことを言い訳にテンパイすることを断念。ツモ切りで打ち回して様子を見るも、逆転のテンパイを組めずに流局した(結果、ノーテンリーチでした)。
(◎忍田/●なし)

【4回戦(小川△1・忍田0昇・菊池2昇・小田0昇)】
 南1局に忍田が大物手を炸裂。6巡めにポンテンが入り、直ぐに小田が放銃。
 
 驚きのタンヤオサンショクドウコウドラ3のきっちりハネ満。

 南3局、(忍田130→菊池12→小川130→小田)、小田がドラのを打ってリーチ。
そこに対し、すでにテンパイをしていた小川がそのドラをポン。
  
として雀頭を振り替える。すべて行くつもりであろう。ションパイのを引かされて泣きながらツモ切る。2人でヤマを掘り起こすもどちらもアガれず、流局。もしものタンキに受ければ、ツモアガっていたようだ。

 南4局は、小川がドラ入りチートイツのテンパイを逃している間に忍田がチートイツをツモアガった。
(◎忍田/●小田)

【5回戦(忍田1昇・菊池2昇・小田△1・小川△1)】
 この5回戦で下位がトップを獲れないと、次の6回戦が非常に厳しくなる。下位2人の理想は、自身のトップで忍田のラス。その忍田を南3局までは封じ込めていた。

 南4局、(小川32→菊池02→小田20→忍田)ドラ、ラスオヤの小川が下家の忍田の前で仕掛けるが、忍田から容赦のないリーチが飛んでくる。28以上は打てない小川はうろたえる。小田は勝負に行く。あっさりと忍田がツモアガる。ドラが1枚でもあれば、6回戦を戦わずして終了となる。手が開けられ、点数申告がなされる。5・10のラス抜けまで。
(◎小川/●小田)

【6回戦(忍田1昇・小田△2・菊池2昇・小川0昇)】
 東1局、早々に小川がピンフのみのテンパイをするが、これがアガれない。長引くほど、じわじわと危険が忍び寄ってくるものである。予想した通り、終盤になってオヤの忍田がタンヤオドラ1の20オールを力強くツモアガる。下位陣はがっくり。

 東2局、小川が5・10。次局、13巡めになって小川がテンパイに辿り着き、リーチは不発に終わる。
 南1局、小田が痛恨の放銃。オヤの忍田に決め手となりえるドラ入りチートイツの96を献上する。これで忍田をラスにしての延長は望めない。必死にトップを目指す小川は南2局、ピンフドラ1のリーチを敢行。タンヤオになる高目を即ツモアガり、20・40と迫る。南3局、忍田が小川からピンフの12。

 南4局、(忍田95→小川103→菊池131→小田)、菊池と忍田は最初から受け模様。小川の要となるハイが打たれまくる。さらに河に1メンツを逃してしまう。アガリハイが残り少ない中、13巡めにテンパイしてリーチに踏み切る。
そしてリーチ後のツモに思わずうなだれる小川。河には5巡めにがあり、2メンツめを逃したことになる。これでは、流局とならざるをえないか。
(◎忍田/●小田)


D卓:アマチュアの誇り・・・
D卓
終了
菊池 一隆 前八翔位 1昇
猪俣 裕之 東京 2昇
佐藤 文彦 東京 ±0
中村ゆたか 推薦 △3

文:菊池 一隆
 Mリーグ発足で盛り上がる麻雀界。頭脳スポーツとは良く言ったもので「練習を1日休むと取り戻すのに3日かかる」てマージャンにもあてはまるよなぁを痛感する今日この頃。八翔位を獲った2年前は”心構えだけはプロ”と強がり自分を鼓舞していた(できていた)のだが、あの頃と比べても仕事の異動やら第3子の出産やらで練習の時間が激減、たまーに牌をさわりに行った時の”牌が手につかない感”に辟易して、さすがに自称プロの看板を下ろさざるを得ず、そんな中で迎えた対局となった。

 対戦相手は2次予選では珍しく順位戦選手がゼロ。とはいえ皆さん心からマージャンを愛して楽しんでいることがひしひしと伝わってくる方ばかりで、自分も1人の”アマチュア”としてその状況を楽しみ、今の自分にできることをしよう、と肩の力を抜いて対局に臨んだ(以下敬称略)。


【1回戦】
 東1局のオヤ番でいきなり勝負手。
 下家(中村)の役牌仕掛けにもひるまず勝負、が数巡後裏目のをひき少考。自分からが全部見えている変な場で対面(佐藤)も微妙に押してきている。泣く泣く打(場に4枚目)。下家(中村)がすぐにツモギリ(そーですよねぇは山にいますよねぇ、はぁ)。まぁきったらはきらないのかも知れないけど。でも後で聞いたらは対面(佐藤)のシャンポン80にズドンだったみたいでやっぱ我慢って大切だよねー、は後から。その場はフラストレーションのたまる流局。その後も珍しく何回もテンパるけどアガれないばかりか放銃してラス目に落ちるやばいやつ。”アマチュア”ならではの加カンを忘れるというA級ミスも炸裂し、もうそれだけで十分すぎる敗因だわ、と初戦にして嫌気がさしたが、ただのラッキーでラスは回避。


【2回戦 佐藤1昇・猪俣0・菊池0・中村△1】
 加カンを忘れたのが気持ち悪くて仕方ない。流れがあるかどうかは知らんけど、するべきことをせずに牌の居場所を変えてしまっている責任が重くのしかかる。そりゃ毎度洗牌はするけど、ちゃんと加カンしてれば次局の牌の並びは違うわけで・・・それからずっと違うわけじゃん。それが流れってもんでしょ、はぁ気持ち悪い。でも”アマチュア”だから自分を許すことにするかぁ。そんなことをずっと考えながら、ラス目に落ちた後のフリテンリーチをつもってラッキーなだけのトップ。


【3回戦 菊池1昇・佐藤0・猪俣0・中村△1】
 また自然とラス目に落ちて、一気にラス抜けをしようとして16を見逃したら結果猪俣に20を放銃。これは正直反省した。じわっと詰めるのも重要だよなぁ。まぁ”アマチュア”だから仕方ないか。


【4回戦(猪俣1・菊池0・佐藤0・中村△1】
 猪俣劇場で2連勝。強い。

 スコアが「猪俣2昇・菊池0・佐藤0・中村△2」で初日終了。同日最高位戦クラシックの準決勝があり、アマチュア仲間の田中哲也さんの応援に。結果は惜しくも次点で決勝を逃したのだが、同志がピュアに真摯に闘う姿を観て、忘れていた何か、あるいは自分の中で錆びついてしまった何かが蘇るような、そんな気持ちになった。


【5回戦 猪俣2・菊池0・佐藤0・中村△2】
一夜明けて、自分でも驚くほどいい意味で脱力していた。死のシフトがちらつくスコアだけど、いつものラスをひかない打ち方で自然に打とう、そう思って臨んだ。展開は最悪で佐藤があがり倒したのだが、それでも焦りはなかった。オヤ番での30テンパイも佐藤のロン牌でやめ、それでもラス牌をツモられてオヤカブリしたのだが、少しだけ牌と一体になってきている自分が嬉しかった。そんな中での見逃しその2をご紹介。

 南2局(親から 佐藤412 猪俣 257 中村 259 菊池 272)
 佐藤のトップはしょうがないとして、できればこのまま猪俣ラスがいいよなぁと思いながら12のリャンメンマチテンパイ。これを上家の中村から見逃し。うーん、どうですかね。やりすぎかなぁ、、という思いも束の間、次巡猪俣がダブツモの10・20!いやぁまいった。そりゃー、気配はあったけどラス目だから速度が分かりづらいのよねぇ・・・。私が見逃すと猪俣があがる仕組みの様です、ぐすん。こうなると2人して私をラスに落とそうとするから大変だ、、と思っていたらなんとなんと、オーラスに猪俣がハネマンをツモって僥倖の猪俣トップ!マージャンの神様、これも私の見逃しからの流れと解釈してよろしゅうございますでしょうか・・・?


【6回戦 猪俣3・菊池0・佐藤0・中村△3】
 それまでの牌勢が嘘のように東場から私があがり倒して勝ちあがり。強いて言うなら佐藤がマンガンをツモって追い上げムードの東3局またしても佐藤の4巡目先制リーチに立ち向かって自分も仕掛け返し、中村にダブも鳴かせ、結果佐藤→中村60にできたことくらいかなぁ、まぁラッキーでした。


 さすがにもうあの頃のように自称プロを名乗ることはできないけど、それでもアマチュアの模範となれるように、アマチュアの誇りをもって、アマチュアを(なるべく)言い訳にせず、準決勝でも今の自分にできることをやろうと思う。強い人がたくさん残っているので楽しみだ。


1次予選:4戦制/各卓上位2名勝ち上がり


A卓:3年ぶりに対戦した結末は…
A卓
終了
堀川 隆司 B級 2昇
中村ゆたか 推薦 ±0
木村 由佳 東京 △1
関根 秀介 東京 △1

文:関根 秀介
 八翔位戦の組み合わせが決まった時、真先に思ったことは1回戦で堀川さんとは当たりたくなかった ということ。
 3年前に決勝で堀川さんと過去最長の21回を戦ったことがあり堀川さんだけには勝てないと思っていた。そして麻将連合女流ツアー選手である中村さん・一般の木村さんとみんなよく知っているメンバーで始まりました。

 【1回戦】
 東1局その1、初めからミスってしまった。堀川とはなるべく争わないつもりだったが手の内にドラが2つあり、思っていることとは逆で前にでてしまった。親の堀川に60をホウジュウ、最悪の立ち上がりである。
 その後、堀川・木村がアガって東場終了後には、堀川+10.1・木村+0.4・中村△2.6・関根△7.9。
 南場に入ってもさえない、南3局終了時点で、関根△10.4となっていた。
 南4局その1、ハネ満ツモでトップの中村がチートイツドラ2でリーチ。すぐに関根がドラ切りリーチをかけ、ピンフ手をツモアガり、14オール(堀川+9.4・木村+1.8・中村△6.0・関根△5.2)。
 南4局その2、関根にドラのをアンコにしてのリャンメンテンパイ。これに木村が放銃し120。土壇場でラス回避でき、トップまで見えてきた。堀川+9.4・木村△10.2・中村△6.0・関根+6.8)。
 南4局その3、関根が再びドラ3のテンパイ(メンゼンのタンヤオ)。トップになれるかもと意気込んだがアガれず終局。
(◎堀川/●木村)


【2回戦】
 最悪のミスがでた。トップめで迎えた南4局、ラスめの北家・中村がをポン。オヤ・木村はをポンしてがアンコのマチ。これにトップめ関根が捕まり24。これでトップを逃してしまう最大のミスである。がっくり、意気消沈である。
(◎木村/●中村)


【3回戦】
 3回戦はドラ1高めサンショクの手をテンパイするも堀川に28をホウジュウ、これが致命傷となった。
(◎堀川/●関根)


【4回戦】
 最終4回戦木村に走らせないような打ち方を頭にいれてスタート。
 東1局早々にチョーマが動く。木村が中村に40ホウジュウ。まずは木村をラスにするという方向で動き出した。

 南2局(木村△4.7・堀川△1.4・関根△0.7・中村+6.8)、ラス目関根がタンヤオドラ1でリーチするも流局。これがアガれなかったのが痛かった。

 南3局、中村がほぼトップを確定させるアガリ(80←木村)、私にとって最悪のアガリである(木村△12.7・堀川+3.4・関根△6.5・中村+15.8)

 南4局 私がトップを取るより木村を押し上げた方が可能性があると思い木村のリーチを待ったが声がかからなかった。
(◎中村/●木村)


 終わってみれば堀川の強さと競り合った時の中村の強さを改めて実感した。まだまだ安定した戦い方が出来てないことを痛感した。来年までの1年間、またマージャン101で練習して戦えるように頑張ります。

C卓:延長を許さず、勝ち上がり
C卓
終了
山田 史佳 A級 △1
忍田 幸夫 推薦 1昇
石川 由人 東京 △1
星賀 一彦 東京 1昇

文:星賀 一彦
 久々の参加となる八翔位戦、初参加の年こそ恵まれて準決勝まで進むことができたがその後は良くて2次予選どまり、今年は何とか八翔位戦特有のしびれる闘いをできるだけ長く味わいたいと思いながら1次予選対局通知を心待ちにしていた。届いた通知には、今年A級に復帰した山田選手、イン東京の強豪石川選手、そして言わずと知れた麻将連合認定プロ忍田選手。山田選手、石川選手とは過去に八翔位戦を含めいく度も対戦している。もちろん苦杯をなめる時が多いのだが。忍田選手と八翔位戦で当たるのは初めて。ここで戦えるのはとても楽しみだ。
 前週に久々に平井研究会(平井順位戦選手主催の研究会・通称ガハ研)に参加したが3戦3ラスと散々。今日対戦する山田選手との同卓だった。うーん嫌な予感。同じ相手にそう連敗はない、と都合よく考え今日を迎えた(以下敬称略)。


 1回戦、南3局を迎えて山田01→星賀04→忍田25→石川の僅差。山田・忍田が5・10、星賀6オールのツモアガリ1回ずつの放銃なしの小場の展開。このままの点差で南4局を迎えるとラスオヤの星賀は誰がツモアガってもラスの危険性大。タンヤオのみながら4メンチャンテンパイの誘惑に負け、ツモ切りで、1役仕掛けている石川に20の放銃。石川と11差のラス目に落ち、南4局はポン、チーと悪あがきも山田のツモアガリにてジエンド。いきなり傷を負ってしまった。

【2回戦 忍田0・山田1昇・石川0・星賀△1(起家から、以下同)】
 連続のラスオヤである。東1局、チュンチャンパイだらけだがテンパイは遠い配牌。勢い濃い河になり下家の忍田に一つ仕掛けられた。どれを打っても危険だが、1シャンテン維持の打、これが石川につかまりタンピンの20。高めのイーペーコー、安めで助かったか。少し焦りながらも前向き思考。

 東2局、山田が20オール、8オールと畳みかける。東2局その3星賀リーチは流局。

 東3局(山田92→石川20→忍田30→星賀 供託10)、星賀5巡目に、
ここにを引き打から仕掛けても40と身構えるも何もでない。を引きテンパイ。ほどなくをツモって、20・40でラス抜け。

 東4局が流れて南入、ここまで放銃は石川←星賀の2回のみ。とにかく甘い牌がこぼれてこない。 ここも受けながら何とかにツモの3・6。河にあるが残っていればチャンタ手だったがここは山田との差が少しつまってOK。

 南2局終盤に忍田が自身の第1打にあるを引きアガリ、チートイツの8・16。前巡の打牌は一枚切れだったが、をおさえてのツモアガリ。忍田らしく耐えてこそのラス抜け。こういうところがいかにも忍田らしい。は星賀のキー牌だった。オヤ番の山田との差が09となりひとアガリ圏内に。

 南3局、星賀配牌に役牌トイツ2つ。2回ツモってチートイツの2シャンテン。石川から星賀に対子の手出し、テンパイか、好形の1シャンテンか。ここはポンせず、いやできず。次巡、が中残りの1シャンテンとなり石川の現物をそっと河へ、次巡を重ねてテンパイ。上家・石川に合わせる形で、打待ち。初牌だが、まだ7巡目でどこかからこぼれないかなと期待。2巡後山田から。僅差ながらトップ目へ。

 南4局(星賀23→山田51→忍田37→石川)、忍田が二役仕掛けてテンパイ間違いなし。が、二度の手出し、マチカエなのか?ラス目で前に出るしかない石川からドラ入りシュンツの52。ツモればトップの手。先ほどのラス抜けといいきっちり揃えてくる八翔位戦をよく知る忍田。感心している場合ではないが・・・。

【3回戦 星賀0・石川△1・山田1昇・忍田0】
 ラスオヤでないことにほっとしたのもつかのま、東2局に石川へ30。

 東3局、星賀マチでリーチ。忍田最終手番でカンをツモ、雀頭は。いやいや全く・・・。リーチ棒つきで、忍田がトップ目に。

 東4局、星賀タンヤオリーチ、の形に後スジとなったを山田からラス抜けの28。

 南2局、石川の早いテンパイに星賀が18。今日は石川によくふりこむなあ、4回目?いや5回目か。トップ目は石川へ。そしてラスまでたったの03。いつものことながらしびれる。しかしこれが八翔位戦の苦しく楽しいところ。

 南2局その2、1シャンテンから上家の忍田の打牌に合わせる感じでの雀頭を外してワンズのホンイチへ。をツモって13・26、ならイーペイコーが付いての80だったが見えているロンパイ残り2枚のところでのツモに贅沢など言えない。これでいわゆる7・14ルールならではの三者同点トップ目。

 南3局(星賀・石川・忍田68→山田)、アンコのトイトイ模様の配牌。ツモが効いてを忍田からポン。のシャンポンマチテンパイ。北家の山田が一つ仕掛けていては持たれている?他家からも期待薄。ソウズは場に安いがのスジはまだ見えず。石川からがこぼれた(感じ?)。52の申告に石川思わず「高っ」とポツリ。タンヤオのみに見えていたか。

 南4局(星賀52→忍田52→石川16→山田)、怖いオヤ・忍田のリーチ、ベタおり。無事流局。頭一つリードで4回戦へ。

【4回戦 星賀1昇・石川△1・山田0・忍田0】
 3回戦と同じ並び。(自分が勝ち上がる)決着条件は、ラスを引かずに山田・忍田のいずれかがトップ。

 東1局石川がカンチャンでチ―、テンパイ?これがドラアンコのマチ(観戦のA級小川選手メモより)。星賀、安パイを並べながら入れたのシャンポンをツモって10オール。

 東1局その2、忍田がポン、ドラのありかがわからずベタオリ、流局。

 東2局、星賀3・6、少しながらもリードをひろげて局を進めた。

 東3局、山田がドラとの雀頭入れ替えでドラそばのを並べる(小川メモ)。は場に安かったが、石川につかまり80(石川22→星賀55→忍田80→山田)。

 東4局、忍田が安目ツモながら26オールでトップ目に、その2は石川←忍田12。

 南1局(忍田03→石川34→星賀135→山田)、石川オタ風東ポンからのピンズホンイチ、アンコの28を忍田から、石川・忍田の競い合い。点数こそ高くはないが『この手はアガる』の気迫が両者から感じられる。忍田がトップなら決着だが、ここはラス目にならぬよう耐えることが一番。

 南2局(石川53→忍田09→星賀135→山田)、オヤ・石川が4巡目リーチ、山田から無筋、こちらも来ているのか?両者に通る牌はなく親を見ながら耐えて打つ。残り2巡で山田からで60。これが早くて高い手、(ドラ)の5メンマチ、安めでも60高めなら120の大物手。小川メモに【抜いた、も抜ける】とある。差し込みだとすれば延長希望ということになるが、これはどうだろう。星賀ならここではやらない(と思う)。自身のオヤもまだあるし、忍田がラスオヤでもある。その2も石川ピンフツモの8オール。その3の石川ピンフドラ2を12巡目テンパイ(小川メモ)は流局。

 南3局に忍田白ドラ2の13・26。石川80→忍田74→星賀213→山田となり、忍田の親番。このままなら延長。忍田がまくれば決着。

 南4局9巡目、星賀は、
となる。次巡忍田リーチ。宣言牌は。ソウズが埋まれば山越しで石川から期待も、忍田から続けて。忍田に差し込むことは考えない。1昇を持っての延長ならいきなり敗退はないので、忍田ツモれ、と願い撤退。山田がスーアンコのイーシャンテン。
 
ハイテイで忍田、とドラのシャンポンにのツモアガリ。ラスハイを引き当て40オール。忍田が石川を80リードして決着の並び。

 南4局その2、山田7巡目リーチ、99%石川の80出アガリアシストのノーテンリーチだが、星賀万一のハネ直はラスを引き受けるので石川に最大ケアも慎重に。石川は、
の80への手変わりを待つ(小川メモ)。
 忍田アンカン。ここから石川再構築、16巡目に、
を引いて打リーチも流局。忍田・星賀の勝ち上がりで決着した。

D卓:アヤ牌のを使いこなせ!
D卓
終了
菊池 智江 B級 ±0
奥田 直裕 東京 △1
堀井 統之 東京 △1
村田 光陽 東京 2昇

文:菊池 智江
 今年も依頼が来ました、自戦記の。
 敗戦記になるのではという予感もありますが。
 なんたって先週のマージャン101では0−3という大敗で、トップが取れる気がしない、いやラスしか引かないのではという嫌な予感。(以下敬称略)。


【1回戦 堀井0・奥田0・菊池0・村田0】
 東1局にまずは奥田がメンホンドラ1の52を堀井から。
 ドラが二で、配牌トイツだった私はかなりの押しモードだったが、ツモがきかず、イーシャンテンのまま。

 東2局では村田から早いリーチが入り、降りの一手。

 東4局で私の悪いところが出た。をアンコにし、テンパイ打牌のに堀井からポンの声。次巡ツモ切ったに堀井からロンの声。ドラドラの40。いやいや、ラス目に押しちゃダメでしょ。自分の手は高め32もしくは13・26だったけど、様子見でも良かったのでは。

 南2局で村田の大物手が決まる。ポンテンのトイトイ。ツモって20・40。前局、私が放ったリーチ棒も回収されてしまう。

 南3局、を鳴き、ドラ1で頭のないイーシャンテン。のところにを持ってきてを切ると、村田からロン。マチ高めイーペーコーの20。これでラス抜けに68必要。ラス抜けが一気に厳しくなる。

 オーラスは早い巡目にピンフのテンパイが入るが、条件が足らず、見送り見送り・・・奥田からリーチが入り、ようやく13・26条件が出来たので、私もリーチ。メンタンピンツモか堀井からの直撃のみ(マチだが、しかアガれない形)。堀井にを勝負され、奥田がをつかみ、12を堀井に献上。今日はが私にとってのアヤ牌。を鳴かせて放チャン。を鳴いて放チャン。気をつけねば。
(◎村田/●菊池)

【2回戦 奥田0・村田1昇・堀井0・菊池△1】
 東1局、またも放チャンからスタート。
を持ってきて、今日のアヤ牌だなぁと思いながらを切ると、村田からロン。雀頭のチャンタサンショクの80。

 村田は次局トップ目からリーチをし、メンピンツモの14オール。安泰のトップ目。

 東4局、テンパイを入れ、ツモ切りを続けていると、堀井からロンの声。イッツーのみの28。今日はテンパイからの勝負に悉く負けるなぁ。

 南3局、村田に連勝させじと奥田がの形にをツモってタンヅモドラドラの20・40(ドラ)。これで奥田はトップまで46。ちなみに私のラス抜けは126。ため息。

 南4局、早々にダブを仕掛けた奥田からドラのが打ち出される。これをポンして、私は何シャンテンか?手バラ過ぎる。どうにかこうにかテンパイまでこぎ着けるが、からを打つと次巡ツモ。を打ち、フリテンに構え、何とかをツモり返した。40オールでようやくラス抜け。

 南4局その2は村田が2つ仕掛けて4・8。
(◎村田/●堀井)

【3回戦 村田2昇・堀井△1・奥田0・菊池△1】
 東1局、東2局と流局し、東3局では村田が3・6。東4局でも村田が5・10。静かめの展開だが、オヤカブリの分、私はまたもラス目。このままだと村田4連勝?というかの勢い。
そして私は毎回ラス争い。

 南2局で堀井が動いた。早めのポンでツモ。役々の14オール。村田をかわす。

 南3局、後がない私は5メンチャンリーチ。
 マチはの形で、をツモれば瞬間トップ目に立てる。しかし、堀井が一発目に長考の末、をツモ切り。28。一応ラス抜けだけど、ラスとは26の3着目でオーラスでオヤということを考えると寒い。

 南4局は堀井がピンフツモイーペーコーの7・14をツモりトップを再逆転した。
(◎堀井/●奥田)

【4回戦 奥田△1・菊池△1・村田2昇・堀井0】
 この1戦で決着するのは自身のトップ&堀井のラス(自分が通過するためにはね)。

 東2局、オヤでこの配牌、
 真っ直ぐに打ち進み、ポン、をくっつけてリャンメンリャンメンのイーシャンテン。をチーしてマチのテンパイ。ツモるか堀井からしか当たらない。これが堀井からが出て120。並びが出来た。

 しかし、超絶出来のいい村田が10・20。40オールとアガり、あっさりとトップ目は村田。
100差なので、まだ満ツモ条件。

 東3局その2で、堀井がラス目なら自分もトップで通過が決まる奥田がリーチ。これに村田が刺さり、リーチドラ1の52。

 南1局でも奥田が20オールをツモり、トップ戦線は混戦状態。

 南1局その2では、村田が堀井から12をアガり、奥田+6.2、菊池+4.0、村田+11.2となる。どちらが村田を躱せるかの勝負。

 南3局、ようやく手が入った。
 をアンコにしてリーチ。当然村田からの直撃かツモのみ。一発でを引き当て20・40。これで奥田とは78差。村田とは48差だが、村田が躱しにくることはないので、オヤの堀井と奥田のみをケア。南4局は無事流局し、ぶら下がりの通過が決まった。
(◎菊池/●堀井)

 毎回毎回点棒を支払うところからスタートし、ラス争いをしていたので、通過できたのは僥倖。 八翔位戦ではテンパイから降りるのが順位戦より少なく、引き負けての放チャンが多く、途中絶望的な気持ちになっていたのも確か。それでもここぞというときに手が入ってくれたのはまだ救われた。
 0昇で通過できたということは、本当はツイてた?二次予選も頑張ります。

E卓:手牌75%の放銃リスクを耐え切った
E卓
終了
松井 秀成 B級 ±0
古川 大樹 B級 1昇
桑原 俊之 東京 △2
櫻井 一幸 仙台 1昇

文:松井 秀成
 晴天の朝で迎えた6月2日、第35期八翔位戦一次予選。私(松井秀成)は、秋葉原から普段のルートで対局室へ向かった。コンビニに寄り「いざ決戦」と曲がり角を左折すると工事中のため行き止まり…。しょうがないので来た道を逆戻りになる破目に。いつもとは違うルートになり不穏な予感がしてしまう対局前であった(以下敬称略)。

 1〜4回戦まで、綺麗にラスを引いた者が次戦に櫻井からトップをもぎ取る形で全員0に。各者、意地をみせて簡単に決着できない八翔位戦を感じさせ延長戦になる。ここまでの櫻井の心境はいかに、穏やかでないことはたしかだろう。

 5回戦、東2局に101で見ない展開になる。オヤ・櫻井から原点リーチ。原点からのリーチは敗着になる恐れもあり踏み切れないが。八翔位戦で決着を見据えた局面では、強者の選択なるのだろうか。また、ここまでの展開(1〜4回戦まで)からのジレンマなのか。結果は、流局しラス目になってしまった。
 まず先制は、古川のツモアガリ。8・16にリーチ棒も入りトップ目へ。 ここから私と桑原の放銃でラスがコロコロと変わってきて南4局になる。並びは、古川66→櫻井22→松井14→桑原である。私は20を、櫻井は40を放銃できない状況である。ここに、古川が役牌を2つポンをする。これを見た私と櫻井は、二人とも完全撤退となる。ここに後がなくなった桑原が20を放銃して終局となった。初めて、櫻井でない者が1昇を持ちとなった。決着の予感をしながら、私は櫻井との競りを強く意識した。
(◎古川/●桑原)

 6回戦、櫻井がジャブ的な2つのパンチから入る。5・10と12(←松井)。ラス目になった私も、リーチピンフツモドラ1でトップ目に立つことができた。

 南場に入った並びが、松井16→櫻井42→古川08→桑原である。ここから古川も2つのジャブを繰り出す。チートイツ24を桑原から。ピンフ18を櫻井からと私から見て非常いい具合にゲームが進むかと思ったが…。

 南1局その3。櫻井のチンイチのアガリ20・40で戦況が一変してしまった。櫻井がトップに躍り出る。次局の中盤に、古川からドラが放たれテンパイ気配。意気揚々と歩いてきて曲がったら行き止まりな予感。ここで一旦、しょうがないから戻れば良かったんだが。そのまま突き進み、イッツードラ1の52を放銃してしまった。危ないから行き止まりなんだよね。フツーに考えればわかるのに。そのフツーがわからなくなったしまったのかな。

 南3局(ドラ)に櫻井に最大のピンチ。私と桑原にとって最後のチャンスがやってくる。櫻井と古川がフーロを重ねてスピードを加速していく中、私のリーチと、
桑原の国士無双で、
応戦する。そこに受けた櫻井の牌姿が、
  
 手牌の7枚中6枚がロン牌の超ピンチ。放銃を避けたくても、最大4種類しかない(75%がロン牌)。周りで観戦している人は、櫻井の放銃を予想しただろう。結果、何とか1枚を入れ替えながら凌ぎきった。

 南4局は、あっさりと古川のアガリで古川と櫻井の勝ち上がりとなった。対局後、周りの観戦者から南3局の櫻井に「あれドラもってきたらどうするの」と冗談まじりな質問が。櫻井も笑いながら「そうなったら安い方と考えてを選択するかな」。私なら、このときだけは指運で延長でとなるを選びたい気持ちになってしまった。
(◎櫻井/●桑原)

   今回、順位戦1年生として初めて迎える八翔位戦であった。これから選手として強さを求めていくことは当然として。やはり、対局への姿勢やマナーなど十分に大切にしていきたい。
 101の公式戦は、当然ながら手積みでの対局。色々なことに気を配らないといけない。マージャン牌を混ぜる際の東家・西家の役割。南家と北家の役割。井桁の組む方法やサイコロの扱い。全てに気を付けて努めないといけない。
 また、八翔位戦はプロアマ混合の対局である。このような作法などは、勝った負けただけではない違った面白さだろう。まだ体験していない方は、ぜひ一度挑戦して欲しい。私の八翔位戦は、今回ココで終わったが。これから、見本なれる選手になれるように精進しよう。

F卓:私は鳴きません!
F卓
終了
平井  淳 B級 △2
五十嵐 毅 新潟 3昇
猪俣 裕之 東京 1昇
平山 友厚 東京 △2

文:平井 淳
 八翔位戦1次予選1回戦東1局南家8巡目(ドラ)、
 オヤの手出し。これが鳴けるだろうか?もちろん安川は鳴くであろう。彼はそうやって戦ってきたのだから。私は、まず鳴くことは無い。
 2巡後オヤはをツモ切りした。もちろん鳴かない。10巡目には手牌はこうなった。
 同巡1打目からチュウチャンパイを手出ししていた西家・五十嵐が意を決してドラの手出し。その五十嵐の河にはがある。15巡目を引いてダウン。五十嵐がを引き寄せる。80・160である。
 今年の予選を振り返るとほぼこの局に尽きるような気がする。なんたって半荘4回でアガったのは2回。この半荘の南3局の12と3回戦南3局オヤ番ラス目(猪俣75→平山72→五十嵐17→平井)での18(猪俣)である。これも次局五十嵐の上家・猪俣が五十嵐にタンヤオサンショクを鳴かせて、差し込みそれまでである。
 結局今年の八翔位戦予選を振り返ると1回戦東1局8巡目に尽きるような気がする。ということで勝ち目はなかったと。
 まァ恥ずべくホウジュウもありましたが。


 2回戦東1局15巡目オヤ番。五十嵐が前々巡長考を入れ平山に少し危ないを手出しし、次巡もを手出しした。既に平井・猪俣はオリている。1枚目のはケアーしたのだが、2枚目を見てアンゼンパイに窮していると思い込み平山の現物ののトイツに手を掛け一心地ついてしまった。で次の手出しを見落としてしまった。この時五十嵐はドラを重ねてピンフ高めサンショクのテンパイ。安めで40である。

 あとは蛇足を少々。
 アガリにかけては日本でも十指に入ると豪語するあの平山もアガリは4回。国士無双のオヤカブリの1回戦では五十嵐30←平井(言い訳すれば4巡目の交通事故のようなもの)の後、ラス抜けを目指して高めでイッキツウカンのピンフドラなしをリーチする。この時の私の手牌は、
私は無筋のをイッパツでツモ切るがその後は現物・筋を頼りに、最終形は、
 平山もツイていない。


 3回戦南1局(ドラ)、この半荘は平山が、東1局から3・6(オヤ・五十嵐)、12(←五十嵐)、20(←五十嵐)と好スタートを切る(それにしては安いが)。
 1段目でオヤ・五十嵐が少考を入れをトイツ落としとした。その10巡目オヤ・平山の切、猪俣の河のにイーシャンテンのままをツモ切ると猪俣の567のサンショクドラ1に御用。
 平山もついていない。


 ちなみに平山の後1回のアガリは2回戦五十嵐ダントツ、平井ダンラスのオーラスに猪俣から4巡目にアガったピンフドラ2。

 と、いうわけで死のシフトで迎えた4回戦南4局。五十嵐55→猪俣(ラスオヤ)・平井03→平山なので延長条件は簡単(猪俣からの64以上の直撃、13・26のツモ)で平山にホンイチイーペイコウのテンパイが入るが、流局でした。
 平山もついてない。


H卓:河に並べたスーアンコの種
H卓
終了
藤森 弘希 A級 △2
板川 和俊 B級 ±0
小田 宏一 推薦 1昇
山舗  徹 大阪 1昇

文:藤森 弘希
 昨年に引き続き今期も八翔位戦1次予選は大阪での対局となった。
 対戦相手は板川和俊選手、小田宏一さん、山舗徹さんの3名で、私にとってはみな初対戦である。対戦相手は異なるが昨年の大阪初遠征で敗退したリベンジを是非ともここで果たしたいものである(以下敬称略)。


【1回戦 山舗・小田・板川・藤森】
 板川が開局早々2フーロと相変わらず手数が多い。ここで簡単に引いてしまっては周りに「攻めたらすぐに引いてしまう」という印象を与えてしまうため、藤森も仕掛けて押し返す。が、ここに割り込んできたのが小田。こうなるとさすがに小田にそれなりの手が入っていると見るべきであろう。
 それに対し藤森は、板川には通りそうだが小田には通るか判断がつかない牌を引き、悩んだ末に勝負。開けられた小田の手にあった2枚のドラを見て納得。
 藤森もテンパイではあるが、打点も低くマチも特によいわけではないため、小田に高い手が入っていると感じた以上は普段は押さないのであるが、八翔位戦一次予選は短期決戦であるため、つい掛かり気味になってしまった。

 東3局に板川のリーチに押し返した山舗が80オールをツモってトップはほぼ確定。後は誰がラスになるであるが、開局小田に40の放銃をしてからずっとラス目の藤森は、板川のなんと8局中5局にも及ぶリーチ攻勢にうまく対応しきれずに結局ラスを抜けることができず。
(◎山舗/●藤森)


【2回戦 板川0・山舗1昇・藤森△1・小田0】
 東1局、藤森10・20ツモ、東3局、山舗4・8ツモで迎えた南2局、ラス目の板川からリーチ。ほどなくして開けられた手牌はリーチツモサンアンコドラ2のハネマン。点数もさることながら、板川のロン牌4枚のうち3枚を持っていたこともあって、リン牌でのこのアガリに心が折れそうになってしまった。
 しかし、気を取り直して迎えた親番(板川88→藤森62→山舗・小田)。11巡目に、
のテンパイが入る。板川と山舗がを捨てていることもあってダマテンとしたが、これは失敗であった。リーチしていれば安めのツモでも一旦トップ目に立つことができるし、の出アガリでもトップ目にかなり迫ることができる。
 結局終盤に小田からが出て渋々ロン。もし自分がトップを取れそうにないのならせめて1回戦トップの山舗をラスにすべきところを、小田をラス目に落とし且つ自身もトップまでまだ点差があるという何とも中途半端なアガリをしてしまった。

 南4局、マンガンツモでトップに立つ藤森は、
からをアンカン。リーチツモでマンガンになるため、ツモでサンショクは考えず打。その後引いたが場況的によく見えたので雀頭をに固定しカン引きねらいの打とするが、次巡を引いてテンパイを逃す。結局山舗がチートイツをアガって終了となった。
(◎板川/●小田)


【3回戦 藤森△1・山舗1昇・板川1昇・小田△1】
 プラス組のトップ、マイナス組のラスで終了すると、かの有名な「死のシフト」になってしまう。それだけはどうしても避けなければならない。

 南場のオヤで連荘をしてトップ目にあと少しとせまったその2(山舗06→藤森15→小田20→板川)、
から放銃を恐れて安全なを切ってしまう。まだ誰にもテンパイ気配は感じていないにもかかわらず、である。その後、とツモってアガリを逃す結果となってしまった。必要以上に死のシフトを恐れてしまってのことだが、もしラス目に落ちてラス抜けできそうになければ小田を押し上げればいいだけのことである。そうすれば4回戦開始時のスコアは「1・1・0・△2」となり、厳しいスコアであることは間違いないが、死のシフトよりはよっぽど戦いやすいはずである。しかしそういうことに全く頭が回っていない。

 南2局、小田が20・40をツモって大きなトップ目に。

 南3局の板川のリーチも流局し、これで死のシフトは回避できそうである。

 南4局、13・26でトップの藤森。ここは3着目の山舗を楽にさせないためにも攻めているところを見せたいが、あまりにもアガリに遠そうな配牌の上、打点も満たしそうにないため小田と一緒に配牌オリを決め、無事流局。
(◎小田/●板川)


【4回戦 藤森△1・山舗1昇・板川0・小田0】
 藤森だけが唯一決着権を持っていないが、このスコアであれば特に条件を気にせずトップを取りに行くことができる。しかし東2局、オヤの山舗に早い60を放銃して早くも黄色信号が点灯。

 その後、東2局その2のドラ3の手、東3局のホンイチチートイツ、東4局のピンフドラ2リーチの3局連続でチャンス手が入るものの、ことごとくアガれず。山舗と小田が交互にアガって決着に向け着々と局が進んでいく。

 南3局、板川の最後のオヤも流れ、迎えた南4局。チョーマの並びは山舗17→小田168→板川85→藤森であり、延長の並びである。藤森も板川もこの並びのまま終了させようとするが、ここは山舗がきっちり小田に差し込んで小田をトップ目に押し上げた。小田43→山舗155→板川85→藤森。

 南4局その2、延長させるためには小田をトップ目から降ろさなければならない。52以上直撃が必要となるが、配牌は以下の通り。
 2巡目にをツモってサンアンコの完成。が1枚場に出ているため、もう1枚出たらポンしてサンアンコトイトイのタンキマチで小田からの直撃を狙う予定だが、一番の狙いはもちろんスーアンコ。4巡目、前巡に切られたに未練を感じながらも単に枚数が1枚減ったためを切ったところなんと次のツモは。それだけならまだしも8巡目のツモもとあってはさすがに愕然としてしまった。それでも何とかツモリスーアンコのテンパイを入れ、毎巡祈りながらヤマに手を伸ばすもののツモることができず。板川も高め80のテンパイを入れていたそうだが、小田から出るのは安めの方ばかりでアタることができず。小田と山舗の勝ち上がりが決まった。
(◎小田/●藤森)


 このように最後にチャンス手をもらったにもかかわらず、残念なことにそれを活かすことができませんでした。もちろんヤクマンなんてものはそうそう都合よく入るものではなく、一番反省すべき点はこのような状況(役満が必要でそれをアガっても延長)を作ってしまった1回戦から4回戦までの過程であることは重々承知していますが、その上さらに与えられた奇跡的なチャンスまでも逃してしまい本当に情けない限りです。来年こそは勝ち上がれるよう今から精進していきたいと思います。

I卓:「師」に囲まれて…
I卓
終了
山内 啓介 B級 1昇
高島  努 B級 1昇
田村  洸 大阪 △2
涌田  悟 大阪 ±0

文:高島 努
 今期の八翔位戦1次予選の対局組み合わせを見て、驚きを隠さずにはいられなかった。そのわけは、言うまでもなく私が公私ともにお世話になっている山内選手と涌田選手と同卓することとなったからである。私に101競技を知るきっかけを与えて下さった山内選手とはもう10年以上お世話になっている。101の面白さや厳しさを数多く教えて下さったおかげで、8年めの現役選手を続けることができている。また、推薦人となって下さった涌田選手には、今でもマージャン101イン大阪での同卓させて頂いた際には様々なことを伝授してくださっている(無論ダメ出しの方ですが・・・)。現名翔位ならばともかく、私の推薦人となって頂いた時には、かなりの精神的負担になってしまったのではないかと今でも感じている。
 また、田村選手は、麻将連合での活躍に加え、八翔位決定戦で戦ったキャリアもあり、こちらも強敵である。旧所属団体から麻将連合のツアー試験に合格した際には、「おめでとうございます!」と称賛したことを覚えている(筆記試験がキツイと聞いていたので…)。とにかく「手数が多い」「打点が高い」のが特徴であり、手ごわい相手である。
 「師」を2人目の前にしての対局に、対局1週間前から「緊張感」(これは新人の時以来ずっとですが、今回はそれに輪をかけて…)が止まらずにはいられなかった。恩を仇で返さないよう、「4人で作るゲームを壊さない」「各々のテーマに呼応しながら、自分のすべき選択を行う」ことを再確認しながら、対局に臨んだ。こんな素晴らしい対局組み合わせでできることに感謝し、是が非でも勝ち上がりたい気持ちを強めながら…(以下敬称略)。


【1回戦 涌田・山内・田村・高島(起家から、以下同)】
 東1局(ドラ)、山内が以下の手牌で長考を入れる。
 ここでを選ぶと、と引いて大きな先制点。

 ところが、東3局に田村が、その1で18(←涌田)、その2で14オール、その3でも14オールとあっという間にひっくり返す。この4人の中で最も手数が多いと私が考えていた田村の本領といったところか。中でもその3は、田村らしいアガリと感じさせられた。
  
 一方の私といえば、1回戦で両名を捲ってトップをとるのは、厳しいと感じていた。ラス目涌田との点差は38あるとはいえ、十分すぎるほど涌田の恐ろしさは知っている。まずは封じ込めで1回戦をバーで終えることを主たる目的と考えていた。

 迎えた東4局のオヤ番。まずは苦しいカンチャンマチを引きアガり、6オール。次にのポンテンを入れての30を涌田から。その3は、涌田に3・6を引かれるも貯金を蓄えることができた。

 南1局の涌田のオヤ番。ここは、早く流しておきたいところ。涌田をマークしつつ普通に進めていると田村に16を放銃。これは、「通過料」として捉えておいた。

 すると、南2局に私がタンピンツモドラ1を引きアガることができた。そして、南3局で…
安い方は売り切れになっていた上での僥倖のツモアガリ。南4局には、田村の
が流局し、私のトップで終局することができた。以前、涌田に「1回戦をしっかりと打つことが大事」と教わった通り、大きなアドバンテージを得て、2回戦に臨むこととなった。


【2回戦 山内0・田村0・涌田△1・高島1昇】
 東場は、高島・涌田・田村にアガリが発生し、山内が1人沈み苦しい状況(涌田08→高島04→田村40→山内)。

 ところが、南1局にオヤ・山内が、普段なかなか見ることのできない怒涛の3フーロを成就。
   
 この26オールで一気にアタマまで突き抜ける。さらにその2でも、ラス目に落とされた田村から24を加点。

 これで、山内トップは決まり(1昇持ち2人のほうが当然3回戦が優位)と考えていたところであったが、「是が非でも阻止すべし!」だと言わんばかりに、涌田が、南1局その3で5・10をアガると、流局を挟んで迎えた南3局に涌田からのリーチがかかる。
これをで引きアガり、トップ目に躍り出る。

 あとは、高島・田村のラスの押し付け合いであったが、南3局その2では、ピンフテンパイの高島が切ったを田村がポンして押し返しての一騎打ちを私が制し、そのままの並びで終局。辛くも逃げ切ることができた。


【3回戦 山内0・高島1昇・涌田0・田村△1】
 東1局(ドラ)、8巡目に私が切ったに山内からのロンの声。
 くっつきを待っていたの処理ができずに放銃する結果となった。さらに、東4局にも私が田村にも24(チートイツ)を放銃。こちらも間に合わずの結末に、傷口を広げてしまう。

 それよりも、この3回戦最も熱かったのは東4局その2。田村がリーチをかける。
 これにチーテンを入れた山内が応戦。
 
 軍配は山内に上がった。田村がを掴んで供託を入れての大きな収入を得たのだ。一方のラス目の私であったが、南2局にリャンメンマチのリーチをかけるもののアガれずで、南4局開始前には13・26条件であったが、手がまとまらず昇を手放す結果となった。一方の山内は、待望の1昇を取得でき、規定の4回戦をポールポジションで迎えることとなった。


【4回戦 涌田0・高島0・山内1昇・田村△1】
 東2局に、山内が気迫を込めてアガリを宣言する。
 このアガリで、オヤカブリした私が敗退の並びになったというよりは、山内のラスだけは絶対にないと確信した。ここでポカをしない(長時間にわたる延長に持ち込ませない。△1の田村とのトップラスだけは絶対に食らわない)のが山内の真骨頂なのは十分すぎるほど分かっている。トップ目にたつことよりも、最低限のバーを確保して涌田か高島にトップをとってもらうことが山内の最大命題であるのだから…。そんなわたしがやることは、最低でもラス抜けすることではあるが、前述の通りトップへの道を切り開くことであろう。「10ビハインド」ではない。これはまさしく「60ビハインド」なのだ。

 その後、ひたすら攻める私であったが、東3局のタンヤオドラ2(ドラ)のマチも全ツッパするが成就に至らない。そして、迎えた東4局。ピンズで染める涌田に対し、私は以下のテンパイ。
がくっつくイマイチな手牌ではあるが、それで涌田にギリギリまで立ち向かうが、
 
をツモられて、110差をつけられる結末に。

 私にとっては、勝ち上がりに黄色信号が灯る状況に、一方涌田にとっては、あとは山内と場を流しさえすればいいポジショニングである。
 「一の矢」だけでは、到底捲れないため、まずは希望が出るところまで点差を詰めていくしかない。そして迎えた南2局のオヤ番。ピンフテンパイが視野に入る手牌であったが、イーシャンテンのままツモ切りが続く。私が停滞している合間に、0に戻せば次戦勝ち上がりの芽がでてくる田村がリーチをかける。
 一方の私は、15巡めにマチのピンフドラ1のテンパイを入れるが、が河にたくさん置かれて勝負しても勝算が少ない現状に、全く通っていないを切るのは釣り合っていないと感じ、ソウズマチで蘇生しようと考え、のターツを落としで勝負を挑みギリギリまで粘ることを選択。すると17巡めにを引きついにテンパイ。
 無論勝負するわけだが、リーチをかけようかとは考えたのだが、「1巡しかないこと(次巡にロンパイに巡り合えず、田村に通っていないパイを引いたときにオリの選択権を得たほうがいい)」や、「(供託リーチ棒を加算すると)涌田と実質100差になったこと」など脳裏にでたのがあり、ヤミテンを選択してしまう。リーチをかけて最終手番で高めを引けば「104差+供託10」が縮まるため一躍トップ目に躍り出ることは十分分かってはいたのだが…。そして、最終手番にを引きアガり、点差詰めだけに留まった。後々の感想戦で、「あれは(土俵際にいるし、防御を考えるシーンでもないので)、リーチすべき」との指摘を頂きました。「保留」ではなく「勝負」するポイントであったと、反省。もし、この次に手が入らなかったら、明らかな敗着になるわけだから。

 続くその2は流局し、南3局へ。ここもまっすぐ進めるが、山内が涌田から18をアガり、さらに盤石になる。放銃した涌田もまだまだトップ目だが、私は命拾いである。
 南3局その2(涌田14→山内12→高島86→田村)。私にタンヤオドラ1を成就できるチャンスが訪れる。当然メンゼンでテンパイすれば、逆転トップめに躍り出る切符を手に入れるが、テンパイの種が消えそうになった場合のみポンテンを入れることもわずかながら考える。するとアンコになったおかげで、最高のマチのリャンメンマチのメンゼンテンパイ(出アガリ28・ツモアガリ10・20)が完成した。ツモアガリを念じていたところに、涌田からが出て、遂に逆転に成功すると、南4局も早アガリでき、決着した。


 久々の八翔位戦2次予選になるが、今回も細かな反省点も満載であった。「喜ぶ」のは当日だけにし、翌日以降は気を引き締めるように心がけ、課題点を少しずつ解決しながらまた成長できればと思います。


出場選手一覧

1次予選 2次予選 準決勝 決定戦
選手名 選手名 選手名 選手名
                  八翔位 坂井 準司
      前八翔位 菊池 一隆 菊池 一隆    
      名翔位 田中  実 田中  実    
      愛澤 圭次 愛澤 圭次 愛澤 圭次
      成岡 明彦          
      西尾  剛          
      小川  隆          
藤森 弘希                
山田 史佳                
堀川 隆司 堀川 隆司          
平井  淳                
小宮山 勤 小宮山 勤 小宮山 勤    
山内 啓介 山内 啓介          
大川戸 浩                
菊池 智江 菊池 智江 菊池 智江    
高島  努 高島  努          
板川 和俊                
松井 秀成                
古川 大樹 古川 大樹          
推薦 忍田 幸夫 忍田 幸夫 忍田 幸夫    
推薦 小田 宏一 小田 宏一          
推薦 中村ゆたか 中村ゆたか          
OP 櫻井 一幸 櫻井 一幸 櫻井 一幸    
OP 伊澤  興                
OP 石川 由人                
OP 猪俣 裕之 猪俣 裕之 猪俣 裕之    
OP 岩沢 和利 岩沢 和利 岩沢 和利    
OP 奥田 直裕                
OP 菊崎 善幸 菊崎 善幸          
OP 木村 由佳                
OP 桑原 俊之                
OP 佐藤 文彦 佐藤 文彦          
OP 関根 秀介                
OP 寺西謙多郎                
OP 平山 友厚                
OP 星賀 一彦 星賀 一彦 星賀 一彦    
OP 堀井 統之                
OP 牧野 卓人                
OP 村田 光陽 村田 光陽 村田 光陽 村田 光陽
OP 五十嵐 毅 五十嵐 毅 五十嵐 毅 五十嵐 毅
OP 田村  洸                
OP 山舗  徹 山舗  徹          
OP 涌田  悟                
【凡例】選手名左の記号は今期順位戦の所属クラス。
    八:八翔位・名:名翔位・前八:前八翔位
    推薦:麻将連合推薦枠出場・OP:オープン出場(支部内は五十音順)、アルファベットは卓番。

第35期八翔位戦 システム

【出場資格】
・麻将連合推薦、オープン参加選手及び連盟所属選手。
・オープン参加選手は、マージャン101各支部内より選抜。
【1次予選】
・各卓4戦(1日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・4回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【2次予選】
・2次予選シードの連盟所属選手及び1次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・規定回終了時のスコア上位2名を勝ち上がりとする。
・6回戦終了時に上位2名が確定しない場合は、これが確定するまで延長戦を実施する。
【準決勝】
・2次予選通過者により行う。
・各卓6戦(2日)を戦う。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が決定戦の出場資格を得る。
・6回戦終了時に単独で2昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、7回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。
【決定戦】
・八翔位及び準決勝通過者により行う。
・10戦(1日4戦)を戦う。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者を優勝とする。
・10回戦終了時に単独で3昇以上の首位者が発生しなかった場合は延長戦を実施し、11回戦以降はその回の開始時の首位者のスコア+1昇に単独で到達する者が発生するまで延長戦を実施する。
・「初めて、四者同スコアで決着権がある状態」となった場合は、その一戦の終了時の単独首位では決着としない。
  ただし「再度、四者同スコアの状態」となった場合は、同戦終了時の単独首位で決着とする。